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2011-01-10

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

2008年
アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ 
製作総指揮:ミック・ジャガー/キース・リチャーズ/チャーリー・ワッツ/ロン・ウッド
出演:ザ・ローリング・ストーンズ/クリスティーナ・アギレラ/バディ・ガイ/ジャック・ホワイト


19Dec.'10 早稲田松竹
★★★★★

ずっと観たかったのに見逃してて、
この年の瀬にやっと観た。
とにもかくにも観ることができて、よかった。

よく動いて、よく走って、で、それで、よく歌えるよなぁ。
メンバーみんな、60歳、超えてるよね。
だってミックとキースがニュースで、
赤いちゃんちゃんこ着てたの、もう随分前だもん。
ひ〜、すごいよ。
特にミックの腰つきはもう、昔と何も変わってない!
細いよなぁ。くねくねよく回るよなぁ。
これ自体が、もう奇跡だよ。すごい、すごい。

ワタシが高校生の頃、ストーンズが来日するなんて、
夢のまた夢だった。
ドラッグで、強制送還されてたりしてて、
来日が実現できるかどうかで、
ラジオの特番があったぐらいだもん。

ところどころでミックの昔のインタビューが、
嵌め込まれてるんだけど、そのミックが若くてかわいい。
で、それが、なんか素直というか、自然というか、
別に気負いもなければ、つっぱってる風でもない。
その頃のジョン・レノンとかボブ・ディランとかの方が、
よっぽど、世の中につっかかってたように思う。

ストーンズはとかく陰のイメージで、
反体制って括られることが多い気がしてたけど、
でもそれって、そういう風にされていただけのように、
この映画を観てて、思った。
世間がそう思うなら、それでいいやって感じで、
ずっと、やってきてたんじゃないかな。
クリントンがでてきて、ちょっと、えって思ったけど、
そういうことにとらわれなければ、
それもありなのかもって、思った。
だって、60代のファンが多いのは事実だろうし、
その60代が体制側にいたって、それをどうこうは言えないし。

ま、そうだな。
もう理屈じゃなくて、ミックもキースもロンもワッツも、
ロックを、音楽を、バンドを楽しんでる。
そういうふうに見えただけでも、
この映画を観て、ホント、よかった。

で、フィナーレで気づいちゃった、キースのポッコリお腹。
それすら、今となっては、愛おしく思えるもの。
20代のワタシだったら、それは許せなかっただろうな。
でも今なら、いい。
逆にキースも人間だったのねって、嬉しく思える。

いろんな意味で、年月を、時間を経るというのは、
偉大だよなぁって、思った。

(2010.12.30)

2010-11-18

プレシャス

 2009年
アメリカ
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ/モニーク/ポーラ・パットン/マライア・キャリー/シェリー・シェパード/レニー・クラヴィッツ/ニーラ・ゴードン/ステファニー・アンドゥハル/アミナ・ロビンソン/チャイナ・レイン/ソーシャ・ロクモア/アンジェリック・ザンブラーナ

13Oct.'10 早稲田松竹
★★★★★

あまりの境遇のひどさに、絶句。
でもこれが現実なんだよね。
ハーレムじゃ、
そんなに珍しいことでもないんだよね。

プレシャスの楽しみといえば、
現実から逃避して、妄想に浸ることぐらい。
ちょっと数学の先生が気を使ってくれたといって、
ココロがほかほかするという。
それぐらい優しくされたことがなかったってこと。
家に帰ると、煮込みの鍋の前にいるのだが、
これがなんとも不気味。とても美味しそうには見えない。
ふつう煮込みの鍋がぐつぐつしてる図というのは、
幸せの象徴ってのが万国共通のはず。
なのにプレシャスんちでは、なんだか暗い。
そのプレシャスの後ろにいる母親が、
苦虫をつぶしたような顔をして、悪態をついている。
その姿が視界に入るだけで、
ワタシのカラダは強ばってしまう。

代替学校に通うようになって、
プレシャスはみるみる変わっていく。
自分がどうしたいのかをひとつひとつみつけていく。
最後に母親と対峙するも、
プレシャスなりに乗り越えていくように見えた。
決していい状況じゃないけど、
それでも生きていく方向に光が見えたのはよかったと思う。

