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2011-01-10

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

2008年
アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ 
製作総指揮:ミック・ジャガー/キース・リチャーズ/チャーリー・ワッツ/ロン・ウッド
出演:ザ・ローリング・ストーンズ/クリスティーナ・アギレラ/バディ・ガイ/ジャック・ホワイト


19Dec.'10 早稲田松竹
★★★★★

ずっと観たかったのに見逃してて、
この年の瀬にやっと観た。
とにもかくにも観ることができて、よかった。

よく動いて、よく走って、で、それで、よく歌えるよなぁ。
メンバーみんな、60歳、超えてるよね。
だってミックとキースがニュースで、
赤いちゃんちゃんこ着てたの、もう随分前だもん。
ひ〜、すごいよ。
特にミックの腰つきはもう、昔と何も変わってない!
細いよなぁ。くねくねよく回るよなぁ。
これ自体が、もう奇跡だよ。すごい、すごい。

ワタシが高校生の頃、ストーンズが来日するなんて、
夢のまた夢だった。
ドラッグで、強制送還されてたりしてて、
来日が実現できるかどうかで、
ラジオの特番があったぐらいだもん。

ところどころでミックの昔のインタビューが、
嵌め込まれてるんだけど、そのミックが若くてかわいい。
で、それが、なんか素直というか、自然というか、
別に気負いもなければ、つっぱってる風でもない。
その頃のジョン・レノンとかボブ・ディランとかの方が、
よっぽど、世の中につっかかってたように思う。

ストーンズはとかく陰のイメージで、
反体制って括られることが多い気がしてたけど、
でもそれって、そういう風にされていただけのように、
この映画を観てて、思った。
世間がそう思うなら、それでいいやって感じで、
ずっと、やってきてたんじゃないかな。
クリントンがでてきて、ちょっと、えって思ったけど、
そういうことにとらわれなければ、
それもありなのかもって、思った。
だって、60代のファンが多いのは事実だろうし、
その60代が体制側にいたって、それをどうこうは言えないし。

ま、そうだな。
もう理屈じゃなくて、ミックもキースもロンもワッツも、
ロックを、音楽を、バンドを楽しんでる。
そういうふうに見えただけでも、
この映画を観て、ホント、よかった。

で、フィナーレで気づいちゃった、キースのポッコリお腹。
それすら、今となっては、愛おしく思えるもの。
20代のワタシだったら、それは許せなかっただろうな。
でも今なら、いい。
逆にキースも人間だったのねって、嬉しく思える。

いろんな意味で、年月を、時間を経るというのは、
偉大だよなぁって、思った。

(2010.12.30)

ベルリン・天使の詩

1987年
西ドイツ/フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ/ソルヴェイグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/クルト・ボウワ/ピーター・フォーク/ラジョス・コヴァーチ

26Nov.'10 早稲田松竹
★★★★★

なつかしいなぁ。
この映画でワタシの映画観が一変した。
それまではハリウッドものしか観てなかった。
映画にこんな世界があるんだって、知った。
それ以来、映画の虜になった。
そういう意味で、ワタシにとってかけがえのない映画。

20年以上もたって、改めて観ても、
全然色褪せてない。
やっぱり、いい。
導入の思わせぶりな詩といい、
モノクロとカラーの映像といい、
物語の構成といい、
で、図書館を天使のたまり場にしてたり、、、
刑事コロンボ?役の俳優役がキャストされてたり、、、
ヴェンダースならではの、粋なひねりが満載。
ちょっと間違えれば、
ありがちなあざとさになりかねないような演出が
すごく自然に繰り広げられている。

天使も人間の世界がいいって思うんだなぁ。
ま、天使にもよるんだろうけど。
でも雲の上から眺めてるだけで何もできないのよりは、
しんどくても地を這っている方がおもしろいよ。

ダミエルの選択にすごく共感した。
親近感を覚えた。

そして、今はなきベルリンの壁が。
統一前のドイツ、その激動を予感させながら、
それとはよそに、天使の眼差しが柔らかく優しい。
大きなものに包まれている、
安心感があるのはその眼差しのせいかな。

やっぱり、好きだ。
この映画に出会って、よかった。
(2010.12.28)

2010-11-18

プレシャス

 2009年
アメリカ
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ/モニーク/ポーラ・パットン/マライア・キャリー/シェリー・シェパード/レニー・クラヴィッツ/ニーラ・ゴードン/ステファニー・アンドゥハル/アミナ・ロビンソン/チャイナ・レイン/ソーシャ・ロクモア/アンジェリック・ザンブラーナ

