2007年
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/ヘイレイ・アトウェル/サリー・ホーキンス/トム・ウィルキンソン/フィル・デイヴィス/ジョン・ベンフィールド/クレア・ヒギンズ
09Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★
ここ何作かのウディ作品は、毎回同じ感覚に陥る。
観終わった後は、?がいっぱいになってて、
それはあまりにも短絡的でしょ、ってなるんだけど、
なのに、時間がたつと、じわじわと、
実はこの映画、めちゃくちゃ深いんじゃない?って、
思えてくる。なんでだろう。。。不思議だよなぁ。
ワタシがウディを贔屓しているだけじゃないと思うけど。
兄弟で、ヨットを手に入れて、
「カサンドラの夢」と、名付ける。
カサンドラ、、、ギリシャ神話では、不吉を意味する。。。
なんか、嫌な予感。
労働者階級のこの兄弟、働いて、がんばって、
自分の度量でなんとかしようという発想がそもそもない。
弟のテリーはギャンブル好き。
「大きな賭けはしない」といいながら、
家を買う金を作ろうとしてポーカーに。結局、負ける。
兄のイアンは実家のレストランを手伝いながら、
堅実なところを見せながらも、野心的で実業家志望。
実業家といっても、
地位と名誉に目が眩んでいるようにしか見えないけど。
それもラクして手に入れることしか考えてない。
目の前にいる父親は地道にレストランを経営しているのだが、
兄弟は馬鹿にするだけ。
ホントはすごくいい手本なのに、そんなことには気づかない。
で、世界を股にかけて成功している伯父さんを、
いつも羨望の眼差しでみている。
しかし、その伯父さん、かなり胡散臭い。
兄弟が伯父さんに金を無心しようとすると、
伯父さんは殺人を兄弟に強要する。
「血がつながってるのに、言うこときけないのか」って。
さすがに兄弟は最初は拒むけど、
直面している問題の解決を他の方法では考えられなくて、
「これしか道はないんだ」なんて言って、
コトに及んでしまう。。。ホント、短絡的。
で、案の定、転落人生、、、ついに。。。
あまりにも短絡的すぎて、簡単にコトに及ぶので、
えー?って思うんだけど、
これって、そっくりそのまま、
現代社会なんだよなぁって思った。
「殺したいから殺した」とか
「むしゃくしゃしてたから殺した」とか、
それこそ、短絡的な動機の事件が多い昨今だけど、
そんなのと、さして変わらない。
なんていうか、なんか軽いし、何でもラクして簡単に、
ってのが、現代のありがちな風潮だったりもして、
この兄弟に現代がすごく捉えられていると思う。
それに、この伯父さんの理屈って、
理屈にもなっていない、ただの強要。 けど、実はこれが罠。
この罠に嵌って起きる罪はいくらでもある。
「血がつながってるんだから」
「家族だから」
「世話になってるから」
というと、妙な正当性が生まれる。
全然、正しくなんかないんだけど、
当事者の間ではとても大切なことのように錯覚してしまう。
そこにほんのちょっとでも、
弱みや、利用しようという企みがあれば、
もうそれだけで、その罠が成立する。
で、この兄弟もまんまとこの罠に嵌ったわけで、、、
油断してたら、すぐに嵌ってしまうわけで、、、
結構どこにでもあったりするわけで、、、
もはや、他人事じゃない。
ばかばかしいと思いながらも、
でも自分だってそうなるかもっていう不安は、
どこか、もそもそしたところで感じてしまうのだ。
そういうことを、押し付けがましくなく、
でもどこかで感じられるようにできている、、、
何を感じて考えるかは、観客次第という、
ウディのスタンスは変わっていない。
コリン・ファレルの濃い眉がどんどん寄っていくのが、
なんとも切なく、哀愁が漂っていた。
テリーは、はまり役だなぁと思った。
2010-09-10
2010-06-24
3時10分、決断のとき
2007年
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ/クリスチャン・ベール/ピーター・フォンダ/グレッチェン・モル/ベン・フォスター/ダラス・ロバーツ/アラン・テュディック/ヴィネッサ・ショウ
20Nov.'09 早稲田松竹
★★★★☆
ラッセル・クロウかぁ、って感じで、
『レスラー』目当ての2本立てで、
ついでだしせっかくだからぐらいで、
ちっとも期待してなかった。
だいたいワタシはラッセル・クロウがキライ。
遅れたら観なくてもいいやって思ってた。
でも、でも!