しかし、問題は母親だろう。
彼女も愛情に枯渇していて、支えるものがなかった。
プレシャスにしてきたことは決して許されることではない。
けど、、、けど、、、

モニークの迫力には参った。
彼女の姿が出てくると、
スクリーンから目を逸らしたくなったよ。
彼女自身が虐待を受けて育ったらしく、
この役はかなりきつかっただろう。。。

マライア・キャリーとレニー・クラヴィッツは、
素朴な役どころでよかった。

17歳のカルテ

1999年
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー/アンジェリーナ・ジョリー/クレア・デュヴァル/ブリタニー・マーフィ/エリザベス・モス/ジャレッド・レト/ジェフリー・タンバー/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ウーピー・ゴルドバーグ/アンジェラ・ベティス/ジリアン・アルメナンテ/ブルース・アルトマン/メアリー・ケイ・プレイス

13Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

ウィノナ・ライダーの大きな目がますます見開いて、
頬がこけてるせいか(メイクなのかな?)、
より目力が強くなって、その度になんだかどぎまぎする。

お嬢さま御用達の精神病院のようで、
恵まれてるっていうか、きれいっていうか、
現実はこんなもんじゃないだろって思う。
けど、10代の女の子たちが病気と向き合いながら、
どう生きていくかを模索しているところは、
その清濁をそのまま正直に描いている。
そこはとても好感がもてた。

『ダウンタウン』は、いい歌だなぁ。
なんだかすごくココロに沁みた。
前後のストーリーとは別のところで、
この歌に泣けてきた。

アンジェリーナ・ジョリーのリサ役は、よかったと思う。

2010-11-07

第9地区

2009年
アメリカ
監督:ニール・ブロンカンプ
出演:シャルト・コプリー/デイウッド・ジェームズ/ジェイソン・ストライク/ジョン・サマー/ウィリアム・アレン・ヤング/ニック・ブレイク/バリー・ストリドム/ジェド・ブロフィ/ヴィットリオ・レオナルディ/デイウィッド・ジェームズ/ティム・ゴードン/モーン・エラスムス/アンソニー・ビショップ

25Sep.'10 新文芸座
★★★★★

歴史は繰り返すっていうか、
勉強しないというか、
様子の違うものは分けたがるというか。
人間が繰り返してきた人種差別を、
今度は宇宙人を相手にやってる。
ヨハネスブルクが舞台だってことが、
かなりの皮肉だよなぁ。
しかもアメリカ映画なんだ。。。

エイリアンの親子が微笑ましい。
初めはなんてグロい生き物なんだって思ったけど、
観ているうちにだんだん慣れてきて、
慣れた頃にはエイリアンの方がよっぽどまともだと思った。
人間なんて敵わないほどの頭脳をもっていて、
こういう状況に甘んじているのは、
単にエイリアンの方が遠慮してるのか、優しいのか、
じゃないのかって、勝手に思う。

結末は切ないけど、これでいいんだって、
妙に納得してしまった。
起こってしまったことはもう後戻りできない。
ここの数秒のシーンで
カフカの『変身』を思い出して、二重写しになっていた。
(2010.10.24)

NINE

2009年
アメリカ
監督:ロブ・マーシャル
出演:ダニエル・デイ・ルイス/マリオン・コティヤール/ペネロペ・クルス/ジュディ・デンチ/ケイト・ハドソン/ニコール・キッドマン/ソフィア・ローレン/ステイシー・ファーガソン

14Sep.'10
★★☆☆☆

やっぱりワタシには、肌に合わない世界だな。
美女が入れ代わり立ち代わり、歌って踊って、
めちゃくちゃ豪華だし、きらびやかだし、
踊りの構成とかはかっこいいとは思うんだけど。
最後の方はお腹いっぱい。すっかり飽きてた。

ダニエル・デイ・ルイスがニヤケた監督をやってる。
書けない書けないと苦悩してても
どこかニヤケてるところが巧いと思う。
このセレブの監督役も、すっかり様になってる。
そういう意味ではさすがだと思う。
あと、ワタシが惹かれたのは、ジュディ・デンチ。
衣装係の役で、彼女がいてちょっと安心できた。