13Oct.'10 早稲田松竹
★★★★★

あまりの境遇のひどさに、絶句。
でもこれが現実なんだよね。
ハーレムじゃ、
そんなに珍しいことでもないんだよね。

プレシャスの楽しみといえば、
現実から逃避して、妄想に浸ることぐらい。
ちょっと数学の先生が気を使ってくれたといって、
ココロがほかほかするという。
それぐらい優しくされたことがなかったってこと。
家に帰ると、煮込みの鍋の前にいるのだが、
これがなんとも不気味。とても美味しそうには見えない。
ふつう煮込みの鍋がぐつぐつしてる図というのは、
幸せの象徴ってのが万国共通のはず。
なのにプレシャスんちでは、なんだか暗い。
そのプレシャスの後ろにいる母親が、
苦虫をつぶしたような顔をして、悪態をついている。
その姿が視界に入るだけで、
ワタシのカラダは強ばってしまう。

代替学校に通うようになって、
プレシャスはみるみる変わっていく。
自分がどうしたいのかをひとつひとつみつけていく。
最後に母親と対峙するも、
プレシャスなりに乗り越えていくように見えた。
決していい状況じゃないけど、
それでも生きていく方向に光が見えたのはよかったと思う。

しかし、問題は母親だろう。
彼女も愛情に枯渇していて、支えるものがなかった。
プレシャスにしてきたことは決して許されることではない。
けど、、、けど、、、

モニークの迫力には参った。
彼女の姿が出てくると、
スクリーンから目を逸らしたくなったよ。
彼女自身が虐待を受けて育ったらしく、
この役はかなりきつかっただろう。。。

マライア・キャリーとレニー・クラヴィッツは、
素朴な役どころでよかった。

2010-11-07

第9地区

2009年
アメリカ
監督:ニール・ブロンカンプ
出演:シャルト・コプリー/デイウッド・ジェームズ/ジェイソン・ストライク/ジョン・サマー/ウィリアム・アレン・ヤング/ニック・ブレイク/バリー・ストリドム/ジェド・ブロフィ/ヴィットリオ・レオナルディ/デイウィッド・ジェームズ/ティム・ゴードン/モーン・エラスムス/アンソニー・ビショップ

25Sep.'10 新文芸座
★★★★★

歴史は繰り返すっていうか、
勉強しないというか、
様子の違うものは分けたがるというか。
人間が繰り返してきた人種差別を、
今度は宇宙人を相手にやってる。
ヨハネスブルクが舞台だってことが、
かなりの皮肉だよなぁ。
しかもアメリカ映画なんだ。。。

エイリアンの親子が微笑ましい。
初めはなんてグロい生き物なんだって思ったけど、
観ているうちにだんだん慣れてきて、
慣れた頃にはエイリアンの方がよっぽどまともだと思った。
人間なんて敵わないほどの頭脳をもっていて、
こういう状況に甘んじているのは、
単にエイリアンの方が遠慮してるのか、優しいのか、
じゃないのかって、勝手に思う。

結末は切ないけど、これでいいんだって、
妙に納得してしまった。
起こってしまったことはもう後戻りできない。
ここの数秒のシーンで
カフカの『変身』を思い出して、二重写しになっていた。
(2010.10.24)

儀式

1971年
日本
監督:大島渚 脚本:田村孟/佐々木守/大島渚 音楽:武満徹
出演:川原崎健三/賀来敦子/佐藤慶/乙羽信子/小山明子/小松方正/渡辺文雄/土屋清/戸浦六宏/中村敦夫/椿隆一/成島有美/大田良明/椿幸弘

06Oct.'10 新文芸座
★★★★★

とかく旧家は儀式が多い。

家族の一員になる儀式。
母親の葬式。
古めかしい家長制度の儀式。
家の体裁を保つがための滑稽な結婚式。
少年が青年になる初体験、、、
これも捉え方次第で儀式?。。。などなど。

家長たるものが全てでありながら、
その古くさい風習をアイロニカルに描きつつ、
妙に艶かしいシーンが印象的。
特に艶かしく感じるのは、
満州男少年が校庭で、地面に耳をつけているところ。
いがぐり頭の柔らかそうな短い髪の毛と透明感のある肌の色、
そしてその悩ましい表情が、なんともそそられる。
少年のいろんなものを感じながらもうまく表現できず、
そのままでいるしかない様から目が離せない。

