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2010-06-04

長江哀歌

2006年 
中国
監督・脚本:ジャ・ジャンクー 
撮影:ユー・リクウァィ
出演:チャオ・タオ、ハン・サンミン

13May.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

まさしく高度成長期の中国。
日本でのその時期、
子どもの頃にあった風景そのものだった。
なつかしさを噛み締めつつスクリーンを追っていた。

映像がダイナミックで、
長江は大きい河だとあらためて実感した。
10元札の長江が年々その姿を変えていく。
三峡ダム建設のために街が水没する。
景勝地が、禿げた山肌を見せ醜い建築現場となる。
大河はその感傷とはよそに、無情に変貌していく。
人もまた河が変わることで人生が移ろいでいく。
長江は生活に密着しているだけでなく、
精神的にも支柱になっているんだと、
つくづくかけがえのないものなんだというのがよくわかった。

美しい人が誰も出ていない。
そこらへんにいそうな、おじさんとおばさんの話。
どちらもそれぞれの妻子と夫を探しにやってくる。
そしてそれぞれの選択をして、
それぞれの人生を歩んでいく。
それだけ。

画像は荒いところがあるけど、映像はすごく好き。
穏やかな光とか落ち着いた色調とか、
妙な小細工を感じさせないまっすぐな感じがよかった。

英語題になっている『STILL LIFE』 烟(タバコ)、酒、
茶、糖(アメ)という物たちを象徴的に表現することで、
中国の背景が広がって見えたのもなかなか興味深かった。
(2008.5.22)

一瞬の夢

1997年 
中国・香港
監督・製作・脚本:ジャ・ジャンクー
出演:ワン・ホンワァイ/ハオ・ホンジャン/ズオ・バイタオ

13May.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

ホントに一瞬の夢だったのね。
ウーはどうにもチンケで、ぜんぜんかっこよくないし。
これがハリウッドだったら、じゃなくても日本の映画でも、
たぶんイケメンくんが主人公になるんだろうけど。
でもかっこわるいから、いいんだと思う。
自分の状況から脱却できないもどかしさや、
自分だけとり残された寂しさや、子どもじみた言動。
そんなのがどうにもかっこわるいんだもん。
正当化しないためにも、それでいいんだと思う。
それでも一瞬の夢だった一瞬の恋は、
ほろりと甘酸っぱくて、はにかんだかわいらしい恋で、
とても好ましかった。

中国をいろんな意味で覗くことができた。
背景にはいろんな問題があるんだろうけど、
ウーはこの恋で変われたんじゃないのかな。
いいきっかけになったと思う。
(2008.5.22)