ところで、『8 2/1』が下敷きなの? 
全然つながらなかった。思いもしなかった。
後になって、設定は似てるかもって気づいたぐらいで。。。
同じイタリアが舞台なのに。

何が違うんだろう。
『8 2/1』は訳がわかんなくても、すごくときめくのに。
『NINE』は内容はよくわかったけど、
ときめかなかった。。。
タイトルは進化してるのにね。
(2010.10.22)

シカゴ

2002年
アメリカ
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー/リチャード・ギア/クイーン・ラティファ/ジョン・C・ライリー/ルーシー・リュ/テイ・デイヴィス/コルム・フィオール/ドミニク・ウェスト/クリスティン・バランスキー/エカテリーナ・シェチェルカノワ/デイドレ・グッドウィン/デニーズ・フェイ/マイア・ハリソン/スーザン・ミスナー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

14Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★

あらためて観ると、
やっぱり構成が絶妙なんだなって、ホントに感心した。
歌と踊りと物語のバランスがいいんだと思う。
ミュージカルはそんなに好きじゃないけど、
上質なものに出会うとすごくうきうきする。
『シカゴ』もそのひとつ。

公開時に観た時はゼタ=ジョーンズばかりが印象的だった。
確かに歌と踊りはゼタの存在感はすごいけど、
でも、今回はレニー・ゼルウィガーがとても魅力的にみえた。
甘ったるいアメリカのお菓子に実は毒を含んでるような、
ロキシー。そのロキシーのギャップが面白かった。


最近思うのは、前に観た映画を観直した時、
前よりのめり込める映画が、ホントに好きな映画なのだと。
いい映画は何度観ても楽しめる。
『シカゴ』もそのひとつ。

そういう映画がひとつひとつ増えていくのが、嬉しい。
(2010.10.22)

2010-09-10

シャッター アイランド

2009年
アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ/マーク・ラファロ/ベン・キングズレー/ミシェル・ウィリアムズ/パトリシア・クラークソン/マックス・フォン・シドー/エミリー・モーティマー/ジャッキー・アール・ヘイリー/イライアス・コティーズ/テッド・レヴィン/ジョン・キャロル・リンチ/クリストファー・デナム/カーティス・クック/ケン・シーセマン/ジョセフ・マッケンナ

09Sep.'10 早稲田松竹
★★★☆☆

謎解きか。
「あなたは上映開始から何分でこの謎が解けますか」って、
言われてもなぁ。
最後まで、っていうか、「衝撃のラスト」で、
謎は余計に深まった、、、
謎は深まったけど、「衝撃」って程じゃない、、、
公開当初、一回観ただけじゃわからないから、
リピートして観てほしいとか言ってたけど、
もう一度観てまで、
謎解きをしなくてもいいやって思っちゃった。
謎はわかんないから謎なのであって、
無理に謎を解く必要なんてないでしょ。
テディが妄想でも、現実でも、どっちでも、
切なくて、怖い。最後の台詞、ホント切ないよ。

やたら暗いよなぁ。
ま、囚人収容の島なのだから、暗くしてるんでしょうけど、
太陽の光は万人に平等でしょ。。。
あ、そうか、妄想だから、暗いのか。
でも、なんかどんどん絶望的になってて、息が詰まる。
それも、主人公が絶望的だから、仕方ないのか。
だって、この主人公、気を緩める瞬間がないんだもん。
起きてても、寝てても、眉間にずっと皺が寄ってる。
休まるところがないから、肩が凝っちゃったよ。

で、そんなんで、これって、面白いの?
わかんなくなってきた。

ディカプリオ、大人になったねぇ。
『ギルバート・グレイプ』の頃がなつかしいな。
最近、レオの映画を観てなかったので、
久しぶりなせいか、男っぷりに感心した。

スコセッシとディカプリオのコンビには、
ホントに期待してるんだけどなぁ。
スコセッシには、昔の作品があるだけに、
どうしても期待のハードルが上がっちゃうんだけどね。

2010-08-19

ハート・ロッカー

2008年
アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー/アンソニー・マッキー/ブライアン・ゲラティ・レイフ・ファインズ/ガイ・ピアース/デイヴィッド・モース/エヴァンジェリン・リリー/クリスチャン・カマルゴ/サム・スプルエル/サム・レッドフォード/バリー・ライス/エリン・ガン/ジャスティン・キャンベル/マルコム・バレット

