1961年
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ/ジャンヌ・モロー/モニカ・ヴィッティ/ベルンハルト・ヴィッキ
29Aug.'09 DVD
★★★★☆
ジャンヌ・モローは迫力があるなぁ。
この存在感で黙り込まれたら、ちょっと辛いかも。
マストロヤンニはかっこいい。
イタリア男だねぇ。スーツが似合う。
どうしようもなく満たされないこともある。
ひとりでふらふらしたいときもある。
夜の闇に隠れていたリディアの気持ちが、
明るくなってみえてくる。
ホントにジョバンニのこと、愛してないのかな。
トマーゾの方がよかったなんて、
亡くなって動揺してるだけじゃないの。
もしトマーゾを選んでいたとしても、
何もかもに満足して不安がないなんてことはありえない。
ジョバンニに難癖をつけてるようにしかみえない。
ジョバンニはいつもリディアを気遣っていたと思う。
リディアへの言葉に嘘はないと思う。
数時間前にヴァレンティーナを口説いていたとしても。
リディアの気持ちはもう変わらないのかな。
夜の魔物に、毒気に煽られただけだよ。
朝になってしまったら、もうどんな魔法もきかないの?
いくら濃厚なキスをしても、
リディアの頑なココロを溶かすことはできないのかな。
徹夜明けの朝に別れ話はよくない。
ろくな話にならない。さっさと帰って寝た方がいい。
一夜限りの夢ということで、
起きたら笑い話になってればいいのに。
(2009.8.30)
2010-06-23
2010-06-20
マリア・カラス 最後の恋
2005年
イタリア
監督:ジョルジョ・カピターニ
出演:ルイーザ・ラニエリ/ジェラール・ダルモン/アウグスト・ズッキ/シドニー・ローム/セレナ・アウティエリ/ロベルト・アルバレス
25May.'08 早稲田松竹にて
★★★☆☆
いささかメロドラマチックな展開には辟易しながらも、
マリアの恋には嘘はなかったと思う。
その芯にあるのは揺るぎないものだ。
カラスの歌が高貴に満ち溢れていれば、
その反面この恋は俗にまみれていて悲哀さえ感じる。
野心家の男と燃え上がる恋というのは、
どうしてこうもお決まりの物語になるのか、、、
ステロタイプっぶりに嘲笑ってしまう。
さすがラテン、イタリア。
怒るのも笑うのも愛し合うのも激しい。
ここまで感情をあらわにされると、
無防備に人間臭さが強調される。
天才ディーバも女だったと思い知らされる。
成功した者につきものの満たされないゆえの焦燥感は、
マリア・カラスも例外じゃなかった。
予告でも気になっていたのだが、
映像が妙に古くさいのは何なのだろう。
意図的なのか、単にそうなっただけなのか?
ルイーザ・ラニエリが美しかったので、
助けられていたような気がするが。
(2008.5.27)
イタリア
監督:ジョルジョ・カピターニ
出演:ルイーザ・ラニエリ/ジェラール・ダルモン/アウグスト・ズッキ/シドニー・ローム/セレナ・アウティエリ/ロベルト・アルバレス
25May.'08 早稲田松竹にて
★★★☆☆
いささかメロドラマチックな展開には辟易しながらも、
マリアの恋には嘘はなかったと思う。
その芯にあるのは揺るぎないものだ。
カラスの歌が高貴に満ち溢れていれば、
その反面この恋は俗にまみれていて悲哀さえ感じる。
野心家の男と燃え上がる恋というのは、
どうしてこうもお決まりの物語になるのか、、、
ステロタイプっぶりに嘲笑ってしまう。
さすがラテン、イタリア。
怒るのも笑うのも愛し合うのも激しい。
ここまで感情をあらわにされると、
無防備に人間臭さが強調される。
天才ディーバも女だったと思い知らされる。
成功した者につきものの満たされないゆえの焦燥感は、
マリア・カラスも例外じゃなかった。
予告でも気になっていたのだが、
映像が妙に古くさいのは何なのだろう。
意図的なのか、単にそうなっただけなのか?
ルイーザ・ラニエリが美しかったので、
助けられていたような気がするが。
(2008.5.27)
題名のない子守唄
2006年
イタリア
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ出演:クセニア・ラパポルト/ミケーレ・プラチド/アンへラ・モリーナ/マルゲリータ・ブイ/クラウディア・ジェリーニ
24Jan.'08 ギンレイホールにて
★★★★☆
音楽系の映画かと思っていたので、
いきなりの怪しい場面展開に戸惑ってしまった。
イレーネの過去がどこまでも悲惨で、忌まわしく、
これでもかこれでもかと、ひとつ解き明かされるたびに、
どんどん悪夢になっていくのは、
観ていて辛い以外の何の感情もなかった。
救いは、とりあえずそれは過去のことだということだけ。
イレーネは凛と生きていこうとするのだが、
そうであればあるほど、観てる方がやはり息が詰まる。
その過去も切り捨てることすらできず、
引きずらざるを得なくて、その事実も衝撃的で、
結局ほっとできないまま終わってしまった。
テアとの心の綾が解けていく展開が唯一、和めるところか。
それと最後は、まぁ、なんとかよかったとは思えるけど。
映画としての構成は完璧としかいいようがない。
映像も音楽も、キャスティングも。 文句をつける余地はない。
一分の妥協も許さないトルナトーレの徹底したものを感じた。
だけど、それがワタシにはどうしようもなく苦しかった。
(2008.1.29)
イタリア
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ出演:クセニア・ラパポルト/ミケーレ・プラチド/アンへラ・モリーナ/マルゲリータ・ブイ/クラウディア・ジェリーニ
24Jan.'08 ギンレイホールにて
★★★★☆
音楽系の映画かと思っていたので、
いきなりの怪しい場面展開に戸惑ってしまった。
イレーネの過去がどこまでも悲惨で、忌まわしく、
これでもかこれでもかと、ひとつ解き明かされるたびに、
どんどん悪夢になっていくのは、
観ていて辛い以外の何の感情もなかった。
救いは、とりあえずそれは過去のことだということだけ。
イレーネは凛と生きていこうとするのだが、
そうであればあるほど、観てる方がやはり息が詰まる。
その過去も切り捨てることすらできず、
引きずらざるを得なくて、その事実も衝撃的で、
結局ほっとできないまま終わってしまった。