大人になってもどこかおどおどしている満州男。
対照的にいつも不敵で自信たっぷりの輝道。
何かしらにつけ冷めている律子。
家長制度の鬱屈さに、息がつまりながら、
同じような境遇にいながら、
性格はそれぞれになるんだなと思った。
親の立場とかもあるんだろうけど。


それにしても佐藤慶の存在感に圧倒された。
小山明子はさすがにきれいだなぁ。
白い御御足がこれまた艶かしかった。
それから、妙に落ち着かないけど、
でもなんとも美しい音楽、、、武満徹だったんだ。
何気にすごい映画だ。
(2101.10.20)

愛のコリーダ 2000

1976年
日本
監督・脚本:大島渚 製作:若松孝二
出演:藤竜也/松田英子/中島葵/芹明香/阿部マリ子/殿山泰司/藤ひろ子/白石奈緒美/青木真知子/東祐里子/安田清美/小山明子

02Oct.'10 新文芸座
★★★★★


20代で初めて観た時は、ポルノにしか思えず、
途中でギブアップ。
10年前に完全ノーカット版が上映された時は、
最後まで観るも、意味が分からず、理解できず。
しかしながら、40代の今なら、
吉蔵と定の愚かさや哀れさをも受け入れながら、
この上なく美しい映画だと真に思う。

藤竜也、若いなぁ。
精悍な躯がきれいだなぁと眺めてた。
松田英子の一途な感じに、すごく好感がもてた。
阿部定はいろんな女優がやっているけど、
ワタシには松田英子の阿部定しか、
もはやあり得なくなっている。

戦時中にありながら、
性の快楽に明け暮れている二人。
わざわざ出征のシーンを入れて、
世の中がそんな状況でも、
二人はその欲望に溺れていて、二人をとことん貶めている。
それでもなお、溺れながらも、お互いを思う愛を感じさせる。
結局、究極の結末となるけど、
吉蔵もその瞬間は絶頂だっただろうし、
定もその後の人生にどんな試練があろうとも、
それ以上の幸福感に満ちあふれていただろう。
そして、
108分うちのほとんどが性交渉なのにも関わらず、
不快にならないのは、二人の愛情が、
何の飾り気もなくむき出しのまま、
描かれているからだろう。
(2010.10.21)

絞死刑

1968年
日本
監督:大島渚 脚本:田村孟/佐々木守/深尾道典/大島渚
出演:佐藤慶/渡辺文雄/石堂淑朗/足立正夫/戸浦六宏/小松方正/松田政男/小山明子/尹隆道

02Oct.'10 新文芸座
★★★★★

冒頭、刑場のシーンでの死刑執行がどう行われるかの説明が、
あまりに淡々と語られリアルなので、
どれだけシリアスな映画なんだろうと思っていたら、、、

執行されて死ぬはずが、Rは死ななかった。

なるべくはずのことがそうならなかった時の、
あたふたする人間の様子がこれまたリアルに、
シニカルに描かれていた。
執行に立ち会う検察、刑務官、医者、牧師など、
それぞれの立場とそれぞれの思惑が、
生々しく露呈していく。
冒頭のシーンがあまりに深刻に語られているので、
余計にその滑稽さが際立ってみえた。

制度があって合法的で、仕事だからその場にいるわけで、
さっさと終わらせたいのが本音だろう。
かくいうワタシだって、この問題にはかなり逃げ腰。
直面せずにいられるなら、その方がいいと思ってる。
そういうどこか他人事にしてしまっている猾さも、
あからさまに見せている。
しかもRは罪人で朝鮮人。
それこそ遠い存在になっている。
けど、終盤のRの台詞に、
自分たち人間としての問題だとはたと気づく。
自分たちの問題としてぐっと近づく。

小松川事件を背景にしていて、
大島渚の信条もあるんだろうし、
時代もあるように思うし、
Rが朝鮮人で、朝鮮問題とか差別問題とかと、
死刑が絡み合っているのはそれはそれで、
興味深かった。
けど、贅沢を言えば、
Rがごく普通の典型的な日本人で、この設定だったら、
どうなってただろう。
それが観たいと思った。
(2010.10.19)

シカゴ

2002年
アメリカ
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー/リチャード・ギア/クイーン・ラティファ/ジョン・C・ライリー/ルーシー・リュ/テイ・デイヴィス/コルム・フィオール/ドミニク・ウェスト/クリスティン・バランスキー/エカテリーナ・シェチェルカノワ/デイドレ・グッドウィン/デニーズ・フェイ/マイア・ハリソン/スーザン・ミスナー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

14Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★

あらためて観ると、
やっぱり構成が絶妙なんだなって、ホントに感心した。
歌と踊りと物語のバランスがいいんだと思う。
ミュージカルはそんなに好きじゃないけど、
上質なものに出会うとすごくうきうきする。
『シカゴ』もそのひとつ。

公開時に観た時はゼタ=ジョーンズばかりが印象的だった。
確かに歌と踊りはゼタの存在感はすごいけど、
でも、今回はレニー・ゼルウィガーがとても魅力的にみえた。
甘ったるいアメリカのお菓子に実は毒を含んでるような、
ロキシー。そのロキシーのギャップが面白かった。


最近思うのは、前に観た映画を観直した時、
前よりのめり込める映画が、ホントに好きな映画なのだと。
いい映画は何度観ても楽しめる。
『シカゴ』もそのひとつ。

そういう映画がひとつひとつ増えていくのが、嬉しい。
(2010.10.22)

2010-09-10

ウディ・アレンの夢と犯罪

2007年
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/ヘイレイ・アトウェル/サリー・ホーキンス/トム・ウィルキンソン/フィル・デイヴィス/ジョン・ベンフィールド/クレア・ヒギンズ

09Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★

ここ何作かのウディ作品は、毎回同じ感覚に陥る。
観終わった後は、?がいっぱいになってて、
それはあまりにも短絡的でしょ、ってなるんだけど、
なのに、時間がたつと、じわじわと、
実はこの映画、めちゃくちゃ深いんじゃない?って、
思えてくる。なんでだろう。。。不思議だよなぁ。
ワタシがウディを贔屓しているだけじゃないと思うけど。

兄弟で、ヨットを手に入れて、
「カサンドラの夢」と、名付ける。
カサンドラ、、、ギリシャ神話では、不吉を意味する。。。
なんか、嫌な予感。

労働者階級のこの兄弟、働いて、がんばって、
自分の度量でなんとかしようという発想がそもそもない。
弟のテリーはギャンブル好き。
「大きな賭けはしない」といいながら、
家を買う金を作ろうとしてポーカーに。結局、負ける。
兄のイアンは実家のレストランを手伝いながら、
堅実なところを見せながらも、野心的で実業家志望。
実業家といっても、
地位と名誉に目が眩んでいるようにしか見えないけど。
それもラクして手に入れることしか考えてない。

目の前にいる父親は地道にレストランを経営しているのだが、
兄弟は馬鹿にするだけ。
ホントはすごくいい手本なのに、そんなことには気づかない。

で、世界を股にかけて成功している伯父さんを、
いつも羨望の眼差しでみている。
しかし、その伯父さん、かなり胡散臭い。
兄弟が伯父さんに金を無心しようとすると、
伯父さんは殺人を兄弟に強要する。
「血がつながってるのに、言うこときけないのか」って。
さすがに兄弟は最初は拒むけど、
直面している問題の解決を他の方法では考えられなくて、
「これしか道はないんだ」なんて言って、
コトに及んでしまう。。。ホント、短絡的。
で、案の定、転落人生、、、ついに。。。

あまりにも短絡的すぎて、簡単にコトに及ぶので、
えー?って思うんだけど、
これって、そっくりそのまま、
現代社会なんだよなぁって思った。
「殺したいから殺した」とか
「むしゃくしゃしてたから殺した」とか、
それこそ、短絡的な動機の事件が多い昨今だけど、
そんなのと、さして変わらない。
なんていうか、なんか軽いし、何でもラクして簡単に、
ってのが、現代のありがちな風潮だったりもして、
この兄弟に現代がすごく捉えられていると思う。

それに、この伯父さんの理屈って、
理屈にもなっていない、ただの強要。 けど、実はこれが罠。
この罠に嵌って起きる罪はいくらでもある。
「血がつながってるんだから」
「家族だから」
「世話になってるから」
というと、妙な正当性が生まれる。
全然、正しくなんかないんだけど、
当事者の間ではとても大切なことのように錯覚してしまう。
そこにほんのちょっとでも、
弱みや、利用しようという企みがあれば、
もうそれだけで、その罠が成立する。
で、この兄弟もまんまとこの罠に嵌ったわけで、、、
油断してたら、すぐに嵌ってしまうわけで、、、
結構どこにでもあったりするわけで、、、
もはや、他人事じゃない。
ばかばかしいと思いながらも、
でも自分だってそうなるかもっていう不安は、
どこか、もそもそしたところで感じてしまうのだ。