 14Aug.'10
★★★☆☆

うーん、うーん、うーん、、、
なんだろう、このイヤな感じ。

まずは、えらく骨太で男っぽい映像で、
なんだかがんばっちゃったなぁ、、、って、
で、
自信満々の男が登場したかとおもいきや、
男同士でじゃれあってたり、
爆弾を仕込まれたのがベッカムだと勘違いして、
いやに落ち込んじゃって、、、
でも、ベッカムじゃなかったんだけど、、、
ならいいって話では決してないんだけど、、、

男っぽさを強調してる割に、
なんかフェミニズム的なものを感じて気持ちが悪かった、
ってのが、最初の印象。

とにかく、ワタシが腑に落ちなかったのは、
子どもを人間爆弾にするなんてこと。ホントにやってるの?

戦争は怖い、嫌だ
=テロリストは怖い、残酷
=アラブ人(イラク人)は訳が分からない、気味が悪い

ってのが、
基盤になって物語が展開されているように、
思えてならなかった。
この映画で描かれているイラク人って、
爆弾処理中に通りかかった人が、
携帯電話をかけていたり、
爆弾処理現場に突っ込んじゃったタクシーが、
立ち往生してしまったり、、、
処理班側からすれば、なんとも迷惑な存在になってた。
携帯電話の件ではひとりアメリカ兵が亡くなって、
被害者だと言わんばかりになってたし、、、
でも、いきなり銃を突きつけられれば、
動けなくなるでしょ。
イラク人は自分らの生活をしていただけだよ。
爆弾処理してやってるってえらそうなこというなら、
市民の安全を確認してやれよ。
せめてアラブ語を覚えてからやれよ。

アメリカ軍のプロパガンダというか、
なぜイラクにいるのかっていう言い訳?
のようにしか、見えなかったんだけど。。。
とにかくアメリカ兵主体の映画で、
彼らの仕事ぶりや苦悩を描いているわけだけど、、、
それを描けば描くほど、言い訳になるように思う。

で、実は暗にイラク派兵は失敗だったといってる?
中盤以降、あんなに自信満々だった主人公が、
ことごとく上手くいかなくなっているのは、
アメリカ軍は完璧じゃないことを暗に示してる?

深読みして、そうとれなくもないけど、
だとしたら、なんて面倒くさい映画なんだ。 

「War is Drug」か。
戦うことでしか生きられない人種が、
いるってことは知ってる。
使命感からでも、中毒でも、
戦場に行きたきゃ行けばって思うけど、
自分たちだけで完結してくれと言いたい。
くれぐれも市民を巻き込まないで欲しい。

フローズン・リバー

2008年
アメリカ
監督・脚本:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ/ミスティ・アップハム/チャーリー・マクダーモット/マーク・プーン・ジュニア/マイケル・オキーフ/ディラン・カルソナ/ジェイムズ・ライリー/マイケル・スカイ/ナンシー・ウー/ジェイ・クレイツ

14Aug.'10
★★★★★

ニューヨーク州最北部、
カナダとの国境のモホーク族保留地で、
実際に起きていた事件の映画化。

起こっていることは、とにかくスリリングで、
どうなっていくんだろうと終始ヒヤヒヤする。
もう、とにかく寒そうで、、、
家を買うために溜めていた金をもって夫がいなくなり、
もうすぐクリスマスだというのに、
ポップコーンとジュースという食事だったり、、、
川が、車が通れるぐらい凍ってて、
でもその国境を越えるってことも、
危険ぎりぎりの覚悟なわけだし、、、
もう、観ているこっちが、とにかく冷えた。

アメリカと先住民族との問題をよく知らなくても、
映画自体はわかりやすく描かれている。
母親として覚悟を決めていくのだが、
変な感傷に浸ったりしない。
ライラにも最初は不信感でいっぱいだったのが、
次第に友情に変わっていくのが、とても自然で、
お涙頂戴的いやらしさはなかった。
最後の展開もすごく納得できた。

