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2010-09-02

ロング・エンゲージメント

2004年
フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトウ/ギャスパー・ウリエル/ドミニク・ピノン/クローヴィス・コルニヤック/ジェローム・キルシャー/シャンタル・マーヴィルト/アルベール・デュポンテル/ドニ・ラヴァン/ジャン・ピエール・ベッケル/ドミニク・ベテンフェルド/ジャン=ピエール・ダルッサン/ジョディ・フォスター/ブーリ・ランネール/ティエリー・ギボール/フィリップ・デュクズヌ/ソレーヌ・ル・ペション・ヴァルジル・ルクレール/ジュリー・ドパルデュー・マウド・レイヤー/チェッキー・カリョ/フランソワ・ルヴァンタル/ミシェル・ヴュイエルモーズ

01Sep.'10 早稲田松竹
★★★★☆

初っ端から、塹壕を歩いている。暗い。寒い。
第一次世界大戦の最中、死刑を宣告されている5人の兵士。
その中にマチルドの恋人、マネクもいた。
容赦なく、えげつなく、扱われている。。。
つい身を硬くしてしまう。

戦場ではブルーの映像で、
マチルド関連はアンバーの映像。
なんか飽きるよなぁって思いながらも、
ところどころで、そこはジュネ、ジュネ色が健在で、
色味がなくても、深いなぁと思うところが、ある。
とかく戦場シーンは、暗くて、
よくありがちな陰影が濃い映像ではあるんだけど、
でも、ちゃんとジュネ色になってる。
どうしてそう見えるんだろう。ホントにすごいよ。

絶望的状況でありながら、
それでもマネクが生きていると信じて貫くマチルド。
おまじないって、いい方法だな。
理由のない希望が持てる。勇気が沸く。
で、問題は抱えながらも、
大手を振って、ハッピーエンドではないけど、
でも、絶望からは救われてる。。。
生きてることもまんざらじゃないと思わせてくれる。
この絶妙な展開が、厭な後味を残さないのだろう。

登場人物が多くて、
相関図が混がらがって、どうにも怪しくなっちゃった。
この人は誰の恋人だっけ? なんて、ちょっと大変だった。
ジョディ・フォスターが出てると知って、後でびっくり。
なんか似てる人がいるなぁとは思ってたけど、
こっちはストーリーを追うのが必死だから、
そこに気づく余裕がなかったのよ。

もう一度、落ち着いて観たい映画だなと、切に思う。

2010-06-23

ふたりの5つの分かれ路

2004年 
フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:ウ゛ァレリア・ブルーニ・テデスキ/ステファン・フレイス/ジェラルディン・ペラス/フランソワーズ・ファビアン/マイケル・ロンズデイル/アントワーヌ・シャピー

23Aug.'09 DVD
★★★★★

 離婚調停にサインをするマリオンとジル。
どうすれば、良かったのか。 何がいけなかったのか。
必死で記憶を辿っても、どんなに思い巡らしても、
答えはみつからない。 そもそも正解なんてないから。

「勝ち負けじゃない。終わっただけ」
そう。 勝ち負けじゃない。
正しいか間違ってるかでもない。

マリオンはずっと満たされていなかった。
男と女のちぐはぐさ、行き違い、すれ違いは、
あまりに微妙でうまく伝えられない。
みえない溝があることに気づきながらも、
ジルには、その溝が何なのかも埋める術もわからない。

「終わっ ただけ」というマリオンに、
「やり直せないか」というジル。

この二言が、すごく男と女を表してる。
怖いほど、リアルだ。
(2009.8.26)

ダーウィンの悪夢

2004年 
フランス・オーストラリア・ベルギー
監督:フーベルト・ザウパー



22Feb.'07 シネセゾン渋谷にて
★★★☆☆

あまりにショックな状況が次々に、映し出されていく。
つい目をそらしたくなる。できれば観たくなかった。
弱肉強食の世界。それにしても、、、
生き地獄だ。
でも、これが現実なのだ。
そう思い込んでいた。
それが、映画を観てすぐの感想だった。