この映画でラッセル・クロウ観は変わったわ。
すっごいいい男になってた。かっこよかった。
なんか痩せたのかしら? 引き締まったように見えたわ。
西部劇もそんなに好きじゃない。 ドンパチは基本キライ。
だからクリスチャン・ベイルがいてくれてよかった。
この役のおかげで映画に惹き込まれたもの。
最後はあっけにとられたけど、 その潔さに、感服。
多くを語らなくともちゃんと芽生えてる男の友情は、
羨ましいと素直に思う。
(2009.11.25)
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ/クリスチャン・ベール/ピーター・フォンダ/グレッチェン・モル/ベン・フォスター/ダラス・ロバーツ/アラン・テュディック/ヴィネッサ・ショウ
20Nov.'09 早稲田松竹
★★★★☆
ラッセル・クロウかぁ、って感じで、
『レスラー』目当ての2本立てで、
ついでだしせっかくだからぐらいで、
ちっとも期待してなかった。
だいたいワタシはラッセル・クロウがキライ。
遅れたら観なくてもいいやって思ってた。
でも、でも!
この映画でラッセル・クロウ観は変わったわ。
すっごいいい男になってた。かっこよかった。
なんか痩せたのかしら? 引き締まったように見えたわ。
西部劇もそんなに好きじゃない。 ドンパチは基本キライ。
だからクリスチャン・ベイルがいてくれてよかった。
この役のおかげで映画に惹き込まれたもの。
最後はあっけにとられたけど、 その潔さに、感服。
多くを語らなくともちゃんと芽生えてる男の友情は、
羨ましいと素直に思う。
(2009.11.25)
2010-06-23
ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン
2007年
フランス
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ジュリエット・ビノシュ/イポリット・ジラルド/シモン・イテアニュ/ソン・ファン
19Feb.'09 早稲田松竹にて
★★★★★
ピアノの音が心地よかった。
その音に揺られるように風船が浮かんでいて、
違和感なく風景に溶け込んでいた。
ベビーシッターのソンは静かで穏やか。
対照的にスザンヌは慌ただしくてどこか情緒不安定。
映画自体も柔らかく和やかな空気が漂うせいで、
スザンヌの不調和が強調されて、
こっちまでなんかそわそわしてしまう。
シモンが「ぼくも、男だよ」っていったとき、
泣きそうになった。
ピアノの音を調律するように、
ココロもたまには調整しなくちゃ。
風船がいつも見守ってくれてるしね。
じんわりあったかい映画だと思う。
(2009.6.8)
フランス
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ジュリエット・ビノシュ/イポリット・ジラルド/シモン・イテアニュ/ソン・ファン
19Feb.'09 早稲田松竹にて
★★★★★
ピアノの音が心地よかった。
その音に揺られるように風船が浮かんでいて、
違和感なく風景に溶け込んでいた。
ベビーシッターのソンは静かで穏やか。
対照的にスザンヌは慌ただしくてどこか情緒不安定。
映画自体も柔らかく和やかな空気が漂うせいで、
スザンヌの不調和が強調されて、
こっちまでなんかそわそわしてしまう。
シモンが「ぼくも、男だよ」っていったとき、
泣きそうになった。
ピアノの音を調律するように、
ココロもたまには調整しなくちゃ。
風船がいつも見守ってくれてるしね。
じんわりあったかい映画だと思う。
(2009.6.8)
パリ、恋人たちの2日間
2007年
フランス・ドイツ
監督・脚本・編集・音楽・出演:ジュリー・デルピー
出演:アダム・ゴールドウィン/ダニエル・ブリュール/マリー・ピレ/アルベール・デルピー
28May.'08 恵比寿ガーデンシネマにて
★★★★★
とても2日間の出来事とは思えないぐらい、
慌ただしくて大忙しで、ひっきりなしにしゃべってるし、
目まぐるしいけど、でもでも、とにかくおかしくて、
笑っちゃう。
アメリカ人とフランス人のカップル。
それぞれのアイデンティティをもちながらも、
それでもジャックはジャックだからこうであり、
マリオンもマリオンだからこうなっちゃうって、
そんな感じが最後にはした。
アメリカ人がパリにきてどうなるかとか、 何を思うかとか、
そういう広がりはあったので、 その視点でもおもしろかった。
ジュリー・デルピー、インタビューを読んでたら、
とてもパワフルで頼もしい。
でも映画の中では、すごくかわいらしかったな。
ま、男と女のあいだに起こることなんて、
イラク戦争や鳥インフルエンザに比べたら、
たいしたことじゃない。
うん、ま、そりゃそうだな。
(2008.6.3)
フランス・ドイツ
監督・脚本・編集・音楽・出演:ジュリー・デルピー