そういうことを、押し付けがましくなく、
でもどこかで感じられるようにできている、、、
何を感じて考えるかは、観客次第という、
ウディのスタンスは変わっていない。

コリン・ファレルの濃い眉がどんどん寄っていくのが、
なんとも切なく、哀愁が漂っていた。 
テリーは、はまり役だなぁと思った。

2010-09-08

霧の中の風景

1988年
ギリシャ・フランス
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:ミカリス・ゼーケ/タニア・パライオログウ/イリアス・ロゴテティス・ミハリス・アナトゥス/コスタス・ツァペコス/ディミトリス・カンベリディス/ヴァシリス・コロヴォス/ソクラテス・アラフォウツォス/イェラシモス・スキアダレシス

04Sep.'10 新文芸座
★★★★★

姉弟にとって、父親って何だったんだろう。

ありがちな言葉になってしまうけど、
この旅は、旅というより、人生そのもののように見える。
けど、幼い姉弟には過酷すぎる。。。
そんな過酷な人生を、その齢で知る必要などないはず。。。
列車に乗るという境界をひとつ越してしまったばかりに、
始まってしまった人生の旅路。
引き返すことすらできなくなってしまった。
姉のヴーラは痩せっぽちのカラダで、
覚悟を決めて、全てを受け止めようとしていて、
その健気さが、ホントに切ない。
そして、その酸いも甘いもを知ってしまうことになる。

そこまで姉弟にさせる、
その父親という存在は一体何だったんだろう。

結局、ドイツ国境は越えて、
霧の中が見えるようになって、
ほんのちょっとだけほっとするけど、
決して旅が終わったわけではない。。。
姉弟はいつまでも終わらないこの旅を、
ずっと続けていくのだろう。

なんとも不思議な場面やモチーフがよく出てきて、
例えば、雪が降ってきたといって、
警察の職員が全員上を向いて静止していて、
まるで時間が止まったみたいになったり。
手の塑像がヘリコプターで吊られて、空に浮かんでいたり。
何の意味があるのかは分からないけど、
なんとも意味深、意味ありげ。。。

ヴーラの端正な顔立ちで、まっすぐな目に、
ドギマギする瞬間が何度もあった。

なんとか温かいベッドで二人をゆっくり休ませてあげたい。
そういう場所を早くみつけてほしい。

2010-09-07

都会のアリス


1973年
西ドイツ
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォーグラー/イェラ・ロットレンダー/リザ・クロイツァー

04Sep.'10 新文芸座
★★★★★

この、だらり、だらりと続く感じ。
これぞ、ヴェンダース。
いつまでこの調子が続くんだろう、、、
気が遠くなって、飽きるんだけど、
その飽きたのを通り越すと、
なかなか味があるってことに気がつく。

ヴェンダースの中では、この映画は観やすいと思う。
とりあえずの目的がはっきりしてるし、
ストーリーもあるから。

でも、それにしても、
アリスが出てくるまでが、長過ぎるよ。
フィリップが写真に納得がいかないのとか、
文章が書けなくて仕事にならないのとか、
どうでもいいじゃんって、思うけど、
ヴェンダース的には必要なんだろうな。
で、このフィリップも、ぐだぐだのどうしようもない奴で、
それも重なって、いつまでたっても本題にも入ろうとせず、
だらり、だらりしてるのが、
だんだん心地よくさえなってくる。

ギターのフレーズが同じ旋律でずっと、続く。
これも、このだらだら感を醸しだしてるんだけど、
これが、また切ない。なんかそわそわする。
で、またしつこいよなぁってぐらい、ずっと、続く。
でも、フレーズがしっかりしてるからか、
ずっと、続いても、そんなにイヤじゃない。
お、っと思わせておいて、えー?ってなっても、
ま、いっか、って、最後には思わせられちゃう。
だから、ヴェンダースの映画をキライにはなれない。

で、こんなだらだらした中で、ぐだぐだしてるくせに、
アリスとの関わり方が、妙に微笑ましかったりするから、
なんだか、きゅんときちゃう。
海での悪口の言い合いっこや、証明写真や、、、
なんか、いい。羨ましいぐらい。
いい男じゃんって、ちょっと見直したりもする。
ぐだぐだ、なのに。それともぐだぐだ、だから?

