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2010-06-16

街のあかり

2006年 
フィンランド・ドイツ・フランス
監督・製作・脚本・編集:アキ・カウリスマキ
出演:ヤンネ・フーティアイネン/マリア・ヤンヴェンヘルミ/カティ・オウティネン/マリア・ヘイスカネン/イルッカ・コイヴラ

26Aug.'07 ユーロスペースにて
★★★★★

とにかく静かな映画。
多くを語らず、映像もストーリーも淡々としている。
主人公は無口で孤独で求めるものが少ない男。

でもこの淡々さがワタシにはたまらない。
淡々としていても、決して飽きない。
静かで無口で淡々としているからこそ、
浮き彫りになるものはとても饒舌で、
語りかけるものをとても濃く感じる。

この主人公、負け犬だとかだらしないとか、
そんなキーワードになっているけど、それはどうだろう。
ここまで徹底して、自分にふりかかる災難を、
抗議するわけでもなく、騒がず、いい訳すらせず、
自分の運命として受け入れる。
それって、実は簡単にできることではないと思う。
確かに自分から何かを掴もうとしない人だ。
それでも、 最後に彼に訪れそうなささやかな気配は、
うらやましいぐらいこの上ない幸せを予感させる。
最後に救われたほんの数分のなんと至福だったことか。

街の女、情婦は美女ということになっているが、
彼女の目がちょっと寄り目なのが、
コケティッシュで、 なんか滑稽味があって、
興味を惹きつけていた。
この目で騙すとかいわれてもなぁ、、、みたいな。
でも純真無垢な主人公はまんまと騙されるんだけど。
そういうことのひとつひとつが、妙にニクいし巧いと思う。
(2007.9.2)

コントラクト・キラー

1990年 
フィンランド・スウェーデン
製作・監督・脚本・編集:アキ・カウリスマキ
出演:ジャン・ピエール・レオー/マージ・クラーク/ケネス・コリー/セルジュ・レジアニ/アンジェラ・ウォルシュ

13Feb.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

自分で死ねないから、
コントラクト・キラー(殺し屋)に自分を依頼して、
でも死にたくなくなって、、、 どういうわけか、
メンドクサイ迷路にはまっていく主人公。
まぁ、だからこそ映画はおもしろいんだけど。

だいたい、この主人公、まともに生きてなかったじゃん。
恋もしたことがなけりゃ、酒もタバコも知らない。
人生は楽しいんだって、殺し屋に教えられてんだもん。
で、バーで酒とタバコに手を出したら、
バラ売りの女と恋に落ちちゃったってわけ。
つまるところ、
勝手な思惑や自分の都合で死を決めるなということだろう。
 死ぬことを許すのは神さまだけだっていう話である。

やはり淡々としていながら、
無口でいながら、 語っていることが多い。
しっとりした映像。
赤とか青とかがどぎつく見えないのは、
カウリスマキの魔法のせい。
ベッドシーンをベッドの上の電球ひとつで
表現してしまうってのはさすがだ。
 (2008.2.14)

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

1989年 
フィンランド・スウェーデン
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出演:マッティ・ペロンパー/カリ・ヴァーナネン/サッケ・ヤルヴェンパー

13Feb.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

どこまでも、おバカでゴキゲンな映画。
なんかおかしくて。そう、「なんか」なんだけど。
オナカ抱えて笑うというのとは、ちょっと違う。

ずっと前から知ってはいたけど
なかなか機会を失っていたのだが、
こんなにおもしろいならもっと前に観ておけばよかった。

ツンドラの荒野から悪徳マネージャーにそそのかされて、
アメリカに連れてこられ、メキシコに行くハメになり、、、

彼らはとにかく無口で無表情。
やっとしゃべったかと思えば「腹減った」
悪徳マネージャーは、自分用のパンを隠しながら、
メンバーにはタマネギをひとり一個ずつ与える。
メンバーはそれを無表情に生のまま齧っている。
そういうことのひとつひとつが、妙におかしくて。
なんで、タマネギ? なんで、齧ってんの?
笑ってもいないし怒ってもいない。
感情があまりにみえないので、余計に滑稽にみえてしまう。
コメディなのに、淡々としてる。なんかね。

ジム・ジャームッシュが出てる? まさかと思っていたら、
エンドロールに名前があって、びっくり。
カウリスマキと仲がいいの?
ま、よく似たニオイはあるけど。

レニングラード・カウボーイズの来日はないのかな(笑)
(2008.2.14)