2006年
ハンガリー
監督:クリスティナ・ゴダ
出演:イヴァーン・フェニェー/カタ・ドボー/シャーンドル・チャーニ/カーロイ・ゲステシ/イルディコー・バーンシャーギ/タマーショ・ヨルダーン
31Jun.'08 早稲田松竹にて
★★★★☆
美しい古都に戦車は似つかわしくない。
なのに、一瞬にして戦火となる街。
どんどん激しくなるスクリーンをみながら、
守るべきものは何だろうとぼんやり考えていた。
ハンガリー側の映画なので仕方がないのかもしれないが、
プロパガンダっぽさが拭えないのがどうにも気になった。
が、しかしこれは冷戦がゆえの悲劇である。
この映画を観なければ、
この悲惨で理不尽な史実を知ないまま、
遠い国で起きたぐらいのことでしかなかったかもしれない。
そういう意味では観てよかったと思う。
水球の選手でオリンピックをめざすカルチ。
自由を求めて体制に反して運動するヴィキに惹かれる。
どっちつかずのカルチの笑顔がへらへらしたものに見えるのは、
後先を考えない若者特有の行動のようでありながら、
その奥には抱えきれないジレンマがあっただろうと思う。
思いを馳せてメルボルンにいき、
水球がソ連より高い表彰台に立ったとしても、
ハンガリーに自由は戻ってはこなかった。
ヴィキの覚悟をきめた揺るがない佇まいが印象的だった。
(2008.6.05)
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