『ダーウィンの悪夢』というタイトルだけに、
ナイルパーチに関する環境問題の話なのだと思っていた。
ナイルパーチは肉食種で
ビクトリア湖の草食の魚を食べ尽くしてしまい、
藻を食べる魚がいなくなり、湖は透明度をなくした。
それだけで他に説明はなかった。
この事実だけで、十分環境問題じゃないのか、、、
それまでのビクトリア湖についてや、
そこでの人々の暮らしがどうだったのかとか、
ここのところをもっと掘り下げて欲しかった。
なんだか、ちょっと腑に落ちないと思いながら、
タンザニアの社会問題にいつの間にかすり変わっていた。
それでもそこにある現実が強烈で、
観なくてはならないそんな気になっていたのだが。

違和感は確かにあった。

ナイルパーチの輸出のためロシアからパイロットが来ており、
それで売春、エイズって、、、なんか短絡的では?
パイロットってタンザニアの女性を凌駕するほど多かったの?
そういう人もいたかもしれないけど、
エイズは深刻な問題だけど、
ナイルパーチのせいだけなのだろうか。

夜警が屈託ない顔で、
「軍隊の給料はいい。」
「殺すのは怖くない。戦争ならあたりまえだよ。」
と言っていたのには、愕然とした。
けど、彼を非難する気にはなれなかった。
妙に淡々と普通の顔で語っていた。
だから余計に救われないものを感じた。
彼にここまで言わせるほど、
タンザニアは逼迫してるのかとやるせなかった。
でも冷静に考えれば、
タンザニアの若者がみんなそんなふうに思っているのだろうか。
彼が特別なのかもしれない。

ナイルパーチはとにかくグロテスクだった。
なぜ、こんな撮り方してるんだろう。 肉食種だから?
あの大きな口に呑み込まれたらひとたまりもない。
そこに意図を感じてしまう。
ナイルパーチは大国、ヨーロッパのことを
象徴しているのだろう。
ナイルパーチはビクトリア湖を呑み込んだ。
それは、 ヨーロッパがアフリカを支配したその縮図に見える。
映像のやり過ぎ感は否めないけど、
そこのところだけはワタシも同感だ。
それはナイルパーチだけの問題じゃなく。

ナイルパーチのことを知っただけでも、
観てよかったと思う。
この映画が本当に現実なのかどうかは、
タンザニアに行ったことがないので、何とも言えない。
ワタシの違和感は、
タンザニアに行き、本当のタンザニアを見ない限り、
解消されることはないだろう。
ドキュメンタリーじゃない形で観ることができたら、
もっとすんなり受け入れられたかもしれない。
(2007.2.15)

あるいは裏切りという名の犬

2004年 
フランス
監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ダニエル・オートゥイユ/ジェラール・ドパルデュー/アンドレ・デュソリエ

31May'07 ギンレイホールにて
★★★★★

久々に男臭い、渋い映画だった。

濡れた石畳に映る街灯。パリの町並み。
たとえ刑事ものでも、
ハリウッドとは違うしっとりした艶を感じる。

どちらかというとジェラール・ドパルデューが観たかった。
しかし、物語に惹き込まれて行くうちに、
ダニエル・オートゥイユの眉間の皺が
せつなくてたまらなくなった。

オートゥイユはデ・ニーロに似てるとずっと思っていたが、
この映画ではオートゥイユはずっと柔らかい印象。
デ・ニーロはもっととんがっている気がする。
奇しくもハリウッドでデ・ニーロ主演で
リメイクが決まっているらしいのだが。
・・・??? どうなんだろう。。。

殺ったり殺られたり、フランスだからなのか、とことん残酷。
それがとにかく怖い。
そういう意味ではハリウッドの方が
観ていられるような気がする。

刑事物の王道で、
それ以上何か新しいものがある訳でもない。
でも、レオとドニのような男の生き様、
そんな無骨なもの、 そんなものにどうにも惹かれてしまう。
こういう映画は永遠であって欲しいと願う。
 (2007.6.4)

薬指の標本

2004年 
フランス
監督:ディアーヌ・ベルトラン 
原作:小川洋子
出演:オルガ・キュリレンコ/マルク・バルベ/スタイプ・エルツェッグ/エディット・スコブ/ハンス・シジュラー

10Oct.'06 ユーロスペースにて
★★★★☆

オルガ・キュリレンコがとにかくかわいい。
ファッションもキュートなせいか、
エロティックなのにエッチじゃない。
いつも汗をかいていて、それがなんとも艶かしかった。

