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2010-11-18

17歳のカルテ

1999年
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー/アンジェリーナ・ジョリー/クレア・デュヴァル/ブリタニー・マーフィ/エリザベス・モス/ジャレッド・レト/ジェフリー・タンバー/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ウーピー・ゴルドバーグ/アンジェラ・ベティス/ジリアン・アルメナンテ/ブルース・アルトマン/メアリー・ケイ・プレイス

13Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

ウィノナ・ライダーの大きな目がますます見開いて、
頬がこけてるせいか(メイクなのかな?)、
より目力が強くなって、その度になんだかどぎまぎする。

お嬢さま御用達の精神病院のようで、
恵まれてるっていうか、きれいっていうか、
現実はこんなもんじゃないだろって思う。
けど、10代の女の子たちが病気と向き合いながら、
どう生きていくかを模索しているところは、
その清濁をそのまま正直に描いている。
そこはとても好感がもてた。

『ダウンタウン』は、いい歌だなぁ。
なんだかすごくココロに沁みた。
前後のストーリーとは別のところで、
この歌に泣けてきた。

アンジェリーナ・ジョリーのリサ役は、よかったと思う。

2010-06-23

トレインスポッティング

1996年 
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレンナー/ジョニー・リー・ミラー/ケウ゛ィン・マクキッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/ピーター・ミュラン

30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★★

久しぶりに観た。やっぱりかっこいい。
当時はとんがってるところばかりが衝撃的だったけど、
今回はずいぶん馴染んで観ることができた。
今回の方がこの映画の良さがわかったような気がする。

ドラッグって、こわい。マジでこわいよ。
ワイドショーで「やっちゃダメ」っていってるのより、
こっちの方がずっと説得力がある。すごく、伝わる。

ユアン・マクレガーはやっぱり、このレントンが一番いい。
荒削りのところが面白かった。
そして、何をかいわんや、
ロバート・カーライルの職人的キレっぷりが、たまらない。
どうしようもなく厄介なオヤジの役なんだけど、
映画的には彼がいることで妙に落ち着く。
奥行きができるというか、、、
若者の映画だけに、こういう人って必要だよなって思う。
(2009.11.8)

ニコ・イコン

1996年 
ドイツ
監督:スザンネ・オフテリンガー
出演:ニコ/ジャクソン・ブラウン/ジョン・ケイル/クリスチャン・アーロン・ブロング/ニコ・パパタキス/ポール・モリセイ/ビリー・ネイム/ビバ/ティナ・オーモン/アリ・ブロング/エディス・ブロング/ダニー・フィールズ/カルロス・ド・マルドナド/ジョナス・メカス/スターリング・モリソン/ルツ・ウルブリッシュ/アラン・ウィズヘルマ・ウォルフ/ジェームズ・ヤング

26Aug.'09 DVD
★★★★☆

あまりにも奇異な人生。
傷口にさらに塩をぬり込むような痛々しい人生。
あまりにエキセントリックで唖然としてしまった。
ここまで悉く自分のアイデンティティを否定するって、、、

本名がキライ。
ドイツ人がキライ。
美しいのがイヤ。
モデルがイヤ。

否定しかない。
ひとつひとつ壊していく人生。

モデルの頃のニコはホントにかわいい。
人々がうらやむものを何でももっていたのに、
あっさりと捨てる。
そしてなるべくしてヘロイン中毒になり、破滅へと彷徨う。
ヘロインのせいであの美しいニコは面影すらなくなり、
醜くなっていたが、ニコ自身はその醜い自分に満足だった。

ニコは自分の意志とは関係なく、
纏っていなくてはならない、
厭でもどうすることもできない、
本名や出身や美貌という鎧から抜け出したかった。
これを纏っていることが、彼女には地獄だった。
抜け出すためなら、クスリ漬けになっても、
精神病棟に行ったり来たりになっても、
彼女にとってはそれが自由だった。
ニコは純粋すぎたのだと思う。
 