観終わった時に、
イヤだと思うところはひとつもなかったんだけど、
ただあまりに淡々としていて山場がないせいか、
すーっと観ちゃったなって、感想だった。

でもドキュメンタリーではないにしろ、
実際の話なわけだし、
山場なんて作っちゃいけないんだと思った。
そういう意味でも、作り手側の主観はほとんどない。

プアホワイトという層が確実にある現実や、
先住民族との歴史や関わり方や、
パキスタン人だというだけで、
テロリストだと思い込む市民の意識、
そういう社会問題、
それもアメリカの一般市民の生活に密着した問題が、
垣間見える映画だったように思う。

2010-08-04

かいじゅうたちのいるところ

2009年
アメリカ
監督・脚本:スパイク・ジョーン
原作:モーリス・センダック

18Jun.'10 早稲田松竹にて
★★☆☆☆

こんな湿っぽい話だっけ?

センダックの持ち味はからっと乾いているところ。
決していい子なんかじゃなくて、
時には、だだっ子にもなるけど、
でも子どもたちが自分自身で、
楽しいこと、面白いことをみつけて、
得意げになって、笑顔になって、
いつの間にか、だだをこねてたことも忘れてるってのが、
ワタシの中のセンダックの絵本のイメージ。

ま、原作に忠実になる必要はないけど、、、

映像化されて、どうなるんだろうって思ったけど、
ワタシには全然合わなかった。
なぜか、かいじゅうたちのせかいが、暗かった。
青空のシーンもあったのに、陰気な印象。
逆光の映像がやたら多かったからかな。
シルエットにして、かいじゅうたちの憂鬱を表現してる?
ノスタルジックなイメージ自体が違う気がする。

セットやかいじゅうたちは凝っているとは思う。
だからこそ、なんだかもったいなく感じてしまう。

へんな感動話になってきて、
しまいにはダレちゃって、ちょっと辛かった。

2010-06-25

リミッツ・オブ・コントロール

2008年
アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:イザアック・ド・バンコレ/ティルダ・スウィントン/工藤夕貴/ジョン・ハート/ガエル・ガルシア・ベルナル/ビル・マーレイ/アレックス・デスカス/ジャン・フランソワ・ステヴナン/ルイス・トサル/パス・デ・ラ・ウエルタ/ヒアム・アッバス

20Apr.'10 早稲田松竹
★★★★★


ジャームッシュ・フリークとしては、大満足。
ジャームッシュ色、一色で染め上げられていた。
それで申し分ない。それでいい。
こういう監督のわがままな映画ってのを、
フリークは求めてるのよ。
今度は何をやってくれるんだろうって、わくわくしたいのよ。
ジャームッシュは心地いいところで、心地よく裏切りながらも、
それに答えてくれるから好き。
でもそれはジャームッシュ・フリークにしか通用しない。
この映画にサスペンスやアクションを期待してたら、
そりゃ退屈でしかないと、客観的になればそう思う。

それにしても、この映画、かっこいいと思う。
やっぱりワタシは寡黙な男がでてくる、
寡黙な映画が好きなんだなぁ。
(2010.4.21)

2010-06-24

コーヒー&シガレッツ

2003年
アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ/スティーブ・ブシェーミ/イギー・ポップ/トム・ウェイツ/ジョー・リガーノ/ルネ・フレンチ/アレックス・デスカス/ケイト・ブランシェット/メグ・ホワイト/アルフレッド・モリーナ/ビル・マーレイ/ビル・ライス

20Apr.'10 早稲田松竹
★★★★★

何度観ても楽しませてくれる映画。
このゆるさ加減がたまらない。
コーヒーと煙草とおしゃべりのまったりした時間が、
ものすごく極上のものに見える。

昨今、煙草はとことん肩身の狭いものになりつつあって、
かくいうワタシも普段は隣で吸われたりしようものなら、
もうそれだけで気分が悪くなるけど、
この映画を観ると、吸わない、いや、吸えない自分が、
人生えらく損しちゃってるような気にさせられてしまう(笑)

健康にいいことばっかりやって、
正しいことばっかりしてても、滅入っちゃうしなぁ。
この映画の感じぐらいがちょうどいい。

それにしても贅沢だなぁ。
イギー・ポップにトム・ウェイツ、ロベルト・ベニーニ、
ケイト・ブランシェット、ビル・マーレイ・・・
大好きなスティーブ・ブシェーミもでてる。
クールで憎めない役者ばかり。みんな、いい。すごい、すごい。
(2010.4.21)