すべてが現実から、どこかかけ離れた雰囲気で、
夢物語がどんどん昇華していくかんじ。

物語は妖しくて何が起こるんだろうとそわそわしながら、
せわしくなく、下世話でもないのは、
独特で穏やかな光の織りなす色が映画を貫いているからだろう。
(2006.10.14)

エターナルサンシャイン

 2004年 
アメリカ
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー/ケイト・ウィンスレット/キルスティン・ダンスト/イライジャ・ウッド/マーク・ラファロ/トム・ウィルキンソン

26Jun.'09 DVD
★★★★★

結局、それは神の領域なのよ。
科学だかなんだか知らないけど、
そんなもので愛を忘れさせることなんてできないのよ。

久しぶりにぼろぼろ泣いた。理屈云々じゃない。
ワタシのココロの冷えていたところを、
どんぴしゃで当てて、温めてくれた、そんな映画。

ジム・キャリーを久しぶりに観た。
コメディのジム・キャリーは、
実はそんなに好きじゃなかったけど、
シリアスなものでの真摯な演技はかなり好き。
でもこれはコメディで培ってきたものなんだろうな。
それをすごく感じる。
(2009.6.29)

親密すぎるうちあけ話

2004年 
フランス
監督:パトリス・ルコント
出演:サンドリーヌ・ボネール/ファブリス・ルキーニ/ミシェル・デュショソワ/アンヌ・ブロシェ/ジルベール・メルキ/ローラン・ガムロン/ヘレン・サルジェール/アーバイン ・キャンセリエ/イザベル・プチ・ジャック/ヴェロニック・カポイアン/ブノワ・ベートル

07Aug.'09 DVD
★★★★★

ワタシはこういう映画に弱い。

アンナは精神科のカウンセリングを受けるはずが、
部屋を間違えて税理士ウィリアムの事務所へ入ってしまった。
夫婦の問題を相談しようと話をする。
ウィリアムも変だと思いながら、聞いてしまう。
そして次の予約をする。

話をしたいアンナと、話を聞きたいウィリアム。
ウィリアムはただただ、アンナの話を聞いている。
ウィリアムの耳は「理想の耳」
アンナはただただ、
話を聞いてほしかったのだ。

アンナの話は、来る度ごとに赤裸裸度が増す。
その度にウィリアムは眉間と額に皺が寄り、
目がまん丸になっている。
普段ネクタイをを締めて、数字ばかりを追いかけていて、
感情を表に出すようなことは決してない。
でもアンナの話にウィリアムが不器用にドギマギしてる様子が、
なんとも可笑しくて、愛おしくなる。
いい年をしたおじさんのウィリアムが、
いきなり踊りだしたりするから、もう、たまんない!
身のこなしに切れがあって、驚いた。
ウィリアムはアンナの話に夢中だったけど、
ワタシはウィリアムおじさんに釘付けだった(笑)

映画は税理士事務所での二人の会話がほとんどを占めていた。
しかも会話だけで、握手するぐらいしか触れることもない。
な のに、エロティックだし、大人の恋っていうか、
とても穏やかで、深いものを感じた。
会話だけで、そこからイメージがどんどん 膨らんでいく。
直接的なことは何一つしていなくても、
イメージは脹らませることができる。

最後の書斎の俯瞰の映像。
しっとりと落ち着いた、いい部屋だなと思った。

ワタシのルコント一番は『髪結いの亭主』で、
それにはこの映画もワタシの中では及ばなかったけど、
ウィリアムおじさんがワタシを楽しませてくれたから、
★は、おまけ。
(2009.8.7)

2010-06-20

家の鍵

2004年 
イタリア
監督・脚本:ジャンニ・アメリオ
出演:キム・ロッシ=スチュアート/シャーロット・ランプリング/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ

20Nov.'06 ギンレイホールにて
★★★★☆

再会してたった数日の親子の物語。
親子の有り様がとても正直に描かれていた。

15年ぶりに会う障害をもつ息子パオロに、
遠慮がちな父親ジャンニ。
パオロも明るく振る舞いながらも、どこかぎこちない。
そんなふうに固まっていたココロが少しづつ溶けていく、、、
ひとつひとつ親も子も成長していく、、、

世界中の親子に観て欲しい映画。

相変わらずシャーロット・ランプリングは、
説得力のある演技するなぁと感心した。
(2006.11.22)