結局、おばあちゃんのうちは見つからず、
おばあちゃんにも会えず、目的は何も達成しない。
そんなことですか、ってことで終わるけど、
それも、この映画なら、ありって思える。
だらり、だらりと、「映画なんて、そんなもんさ」
って、感じがなんともいえずにたまらない。

写真をポラロイドで撮ってたりして、
ありがちだし、なんかあざといなぁって、
思うところもないわけじゃない。
でも、このだらり、だらりはすごく正直で、
そのまんまが、映し出されてると思う。
だから他のことは、許せちゃうのだと思う。

2010-09-02

アメリ

2001年
フランス
監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトウ/マチュー・カソヴィッツ/リュフュ/ヨランド・モロー/アルチュス・ド・バンゲルン・ウルバン・カンセリエ/ドミニク・ピノン・モーリス・ペニシュー/クロード・ペロン/ミシェル・ロバン/イザベル・ナンティ/クレール・モーリエ/クロチルド・モレ/セルジュ・メリン/ジャメル・ドゥブーズ/ロレーラ・クラヴォッタ・アルメレ/フローラ・ギエ/アモーリー・バブー/ジャン・ダリー/ティッキー・オルガド/アンドレ・デュソリエ

01Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★

なつかしいなぁ。
久々になっちゃったなぁ。
いろんなこと思い出しながら、観た。
それでも、アメリは、やっぱりアメリだなぁ。

ジュネの世界観、映像感覚がたまらなく好き。
アメリは真骨頂って感じがする。
こういう映画はとかく甘ったるくなりがちだけど、
ただ可愛いってだけじゃなくて、
結構、真髄をついてるから、つくづく納得できる。
いろんなエピソードが、それぞれ面白い。
みんながそれなりに幸せになってて、、、
少なくとも、そんなに不幸にはなってなくて、、、

アメリは人のことならよくわかって、
おせっかいさながらの、いろんなちょっかいが、
なかなか粋だったりする。
なのに、自分のこととなると、どうしようもなく不器用で、
なんとも、じれったくて、、、
ホントにそういうところ、わかる。
きっと誰もが実感としてあるところだと思う。
でもワタシも他人事だから、なにせ、
観ながらにして力が入るんだけど(笑)
ほら、そこで勇気があればって、ね。

やっぱり、赤と緑が印象的。
なんだろうな、色が深いよなぁ。
でも光は柔らかい。独特だよなぁ。
つくづくジュネ色だなぁと感心して観ていた。

2010-08-26

ストーカー

1979年
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 脚本/原作:アルカージー・ストルガツキー
出演:アレクサンドル・カイダノフスキー/アリーサ・フレインドリフ/アナトリー・ソロニーツィン/ニコライ・グリニコ

21Aug.'10 新文芸座
★★★★★


ずっとセピア色の映像だったのが、
ゾーンに入ったらカラーになった。
落ち着いたいつものタルコフスキーの色だが、
瑞々しい緑がきらきらしていた。
タルコフスキーは水の映像が多いなぁ。
沼とか、廃墟に溜まった水とか、、、
湿った空気にぞくぞくしながら、
何か起こるんじゃないかと気が気でなく、
目が離せないけど、ほとんど変わらない映像に、
意識を失いそうになる。。。

タルコフスキーも一度観ただけでは、なかなか難しい。
眠くなりながらも何度も観ていると、
タルコフスキー独特のパターンに慣れてきて、
段々この世界に惹きこまれるようになる。。。
に、しても眠いけど。

この映画も何度も観てるけど、
いまだにゾーンが何かとか、部屋は何だったのかとか、
ホントのところはまるでわからない。
今回ぼんやり思ったのは、
このストーカー、説教くさいし、お坊さんみたいだなってこと。
ゾーンはあの世までの、仏教なら三途の川みたいな場所で、
希望を叶える部屋ってのがあの世かな、なんて。
ってことはストーカーはあの世への使者。
煩悩の塊のような教授と作家は、
まだあの世に行く資格はなかったというわけ、、、

なんて、原作も読んでないワタシの勝手な解釈だけど、
こうやってイメージできると、
小難しそうでも、実はおとぎ話のようなものかな、
で、楽しめる。単純なワタシはそれで、よし。
解釈はいろいろあっていいと思うし。

それにしても、ラストのコップが動いてるのと、
娘の無表情なアップは意味深だったなぁ。。。
娘はある力をもってる? 神の申し子? なんてね。
こういうところもおとぎ話っぽいなって思う。

惑星ソラリス

1972年
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 原作:スタニスワフ・レム
出演:ナターリヤ・ボンダルチュク/ドナタス・バニオニス/アナトリー・ソロニーツィン/ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー/ユーリー・ヤルヴェト