3時10分、決断のとき

2007年 
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ/クリスチャン・ベール/ピーター・フォンダ/グレッチェン・モル/ベン・フォスター/ダラス・ロバーツ/アラン・テュディック/ヴィネッサ・ショウ

20Nov.'09 早稲田松竹
★★★★☆

ラッセル・クロウかぁ、って感じで、
『レスラー』目当ての2本立てで、
ついでだしせっかくだからぐらいで、
ちっとも期待してなかった。
だいたいワタシはラッセル・クロウがキライ。
遅れたら観なくてもいいやって思ってた。

でも、でも!
この映画でラッセル・クロウ観は変わったわ。
すっごいいい男になってた。かっこよかった。
なんか痩せたのかしら? 引き締まったように見えたわ。

 西部劇もそんなに好きじゃない。 ドンパチは基本キライ。
だからクリスチャン・ベイルがいてくれてよかった。
この役のおかげで映画に惹き込まれたもの。

最後はあっけにとられたけど、 その潔さに、感服。
多くを語らなくともちゃんと芽生えてる男の友情は、
羨ましいと素直に思う。
(2009.11.25)

レスラー

2008年 
アメリカ
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ローク/マリサ・トメイ/エヴァン・レイチェル・ウッド/マーク・マーゴリス/トッド・バリー/ワス・スティーヴンス/ジュダ・フリードランダー

20Nov.'09 早稲田松竹
★★★☆☆

久しぶりのミッキー・ローク見たさに駆け込んだので、
すっかり『レスラー』の映画だということを忘れてた(笑)
始まって1分で後悔。
格闘技、中でもプロレスは超苦手なのよ。
有刺鉄線がなんでリングにあるわけ?
ホッチキスとかありえないし。。。(汗)

それはさておき、ミッキー・ローク。
昔の切れ味鋭い刃物のようなミッキー・ロークも、
嫌いじゃなかった。
『ランブル・フィッシュ』も『ナイン・ハーフ』も好きだった。
さすがに猫ぱんちはいただけなかったけどね。
で、この変貌ぶりに、ま、びっくりはしたけど、
でも再起をかける熱意だけは感じるので、これもいいと思う。
一皮むけたというか、ふっきれたというか、
抜け出したというか、、、そんな感じがした。

ストーリーは確かにありがちだけど、
ダメダメな男が唯一輝けるのがリングの上で、
そこで命をかけて全うする姿は涙を誘う。
冷静になれば、肯定する気にはなれないけど、
でも、泣けてくる。
やっぱりダメじゃん、って踏まえた上での、
ザ・男の世界ってことなら、悪くないと思う。

映画の雰囲気もまぁ好みだし、
マリサ・トメイはかわいかったし、
スプリングスティーンの歌はめちゃくちゃよかった。
プロレス嫌いを差し引いたって、
文句のつけようなんてない映画になってたはず。
だけど、どうしようもなくイヤだったのは、
「ランディって、
ダメダメだけど人間臭くていいやつなんだよ〜」 ってのが、
映画の全面的に押し出されていて、
すごく訴えられてる感じがしてしまったこと。
それが何ともいえずむず痒くて、 とにかく気持ちが悪かった。

ダメダメなのはダメダメなんだから、
ダメダメのままをさらけ出して、
それで観客が「でもいいやつだよね」って思うのはありだけど、
映画がそれを正当化しちゃうのはどうかと思う。
そこにどうしても違和感を感じてしまった。
 (2009.11.24)

2010-06-23

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

2009年 
アメリカ
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン

13Nov.'09 ワーナーマイカルシネマズ新百合ケ丘
★★★☆☆

マイケルはやっぱりすごかった。
とても50歳とは思えない。
若かった頃の動きとまるで同じ。
関節があるのかと思うぐらい柔らかい身のこなし。
それさえ観ていられれば、満足だった。

ほとんどの歌を知ってた。歌えた。
歌詞はうろ覚えだし早いところはついていけないけど、
でも歌えた。
物心ついた頃から、ずっと必ずいた人なんだよなぁ。
ファンだったとかどうとかじゃなくて、
そういうのを超えて、いるのが当たり前だった。
曲のひとつひとつにいろんなことを思い出した。