テアとの心の綾が解けていく展開が唯一、和めるところか。
それと最後は、まぁ、なんとかよかったとは思えるけど。
映画としての構成は完璧としかいいようがない。
映像も音楽も、キャスティングも。 文句をつける余地はない。
一分の妥協も許さないトルナトーレの徹底したものを感じた。
だけど、それがワタシにはどうしようもなく苦しかった。
(2008.1.29)
ミルコのひかり
2005年
イタリア
監督:クリスティアーノ・ボルトーネ
出演:ルカ・カプリオッティ/シモーネ・グッリー/アンドレア・グッソーニ/ミケレ・イオリオ
20Mar.'08 三軒茶屋シネマにて
★★★★★
興味をもつってすごい。
問題児になろうが、退学になろうが、
やりたいことにのめり込んでいく行動力には
目を見張るものがある。
視力を失ったミルコにとって、
古ぼけたテープレコーダーがひかりとなった。
オトナはどうしてもレールを敷いてしまう。
安全で楽な道を与えようとする。
そこからちょっとでも外れると問題児となる。
障害児ともなれば、
そういうレールをもっと頑丈に敷こうとする。
それが愛情だと思い込んでたりするから始末が悪い。
視力を失ったら盲学校に行かなくちゃならない法律がある、
そんな時代のイタリアだった。
そんな時代のそんな盲学校の寄宿舎に、
ジュリオ神父のような人がいてよかった。
童話劇のシーンは涙が流れるまま釘付けになった。
無限大の可能性をみさせてもらった。
ミルコの意志の強い黒い瞳が印象的だった。
(2008.3.22)
イタリア
監督:クリスティアーノ・ボルトーネ
出演:ルカ・カプリオッティ/シモーネ・グッリー/アンドレア・グッソーニ/ミケレ・イオリオ
20Mar.'08 三軒茶屋シネマにて
★★★★★
興味をもつってすごい。
問題児になろうが、退学になろうが、
やりたいことにのめり込んでいく行動力には
目を見張るものがある。
視力を失ったミルコにとって、
古ぼけたテープレコーダーがひかりとなった。
オトナはどうしてもレールを敷いてしまう。
安全で楽な道を与えようとする。
そこからちょっとでも外れると問題児となる。
障害児ともなれば、
そういうレールをもっと頑丈に敷こうとする。
それが愛情だと思い込んでたりするから始末が悪い。
視力を失ったら盲学校に行かなくちゃならない法律がある、
そんな時代のイタリアだった。
そんな時代のそんな盲学校の寄宿舎に、
ジュリオ神父のような人がいてよかった。
童話劇のシーンは涙が流れるまま釘付けになった。
無限大の可能性をみさせてもらった。
ミルコの意志の強い黒い瞳が印象的だった。
(2008.3.22)
家の鍵
2004年
イタリア
監督・脚本:ジャンニ・アメリオ
出演:キム・ロッシ=スチュアート/シャーロット・ランプリング/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
20Nov.'06 ギンレイホールにて
★★★★☆
再会してたった数日の親子の物語。
親子の有り様がとても正直に描かれていた。
15年ぶりに会う障害をもつ息子パオロに、
遠慮がちな父親ジャンニ。
パオロも明るく振る舞いながらも、どこかぎこちない。
そんなふうに固まっていたココロが少しづつ溶けていく、、、
ひとつひとつ親も子も成長していく、、、
世界中の親子に観て欲しい映画。
相変わらずシャーロット・ランプリングは、
説得力のある演技するなぁと感心した。
(2006.11.22)
イタリア
監督・脚本:ジャンニ・アメリオ
出演:キム・ロッシ=スチュアート/シャーロット・ランプリング/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
20Nov.'06 ギンレイホールにて
★★★★☆
再会してたった数日の親子の物語。
親子の有り様がとても正直に描かれていた。
15年ぶりに会う障害をもつ息子パオロに、
遠慮がちな父親ジャンニ。
パオロも明るく振る舞いながらも、どこかぎこちない。
そんなふうに固まっていたココロが少しづつ溶けていく、、、
ひとつひとつ親も子も成長していく、、、
世界中の親子に観て欲しい映画。
相変わらずシャーロット・ランプリングは、
説得力のある演技するなぁと感心した。
(2006.11.22)
マレーナ
2000年
イタリア・アメリカ
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:モニカ・ベルッチ/ジュゼッペ・スルファーロ
24Jan.'08 ギンレイホールにて
★★★★★
少年の甘酸っぱい恋がとてもかわいらしくて、
ほのぼのとした感じがよかった。
とはいえ、戦時中のはなし。
マレーナの生き様は並大抵のものじゃないのだが。
最後にたった一言だけで、
まわりの女たちを黙らせたのは、 なかなか圧巻。
モニカ・ベルッチはもう女のワタシも惚れ惚れするぐらい、
綺麗だった。
スタイルや顔の輪郭はもちろん、
その眼差しがというか、その凛とした姿勢がというか、
その艶やかさには完全にやられてしまった。
(2008.1.29)
イタリア・アメリカ
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:モニカ・ベルッチ/ジュゼッペ・スルファーロ
24Jan.'08 ギンレイホールにて
★★★★★
少年の甘酸っぱい恋がとてもかわいらしくて、
ほのぼのとした感じがよかった。
とはいえ、戦時中のはなし。
マレーナの生き様は並大抵のものじゃないのだが。
最後にたった一言だけで、
まわりの女たちを黙らせたのは、 なかなか圧巻。
モニカ・ベルッチはもう女のワタシも惚れ惚れするぐらい、
綺麗だった。
スタイルや顔の輪郭はもちろん、
その眼差しがというか、その凛とした姿勢がというか、
その艶やかさには完全にやられてしまった。
(2008.1.29)
ノスタルジア
1983年
イタリア
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:オレグ・ヤンコフスキー/エルランド・ヨセフソン/デリア・ボッカルド/ドミツィアーナ・ジョルダーノ
17Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
この映画、TSUTAYAで何度借りても挫折して、
スクリーンじゃなきゃダメなのかと