出演:アダム・ゴールドウィン/ダニエル・ブリュール/マリー・ピレ/アルベール・デルピー
28May.'08 恵比寿ガーデンシネマにて
★★★★★
とても2日間の出来事とは思えないぐらい、
慌ただしくて大忙しで、ひっきりなしにしゃべってるし、
目まぐるしいけど、でもでも、とにかくおかしくて、
笑っちゃう。
アメリカ人とフランス人のカップル。
それぞれのアイデンティティをもちながらも、
それでもジャックはジャックだからこうであり、
マリオンもマリオンだからこうなっちゃうって、
そんな感じが最後にはした。
アメリカ人がパリにきてどうなるかとか、 何を思うかとか、
そういう広がりはあったので、 その視点でもおもしろかった。
ジュリー・デルピー、インタビューを読んでたら、
とてもパワフルで頼もしい。
でも映画の中では、すごくかわいらしかったな。
ま、男と女のあいだに起こることなんて、
イラク戦争や鳥インフルエンザに比べたら、
たいしたことじゃない。
うん、ま、そりゃそうだな。
(2008.6.3)
地上5センチの恋心
2007年
フランス・ベルギー
監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:カトリーヌ・フロ/アルベール・デュポンテル/ファブリス・ミュルジア/ジャック・ウェベール/アラン・ドゥテー
11Apr.'08 シネスイッチ銀座にて
★★★★★
どこにでもいそうな普通のオバサンのオデット。
10年前に夫を亡くし、美容師のゲイの息子と、
無職でどこか世の中に冷めている娘の3人暮らし。
親ならそういう状況に追いつめられたり
悩んだりしそうなのだが、至って前向きで楽天的。
ラブロマンス作家のバルサンが大好きで、
本を読んでは夢心地になり、
サイン会に行くといってははしゃいでいる。
突然ミュージカル形式になってオデットが歌って踊り出す。
でも彼女のココロの明るさからすると、違和感がない。
楽しいんだもん、いいじゃないって感じ。
かといって、
恋愛に突っ走ったりするような青臭いところはなく、
ちゃんと地に足の着いた考えももってたりするから、
さすがだ。だてにオバサンをやってない。
で、そういうのが物語になるっていうところが面白かった。
幸せって何だろうなんて妙に考えちゃった。
その答えがみつかるかもしれない気がした。
(2008.4.17)
フランス・ベルギー
監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:カトリーヌ・フロ/アルベール・デュポンテル/ファブリス・ミュルジア/ジャック・ウェベール/アラン・ドゥテー
11Apr.'08 シネスイッチ銀座にて
★★★★★
どこにでもいそうな普通のオバサンのオデット。
10年前に夫を亡くし、美容師のゲイの息子と、
無職でどこか世の中に冷めている娘の3人暮らし。
親ならそういう状況に追いつめられたり
悩んだりしそうなのだが、至って前向きで楽天的。
ラブロマンス作家のバルサンが大好きで、
本を読んでは夢心地になり、
サイン会に行くといってははしゃいでいる。
突然ミュージカル形式になってオデットが歌って踊り出す。
でも彼女のココロの明るさからすると、違和感がない。
楽しいんだもん、いいじゃないって感じ。
かといって、
恋愛に突っ走ったりするような青臭いところはなく、
ちゃんと地に足の着いた考えももってたりするから、
さすがだ。だてにオバサンをやってない。
で、そういうのが物語になるっていうところが面白かった。
幸せって何だろうなんて妙に考えちゃった。
その答えがみつかるかもしれない気がした。
(2008.4.17)
潜水服は蝶の夢を見る
2007年
フランス・アメリカ
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン=ドミニク・ボービー
脚本:ロナルド・ハーウッド
出演:マチュー・アマルリック/マリー=ジョゼ・クローズ/マックス・フォン・シドー
14Apr.'08 ワーナーマイカルシネマズ新百合ケ丘にて
★★★★★
重くなりがちなテーマでありながら、
光があふれる透明感のある映像のせいか、
穏やかな気持ちで観ることができた。
ジャン=ドーの目線の映像は慣れるまでは酔いそうになるが、
それも含めてジャン=ドーと同じ視界を体験できるのは
なかなか画期的だと思う。
それにしても、この映像のセンスの良さには脱帽である。
こういうのってやりすぎると、すごくイヤミになるけど、
ちょうどいいバランスで押さえられている。
すばらしい。 音楽の選曲もすごく好き。
「E・S・A・R・・・」
何度も何度も気が遠くなるほど繰り返される作業。
でも何事も不可能じゃない、左目と想像力と記憶があれば。
勇気をもらった。
ちょっと文句があるとすれば、
出てくる人みんなきれいな方々ばかりで、
病院も風景もとにかく美しくて、
