2010-11-07

少年

1969年
日本
監督:大島渚 脚本:田村孟
出演:渡辺文雄/小山明子/阿部哲夫/木下剛志

 06Oct.'10 新文芸座
★★★★☆

少年はつらい。
そして、限りなく孤独だ。
自分が望んだ放浪でないだけに、
結局親のいいなりになるしかない。
逃げ出しても、死のうとしても、上手くいかない。。。
縋る何かを求めていたように思える。
継母とはいえ、母親が買ってくれた黄色い帽子や時計に、
執着していたのは、やはりそういうことな気がする。

少年がすごく素朴な子で、いい。
一重の目が印象的だった。

事実にあった話だそう。
そんな当たり方でよく騙せるものだと思いながらも、
でも危ないなぁって、ひやひやしたり、、、

雪だるまの顔が赤い長靴って、あんまりかわいくない。
少年は少女への罪の意識で、自分のしていることに気づいて、
それに立ち向かって壊すわけで、
だからいいのか、、、かわいくなくて。
ここのシーンはさすがに胸が締め付けられた。

ただ、この雪だるまが日の丸だという解釈があって、
たぶん監督はそう見せるようにしたんだろうけど、
でも少年にとっては、国家や日の丸ということより、
この状況で生きていかなくてはならないしんどさの方が、
大きいように思える。
だからこのかわいくない雪だるまにしっくりこない。
確かに父親は戦争での疵を負っていて、
国家に対して一物があるのはわかるけど。

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