映画館に観に行ったのに寝ちゃってしまって。
そんななのにまたもや凝りもせずリベンジ。
やってるなら観なくちゃとシネマヴェーラへ。
今回はとりあえず寝なかった。通して全部観たはず。
朦朧としてたけど、寝てないはず。
でも映像を追うのが精一杯だった。
映像は怖いぐらいに、美しかった。
なんだかよくわかんないから、
画を観るだけでいいやって、
またもやあきらめちゃった。
神殿の水と緑と光と陰。 広場、火、蝋燭。。。
思わせぶりなものが次々でてくる。
あ、そうそう、1 + 1 = 2 じゃなくて 1 だという話。
『赤い砂漠』でも同じエピソードが描かれていて、
ちょっと興味深かった。
『ノスタルジア』っていうぐらいだから、
なつかしいんだろうな。この地が。
で、旅人にとって郷愁を感じるってことなのかな。
映画自体もなつかしいものになってるような。。。
機会があったらまた観に行く。
たぶん何度観てもわかんないと思う。
ただ、この美しさにはまた浸かってみたいのだ。
きっとまたまた朦朧としながら観るんだろうけど。
(2008.8.2)
イタリア
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:オレグ・ヤンコフスキー/エルランド・ヨセフソン/デリア・ボッカルド/ドミツィアーナ・ジョルダーノ
17Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
この映画、TSUTAYAで何度借りても挫折して、
スクリーンじゃなきゃダメなのかと
映画館に観に行ったのに寝ちゃってしまって。
そんななのにまたもや凝りもせずリベンジ。
やってるなら観なくちゃとシネマヴェーラへ。
今回はとりあえず寝なかった。通して全部観たはず。
朦朧としてたけど、寝てないはず。
でも映像を追うのが精一杯だった。
映像は怖いぐらいに、美しかった。
なんだかよくわかんないから、
画を観るだけでいいやって、
またもやあきらめちゃった。
神殿の水と緑と光と陰。 広場、火、蝋燭。。。
思わせぶりなものが次々でてくる。
あ、そうそう、1 + 1 = 2 じゃなくて 1 だという話。
『赤い砂漠』でも同じエピソードが描かれていて、
ちょっと興味深かった。
『ノスタルジア』っていうぐらいだから、
なつかしいんだろうな。この地が。
で、旅人にとって郷愁を感じるってことなのかな。
映画自体もなつかしいものになってるような。。。
機会があったらまた観に行く。
たぶん何度観てもわかんないと思う。
ただ、この美しさにはまた浸かってみたいのだ。
きっとまたまた朦朧としながら観るんだろうけど。
(2008.8.2)
愛の嵐
1973年
イタリア
監督:リリアーナ・カヴァーニ
出演:ダーク・ボガード/シャーロット・ランプリング/フィリップ・ルロワ/ガブリエレ・フェルゼッティ/ジュゼッペ・アドバッティ/イザ・ミランダ/ニノ・ビニャミーニ/アメディオ・アモディオ
27Jun.'09 DVD
★★★★★
シャーロット・ランプリングの目に吸い込まれそうになる。
痩せぎすでほとんど脹らみのない胸。少年のような短い髪。
縋るものなど何もなくすべてを諦めるしかない中で、
唯一、その目だけが意思をもっていた。
穢れのない、美しく尊いものがそこに、見えた。
おぞましい過去を忘れたいはずが、再会してしまったら、
ずるずると惹かれるしかなかった。
理性があれば全くあり得ないことで、
こんなものを愛だなんていいたくないけど、
でもこの二人にとっては、これも愛なのだろう。
どうしようもなく、いびつな愛ではあるが。
アタマではわかっていても、どうすることもできない。
結局、頽廃して破滅する末路。
ここまで人間性を失って、
けもののように死んでいけるのなら、
それも本望なのかもしれない。
決して幸せになれる映画じゃない。
辛くなるとわかっていても、無性に観たくなることがある。
現実なら耐えられないことだけど、妄想なら浸っていられる。
観た後は必ず放心してしまって何もできなくなるけど。
(2009.6.30)
イタリア
監督:リリアーナ・カヴァーニ
出演:ダーク・ボガード/シャーロット・ランプリング/フィリップ・ルロワ/ガブリエレ・フェルゼッティ/ジュゼッペ・アドバッティ/イザ・ミランダ/ニノ・ビニャミーニ/アメディオ・アモディオ
27Jun.'09 DVD
★★★★★
シャーロット・ランプリングの目に吸い込まれそうになる。
痩せぎすでほとんど脹らみのない胸。少年のような短い髪。
縋るものなど何もなくすべてを諦めるしかない中で、
唯一、その目だけが意思をもっていた。
穢れのない、美しく尊いものがそこに、見えた。
おぞましい過去を忘れたいはずが、再会してしまったら、
ずるずると惹かれるしかなかった。
理性があれば全くあり得ないことで、
こんなものを愛だなんていいたくないけど、
でもこの二人にとっては、これも愛なのだろう。
どうしようもなく、いびつな愛ではあるが。
アタマではわかっていても、どうすることもできない。
結局、頽廃して破滅する末路。
ここまで人間性を失って、
けもののように死んでいけるのなら、
それも本望なのかもしれない。
決して幸せになれる映画じゃない。
辛くなるとわかっていても、無性に観たくなることがある。
現実なら耐えられないことだけど、妄想なら浸っていられる。
観た後は必ず放心してしまって何もできなくなるけど。
(2009.6.30)
イノセント
1976年
イタリア・フランス
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ/エンリコ・メディオーリ/ルキノ・ヴィスコンティ
主演:ジャンカルロ・ジャンニーニ/ラウラ・アントネッリ/ジェニファー・オニール、マルク・ポレル
31Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
とにかく空気が重い。
豪奢な屋敷や格調高い調度品のせいなのか、
美しいけど窮屈なドレスのせいなのか、、、
様々な思惑を宿した気がねっとり絡み合っている。
その空気の濃度を高くしているのが、
主人公トゥリオの身勝手な言動である。
だいたい自分の妻(ジュリアーナ)に
「おまえは妹のような存在で、愛人になったことはない。
テレーザは愛人だ。許してくれ」なんて台詞、
イタリア貴族なら許されるのか?
