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2010-12-02

東京ゴッドファーザーズ

2003年
日本
監督:今敏 音楽:鈴木慶一 ムーンライダース 歌 ムーンライダース
出演:江守徹/梅垣義明/岡本綾/こおろぎさとみ/寺瀬今日子/飯塚昭三/加藤精三/石丸博也/槐柳二/屋良有作/犬山イヌコ/矢原加奈子/柴田理恵/山寺宏一/能登麻美子/大塚明夫/小山力也

31Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

今回観た、『パプリカ』『千年女優』とこれでは、
この『東京ゴッドファーザーズ』が一番よかった。
一番現実的で、ホームレスとはいえ、
家族という一番身近なテーマを扱っているからかな。
ま、そんなに都合良くことが運ぶかいなっていう、
ツッコミはあるにしても(笑)

ギンちゃんもハナちゃんも、ミユキも、
なんか生きていくのに不器用なんだよね。
いろんなもの抱えていながら、
でも人情にはあつくて、ほっとけなくて、
結局面倒なことでも、
自分たちからクビを突っ込んでいくみたいな。
要領は悪いけど、急場の馬鹿力は持っていて、
そんな展開が小気味よくて、面白かった。
泣いて、笑って、何かといそがしい映画だった。
(2010.11.29)

千年女優

2001年
日本
監督:今敏 音楽:平沢進
出演(声):荘司美代子/小山茉美/折笠富美子/飯塚昭三/山寺宏一

31Oct.'10 早稲田松竹
★★☆☆☆

発想はいいと思う。
いろんな人生を演じながら、
一途な恋を追いかける。。。
ま、主人公があまりに健気すぎて、
気持ち悪いなとは思ってたけど、、、
けど、最後の台詞にはしらけてしまった。

毒をもたせるなら、本編でやらなきゃ。
最後の台詞ひとつですませようなんて、
ちょっと安易じゃない?
しかもこの時代の戦争を生き抜いた女が、
女優とはいえ、こんな薄っぺらなことを言うだろうか。
一番こういうことを言わない世代だと思うんだけど。

叶わぬ恋ではあったものの、それを秘めた姿は、
美しく凛としてステキな老婆だったのに、
この最後の台詞で、自己中心的な軽い女になってしまった。
意図していたものがなんなのかわからない。
ワタシには理解できない台詞だった。
(2010.11.29)

2010-12-01

パプリカ

2006年
日本
監督:今敏 原作:筒井康隆 音楽:平沢進
出演(声):林原めぐみ/江守徹/堀勝之祐/大塚明夫/山寺宏一/田中秀幸/こおろぎさとみ/坂口大助/岩田光央/愛河里花子/太田真一郎/ふくまつ進紗/川瀬晶子/泉久実子/勝杏里/宮下栄治/三戸耕三

31Oct.'10 早稲田松竹
★★★☆☆

筒井康隆っぽい話だと思ったら、
筒井康隆だった。。。

You Tube でちょろっと行進のシーンは観ていて、
音楽とそのシーンがおもしろそうだったので、
かなり期待度が高くなってて、、、
しかも追悼ということもあって、
風邪気味だってのに、並ばされ、外で待たされ、
やっとの思いで観たんだけど。。。
映画で並ぶのなんて、いつぶりだろう。

うーん。
日本のアニメの技術はすごいんだと思う。
原作は読んでないけど、筒井康隆の世界観は出てるし、
音楽は面白いし、ちゃんとまとまってるし、
文句なんてつけようもない。
だけど、なんだかもの足りなさを感じてしまった。
なんだろう。。。

アニメーションも声優も音楽も原作も、
それぞれがすごくプロなんだけど、
きっちり丁寧な仕事はしてるんだけど、
巧く混ざってないというか、、、
まとまりすぎて、それ以上に昇華してないというか、、、
うーん。

筒井康隆は本で愉しみたい。
世界観はちゃんと出てはいるんだけど、
映像化するとどうしても世界が小さくなっちゃう。
もっともっと奥行きのある話だったんじゃないかと思う。

今さんはすごく真面目な方だったんだろうな。
作品を観てそう思った。
(2010.11.29)