ニコに関わりのある人物がそれぞれニコについて語る。
ニコの人間像とその人生が浮き彫りになっていく。
映像はアーティスティックで見応えがある。
ニコの独特な歌声が映画を通して聞ける。
ニコを知らなくても、ロック好き、ファッション好き、
ウォホール好きだったら、興味深く観られると思う。
 (2009.8.28)

パリ・ルーヴル美術館の秘密

1990年 
フランス
監督:ニコラ・フィリベール

23Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★★

美術館で働く人々をみる社会科見学である。

いつも不思議だったのだ。
こんな大きな作品をどうやって搬入するんだろうって。
その謎が一気に解決しちゃった。
もっと機械がやってるかと思いきや、ほとんどアナログ。
人の作業で全てが成り立ってる。
ただただ、美術館で働く人々を撮っているだけ。
なのに、めちゃくちゃアートになっている。
とにかく働く人々はかっこいいのだ。
圧巻。

「ルーヴルは大きな書物。何度も読み返して欲しい」
一度は行きたいなぁ。
(2008.4.28)

プリンス & プリンセス

1999年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

25May'09 DVD
★★★★★

背景の色といい、影絵の繊細さといい、
ため息がでちゃうほど、綺麗。

ホントに、北斎はフランス人に人気なんだなぁ。

ところどころに、古代エジプトの絵画とか北斎とか、
リアルなものをすごく効果的に、尚かつ自然に使ってる。
変に違和感を感じさせないところがすごいと思う。
(2009.5.27)

キリクと魔女

1998年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

02Jun.'09 DVD
★★★★★

つくづく色彩感覚が豊かだと思う。
鮮やかだけどきつくない。
優しい異国情緒ある色があふれてる。
それにアフリカ人たちの茶色の肌が単調じゃない。
そのコントラストがまた人々を、生き生きとさせている。

キリク、ホントにかわいい。
で、ちょーかっこいいんだけど。
ミッシェル・オスロの描く顔って、
すごく独特でエキゾチック。
とても、そそられる。

魔女が魔女のまま終わらない。
そこに誠実さを感じる。
単なる子ども向けアニメじゃない。
大人の男女こそ、観た方がいいと思う。
(2009.6.2)

2010-06-17

ファニーゲーム

1997年 
オーストリア
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:スザンネ・ローター/ウルリヒ・ミューエ/フランク・ギーリング/アルノ・フリッシュ/ステファン・クラブチンスキー

11Aug.'09 DVD
★★★★☆

ハネケの作品はなんとなく避けていた。
心して観ないとココロを壊されると思い込んでたから(笑)
実は『〜U.S.A.』の方を先に観てしまったので、
こちらはかなり客観的に観ることができた。
さすがに怖いのは怖かったけど、 思ったほどじゃなかった。

で、何がこんなに不快で不愉快なんだろう。
なんか神経に障る、癪に障る、癇に障るのだ。

若者たちは一見は悪者にはみえない。
どちらかといえば下手に出て、
にこにこしている印象。
そんな彼らに対して、
自分たちの方が上という心理がどこかに働く。
簡単に若者を家の中に入れてしまったのも、
若者が卵を落としてしまったのも、
ケイタイが流しに落ちてしまったのも、
実はアナのちょっとした心のスキだったり、
奢りだったり、が引き起こしていることだ。
不親切に思われたくないから親切を装うけど、
親身にはなれずに、
中途半端な態度から起こっていることだ。
日常生活で誰でもしてしまいがちなことだし、
ひとつひとつは小さなことで、
取り立ててとやかく思うほどのことでもない。
だけど、重なるとイライラにつながる。
アナは無意識にそれを若者のせいにしていたけど、
若者を外で待たせておいて、
卵は包んで、落とさないような状態にして渡して、
ケイタイは流しの淵に置かなければ、
起こってなかったことかもしれない。
若者に対してイラつきながら、
ちゃんとしてあげればよかったと思う部分も、
どこかにあったかもしれない。
いい加減なことをしてしまってせいで、
新たなイライラを生んでしまった。
観客はアナのスキに気がついて、
「ほら、いわんこっちゃない」とイライラする。
いろんなイライラが膨らんで、充満してしまう。
ゲオルクはそんなイライラを感じながら、
また自分も無性にイライラしてしまって、
思わず若者を引っ叩いてしまう。
そしてそれを大義名分にして、
若者たちは家族を執拗にいたぶり始める。。。
途端に若者たちのにこにこした顔が、
この上なく薄気味悪くなる。
イライラに比例して、薄ら寒いものを感じ始める。