それでも貞淑な妻はそんなトゥリオを受け入れるのだが、
気持ちは抑えようにも抑えきれず、悶え苦しむ。
そんなジュリアーナがあまりにエロティックだった。
重々しい空気の中だからこそ、なおも艶かしかった。
ジュリアーナは作家のフィリップ・アルポリオと
愛しあうようになり、フィリップの子を身籠る。
トゥリオは堕ろせというが、ジュリアーナは頑に産むという。
柔順だったはずの妻が自分の思うようにいかなくなり、
トゥリオは焦りをみせる。そして、出産。
トゥリオは現実に耐えられなくなり、、、
トゥリオの傲慢さは
自分中心に世の中が動くという妄想の中にあったが、
生身のトゥリオは実はその傲慢ゆえの運命に翻弄されてしまう。
自信に満ち溢れて輝いていた瞳が、
焦燥感や苛立や不安が忍び込み、翳りを帯びていた。
嫉妬という感情から逃れられない瞳。
それがまた何ともいえなくエロティックだと思った。
昼ドラのような物語設定ではあるものの、
ヴィスコンティならではの人間を見せてくれている。
人は追いつめられた時どうなるか、、、
この空気感でなければ
表現できない本質があるように思った。
唯一リラの別荘で二人が愛しあった時だけは、
その重圧から解放され、爽やかな風が吹いていた。
この夫婦にとってこれだけは嘘のないひとときだった、
と、信じたい。
(2008.8.24)
イタリア・フランス
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ/エンリコ・メディオーリ/ルキノ・ヴィスコンティ
主演:ジャンカルロ・ジャンニーニ/ラウラ・アントネッリ/ジェニファー・オニール、マルク・ポレル
31Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
とにかく空気が重い。
豪奢な屋敷や格調高い調度品のせいなのか、
美しいけど窮屈なドレスのせいなのか、、、
様々な思惑を宿した気がねっとり絡み合っている。
その空気の濃度を高くしているのが、
主人公トゥリオの身勝手な言動である。
だいたい自分の妻(ジュリアーナ)に
「おまえは妹のような存在で、愛人になったことはない。
テレーザは愛人だ。許してくれ」なんて台詞、
イタリア貴族なら許されるのか?
それでも貞淑な妻はそんなトゥリオを受け入れるのだが、
気持ちは抑えようにも抑えきれず、悶え苦しむ。
そんなジュリアーナがあまりにエロティックだった。
重々しい空気の中だからこそ、なおも艶かしかった。
ジュリアーナは作家のフィリップ・アルポリオと
愛しあうようになり、フィリップの子を身籠る。
トゥリオは堕ろせというが、ジュリアーナは頑に産むという。
柔順だったはずの妻が自分の思うようにいかなくなり、
トゥリオは焦りをみせる。そして、出産。
トゥリオは現実に耐えられなくなり、、、
トゥリオの傲慢さは
自分中心に世の中が動くという妄想の中にあったが、
生身のトゥリオは実はその傲慢ゆえの運命に翻弄されてしまう。
自信に満ち溢れて輝いていた瞳が、
焦燥感や苛立や不安が忍び込み、翳りを帯びていた。
嫉妬という感情から逃れられない瞳。
それがまた何ともいえなくエロティックだと思った。
昼ドラのような物語設定ではあるものの、
ヴィスコンティならではの人間を見せてくれている。
人は追いつめられた時どうなるか、、、
この空気感でなければ
表現できない本質があるように思った。
唯一リラの別荘で二人が愛しあった時だけは、
その重圧から解放され、爽やかな風が吹いていた。
この夫婦にとってこれだけは嘘のないひとときだった、
と、信じたい。
(2008.8.24)
2010-06-19
ルードウィヒ
1972年
イタリア・西ドイツ・フランス
監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ主演:ヘルムート・バーガー/ロミー・シュナイダー
01Aug.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
暗い映画だった。
夜とか、闇とか、影とかが印象的だった。
昼でも建物の中だと厚いカーテンのせいか、やっぱり暗い。
太陽が燦々と降り注いでいるシーンがほとんどない気がした。
ルードウィヒは太陽というより青白い月のイメージ。
儚く脆いガラス細工のように繊細な月の王さま。
頼りになる、支えになる、
信用できる側近がいないってのが、
ルードウィヒの最大の不幸。
政治だの経済だの戦争だのという
生臭い現実など見ようとするわけがなく、
それに立ち向かえるだけの図太さも持ち合わせていない。
美しさを追求する芸術に傾倒していくのは
自然といえば自然の成りゆき。
音楽や花や月の美しさは理解できても、
国を統治する責任の重さを実感することはない。
つまり戴冠して以降、
ルードウィヒは現実を生きてはいない。
妄想の中に放り込まれたまま、
確かなものを何一つ手にしていない。
寄りかかれるものを求めれば求めるほど、
孤立していく、、、
当然、狂うべくして狂うのである。
唯一現実があったとするならば、
エリーザベトの存在ぐらいだろう。
それすらルードウィヒにすれば
とらえることが適わない存在なのだから、
支えにもならない夢物語になってしまう。
やっぱり、ヴィスコンティ。重い、重い。
とことん隙がない。独特の緊張感がある。
とにかくピーンと張りつめている。
でもルードウィヒの美しさに惹き込まれるので、
4時間は長くなかった。
(2008.8.25)
イタリア・西ドイツ・フランス
監督・脚本:ルキノ・ヴィスコンティ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ主演:ヘルムート・バーガー/ロミー・シュナイダー
01Aug.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
暗い映画だった。
夜とか、闇とか、影とかが印象的だった。
昼でも建物の中だと厚いカーテンのせいか、やっぱり暗い。
太陽が燦々と降り注いでいるシーンがほとんどない気がした。
ルードウィヒは太陽というより青白い月のイメージ。
儚く脆いガラス細工のように繊細な月の王さま。
頼りになる、支えになる、
信用できる側近がいないってのが、
ルードウィヒの最大の不幸。
政治だの経済だの戦争だのという
生臭い現実など見ようとするわけがなく、
それに立ち向かえるだけの図太さも持ち合わせていない。
美しさを追求する芸術に傾倒していくのは
自然といえば自然の成りゆき。
音楽や花や月の美しさは理解できても、
国を統治する責任の重さを実感することはない。
つまり戴冠して以降、
ルードウィヒは現実を生きてはいない。
妄想の中に放り込まれたまま、
確かなものを何一つ手にしていない。
寄りかかれるものを求めれば求めるほど、
孤立していく、、、
当然、狂うべくして狂うのである。
唯一現実があったとするならば、
エリーザベトの存在ぐらいだろう。
それすらルードウィヒにすれば
とらえることが適わない存在なのだから、
支えにもならない夢物語になってしまう。
やっぱり、ヴィスコンティ。重い、重い。
とことん隙がない。独特の緊張感がある。
とにかくピーンと張りつめている。
でもルードウィヒの美しさに惹き込まれるので、
4時間は長くなかった。
(2008.8.25)
山猫
1963年
イタリア・フランス
監督:ルキーノ・ヴィスコンティ
