1957年
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:スティーヴ・コクラン/アリダ・ウ゛ァリ/ドリアン・グレイ/ヘッツゥ・ブレア/リン・ショウ/ガブリエラ・バロッタ
16Aug.'09 DVD
★★★★☆
荒涼とした北イタリアの風景の切りとり方が、
やっぱりアントニオーニだ。
何にもない寒々しい風景で、しかもモノクロなのに、
でもモノクロだからこそなのか、映像に色気がある。
ただの風景が、ただじゃなくなっている。
アルドが最初に登場するのが、
工場の螺旋階段の最上階。
これが、あり得ない構図で撮られている。
アルドがかなり身を乗り出して
イルマに声をかけているのを、
それより上からほとんど真俯瞰で撮っているのだが、
観ていて、え、大丈夫なのって、
ちょっとはらはらする。
真下を見下ろすことになるので、
高所恐怖症の人はきっと怖いと思う。
ここではさらっと、特に取り立てることなく、
アルドは階段を事も無げに降りていく。
今思えば、これは伏線だったんだなぁ。
工場のような無機質なものに、意味をもたすというか、
人間を反映させるのもアントニオーニならでは。
実に巧いと思う。
最初の工場のシーンは従業員もたくさんいるからか、
意気揚々として活気があった。
でも最後のシーンではアルドとイルマしかいないし、
冷えきっていて、荒廃しているような気さえした。
まるでアルドの心情そのものだ。
工場を起点と終点にして、さすらいの旅の間、
満たされない虚無感を抱えたままのアルドの、
移ろいでいく姿をあからさまに映し出していた。
そんな旅の中で、ガソリンスタンドのおじいさんと
ロジーナの仲が良かったのが、
ほのぼのと、気を緩められるひとときだった。
単音の楽器を組み合わせたような素朴な音楽が、
いい。 すごく好き。
それにしてもイタリアの女たちはみんな、
ストレートで、気が強いなぁ。
(2009.8.17)
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