直接的な暴力シーンはほとんどない。
暴力が行われる時はカメラは違うものを写している。
でもその暴力の音だけははっきりと聞こえる。
こんな時の人間の想像力の豊かなことといったら、、、
どんな惨劇の映像を見せられるより、
悲惨な映像を思い浮かべてしまう。
ハネケは怖さを表現する天才だと思った。

救われないといえば、救われない映画だ。
けれど、こうなってはじめて、
この家族に人間の縮図のようなものを見たような気がした。
根拠もなしにココロを許して簡単に信用するのも人間なら、
他人と比べて、少しでも上だと思えば傲慢になるのも人間、
どうすることもできない状況なのにあきらめないのも人間だし、
敵ができたときに家族が結束する力を持つのも、人間なのだ。
ゲオルクがアナを逃がすときにいった台詞だけには、
救われた。

家族側に感情移入していると、 パウロに呼ばれて、
知らない間にゲームをする側になってて、
でも気持ちはなんとか家族を助けたいのに、
またパウロに呼びかけられて物語の外に放り出される。
その意図はわからないけど、
薄っぺらな感傷に浸るなといわれているような、、、
とことん負の要素しかない後味の悪い映画にしたかったのか。
その徹底ぶりに、そのこだわりに、
脱帽。。。
(2009.8.13)

2010-06-16

コントラクト・キラー

1990年 
フィンランド・スウェーデン
製作・監督・脚本・編集:アキ・カウリスマキ
出演:ジャン・ピエール・レオー/マージ・クラーク/ケネス・コリー/セルジュ・レジアニ/アンジェラ・ウォルシュ

13Feb.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

自分で死ねないから、
コントラクト・キラー(殺し屋)に自分を依頼して、
でも死にたくなくなって、、、 どういうわけか、
メンドクサイ迷路にはまっていく主人公。
まぁ、だからこそ映画はおもしろいんだけど。

だいたい、この主人公、まともに生きてなかったじゃん。
恋もしたことがなけりゃ、酒もタバコも知らない。
人生は楽しいんだって、殺し屋に教えられてんだもん。
で、バーで酒とタバコに手を出したら、
バラ売りの女と恋に落ちちゃったってわけ。
つまるところ、
勝手な思惑や自分の都合で死を決めるなということだろう。
 死ぬことを許すのは神さまだけだっていう話である。

やはり淡々としていながら、
無口でいながら、 語っていることが多い。
しっとりした映像。
赤とか青とかがどぎつく見えないのは、
カウリスマキの魔法のせい。
ベッドシーンをベッドの上の電球ひとつで
表現してしまうってのはさすがだ。
 (2008.2.14)

2010-06-12

ガタカ

1997年 
アメリカ
監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク/ユマ・サーマン/ジュード・ロウ/ゴア・ヴィダル/ザンダー・バークレー/アラン・アーキン/ローレン・ディーン/アーネスト・ボーグナイン

29Jul.'09 DVD
★★★☆☆

こんな未来はいやだなぁ。
遺伝子エリートなんて気持ち悪い。
こんなふうに人生を管理されたくない。

主人公は宇宙飛行士になりたいのだが、
遺伝子が劣性で不適任。
もがいてもがいて、
適任者になりすましてやっとガタカの局員になる。
どんなに管理が厳しくても、
夢への熱意が、その夢を可能にする。
不正だとわかっていながら、
見逃してくれる人もいる。
そんなふうに人を巻き込むことができる、
それも才能。
遺伝子だけのエリートより、
ずっと適任者だと思う。