出演:バート・ランカスター/アラン・ドロン/クラウディア・カルディナーレ/リーナ・モレッリ/パオロ・ストッパ/ロモーロ・ヴァッリ
23Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
瀟洒な館、贅沢な調度品、きらびやかなドレス、
優雅な舞踏会、、、
ゆったりとした時間の流れの中の格調の高い映像、
美術は溜息もの。
空気がねっとり重くて、息が詰まるほどだった。
物語はイタリア統一を歴史的背景に、
シチリア貴族の斜陽と新興階級の台頭を描く。
時代が移り変わる寂寥感とサリーナ公爵の苦悩。
新旧交代に容赦はなく、
受け入れざるを得ない公爵の律する姿が
やるせなくも麗しい。
最後にアンジェリカと踊るワルツは、
終焉にふさわしく美しく厳かですらあった。
若いアラン・ドロンもかっこいいけど、
なんといってもバート・ランカスターは魅惑的だった。
(2008.8.16)
イタリア・フランス
監督:ルキーノ・ヴィスコンティ
出演:バート・ランカスター/アラン・ドロン/クラウディア・カルディナーレ/リーナ・モレッリ/パオロ・ストッパ/ロモーロ・ヴァッリ
23Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
瀟洒な館、贅沢な調度品、きらびやかなドレス、
優雅な舞踏会、、、
ゆったりとした時間の流れの中の格調の高い映像、
美術は溜息もの。
空気がねっとり重くて、息が詰まるほどだった。
物語はイタリア統一を歴史的背景に、
シチリア貴族の斜陽と新興階級の台頭を描く。
時代が移り変わる寂寥感とサリーナ公爵の苦悩。
新旧交代に容赦はなく、
受け入れざるを得ない公爵の律する姿が
やるせなくも麗しい。
最後にアンジェリカと踊るワルツは、
終焉にふさわしく美しく厳かですらあった。
若いアラン・ドロンもかっこいいけど、
なんといってもバート・ランカスターは魅惑的だった。
(2008.8.16)
若者のすべて
1960年
イタリア・フランス
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:アラン・ドロン/レナート・サルバトーリ/アニー・ジラルド/クラウディア・カルディナーレ/カティーナ・パクシヌー
15Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★☆
5人の兄弟を描いているのだが、
誰もがもっている5つの資質を
意味しているようにもみえる。
5人揃って、ひとりなのではないかとふと思った。
長男のヴィンチェンツィオは結婚して家をでている。
この家族から離れて外からみている存在。
双璧をなすのが次男のシモーネと三男のロッコ。
シモーネはやんちゃでお調子者。
ロッコは真面目で優しい。
はじめは軽い気持ちのシモーネの悪さが、
どんどんエスカレートする。
ロッコはそんなシモーネを護ろうとする。
ロッコが聖人君子になればなるほど、
シモーネは行き場を失ってしまい、
堕ちるところまで堕ちてしまう。
ロッコは自己犠牲で
シモーネを許して庇おうとするのだが、、、
四男のチーロが一番現実的で冷静な判断をする。
ロッコは間違っていると指摘する。
五男のルーカはそんな兄たちをじっとみつめている。
この家族の未来といってもいいかもしれない。
最後に母親はシモーネのことを
「あの子はいいこ」だと嘆いていた。
母親の心の叫びである。
こうなってもなお息子を信じている。
物語の展開があるので、3時間は長くはなかった。
アラン・ドロンは美しい。
ナディア役のアニー・ジラルドはかっこよかった。
(2008.7.31)
イタリア・フランス
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
出演:アラン・ドロン/レナート・サルバトーリ/アニー・ジラルド/クラウディア・カルディナーレ/カティーナ・パクシヌー
15Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★☆
5人の兄弟を描いているのだが、
誰もがもっている5つの資質を
意味しているようにもみえる。
5人揃って、ひとりなのではないかとふと思った。
長男のヴィンチェンツィオは結婚して家をでている。
この家族から離れて外からみている存在。
双璧をなすのが次男のシモーネと三男のロッコ。
シモーネはやんちゃでお調子者。
ロッコは真面目で優しい。
はじめは軽い気持ちのシモーネの悪さが、
どんどんエスカレートする。
ロッコはそんなシモーネを護ろうとする。
ロッコが聖人君子になればなるほど、
シモーネは行き場を失ってしまい、
堕ちるところまで堕ちてしまう。
ロッコは自己犠牲で
シモーネを許して庇おうとするのだが、、、
四男のチーロが一番現実的で冷静な判断をする。
ロッコは間違っていると指摘する。
五男のルーカはそんな兄たちをじっとみつめている。
この家族の未来といってもいいかもしれない。
最後に母親はシモーネのことを
「あの子はいいこ」だと嘆いていた。
母親の心の叫びである。
こうなってもなお息子を信じている。
物語の展開があるので、3時間は長くはなかった。
アラン・ドロンは美しい。
ナディア役のアニー・ジラルドはかっこよかった。
(2008.7.31)
魂のジュリエッタ
1965年
イタリア・フランス
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ/サンドラ・ミーロ/マリオ・ピスー
14Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★☆☆
色があふれていて、人もあふれていて、
何が夢で何が現実なのか、、、
全体的に鮮やかで明るい印象の中、
ジュリエッタだけがひとり浮いているようにみえた。
彼女の背筋が妙に伸びているのが、
夢にも現実にも交われずにただそこに
とり残されているかようだった。
二人で結婚記念日を過ごせると思っていたら、
夫は仕事仲間を連れて帰り、その夜夫の浮気を知る。
夫がすべてのジュリエッタは不安と疎外感で葛藤する。
いつの間にか齢をとってしまったという焦り。。。
ここまでは理解はできたのだけど、
いまひとつ映画に入り込めなかった。
ジュリエッタ・マシーナにあまり魅力を感じなかった。
う〜ん。 もう一度、観てみたいと思った。
(2008.7.30)
イタリア・フランス
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ/サンドラ・ミーロ/マリオ・ピスー
14Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★☆☆
色があふれていて、人もあふれていて、
何が夢で何が現実なのか、、、
全体的に鮮やかで明るい印象の中、
ジュリエッタだけがひとり浮いているようにみえた。
彼女の背筋が妙に伸びているのが、
夢にも現実にも交われずにただそこに
とり残されているかようだった。
二人で結婚記念日を過ごせると思っていたら、
夫は仕事仲間を連れて帰り、その夜夫の浮気を知る。
夫がすべてのジュリエッタは不安と疎外感で葛藤する。
いつの間にか齢をとってしまったという焦り。。。
ここまでは理解はできたのだけど、
いまひとつ映画に入り込めなかった。
ジュリエッタ・マシーナにあまり魅力を感じなかった。
う〜ん。 もう一度、観てみたいと思った。
(2008.7.30)
崖
1955年
イタリア・フランス