21Aug.'10 新文芸座
★★★★★

まいったなぁ。こう来たか。
ラストにはとにかく戦慄を覚えた。
海が美しすぎるから、余計に怖い。
虚構に放り込まれたまま、放心状態。

クリスは現実的で冷徹な男だった。
成果のでないソラリスの研究を今後どうするかで、
クリスはソラリスへ出向く。
しかし、宇宙ステーションは事情が変わっていた。
ソラリスの海は人間が潜在的に抱えているものを、
物質化してしまうのだ。
クリスの妻ハリーは10年前に自殺していて、
クリスは心の奥底に追いやりながらも忘れられずにいた。
目を覚ますと、死んだはずのハリーがそこにいた。
自分の感情の物質化だと知り、殺すが、
殺しても殺してもハリーは姿を現す。
クリスが忘れられない限り、ハリーは物質化される。
結局、偽りだとわかっていながらも、
クリスは虚像のハリーを愛するようになる。。。

70年代のソ連。
外へ外へと、ついに宇宙へと意識が高まっていた時代。
この映画はSFで、宇宙といった究極の外を背景にしながら、
実は人間の自己、つまり究極の内側を追求している。
その対比が、興味深かった。

途中、首都高が映し出され、
「なんか見たことあるなぁ」って、
ぼんやりしてたら、東京だった。
特に「東京」に意味はなかったけど、
首都高って、未来都市のイメージなんだな。
狭いところに道が何層にもなってるところが、
描きやすかったのかな。

フィルムが劣化していてノイズがひどかったけど、
映像はなんとも美しい。他に言葉がないほど、美しい。

美しい映像に、
美しいハリー、
そして、美しい海。
美しいものばかりで、だから何ともいいようもなく、
そわそわする。訳もわからず、しみじみ怖い。

つまるところ、現実も虚構も自己の中にあって、
うかうかしてると、虚構に呑み込まれる???
うーーー、怖いよう。

2010-08-19

フローズン・リバー

2008年
アメリカ
監督・脚本:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ/ミスティ・アップハム/チャーリー・マクダーモット/マーク・プーン・ジュニア/マイケル・オキーフ/ディラン・カルソナ/ジェイムズ・ライリー/マイケル・スカイ/ナンシー・ウー/ジェイ・クレイツ

14Aug.'10
★★★★★

ニューヨーク州最北部、
カナダとの国境のモホーク族保留地で、
実際に起きていた事件の映画化。

起こっていることは、とにかくスリリングで、
どうなっていくんだろうと終始ヒヤヒヤする。
もう、とにかく寒そうで、、、
家を買うために溜めていた金をもって夫がいなくなり、
もうすぐクリスマスだというのに、
ポップコーンとジュースという食事だったり、、、
川が、車が通れるぐらい凍ってて、
でもその国境を越えるってことも、
危険ぎりぎりの覚悟なわけだし、、、
もう、観ているこっちが、とにかく冷えた。

アメリカと先住民族との問題をよく知らなくても、
映画自体はわかりやすく描かれている。
母親として覚悟を決めていくのだが、
変な感傷に浸ったりしない。
ライラにも最初は不信感でいっぱいだったのが、
次第に友情に変わっていくのが、とても自然で、
お涙頂戴的いやらしさはなかった。
最後の展開もすごく納得できた。

観終わった時に、
イヤだと思うところはひとつもなかったんだけど、
ただあまりに淡々としていて山場がないせいか、
すーっと観ちゃったなって、感想だった。

でもドキュメンタリーではないにしろ、
実際の話なわけだし、
山場なんて作っちゃいけないんだと思った。
そういう意味でも、作り手側の主観はほとんどない。

プアホワイトという層が確実にある現実や、
先住民族との歴史や関わり方や、
パキスタン人だというだけで、
テロリストだと思い込む市民の意識、
そういう社会問題、
それもアメリカの一般市民の生活に密着した問題が、
垣間見える映画だったように思う。

2010-08-04

ぼくの伯父さんの休暇

1952年
フランス
監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ/ナタリー・パスコー/ルイ・ペロー/ヴァレンティーヌ・キャマックス/リュシアン・フレジ

31Jul.'10 新文芸座
★★★★★

やっぱり、ユロ伯父さんは無口で無表情。
それでいて、まわりと噛み合ない行動をするので、
ドタバタばかり巻き起こす。
いつもひとりでいて誰と話すでもなく、
その存在をゼロにしようとしてるのに、
存在感はマックス100になってる。

まわりはユロ伯父さんにびっくりさせられたり、
鬱陶しがったりはするものの、
でもひとつひとつはたいしたことじゃないので、
そんなに怒る人もなく、、、
いつの間にかユロ伯父さんを認めてたり、
好きになってたりする。