2010-06-24

屋根裏のポムネンカ

2009年 
日本/チェコ=スロヴァキア 
監督:イジー・バルタ
出演:バルボラ・フルザーノヴァー/ボリス・ヒブネル/ブラディミール・ヤホルスキー/ナーダ・コンウ゛ァリンコウ゛ァ/イジー・ラブス/ベトル・ナーロジュニー/ミロスラフ・タボルスキー/イヴァン・トロヤン

04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★★

まさに、この感じを求めていた。
がんばりすぎていない、
きれいになりすぎていない、
そんな感じが詰まっている。
手と気は抜いてないけど、
肩の力は思いっきり抜けている、、、
そんなのが、すごく好き。

手作り感満載で、いろんな工夫が随所にあって、
とにかく楽しい。
例えば、朝の窓にしても、カーテンを開けると、
鳥の絵が描いてるだけの白い紙が貼ってあるだけなんだけど、
でもなんか感動しちゃった。
見せ方がうまいんだと思う。

ポムネンカも微妙にかわいくないところが、ツボ。
トランクの中のポムネンカたちの家のようすや、
チョークで書いただけの線路に、
古いストーブの蒸気機関車は、観てるだけで嬉しくなる。
毎日だれかが誕生日なんて、いいよなぁ。
だれがケーキにありつけるかもお楽しみで。
きっとこういうところが、子どもたちは大好きなんだと思う。

屋根裏部屋とか、物置納屋とかって、
暗くて、怖いところだけど、
でも何かがみつけられそうで、探検したい所でもあって、
いろんな想像が膨らむ場所だった。
そんなドキドキ、わくわくがいっぱい。
こういうアニメに、ホント、目がない。
できるだけ見逃したくないと思う。
(2009.12.12)

チェコアニメ短編セレクション

2009年 
チェコ=スロヴァキア 



04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★☆

『リトル・アンブレラ』
『ネコのお絵描き』
『けしのみ太郎 病気ってどうやってなおすの』
『イモムシくんは大スター』
『りんごのお姫様』

この中では、
『リトル・アンブレラ』と『ネコのお絵描き』が好き。

チェコアニメは素朴でのほほんとしていながら、
どこかシュール。
チェコならではの色彩感覚なのか、
ここにどうしても落ち着いてしまう。
ちょっとホコリがかぶってる感じが、なんかいい。

ディズニーや日本のアニメはぴっかぴかしてて、
ワタシにはまぶしすぎるんだよなぁ。
 (2009.12.12)

2010-06-23

ペルセポリス

2007年 
フランス
監督・脚本:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー
声の出演:キアラ・マストロヤンニ/カトリーヌ・ドヌーヴ/ダニエル・ダリュー

03Jul.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

イラン。
ワタシにとっては中東の遠い国で、
長い間イラクと戦争をしていて、イスラム教で、
石油がとれる国だということぐらいしか認識がなかった。

マルジャンはワタシとほとんど同世代。
マルジャン自身が感じたり思ったりしたこととか、
好きなスターとかアーティストがいたこととか、
ケチャップつきのポテトが好きだったりとか、
そんな他愛のないことはワタシとそんなに違わない。
だけどそれを許す社会と許さない社会では、
全く違うことになってしまう。
幼い頃から身近な人が思想犯で捕まるような不条理を、
目の当たりにしなくてはならない環境。
子どもながらに感じるものは大きかっただろう。

マルジャンはとてもいいコだとはいえない。
意地悪もするし、ずるいし、間違ったこともする。
ただおかあさんだったりおばあちゃんだったり、
その度にちゃんと諭してくれる人がいた。
周りの人には恵まれてるなと思った。

この映画で、イランの問題が何か解決するわけではない。
波瀾万丈のマルジャン人生記でもなければ、
戦争反対とか何か特別な思想を訴えているわけでもない。
ただ、淡々とマルジャンが生きてきた国の状況と
マルジャンが描かれているだけ。
モノクロで、媚びてなくて、
余計なものが一切ない絵がすごく気に入った。
すんなり映画に入り込めた。

インタビューでマルジャンが実写じゃなくアニメーション、
しかもモノクロにしたのは「第三世界」の物語に
しないためだといっている。
なるほど。マルジャンがますます好きになった。
(2008.7.14)