2010-06-16

ニキフォル 知られざる天才画家の肖像

2004年 
ポーランド
監督:クシシュトフ・クラウゼ
出演:クリスティーナ・フェルドマン/ロマン・ガナルチック/ルチアナ・マレク/イエジ・グデンコ/アルトゥール・ステランコ

12Feb.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★☆

森の雪景色や街の石畳や、
アトリエの風景がとにかく美しくて、
映像を楽しむだけで満足できる。

「神さまがくれた色使い」か。
ニキフォルの絵の素朴でありながら、
穏やかだけど存在感のある色。
ポーランドの光を吸収した色。

ニキフォル自身の色にすら見える。
絵を描くことのみが生きる使命であり、
その他の雑音には耳も貸さない。目もくれない。
路上で生活しながらも何に媚びることもない。
純粋に絵だけ。絵に対する執着だけは頑固に貫いていた。

マリアンはこの変人画家ニキフォルに最初は辟易しながら、
自分も絵に携わるものとしてほっとけなくなる。
マリアンの妻や周りの人がニキフォルにもつ感情や偏見。
それも理解はできるので、彼らを責める気はない。
だが、
それがニキフォルがずっと世間から受けてきた偏見である。
映画の部分はマリアンがいるけど、
それまではずっとひとりだったのだ。

観た後で知ったのだが、
このニキフォル、女優だったとのこと。
ひえ〜〜〜びっくり!!!
でも思えば、かわいらしい場面が結構あったかも。

それから、音楽もずっと映像にあっていてよかったのに、
エンドロールに入る前のニキフォルの作品が流されるときの
ロック調の曲はちょっと違和感が。
何か意味があったのかな? よくわからなかった。
(2008.2.13)

やさしくキスをして

2004年 
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:エヴァ・バーシッスル/アッタ・ヤクブ/アーマッド・リアス/シャムシャド・アクタール/シャバナ・バクーシギザラ・エイヴァン/ゲイリー・ルイス/デイヴィッド・マッケイ/シャイ・ラムザン/ジェラルド・ケリー/ジョン・ユール/スンナ・ミルザ/パーシャ・ボカリー

15Jul.'09 DVD
★★★★☆

イスラム教徒のパキスタン人移民2世のカシムと、
カトリックであるアイルランド人の音楽教師のラシーンとの、
恋の物語。

二人の恋に宗教の壁が大きく立ちはだかる。
この恋を貫いて異教徒間の結婚となると、
カシムはムスリムのコミュニティから締め出され、
家族を失うばかりか、家族を窮地に追いやることになる。
カシムの姉の縁談も壊れてしまう。
一方ラシーンも教師の仕事が本採用になり、
カトリック教徒である証明を司祭にもらいにいくのだが、
カシムと同棲していることをつつかれ、
また前の夫との離婚が成立していなかったりで、
なんとも、ややこしい。

カシムはラシーンか家族かで揺れて、苦悩の堂々巡り。
ラシーンだって、カシムにはつめよるものの、
カシムをとることで、自分が積み上げてきたものを、
失うかもしれないストレスを感じている。

二人の恋を実らせてあげたいけど、
それが周りを傷つけるのだとしたら、
ホントに二人の幸せになるのかな。
うーん。むずかしい。

結局、答えは出てないように感じたけど、
どうだろう。
カシムはあれだけじゃ家族を振り切ってないでしょ。
安易に二人の恋を盛り上げて、
それで完結なんてことにしていないところが、
ケン・ローチのすごいところだと思う。
二人は、特にカシムは思う存分悩んで堂々巡りをやるべき。
パキスタン人移民が、
頑にムスリムのコミュニティを守ろうとするのは、
当然なことだと理解できるけど、
でもここはグラスゴーで白人がいるところなわけで、
こんな恋がさして特別なこととも思えず、
よくあることなのだとしたら、
いろんな歴史や軋轢があったとしても、
それを乗り越えて、
そろそろお互いの共生を考えなくちゃならないんじゃないか、
というメッセージが込められているように思うんだけど、
どうだろう。
(2009.7.16)