そういう意味ではさすがにリアリティがないってことかな。
だからこそ救われていたような気もするけど。
お涙頂戴にならずにすんだのではないかとも思う。
(2008.4.17)
フランス・アメリカ
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン=ドミニク・ボービー
脚本:ロナルド・ハーウッド
出演:マチュー・アマルリック/マリー=ジョゼ・クローズ/マックス・フォン・シドー
14Apr.'08 ワーナーマイカルシネマズ新百合ケ丘にて
★★★★★
重くなりがちなテーマでありながら、
光があふれる透明感のある映像のせいか、
穏やかな気持ちで観ることができた。
ジャン=ドーの目線の映像は慣れるまでは酔いそうになるが、
それも含めてジャン=ドーと同じ視界を体験できるのは
なかなか画期的だと思う。
それにしても、この映像のセンスの良さには脱帽である。
こういうのってやりすぎると、すごくイヤミになるけど、
ちょうどいいバランスで押さえられている。
すばらしい。 音楽の選曲もすごく好き。
「E・S・A・R・・・」
何度も何度も気が遠くなるほど繰り返される作業。
でも何事も不可能じゃない、左目と想像力と記憶があれば。
勇気をもらった。
ちょっと文句があるとすれば、
出てくる人みんなきれいな方々ばかりで、
病院も風景もとにかく美しくて、
そういう意味ではさすがにリアリティがないってことかな。
だからこそ救われていたような気もするけど。
お涙頂戴にならずにすんだのではないかとも思う。
(2008.4.17)
ペルセポリス
2007年
フランス
監督・脚本:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー
声の出演:キアラ・マストロヤンニ/カトリーヌ・ドヌーヴ/ダニエル・ダリュー
03Jul.'08 早稲田松竹にて
★★★★★
イラン。
ワタシにとっては中東の遠い国で、
長い間イラクと戦争をしていて、イスラム教で、
石油がとれる国だということぐらいしか認識がなかった。
マルジャンはワタシとほとんど同世代。
マルジャン自身が感じたり思ったりしたこととか、
好きなスターとかアーティストがいたこととか、
ケチャップつきのポテトが好きだったりとか、
そんな他愛のないことはワタシとそんなに違わない。
だけどそれを許す社会と許さない社会では、
全く違うことになってしまう。
幼い頃から身近な人が思想犯で捕まるような不条理を、
目の当たりにしなくてはならない環境。
子どもながらに感じるものは大きかっただろう。
マルジャンはとてもいいコだとはいえない。
意地悪もするし、ずるいし、間違ったこともする。
ただおかあさんだったりおばあちゃんだったり、
その度にちゃんと諭してくれる人がいた。
周りの人には恵まれてるなと思った。
この映画で、イランの問題が何か解決するわけではない。
波瀾万丈のマルジャン人生記でもなければ、
戦争反対とか何か特別な思想を訴えているわけでもない。
ただ、淡々とマルジャンが生きてきた国の状況と
マルジャンが描かれているだけ。
モノクロで、媚びてなくて、
余計なものが一切ない絵がすごく気に入った。
すんなり映画に入り込めた。
インタビューでマルジャンが実写じゃなくアニメーション、
しかもモノクロにしたのは「第三世界」の物語に
しないためだといっている。
なるほど。マルジャンがますます好きになった。
(2008.7.14)
フランス
監督・脚本:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー
声の出演:キアラ・マストロヤンニ/カトリーヌ・ドヌーヴ/ダニエル・ダリュー
03Jul.'08 早稲田松竹にて
★★★★★
イラン。
ワタシにとっては中東の遠い国で、
長い間イラクと戦争をしていて、イスラム教で、
石油がとれる国だということぐらいしか認識がなかった。
マルジャンはワタシとほとんど同世代。
マルジャン自身が感じたり思ったりしたこととか、
好きなスターとかアーティストがいたこととか、
ケチャップつきのポテトが好きだったりとか、
そんな他愛のないことはワタシとそんなに違わない。
だけどそれを許す社会と許さない社会では、
全く違うことになってしまう。
幼い頃から身近な人が思想犯で捕まるような不条理を、
目の当たりにしなくてはならない環境。
子どもながらに感じるものは大きかっただろう。
マルジャンはとてもいいコだとはいえない。
意地悪もするし、ずるいし、間違ったこともする。
ただおかあさんだったりおばあちゃんだったり、
その度にちゃんと諭してくれる人がいた。
周りの人には恵まれてるなと思った。
この映画で、イランの問題が何か解決するわけではない。
波瀾万丈のマルジャン人生記でもなければ、
戦争反対とか何か特別な思想を訴えているわけでもない。
ただ、淡々とマルジャンが生きてきた国の状況と