監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ
脚本:トゥリオ・ピネッリ/エンニオ・フライアーノ
出演:ブロデリック・クロフォード/リチャード・ベースハート/フランコ・ファブリッツィ/ジュリエッタ・マシーナ/ロレッラ・デ・ルーカ
31Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
泥棒の風上にも置けない詐欺師のアウグスト。
相手が貧乏だろうが何だろうが、
姑息な手口で金を巻き上げる。
同情の余地すらないどうしようもない奴。
しかしそんな悪行三昧のアウグストも
最後の最後のところで非情になれず
ココロを揺さぶられてしまったのだ。
観ている間は最低な奴だと見下しているのに、
観終わった時には
切なく哀しく愛おしい存在になっている。
人間の弱さや猾い部分を突きつけながら、
実はすごく温かいものを投げかけている。
不器用だけど人間もまんざらじゃないと思わせてくれる。
(2008.8.15)
イタリア・フランス
監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ
脚本:トゥリオ・ピネッリ/エンニオ・フライアーノ
出演:ブロデリック・クロフォード/リチャード・ベースハート/フランコ・ファブリッツィ/ジュリエッタ・マシーナ/ロレッラ・デ・ルーカ
31Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
泥棒の風上にも置けない詐欺師のアウグスト。
相手が貧乏だろうが何だろうが、
姑息な手口で金を巻き上げる。
同情の余地すらないどうしようもない奴。
しかしそんな悪行三昧のアウグストも
最後の最後のところで非情になれず
ココロを揺さぶられてしまったのだ。
観ている間は最低な奴だと見下しているのに、
観終わった時には
切なく哀しく愛おしい存在になっている。
人間の弱さや猾い部分を突きつけながら、
実はすごく温かいものを投げかけている。
不器用だけど人間もまんざらじゃないと思わせてくれる。
(2008.8.15)
道
1954年
イタリア
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:アンソニー・クイン/ジュリエッタ・マシーナ/リチャード・ベースハート
18Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
それでも道はつづいていく、、、
ジュルソミーナもザンパノも不器用で、
ほんのちょっと歩み寄れれば
お互いもうちょっと楽になるのになぁと思いながら、
なかなかそれがむずかしかった。
でも愛情って、そんなものなのかもとふと思った。
旅を共にしなくちゃならなくなったいきさつがなんであれ、
自分たちも気がつかないうちに、
いつの間にか相手がなくてはならない存在になっている。
知らないうちに相手を思いやる気持ちが芽生えている。
意識していないからこそ、
どうしようもないもどかしさを感じてしまう。
かわいくてせつなくて、
健気で愛くるしいジェルソミーナ。
ジュリエッタ・マシーナにしかジェルソミーナはできない。
ぶっきらぼうで粗暴で、ろくでなしのザンパノ。
アンソニー・クインにしかザンパノはできない。
そして、
フェリーニにしか撮ることができない映画なのだと思った。
(2008.8.4)
イタリア
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:アンソニー・クイン/ジュリエッタ・マシーナ/リチャード・ベースハート
18Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
それでも道はつづいていく、、、
ジュルソミーナもザンパノも不器用で、
ほんのちょっと歩み寄れれば
お互いもうちょっと楽になるのになぁと思いながら、
なかなかそれがむずかしかった。
でも愛情って、そんなものなのかもとふと思った。
旅を共にしなくちゃならなくなったいきさつがなんであれ、
自分たちも気がつかないうちに、
いつの間にか相手がなくてはならない存在になっている。
知らないうちに相手を思いやる気持ちが芽生えている。
意識していないからこそ、
どうしようもないもどかしさを感じてしまう。
かわいくてせつなくて、
健気で愛くるしいジェルソミーナ。
ジュリエッタ・マシーナにしかジェルソミーナはできない。
ぶっきらぼうで粗暴で、ろくでなしのザンパノ。
アンソニー・クインにしかザンパノはできない。
そして、
フェリーニにしか撮ることができない映画なのだと思った。
(2008.8.4)
欲望
1966年
イギリス
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:デイヴィッド・ヘミングス/ヴァネッサ・ヘミングス/サラ・マイルズ/フェルシュカ
17Aug.'09 DVD
★★★★★
主人公のスタジオが
一体どういう構造になっているのか、 すごく気になる。
住宅地みたいなのに、ずいぶん広くない?
天窓があって明るいし、いいなぁ。
ストーリーはあるんだろうけど、
いまひとつよくわからない。
とはいっても一応ドラマ性もあるし、
会話も成立しているので飽きることはない。
ただ、で、それで? で、だから? という、
観客が一番期待をするところが、
ことごとく欠落しているのだ。
それで、ちんぷんかんぷんになっちゃうんだと思う。
写真は「ありのままを写す」というのが、
本来真髄であるはずだとは思う。
写真の機能としての価値がそこにあるから。
でも実際に写真が「ありのまま」になるためには、
相当現実に正確で忠実な解釈が必要になってくる。
ドキュメンタリー写真だって、
作為が全くないなんて言い切れる写真が
どれぐらいあるだろう。
主人公はたまたま恋人たちがいる公園を撮った。
それを現像してプリントにして、並べてみて、
被写体の視線から、その視線の先を引き伸して、
また、引き伸してを繰り返して、、、
ついに見えてきた新事実。
主人公はこの写真に好奇心でいっぱいになり、
取り憑かれたように作業をする。
しかしその事実は確かに「ありのまま」だけど、
そこまで引き伸された「ありのまま」は、
粒子が荒れすぎて、すかすかで、
それだけでは何がなんだかわからない。
なんとも、皮肉な結果である。
最後のパントマイムのテニス。
ボールはないけど、テニスをしている事実。
みえない「現実」もあれば、
あったはずの「現実」が消えることも。
「ありのまま」=「現実」は、
人それぞれの受け止め方によって違ってくる。
場所が変われば、価値がなくなることもある。
人が〜だったはずと思い込んでいる「現実」ほど、
あやふやなものはない。
とにかく、かっこいい映画だ。
ファッション、写真、ロールス・ロイス、
ヤードバードのライブ、 ハービー・ハンコックの音楽、
そして、映像。
アタマなんか使わず、
これらをそのまま受け止めて、楽しんだ方がいい。
(2009.8.18)
イギリス
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:デイヴィッド・ヘミングス/ヴァネッサ・ヘミングス/サラ・マイルズ/フェルシュカ
17Aug.'09 DVD
★★★★★
主人公のスタジオが
一体どういう構造になっているのか、 すごく気になる。
住宅地みたいなのに、ずいぶん広くない?
