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2010-08-04

抱擁のかけら

2009年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/リュイス・オマール/ブランカ・ポルティージョ/ホセ・ルイス・ゴメス/ルーベン・オチャンディアーノ/タマル・ノヴァス/アンヘラ・モリーナ/チェス・ランブレアヴェ/キティ・マンヴェール

29Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★☆☆

邦題に期待しちゃった。。。
アルモドバルだし、人間のエゴと愛憎を、
どれだけ掘り下げてみせてくれるかなんて、
勝手に妄想してた。

アルモドバルの初期のころを彷彿させるかな。
実際、劇中映画の『謎の鞄と女たち』は、
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』リメイクのようだし。
でも「オードリ・ヘップバーンみたい」といった辺りから、
ワタシのテンションは下がりっぱなし。
いやいや、ヘップバーンは大好き。
でもヘップバーンみたいなペネロペの笑顔が、
どうにも薄っぺらに見えちゃって、、、
ま、そういう役柄っちゃ、そうなんだし、
男を翻弄させる笑顔には違いないのだが。
前作の『ボルベール』のペネロペがすごくよかっただけに、
ちょっと肩すかしだった。

金のために身を売って、富豪の愛人になり、
女優になりたいといって、マテオを訪ね、
恋に堕ちて駆け落ち同然のような旅に出る。
こんな俗っぽい陳腐なストーリーの中に、
いろんな人間の愛憎やその構図を含ませているのは、
さすがだとは思う。
が、ここ何作かの人間の内面を抉りだしている作品には、
及ばず、表層的に見えてしまうのは否めない。

相変わらずの色彩感覚は、健在だった。
劇中映画のコケティッシュな感じ、
ファッションやインテリアや、壁の色、破られた写真の色、
なんかは、とても楽しめた。
ま、アルモドバルの色に魅せられているワタシとしては、
それだけでも満足なんだけど。

トーク・トゥ・ハー

2002年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン

29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★

すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。

とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。

究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。

それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。

リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。

アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?

久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。

2010-06-18

ボルベール<帰郷>

2006年 
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/チュス・ランプレアヴェ

12Sep.'07 シネマイクスピアリにて
★★★★★

ラテンの女は強いなぁ。
喜怒哀楽をいちいち全身全霊でやってる感じだ。
ふりかかった運命にあれこれ悩む間もなく、
カラダが動いている。
かと言って逃避しているわけじゃなく、直面しながらも、
でも笑う、歌う。

ペネロペ・クルスはすごく迫力があって目を見張った。
有無を言わさぬ芯の強さを感じた。
彼女はかわいい役より悪女が似合うと思う。

さすが、アルモドバル。
色が溢れていた。スペインの色が。
特に赤が印象的だった。花、服、車、そして血、、、
情熱の赤、闘争的な赤。何か暗示させる深い赤。
赤いものが出てくるだけで、なんかそわそわしてしまう。
そういういわくありげな映像がやっぱり好きだ。
(2007.9.15)