マルジャンが描かれているだけ。
モノクロで、媚びてなくて、
余計なものが一切ない絵がすごく気に入った。
すんなり映画に入り込めた。
インタビューでマルジャンが実写じゃなくアニメーション、
しかもモノクロにしたのは「第三世界」の物語に
しないためだといっている。
なるほど。マルジャンがますます好きになった。
(2008.7.14)
エンジェル
2007年
ベルギー・イギリス・フランス
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ロモーラ・ガライ/サム・ニール/シャーロット・ランプリング/ルーシー・ラッセル/マイケル・ファスヴェンダー
20Jan.'08 シャンテ・シネにて
★★★★★
虚構の中の虚構の夢物語。
まさしく乙女のおとぎ話といったところだろうか。
ここまで徹底して虚の世界が繰り広げられれば、
その潔さに感服する。
昼ドラ仕立ての構成は夢物語に対するアンティテーゼ。
まともに受け止めたら勘違い女の一生にしか見えない。
でもそれを全部裏返してみれば、
オゾンが何を言いたかったかがわかる気がする。
かなりの冒険をしているし、
それを余儀なくさせるだけのエネルギーを感じさせる。
相変わらずの映像感覚にはやはり脱帽。
オゾンならではの色彩だけでもかなり満足できる。
そして、やはりシャーロット・ランプリング。
彼女の視線の鋭さにには圧倒される。ドキドキする。
この映画では小さな役なのに、
その存在感はしみじみと観ているものに入り込んでくる。
ノラの最後の言葉にオゾンの本音が集約されていると実感した。
虚は虚でしかなく泡のように消えてゆき、
本物は後世に残ってゆく、それが運命なのだと。
(2008.1.23)
ベルギー・イギリス・フランス
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ロモーラ・ガライ/サム・ニール/シャーロット・ランプリング/ルーシー・ラッセル/マイケル・ファスヴェンダー
20Jan.'08 シャンテ・シネにて
★★★★★
虚構の中の虚構の夢物語。
まさしく乙女のおとぎ話といったところだろうか。
ここまで徹底して虚の世界が繰り広げられれば、
その潔さに感服する。
昼ドラ仕立ての構成は夢物語に対するアンティテーゼ。
まともに受け止めたら勘違い女の一生にしか見えない。
でもそれを全部裏返してみれば、
オゾンが何を言いたかったかがわかる気がする。
かなりの冒険をしているし、
それを余儀なくさせるだけのエネルギーを感じさせる。
相変わらずの映像感覚にはやはり脱帽。
オゾンならではの色彩だけでもかなり満足できる。
そして、やはりシャーロット・ランプリング。
彼女の視線の鋭さにには圧倒される。ドキドキする。
この映画では小さな役なのに、
その存在感はしみじみと観ているものに入り込んでくる。
ノラの最後の言葉にオゾンの本音が集約されていると実感した。
虚は虚でしかなく泡のように消えてゆき、
本物は後世に残ってゆく、それが運命なのだと。
(2008.1.23)
エディット・ピアフ 〜愛の賛歌〜
2007年
フランス・チェコ・イギリス
監督・脚本:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール/ジェラール・ドパルデュー
28Jun.'08 新文芸座にて
★★★★☆
壮絶な、凄まじいとしかいいようがない。
波瀾万丈だから、大衆を魅了する歌が歌えるのか、
才能に満ち溢れているから、運命に翻弄されてしまうのか。
どうして自らを擦り減らして生き急ぐのだろう。
どうして自ら幸せになる選択肢がないのだろう。
そして、お約束通りにクスリに溺れる、、、
ピアフだけじゃない。
ビリー・ホリディもそうだし、
ジャニス・ジョプリンだってそう。
苦悩と破滅ばかり、、、
ピアフは愛に生きていたはずなのに。
もっと安らかに生きる方法はなかったのか。
『愛の讃歌』は越路吹雪の方がよく耳馴染みになっていて、
ピアフのは実はちゃんと聴いたことがなかった。
独特な鼻にかかった声が、
いつまで聴いていても飽きなかった。
歌はピアフのを吹き替えにしたというのは正解だと思う。
マリオン・コティヤールは凄かった。
猫背のピアフが印象的だった。
痩せていてちっぽけで、
どこから声が出てるんだろうと思わせる演技は、
マリオンが歌ってるようにも見えたぐらいだった。
それにしても晩年のピアフは、
40代に見えないぐらい疲れきっていた。
それぐらい詰め込みすぎた人生だったのだろう。。。
(2008.7.06)
フランス・チェコ・イギリス
監督・脚本:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール/ジェラール・ドパルデュー
28Jun.'08 新文芸座にて
★★★★☆
壮絶な、凄まじいとしかいいようがない。