天窓があって明るいし、いいなぁ。
ストーリーはあるんだろうけど、
いまひとつよくわからない。
とはいっても一応ドラマ性もあるし、
会話も成立しているので飽きることはない。
ただ、で、それで? で、だから? という、
観客が一番期待をするところが、
ことごとく欠落しているのだ。
それで、ちんぷんかんぷんになっちゃうんだと思う。
写真は「ありのままを写す」というのが、
本来真髄であるはずだとは思う。
写真の機能としての価値がそこにあるから。
でも実際に写真が「ありのまま」になるためには、
相当現実に正確で忠実な解釈が必要になってくる。
ドキュメンタリー写真だって、
作為が全くないなんて言い切れる写真が
どれぐらいあるだろう。
主人公はたまたま恋人たちがいる公園を撮った。
それを現像してプリントにして、並べてみて、
被写体の視線から、その視線の先を引き伸して、
また、引き伸してを繰り返して、、、
ついに見えてきた新事実。
主人公はこの写真に好奇心でいっぱいになり、
取り憑かれたように作業をする。
しかしその事実は確かに「ありのまま」だけど、
そこまで引き伸された「ありのまま」は、
粒子が荒れすぎて、すかすかで、
それだけでは何がなんだかわからない。
なんとも、皮肉な結果である。
最後のパントマイムのテニス。
ボールはないけど、テニスをしている事実。
みえない「現実」もあれば、
あったはずの「現実」が消えることも。
「ありのまま」=「現実」は、
人それぞれの受け止め方によって違ってくる。
場所が変われば、価値がなくなることもある。
人が〜だったはずと思い込んでいる「現実」ほど、
あやふやなものはない。
とにかく、かっこいい映画だ。
ファッション、写真、ロールス・ロイス、
ヤードバードのライブ、 ハービー・ハンコックの音楽、
そして、映像。
アタマなんか使わず、
これらをそのまま受け止めて、楽しんだ方がいい。
(2009.8.18)
赤い砂漠
1964年
イタリア・フランス
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本:トニーノ・グエッラ
出演:モニカ・ヴィッティ/リチャード・ハリス/カルロ・キオネッティ/ゼニア・ヴァルデリ/リタ・ルノワール
14Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
シネマヴェーラで「VIVA Italia!」という特集をやっていて、
しょっぱなからこの映画の
この映像に釘付けになってしまって、
あまりにかっこよかったのでもう一度観にいっちゃった。
今回はこの映画に出会えたことが一番の収穫。
最初のシーンで無機質な工場や鉄塔を背景に、
モニカ・ビッティのコートの緑色と、
子どものコートの濃い黄色が妙に鮮やかで、
まずそこに目を奪われる。
すると無機質だとおもっていた工場や鉄塔の形が
おもしろい背景になっていることに気づく。
何気にみていたものが、
計算し尽くされた構図にみえてくる。
そしてその工場が何を意味するのかを
無言のままみせつけられる。
そんな調子でここかしこで
意味ありげな映像が映し出される。
特に色は印象的。
服の色、インテリアの色、鉄筋の色、船の色、、、
ストーリーは特に何かあるわけではない。
交通事故で精神を病んでいる
ジュリアーノ(モニカ・ビッティ)がいて、
夫がいて子どもがいて、夫の仕事仲間がいて、、、
ジュリアーノは彼らと騒いでも満たされず、
不倫をしても満たされず、、、不安定なのは何も解決しない。
ただ彼女の不安定さが、工場の不安、
つまり労働者の不安を露呈させ、
そして社会のいいようのない不安へと伝染させる。
観ているワタシも、
ジュリアーノの怯えながらもじっとみつめる目に
見透かされたような気になる。。。
いつの間にかその不安が他人事でないことに
気づかされてしまう。
モニカ・ビッティは美しすぎる。
この映像に嵌りすぎてる。
笑顔が引きつっていて痛々しいのに、
でもだからこそ、ずっとずっと見ていたくなる。
この映画、ワタシが今までに観た中で五本の指に入ると思う。
(2008.7.27)
イタリア・フランス
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本:トニーノ・グエッラ
出演:モニカ・ヴィッティ/リチャード・ハリス/カルロ・キオネッティ/ゼニア・ヴァルデリ/リタ・ルノワール
14Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
シネマヴェーラで「VIVA Italia!」という特集をやっていて、
しょっぱなからこの映画の
この映像に釘付けになってしまって、
あまりにかっこよかったのでもう一度観にいっちゃった。
今回はこの映画に出会えたことが一番の収穫。
最初のシーンで無機質な工場や鉄塔を背景に、
モニカ・ビッティのコートの緑色と、
子どものコートの濃い黄色が妙に鮮やかで、
まずそこに目を奪われる。
すると無機質だとおもっていた工場や鉄塔の形が
おもしろい背景になっていることに気づく。
何気にみていたものが、
計算し尽くされた構図にみえてくる。
そしてその工場が何を意味するのかを
無言のままみせつけられる。
そんな調子でここかしこで
意味ありげな映像が映し出される。
特に色は印象的。
服の色、インテリアの色、鉄筋の色、船の色、、、
ストーリーは特に何かあるわけではない。
交通事故で精神を病んでいる
ジュリアーノ(モニカ・ビッティ)がいて、
夫がいて子どもがいて、夫の仕事仲間がいて、、、
ジュリアーノは彼らと騒いでも満たされず、
不倫をしても満たされず、、、不安定なのは何も解決しない。
ただ彼女の不安定さが、工場の不安、
つまり労働者の不安を露呈させ、
そして社会のいいようのない不安へと伝染させる。
観ているワタシも、
ジュリアーノの怯えながらもじっとみつめる目に
見透かされたような気になる。。。
いつの間にかその不安が他人事でないことに
気づかされてしまう。
モニカ・ビッティは美しすぎる。
この映像に嵌りすぎてる。
笑顔が引きつっていて痛々しいのに、
でもだからこそ、ずっとずっと見ていたくなる。
この映画、ワタシが今までに観た中で五本の指に入ると思う。
(2008.7.27)
太陽はひとりぼっち
1962年
イタリア・フランス
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:モニカ・ヴィッティ/アラン・ドロン/フランシスコ・ラバル/リッラ・ブリグノン
20Oct.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
しょっぱなの婚約者と別れる朝のシーン。
思わせぶりな映像が続くのだが、
それがまさにアントニオーニならではで、
何が始まるんだろうと気を揉ませる。
モノクロだけど、確かにアントニオーニ色なのだ。
おそろしく台詞がなくて、