でもなぁ。こんなのずっとやってたら疲れるよ。
まつげひとつ落としただけで、
めんどくさいことになるし、、、
神経質にならざるを得ないのも、辛い。

いい映画なんだと思う。
ただなんか落ち着かなくて、、、
地に足がついた感じがしないっていうか。
この無機質な近未来ってのが、
どうも性に合わないのかも。
 (2009.7.30)

2010-06-07

カウガール・ブルース

1994年 
アメリカ
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ユマ・サーマン/ジョン・ハート/レイン・フェニックス/ノリユキ・パット・モリタ

 26May'09 DVD
★★★★★

ビバ!親指。
華麗なるヒッチハイクに拍手。
ポーズがいちいちかっこいい。

ユマ・サーマン、かわいかった。
革のジャンプスーツもかわいい。

牧場の施設とかCM撮影とか、
とことん間抜けだし、
かといって、
カウガールの思想とやらもなんだかなーだし。
フェミニズムっていうより、
性とドラッグに溺れてるだけだし。
聖人らしき日系人はただのスケベで、
似非宗教は雰囲気だけだし、
じゃ、男社会がまともなのかといえば、
残念なことにしかならないし。

シロツルがそんな人間を嘲笑うかのように、
悠然と飛立ったのは美しかった。

愚かで俗にまみれて滑稽な人間たちだけど、
でもなんだか憎めない。
ところどころで温もりがあったからかな。
ヒッチハイクって、
究極の人とのつながりだもんね。
そういう意味で、
親指に哲学を感じた。

キアヌ・リーブスのくだりは必要なのかって思ったけど、
リヴァー・フェニックスに捧げるため?
制作年に亡くなってるし。ちがうかな。
(2009.5.27)

2010-06-06

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

1995年 
アメリカ
監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク/ジュリー・デルピー

30Jul.'09 DVD
★★★★★

恋人たちのおしゃべりを、
ただただカメラで撮ってるだけみたいに見える。
すごく自然で、等身大の会話。
ちょっと背伸びして時事ネタだったり、
でもどこかおどけてふざけてみたり、、、
どこにでもいそうな二人の、だれでもしてそうな会話。
ずっとずっとしゃべり続けて、一夜を明かす。

旅の途中の列車で出会って、
セリーヌもウィーンで降りることになって、
太陽が昇ったら魔法はとけて、カボチャになる。。。
ジェシーは朝9:00の飛行機でアメリカに帰るのだ。

ホントにごくごくフツーのデート。
レコードの視聴をしたり、
公園を散策したり、
観覧車に乗って、
占いのおばさんに占ってもらって、
食事して、クラブに行って、
ワインとワイングラスを調達して、
星空の公園で飲んで、キス、、、
何気ないけど、極上のデート。
でも、どうしようもなく儚い一夜のデート。
幸せがいっぱいなだけに、時間は無情に過ぎていく。
そんな二人の出会って別れるまでの気持ちの移りゆく様子が、
まっすぐにみえて、すごく好感がもてた。

恋がしたくなるなぁ。
こんなの見せつけられちゃうと(笑)
(2009.8.1)

2010-06-04

一瞬の夢

1997年 
中国・香港
監督・製作・脚本:ジャ・ジャンクー
出演:ワン・ホンワァイ/ハオ・ホンジャン/ズオ・バイタオ

13May.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

ホントに一瞬の夢だったのね。
ウーはどうにもチンケで、ぜんぜんかっこよくないし。
これがハリウッドだったら、じゃなくても日本の映画でも、
たぶんイケメンくんが主人公になるんだろうけど。
でもかっこわるいから、いいんだと思う。
自分の状況から脱却できないもどかしさや、
自分だけとり残された寂しさや、子どもじみた言動。
そんなのがどうにもかっこわるいんだもん。
正当化しないためにも、それでいいんだと思う。
それでも一瞬の夢だった一瞬の恋は、
ほろりと甘酸っぱくて、はにかんだかわいらしい恋で、
とても好ましかった。

中国をいろんな意味で覗くことができた。
背景にはいろんな問題があるんだろうけど、
ウーはこの恋で変われたんじゃないのかな。
いいきっかけになったと思う。
(2008.5.22)