波瀾万丈だから、大衆を魅了する歌が歌えるのか、
才能に満ち溢れているから、運命に翻弄されてしまうのか。
どうして自らを擦り減らして生き急ぐのだろう。
どうして自ら幸せになる選択肢がないのだろう。
そして、お約束通りにクスリに溺れる、、、
ピアフだけじゃない。
ビリー・ホリディもそうだし、
ジャニス・ジョプリンだってそう。
苦悩と破滅ばかり、、、
ピアフは愛に生きていたはずなのに。
もっと安らかに生きる方法はなかったのか。
『愛の讃歌』は越路吹雪の方がよく耳馴染みになっていて、
ピアフのは実はちゃんと聴いたことがなかった。
独特な鼻にかかった声が、
いつまで聴いていても飽きなかった。
歌はピアフのを吹き替えにしたというのは正解だと思う。
マリオン・コティヤールは凄かった。
猫背のピアフが印象的だった。
痩せていてちっぽけで、
どこから声が出てるんだろうと思わせる演技は、
マリオンが歌ってるようにも見えたぐらいだった。
それにしても晩年のピアフは、
40代に見えないぐらい疲れきっていた。
それぐらい詰め込みすぎた人生だったのだろう。。。
(2008.7.06)
かつて、ノルマンディーで
2007年
フランス
監督:ニコラ・フェリベール
撮影:カテル・ジアン
音楽:フィリップ・エルサンエグゼクティヴプロデューサー:セルジュ・ラルー/ジル・サンドーズ
30Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★★
30年前、ルネ・アリオ監督は
『私ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』で
ノルマンディーの農民を役者にして撮影した。
とても画期的なことだと思う。
そして30年たった今、
ドキュメンタリーとしてのこの映画はとても興味深い。
農村の日常は30年前も今も変わらない。
日が昇れば働きに出て、日が暮れれば家に帰る。
平生その繰り返し、平凡な毎日。
そこへ一石を投じた。
その一石が30年前の映画である。
インタビューを受けて、
出演者たちの懐かしそうに語る笑顔があふれていた。
だれだったか、妹役をやった人だったと思うが、
「他人になることで自分がよく見えた」(うろ覚えですが)
この言葉が印象的だった。
映画を演じていたということが、
日常に何かしら影響を及ぼし、
30年という年月もその上に成り立っていく、、、
彼らの人生にあの映画はなかったものにはできないだろう。
農場でブタを育てているロジェは存在感があった。
30年前の映画に出演したがカットされたのだ。
ブタの出産のシーン、屠殺のシーン、そしてロジェの結婚。
ブタの生と死は日常的に行われ、
そして結婚という未来につながっていく。
事件を映画にするというのはよくある。
これは逆に、映画が事件になったという事態を
真摯にみつめているドキュメンタリーだと思う。
そしてこの一石によって、
日常を生きることのたくましさを見たような気がした。
(2008.5.4)
フランス
監督:ニコラ・フェリベール
撮影:カテル・ジアン
音楽:フィリップ・エルサンエグゼクティヴプロデューサー:セルジュ・ラルー/ジル・サンドーズ
30Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★★
30年前、ルネ・アリオ監督は
『私ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』で
ノルマンディーの農民を役者にして撮影した。
とても画期的なことだと思う。
そして30年たった今、
ドキュメンタリーとしてのこの映画はとても興味深い。
農村の日常は30年前も今も変わらない。
日が昇れば働きに出て、日が暮れれば家に帰る。
平生その繰り返し、平凡な毎日。
そこへ一石を投じた。
その一石が30年前の映画である。
インタビューを受けて、
出演者たちの懐かしそうに語る笑顔があふれていた。
だれだったか、妹役をやった人だったと思うが、
「他人になることで自分がよく見えた」(うろ覚えですが)
この言葉が印象的だった。
映画を演じていたということが、
日常に何かしら影響を及ぼし、
30年という年月もその上に成り立っていく、、、
彼らの人生にあの映画はなかったものにはできないだろう。
農場でブタを育てているロジェは存在感があった。
30年前の映画に出演したがカットされたのだ。
ブタの出産のシーン、屠殺のシーン、そしてロジェの結婚。
ブタの生と死は日常的に行われ、
そして結婚という未来につながっていく。
事件を映画にするというのはよくある。
これは逆に、映画が事件になったという事態を
真摯にみつめているドキュメンタリーだと思う。
そしてこの一石によって、
日常を生きることのたくましさを見たような気がした。
(2008.5.4)
2010-06-17
ファニーゲームU.S.A.