部屋のモノを視覚的にとらえた構図で二人が描かれていて、
そのうちヴィットリア(モニカ・ビッティ)が
ソファにのっかってみたり、立ってみたり、
落ち着かなくなって、、、 やっと一言、ってな感じで、
これまたおそろしく時間がすすまない。
モニカ・ビッティは美しい。溜息がでるほど。
でも、その美しさはどうにもけだるくて、
美しいのになぜか幸せを感じない。
声を出して大笑いしていても、乾いている。
証券取引所で働くピエロ(アラン・ドロン)は
経済の先端にいながら、
忙しなくエネルギッシュに動き回っている。
一方、経済や儲けることに興味のないヴィットリアは、
どこか醒めた目でみている。
資本主義にどっぷりつかっている無邪気なピエロと、
そこにどうにも馴染めないヴィットリア。
そんな対照的な二人だが、
ピエロが積極的にヴィットリアに誘いをかけ、
最初はキスを拒んでいたヴィットリアだが、ついに許す。
が、ピエロに対してもどこかよそよそしくて、
「わからない」といって心を許そうとはしない。
60年代という社会的背景から資本主義への懸念と
男と女の根本的な違いが浮き彫りになっているようにみえた。
(2008.10.22)
イタリア・フランス
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:モニカ・ヴィッティ/アラン・ドロン/フランシスコ・ラバル/リッラ・ブリグノン
20Oct.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★★★
しょっぱなの婚約者と別れる朝のシーン。
思わせぶりな映像が続くのだが、
それがまさにアントニオーニならではで、
何が始まるんだろうと気を揉ませる。
モノクロだけど、確かにアントニオーニ色なのだ。
おそろしく台詞がなくて、
部屋のモノを視覚的にとらえた構図で二人が描かれていて、
そのうちヴィットリア(モニカ・ビッティ)が
ソファにのっかってみたり、立ってみたり、
落ち着かなくなって、、、 やっと一言、ってな感じで、
これまたおそろしく時間がすすまない。
モニカ・ビッティは美しい。溜息がでるほど。
でも、その美しさはどうにもけだるくて、
美しいのになぜか幸せを感じない。
声を出して大笑いしていても、乾いている。
証券取引所で働くピエロ(アラン・ドロン)は
経済の先端にいながら、
忙しなくエネルギッシュに動き回っている。
一方、経済や儲けることに興味のないヴィットリアは、
どこか醒めた目でみている。
資本主義にどっぷりつかっている無邪気なピエロと、
そこにどうにも馴染めないヴィットリア。
そんな対照的な二人だが、
ピエロが積極的にヴィットリアに誘いをかけ、
最初はキスを拒んでいたヴィットリアだが、ついに許す。
が、ピエロに対してもどこかよそよそしくて、
「わからない」といって心を許そうとはしない。
60年代という社会的背景から資本主義への懸念と
男と女の根本的な違いが浮き彫りになっているようにみえた。
(2008.10.22)
さすらい
1957年
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:スティーヴ・コクラン/アリダ・ウ゛ァリ/ドリアン・グレイ/ヘッツゥ・ブレア/リン・ショウ/ガブリエラ・バロッタ
16Aug.'09 DVD
★★★★☆
荒涼とした北イタリアの風景の切りとり方が、
やっぱりアントニオーニだ。
何にもない寒々しい風景で、しかもモノクロなのに、
でもモノクロだからこそなのか、映像に色気がある。
ただの風景が、ただじゃなくなっている。
アルドが最初に登場するのが、
工場の螺旋階段の最上階。
これが、あり得ない構図で撮られている。
アルドがかなり身を乗り出して
イルマに声をかけているのを、
それより上からほとんど真俯瞰で撮っているのだが、
観ていて、え、大丈夫なのって、
ちょっとはらはらする。
真下を見下ろすことになるので、
高所恐怖症の人はきっと怖いと思う。
ここではさらっと、特に取り立てることなく、
アルドは階段を事も無げに降りていく。
今思えば、これは伏線だったんだなぁ。
工場のような無機質なものに、意味をもたすというか、
人間を反映させるのもアントニオーニならでは。
実に巧いと思う。
最初の工場のシーンは従業員もたくさんいるからか、
意気揚々として活気があった。
でも最後のシーンではアルドとイルマしかいないし、
冷えきっていて、荒廃しているような気さえした。
まるでアルドの心情そのものだ。
工場を起点と終点にして、さすらいの旅の間、
満たされない虚無感を抱えたままのアルドの、
移ろいでいく姿をあからさまに映し出していた。
そんな旅の中で、ガソリンスタンドのおじいさんと
ロジーナの仲が良かったのが、
ほのぼのと、気を緩められるひとときだった。
単音の楽器を組み合わせたような素朴な音楽が、
いい。 すごく好き。
それにしてもイタリアの女たちはみんな、
ストレートで、気が強いなぁ。
(2009.8.17)
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:スティーヴ・コクラン/アリダ・ウ゛ァリ/ドリアン・グレイ/ヘッツゥ・ブレア/リン・ショウ/ガブリエラ・バロッタ
16Aug.'09 DVD
★★★★☆
荒涼とした北イタリアの風景の切りとり方が、
やっぱりアントニオーニだ。
何にもない寒々しい風景で、しかもモノクロなのに、
でもモノクロだからこそなのか、映像に色気がある。
ただの風景が、ただじゃなくなっている。
アルドが最初に登場するのが、
工場の螺旋階段の最上階。
これが、あり得ない構図で撮られている。
アルドがかなり身を乗り出して
イルマに声をかけているのを、
それより上からほとんど真俯瞰で撮っているのだが、
観ていて、え、大丈夫なのって、
ちょっとはらはらする。
真下を見下ろすことになるので、
高所恐怖症の人はきっと怖いと思う。
ここではさらっと、特に取り立てることなく、
アルドは階段を事も無げに降りていく。
今思えば、これは伏線だったんだなぁ。
工場のような無機質なものに、意味をもたすというか、
人間を反映させるのもアントニオーニならでは。
実に巧いと思う。
最初の工場のシーンは従業員もたくさんいるからか、
意気揚々として活気があった。
でも最後のシーンではアルドとイルマしかいないし、
冷えきっていて、荒廃しているような気さえした。
まるでアルドの心情そのものだ。
工場を起点と終点にして、さすらいの旅の間、
満たされない虚無感を抱えたままのアルドの、
移ろいでいく姿をあからさまに映し出していた。
そんな旅の中で、ガソリンスタンドのおじいさんと
ロジーナの仲が良かったのが、
ほのぼのと、気を緩められるひとときだった。
単音の楽器を組み合わせたような素朴な音楽が、
いい。 すごく好き。
それにしてもイタリアの女たちはみんな、
ストレートで、気が強いなぁ。
(2009.8.17)
登録:
投稿 (Atom)