でも映画としては、いま一つだった。
これがメイキングの記録だとしても、なんか、大味。
材料がないのはわかるけど、
詰め込めばいいってもんじゃない。
巧く作ってあげられる人、いなかったのか。。。

整形やら裁判やら、その他のスキャンダラスな報道が、
彼の本当にしたかったこと、言いたかったことと、
うまく噛み合っていないちぐはぐさを、
いつもどこかで感じていた。
一言何か言えば、全然違う意味で大げさに伝わってしまう、、、
何かのインタビューでマイケル自身も言ってたっけ。
この映画もそんなちぐはぐさを抱えたまま、
終わってしまった。

マイケルは本来すごく繊細な人。
歌も踊りも、すごく繊細。
このライブのスタッフにもすごく繊細な指示をだしている。
なのに、その本意はちゃんと汲取られていないように感じた。

うまく言えないけど、例えば『スリラー』なんかは、
昔MTVで観た映像は手作り感が残りながらも、
当時は感動的だった。
技術的には今の方がすごいんだろう。
お金もかかっているんだろう。
でも、響かない。そこに高揚感も湧いてこない。
単に昔を懐かしんでるだけのことじゃない。
うーん、 いいものが出来上がってヒットしたものと、
売れることが前提で作っているものとの違いかな。
(2009.11.15)

インテリア

1978年 
アメリカ
監督:ウディ・アレン
出演:クリスティン・グリフィス/メアリー・ベス・ハート/リチャード・ジョーダン/ダイアン・キートン/E・G・マーシャル/ジェラルディン・ペイジ/モーリン・スティプルトン

29Aug.'09 DVD
★★★★★

今まで観たウディ作品とは違っていた。
家族のあり方をすごくシリアスに、ストレートに描いている。
しかも普遍的でありながら、深く緻密である。見事だと思う。

インテリアデザイナーの母親イブ。
家の中は洗練されたインテリアで完璧。
花瓶ひとつでも、不調和は許さない。
そのイブが築いてきた「家族」も洗練され、完璧を装っていた。
その家族の会話といえば、小難しい政治や芸術論。
表面的にはインテリ然として上品に見える。
しかし、その完璧はイブの価値観の中でしかなく、
この家族にはあまりに脆く、崩れるのも難くはなかった。

3人の娘たちのクリエイティブな職業と才能。
それゆえの姉妹の間の嫉妬や葛藤。
長女レナータはとりあえず才能がある風ではあるが、
それも実は編集者に気に入られているだけだった。

そんな中、突然娘たちの父アーサーが別居をしたいと言い、
イブはその現実を受け入れられず、
自分を立することができなくなる。

アーサーの再婚相手のパール。
最初は無菌状態の家族に
異物が入り込んだといった具合だった。
しかし、パールの生命力は際立って見えて、
気がつけば、洗練されたインテリアは無機質に色褪せていた。
パールは普通のおばさんで、人間臭くて生々しい。
この家族が見せないように隠していた感情を、
躊躇なくあらわにしている。
教養は感じられないけど、愛情豊か。
娘たちは見下しながらも、彼女から目が離せず、
今は受け入れられずにいても、
やがて彼女の存在が何なのかに気づいていくだろう。

色を抑えた、海辺の映像が印象的だった。
(2009.8.29)

僕らのミライへ逆回転

2008年
アメリカ
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジャック・ブラック/モス・デフ/ダニー・グローヴァー/ミア・ファロー/メロニー・ディアス

04Jun.'09 DVD
★★★★☆

廃業寸前のレンタルビデオ店で店主の留守中に、
磁気を浴びてビデオが全部消えてしまって、
さあ困った、どうしようとなって、
で、映画をリメイクしようかって、、、
まず、その発想がおかしい。
バカバカしいほど都合よくコトが運ぶことが笑える。

映画リメイクもそこらにある廃材を使ってて、
安っぽい手作り感でいっぱいなんだけど、
これぞゴンドリーマジック!
とにかくおもしろくて、見せ方が上手い。
ひとつひとつ、この映画はどうなるんだろうって、
映画ファンにはたまらなくわくわくする。