アズールとアスマール

2006 
フランス
監督・原作・脚本・デザイン:ミッシェル・オスロ
日本語版演出:高畑勲

04May'09 DVD
★★★★★

世にも美しいおとぎの世界のものがたり。

とにかく映像が美しい。
鮮やかな色が溢れていて、
原色に近いのに透明感があって、
背景のイスラム建築や市場の様子、
エキゾチックな空気感に目移りしてしまう。
そしてそして、
アズールとアスマールのこの世のものと思えない美しさ。
青年になった瞬間、はっと息を呑み込んでしまった。
どうでもいいことだけど、
ワタシはアスマールの方が趣味かな。

ストーリーはシンプルでありがちなおとぎ話。
でも伝えたいであろうメッセージも
とてもシンプルでわかりやすい。

とはいえ、何はともあれ、
映像の美しさにつきる。
(2009.5.10)

プリンス & プリンセス

1999年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

25May'09 DVD
★★★★★

背景の色といい、影絵の繊細さといい、
ため息がでちゃうほど、綺麗。

ホントに、北斎はフランス人に人気なんだなぁ。

ところどころに、古代エジプトの絵画とか北斎とか、
リアルなものをすごく効果的に、尚かつ自然に使ってる。
変に違和感を感じさせないところがすごいと思う。
(2009.5.27)

キリクと魔女2 4つのちっちゃな大冒険

2005年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

10Jul.'09 DVD
★★★☆☆

ちょっと絵が雑?って思ったけど、
でも女たちが集まった時の身につけている布の色や
畑の野菜や市場の様子や花や動物たちの描写は、
やっぱり美しい。
日本のアニメにはない色彩感覚だよなぁ。

1と比べては申し訳ないのだけど、
4つのお話のオムニバスになっているせいか、
1よりは深みがないかも。
でも水を引いて畑を作ったり、
黒ヒョウにその畑を荒らされたり、
陶器を作って売ったり、 キリンに乗ったり、
毒の花に冒されたり、
アフリカの生活の中の一コマが垣間みることができて、
おもしろかった。
(2009.7.10)

キリクと魔女

1998年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

02Jun.'09 DVD
★★★★★

つくづく色彩感覚が豊かだと思う。
鮮やかだけどきつくない。
優しい異国情緒ある色があふれてる。
それにアフリカ人たちの茶色の肌が単調じゃない。
そのコントラストがまた人々を、生き生きとさせている。

キリク、ホントにかわいい。
で、ちょーかっこいいんだけど。
ミッシェル・オスロの描く顔って、
すごく独特でエキゾチック。
とても、そそられる。

魔女が魔女のまま終わらない。
そこに誠実さを感じる。
単なる子ども向けアニメじゃない。
大人の男女こそ、観た方がいいと思う。
(2009.6.2)

2010-06-04

カフカ 田舎医者

2007年 
日本
原作:フランツ・カフカ
声の出演:茂山千作/茂山七五三/茂山茂/茂山童司/茂山逸平/金原ひとみ

03Jul.'08 早稲田松竹にて
★★★★☆

『校長先生とクジラ』
『頭山』
『年をとった鰐』
『こどもの形而上学』
『田舎医者』
の5編の短編集。

ひとつひとつが語っていることが大きくて、
かなりアタマがパンク状態に。
どれもそれぞれの哲学があって、
絵のテイストが微妙にそれぞれ違っていて、
でもどれもしっかり山村浩二の絵で、
すごく意味を持たせてたりして、妙に思わせぶりで、
ワタシのニブいアタマじゃ、追いつけるわけもなく、、、
また、じっくり観たい。

『頭山』はシュールではあるものの、
抜けたものがあって、滑稽味が感じられてよかった。
落語の根多だからってのもあるだろうけど、
これは笑ってすませられそう。

『年をとった鰐』は観たことあったので、
これはわかりやすかった。
でも何度観ても、 鰐の矛盾は哀しい。
世の常っちゃぁそうだけど、、、

『こどもの形而上学』
これはアタマで観ない方がいいかも。
そのままを楽しみたい。

そして、『田舎医者』 実はこれが一番、
辛かった。
美しい映像だと思うけど、
そうであればあるほど辛かった。 う〜ん。。。
(2008.7.14)