2007年
アメリカ/フランス/イギリス
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ナオミ・ワッツ/ティム・ロス/マイケル・ビットン/ブラディ・コルベット/デヴォン・ギアハート/ボイド・ゲインズ/シオバン・ファロン・ホーガン
10Aug.'09 DVD
★★★★☆
キャストがハリウッドの俳優になっただけで、
1997年に公開のオリジナルと、
台詞もカメラのアングルも音楽も、ほとんど同じ。
ハネケがハリウッドで『ファニーゲーム』を撮るにあたって、
自分が監督になることと、
内容を変えないことを条件にしたらしい。
ハネケのこの映画へのこだわりは相当なものだろう。
ある意味、ハリウッドへの挑戦? ともとれる。
ハリウッドの方が、新しいのだから当然なんだけど、
映像が垢抜けて明るい印象。家具とか、服とか。
ナオミ・ワッツの泣きはらした顔に迫力があって、
ティム・ロスはセレブなおとうさんが似合ってて、
犯人ふたりが、似た雰囲気のせいか、
その存在だけでいやーな感じを醸し出していて、
こちらもこちらで、すごいかも。
逆に古いからか、
オリジナルの方がひたひたと恐怖が増していくように感じた。
どっちを観ても、不快になる、後味が悪い、のは変わらない。
(2009.8.12)
アメリカ/フランス/イギリス
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ナオミ・ワッツ/ティム・ロス/マイケル・ビットン/ブラディ・コルベット/デヴォン・ギアハート/ボイド・ゲインズ/シオバン・ファロン・ホーガン
10Aug.'09 DVD
★★★★☆
キャストがハリウッドの俳優になっただけで、
1997年に公開のオリジナルと、
台詞もカメラのアングルも音楽も、ほとんど同じ。
ハネケがハリウッドで『ファニーゲーム』を撮るにあたって、
自分が監督になることと、
内容を変えないことを条件にしたらしい。
ハネケのこの映画へのこだわりは相当なものだろう。
ある意味、ハリウッドへの挑戦? ともとれる。
ハリウッドの方が、新しいのだから当然なんだけど、
映像が垢抜けて明るい印象。家具とか、服とか。
ナオミ・ワッツの泣きはらした顔に迫力があって、
ティム・ロスはセレブなおとうさんが似合ってて、
犯人ふたりが、似た雰囲気のせいか、
その存在だけでいやーな感じを醸し出していて、
こちらもこちらで、すごいかも。
逆に古いからか、
オリジナルの方がひたひたと恐怖が増していくように感じた。
どっちを観ても、不快になる、後味が悪い、のは変わらない。
(2009.8.12)
2010-06-16
つぐない
2007年
イギリス
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン
出演:キーラ・ナイトレイ/ジェイムズ・マカヴォイ/シーアシャ・ローナン/ロモーラ・ガライ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ブレンダ・ブレッシン
07May.'08 シネ・リーブルにて
★★★★★
ふつふつと沸き上がってくる感情をおさえられず、
犯してしまった少女の罪。
ブライオニーはその十字架を一生背負い続けることになる。
ブライオニーは自分のロビーへの思いが何なのかわからず、
どうしようもないもやもやしたものを抱えていたのだろう。
そんなブライオニーをよそに、
姉のセシリアとロビーがどんどん深くなっていく。
偶然二人を見てしまって、
見てはいけないもののような罪悪感やら、
それでも見てしまう好奇心やらを感じながら、
自分が子どもであるという焦りや美しい姉への嫉妬が、
自覚のないまま、重たくなりどんどん膨らんでいく。
手に負えなくなってしまった瞬間に悪魔がとり憑いた、、、
ロビーが捕まって、ブライオニーが成長するにつれ、
してしまった事の大きさに苛まれ、
罪の重さ痛みを感じなくてはならなくなる。
それが彼女のせめてものつぐないとして。
映画はとても丁寧に作られている印象。
映像も音楽も。
視線の違う場面を繰り返されるのも、悪くなかった。
シアーシャ・ローナンは内向的な少女を巧くやってた。
あの時代のイギリスのファッション、
彼女にすごく似合っててかわいらしかった。
イギリス
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン
出演:キーラ・ナイトレイ/ジェイムズ・マカヴォイ/シーアシャ・ローナン/ロモーラ・ガライ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ブレンダ・ブレッシン
07May.'08 シネ・リーブルにて
★★★★★
ふつふつと沸き上がってくる感情をおさえられず、
犯してしまった少女の罪。
ブライオニーはその十字架を一生背負い続けることになる。
ブライオニーは自分のロビーへの思いが何なのかわからず、
どうしようもないもやもやしたものを抱えていたのだろう。
そんなブライオニーをよそに、
姉のセシリアとロビーがどんどん深くなっていく。
偶然二人を見てしまって、
見てはいけないもののような罪悪感やら、
それでも見てしまう好奇心やらを感じながら、