2010-06-15

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

2004年 
アメリカ
監督:ジェシカ・ユー
ナレーション:ダコタ・ファニング/ラリー・パイン

17Apr.'08 シネマライズにて
★★★★★

昨年の原美術館の展示を最終日に駆け込みで観たのだが、
その時はあまりよく理解できなかった。
この映画はダーガーの絵の意味、
なぜこれらの絵が生まれたのかが端的に描かれていると思う。
ダーガーのドキュメンタリーであり、
「非現実の王国」のファンタジーであり、
それが合わさって混ざり合って
ダーガーその人の本質が浮き彫りになっていた。

ダーガーにとって現実はあまりに過酷だった。
「非現実の王国」こそがダーガーの現実であり、
ダーガーはこの王国に身を置くことで、
やっと息をすることができたのだろう。
絵を描いて物語を想像していれば心安らかにいられた。。。
ダーガーの絵ののびやかな印象は、だからこそだと思う。
現実が闇であればあるほど、ダーガーの王国は色が溢れ、
華やかでうららかな世界になっていったのだと思う。

ヴィヴィアンガールズが動いていたり、
暗いモノクロのシカゴの映像に淡彩の女の子が見え隠れしたり。
決してダーガーの意を損なうものではないだろう、
ワタシにはなかなか興味深いものだった。
 (2008.4.22)

2010-06-07

クラッシュ

2004年 
アメリカ
監督:ポール・ハギス
出演:サンドラ・ブロック/ドン・チードル/マット・ディロン/ジェニファー・エスポジット/ウィリアム・フィクナー/ブレンダン・フレイザー

19Jun.'09 DVD
★★★★★

成功している黒人、
真面目で家族思いの黒人、
ごろつきの黒人、
セレブな白人、
卑屈なベテラン警官、白人、
正義感溢れる新米警官、白人、
ヒスパニック、
イスラム、
アジア、
様々な人種の登場人物たちの 、
いろんな立場のいろんな状況で起こる、
丸一日のできごと。

いろんな物語が絡み合っていた。
差別を「傲慢な白人と抑圧された黒人」のような常套句では、
もはや語れないと感じた。
だれが善人でだれが悪人、
なんてことはだれも決められない。
最低なやつだと思ってたら土壇場で命を助けたり、
聖人ぶってるやつが恐怖に負けて間違いを犯したり。
感情を抑えきれなくて乗り込んでいき、
最悪の事態となる危機一髪で救われたり。
そう、奇跡的に天使がいたんだもの。
すぐそばにいる大切な存在の、
思いやり? 配慮? という、天使がね。

でもその天使が現れない場合だって、やっぱりあるのよ。
そうそう都合良くはいかない。
そういういろんな生き様、死に様があるってことだと思う。

たくさんの人が出ているせいで一見複雑にみえるけど、
伝えようとしているメッセージは一貫している。
実はシンプルな映画だと思う。 
(2009.6.21)

ビフォア・サンセット

2004年 
アメリカ
監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク/ジュリー・デルピー

31Jul.'09 DVD
★★★★★

『ビフォア・サンライズ』から9年がたって、パリで再会。

お互い9年もたつと出会った時の若いままではいられない。
そりゃ、いろいろある。 齢をとるってのはこういうことだ。

続けて2本観ようしたのがいけなかったのだけど、
最初は『ビフォア・サンライズ』と同じ手法に、
正直なところ、ちょっとダレてきていた。
ところが次第にそれぞれに気持ちの深い部分になってくると、
会話や表情に含みが感じられて、目が離せなくなった。

しかも『ビフォア・サンライズ』より時間はもっと短くて、
またもやジェシーが飛行機に乗る午後7:30までで、
一時間ちょっとしかない。
映画の時間と演じる時間がほとんど同じで、
リアルタイムで進んでいく感じになる。
すごく濃厚な一時間。 だからかな。
いくぶん緊迫した雰囲気になってた。
ココロなしか、会話が早口になってたような(笑)

『パリ、恋人たちの2日間』につながってる要素が、
いろいろあって、おお、と思ってしまった。
パリの実家のアパートの外観とか、猫とか、両親とか。
なんか似てた気がするけど、気のせいだろうか。
ジュリー・デルピーが脚本も手がけているので、
あり得ることだとは思う。。。
『パリ、〜』ではジュリーがカメラマンで、
名前も違うから、 別人の設定なのは承知の上なんだけど。
映画の内容としてはどうでもいいことだけど、
こういう遊び感覚は大好き。
発見すると嬉しくなる。
(2009.8.1)