古き良き時代への感傷はわからなくもないけど、
ありがちな展開になってた。
エンタテイメントとしてはこれでいいのかな。
うーん。
ま、ワタシだってこのビデオ屋さんは残ってほしいんだけどね。
 (2009.6.7)

エターナルサンシャイン

 2004年 
アメリカ
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー/ケイト・ウィンスレット/キルスティン・ダンスト/イライジャ・ウッド/マーク・ラファロ/トム・ウィルキンソン

26Jun.'09 DVD
★★★★★

結局、それは神の領域なのよ。
科学だかなんだか知らないけど、
そんなもので愛を忘れさせることなんてできないのよ。

久しぶりにぼろぼろ泣いた。理屈云々じゃない。
ワタシのココロの冷えていたところを、
どんぴしゃで当てて、温めてくれた、そんな映画。

ジム・キャリーを久しぶりに観た。
コメディのジム・キャリーは、
実はそんなに好きじゃなかったけど、
シリアスなものでの真摯な演技はかなり好き。
でもこれはコメディで培ってきたものなんだろうな。
それをすごく感じる。
(2009.6.29)

2010-06-17

ファニーゲームU.S.A.  

2007年 
アメリカ/フランス/イギリス
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ナオミ・ワッツ/ティム・ロス/マイケル・ビットン/ブラディ・コルベット/デヴォン・ギアハート/ボイド・ゲインズ/シオバン・ファロン・ホーガン

10Aug.'09 DVD
★★★★☆

キャストがハリウッドの俳優になっただけで、
1997年に公開のオリジナルと、
台詞もカメラのアングルも音楽も、ほとんど同じ。

ハネケがハリウッドで『ファニーゲーム』を撮るにあたって、
自分が監督になることと、
内容を変えないことを条件にしたらしい。
ハネケのこの映画へのこだわりは相当なものだろう。
ある意味、ハリウッドへの挑戦? ともとれる。 

ハリウッドの方が、新しいのだから当然なんだけど、
映像が垢抜けて明るい印象。家具とか、服とか。
ナオミ・ワッツの泣きはらした顔に迫力があって、
ティム・ロスはセレブなおとうさんが似合ってて、
犯人ふたりが、似た雰囲気のせいか、
その存在だけでいやーな感じを醸し出していて、
こちらもこちらで、すごいかも。

逆に古いからか、
オリジナルの方がひたひたと恐怖が増していくように感じた。

どっちを観ても、不快になる、後味が悪い、のは変わらない。
(2009.8.12)

2010-06-15

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2008年 
アメリカ
監督:デイヴィッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/タラジ・P・ヘンソン/ジュリア・オーモンド

04Apr.'09 ワーナーマイカルシネマズ新百合ケ丘にて
★★★☆☆

数奇な人生を送る、なんて孤独で切ないのだろう。
若くなって、颯爽と清々しくなる反面、
老い先を考えなくてはならない現実をつきつけられる。
外見と中身のアンバランスさがいつまでもつきまとう。
それは誰にも理解されない。
またベンジャミンを愛してしまったデイジーにとっても、
えも言われぬほど残酷なことだ。
デイジーはベンジャミンが若く精悍になっていくにつれて、
自分が老いて衰えていくのをまざまざとみせつけられる。
齢をとるという当たり前のことが、
受け入れられなくなってしまう。
気がついたらお互いおじいさん、おばあさんになってたね、
ってのは、つくづく幸せなことだと思う。

ストーリーはすごくおもしろい。
あり得ない設定にすることで、
人間の本質や大切なものが見えてくる。
でもこれは短編小説だからこそ、効果的なのだと思う。
俯瞰でこの数奇な人生をとらえるから、
自分たちの人生に置き換えられる。
それを大河ドラマにしてしまって、
2時間半以上もかけて長々と描くのはどうなんだろう。
数奇な人生をことごとく詳細に見せられても、、、
どうもちぐはぐな感じがしてしまうのだが。
結局ブラピが若返っただとか、
CGや特殊メイクの最新技術を駆使したとか、
そんな話題ばかりが先行してしまったことが残念。
もっとこぢんまりした映画だったら、
すごく好きになっていたかもしれない。

ケイト・ブランシェットの凛とした感じはよかった。
(2009.6.4)