タチの映画って、コメディの位置づけだったんだと、
今頃、気づいた。というか、知った。
確かにパントマイムの手法でユーモアを表現してる。
チャプリンやキートンを思い出すのもわかる。
で、笑いとしては、古くさいのも当然だと思う。
だって50年も前の映画だし。

ユロ伯父さんは無口で無表情でも、
人をけなしたり、あざけたりしない。
そういうことで笑わせようとしていない。
だから、ほっとできるんだと思う。

ワタシはくすって笑えれば、それでよくて、
ユロ伯父さんのまわりの人も、
ワタシが観ている映画館の観客も、
そこにいるみんなが、
少しでもあったかい気持ちになれれば、
観た甲斐があったと思える、
それがタチの映画の良さだと思う。

がははと大笑いできる映画でも、
めちゃくちゃドキドキする映画でも
涙がぽろぽろこぼれる映画でもないけど、
でも、どこか何かに響くものがある。
だから、何度も観たくなるんだと思う。

トーク・トゥ・ハー

2002年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン

29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★

すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。

とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。

究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。

それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。

リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。

アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?

久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。

2010-06-25

不思議惑星キン・ザ・ザ

1986年
ソビエト連邦
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
出演:スタニスラフ・リュブシン/ユーリー・ヤコヴレフ/エヴゲーニー・レオノフ/レヴァン・ガブリアゼ

12May'10 早稲田松竹
★★★★★

クー。
くせになりそう。クー。

「SFカルトムービー」って、
謳い文句にずっと躊躇していた。
なんか映像も暗そうだし。。。
絶対眠くなるだろうと万全を期して睡眠いっぱいとって、
この映画に臨んだ、
なのに、思惑全部覆された。
いい意味で。

このチープさ加減、たまらん。
旧ソ連って、ロシア人って、、、
実はユーモアの塊だったりして。
かくあるべきって勝手に思い込んでた常識ってやつ、
なんか気持ちよく裏切られた(笑)

こんなにチープでも、メッセージだけは感じられる。
こんなに笑わせて楽しませながら、
伝えるべきことを伝えてる。
これって、驚異。とにかく、感服。
どうでもいいけど、クー。
降参、降参。やっちゃうな、あのポーズ。
(12May'10)

男性・女性

1966年
フランス/スウェーデン
監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ピエール・レオ/シャンタル・ゴヤ/マルレーヌ・ジョベール/ブリジット・バルドー/アントワーヌ・ブルセイユ

16Apr.'10 早稲田松竹
★★★★★

相変わらずゴダール、って感じ。
映像とピストルの音、
謎めいた標語のような意味ありげな言葉は、
やっぱりゴダール。

ジャン=ピエール・レオも、
無表情で飄々としてて、でも憎めなくて、
相変わらずな感じ。

シャンタル・ゴヤがかわいらしくて、
スッピンで普通の素朴な女の子のイメージのせいか、
いつものゴダール作品よりすんなり入り込めた。

フランスの若者はなんかお洒落だよなぁ。
フレンチポップも心地いい。
ところどころに政治的メッセージがちりばめられていて、
ぴりっと締めている。スパイスになってる。
若者を描いているけど、
ただかわいいだけ、楽しいだけの映画じゃない。
それも、やっぱりゴダール。

60年代の映画なんだよね〜
全然古くないよなぁ。
(2010.4.21)

リミッツ・オブ・コントロール

2008年
アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:イザアック・ド・バンコレ/ティルダ・スウィントン/工藤夕貴/ジョン・ハート/ガエル・ガルシア・ベルナル/ビル・マーレイ/アレックス・デスカス/ジャン・フランソワ・ステヴナン/ルイス・トサル/パス・デ・ラ・ウエルタ/ヒアム・アッバス

20Apr.'10 早稲田松竹
★★★★★


ジャームッシュ・フリークとしては、大満足。
ジャームッシュ色、一色で染め上げられていた。
それで申し分ない。それでいい。
こういう監督のわがままな映画ってのを、
フリークは求めてるのよ。
今度は何をやってくれるんだろうって、わくわくしたいのよ。
ジャームッシュは心地いいところで、心地よく裏切りながらも、
それに答えてくれるから好き。
でもそれはジャームッシュ・フリークにしか通用しない。
この映画にサスペンスやアクションを期待してたら、
そりゃ退屈でしかないと、客観的になればそう思う。

それにしても、この映画、かっこいいと思う。
やっぱりワタシは寡黙な男がでてくる、
寡黙な映画が好きなんだなぁ。
(2010.4.21)