自分が子どもであるという焦りや美しい姉への嫉妬が、
自覚のないまま、重たくなりどんどん膨らんでいく。
手に負えなくなってしまった瞬間に悪魔がとり憑いた、、、
ロビーが捕まって、ブライオニーが成長するにつれ、
してしまった事の大きさに苛まれ、
罪の重さ痛みを感じなくてはならなくなる。
それが彼女のせめてものつぐないとして。
映画はとても丁寧に作られている印象。
映像も音楽も。
視線の違う場面を繰り返されるのも、悪くなかった。
シアーシャ・ローナンは内向的な少女を巧くやってた。
あの時代のイギリスのファッション、
彼女にすごく似合っててかわいらしかった。
この自由な世界で
2007年
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/マギー・ハッセー/レイモンド・マーンズ/ダヴード・ラスグー
04Aug.'09 DVD
★★★★★
これは、辛いよ。
八方塞がりだもん。これまた、救われない。
自由という落し穴に嵌ってしまったな、という印象。
生きるため、ジェイミーのため、についた嘘。
そのしっぺ返しは必ずやってくる。
この窮地を抜け出せば、倍にして返すからと、
だから大丈夫だと、散々いいわけをして、自分を納得させて、
でも上手くいかなくて、ずるずる深みに嵌っていく。
上手くいったとしても、次へ次へと留まるところを知らない。
不安に駆られて、結局深みに嵌っていく。
ちいさな嘘がいつの間にか膨れ上がっていく。
そうして追い込まれて、一線を超えてしまう。
人間として非情なことをしてしまう。
当然、恨みや妬みの感情が蔓延っていく。
負のスパイラルに堕ちていく。
アンジーはエネルギッシュで行動力があるけど、
安易に物事を済ませてしまうところがある。
一方で、いつも何かに追い込まれて、
余裕がない感じがする。
彼女の猾さも弱さも、
映画はあからさまにごまかすことなく見せていた。
そのせいで、妙なリアリティがあった。
明日は我が身だよなって思った。他人事じゃない。
だから観てて、息がうまくできなくなっていた。
どうしようもなく苦しくなった。
アンジーがちょっと立ち止まって、深呼吸をして、
ちょっと離れて自分の状況を見ることができたら、いいのに。
そんなことをずっと思って、観てた。
(2009.8.5)
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/マギー・ハッセー/レイモンド・マーンズ/ダヴード・ラスグー
04Aug.'09 DVD
★★★★★
これは、辛いよ。
八方塞がりだもん。これまた、救われない。
自由という落し穴に嵌ってしまったな、という印象。
生きるため、ジェイミーのため、についた嘘。
そのしっぺ返しは必ずやってくる。
この窮地を抜け出せば、倍にして返すからと、
だから大丈夫だと、散々いいわけをして、自分を納得させて、
でも上手くいかなくて、ずるずる深みに嵌っていく。
上手くいったとしても、次へ次へと留まるところを知らない。
不安に駆られて、結局深みに嵌っていく。
ちいさな嘘がいつの間にか膨れ上がっていく。
そうして追い込まれて、一線を超えてしまう。
人間として非情なことをしてしまう。
当然、恨みや妬みの感情が蔓延っていく。
負のスパイラルに堕ちていく。
アンジーはエネルギッシュで行動力があるけど、
安易に物事を済ませてしまうところがある。
一方で、いつも何かに追い込まれて、
余裕がない感じがする。
彼女の猾さも弱さも、
映画はあからさまにごまかすことなく見せていた。
そのせいで、妙なリアリティがあった。
明日は我が身だよなって思った。他人事じゃない。
だから観てて、息がうまくできなくなっていた。
どうしようもなく苦しくなった。
アンジーがちょっと立ち止まって、深呼吸をして、
ちょっと離れて自分の状況を見ることができたら、いいのに。
そんなことをずっと思って、観てた。
(2009.8.5)
愛おしき隣人
2007年
スウェーデン・ドイツ・フランス
監督・脚本:ロイ・アンダーソン
出演:ジェシカ・ランバーグ/エリザベート・ヘランダー/ビヨルン・イングランド
25Jun.'08 シネマベティにて
★★★★★
愛おしい、愛おしい隣人たち
そりゃ、うまくいかないことばかりかもしれない
夫婦喧嘩もするし 鬱にだってなる
突然、嵐になる時だってあるさ
でもね
いいたいことはシンプル
ラストオーダー
また明日があるよ!
いつか好きな人のために
純白のウエディングドレスを着る日が来て、
みんなに祝福されるの
そんなことだって夢じゃないはず
とにかく映像が好き。
他に余計なものを感じさせない、
コントラストがほとんどない、柔らかい色。
この映像だけをずっと観ていたかった。
この色の世界にずっと浸っていたかった。
公式HPによると、
キャスティングはプロばかりじゃないらしい。
何度もリハーサルをして、
撮っているうちにに良いシーンになったとのこと。
人間臭い滑稽味のある彼らの演技は、
演技というよりほとんど地だったんだなぁ。
なるほど。納得。
すごく素朴だなと思っていたのは、だからなんだ。
だからこそ、うまく日常が溶け込んでいたのだと思う。
(2008.7.02)
スウェーデン・ドイツ・フランス
監督・脚本:ロイ・アンダーソン
出演:ジェシカ・ランバーグ/エリザベート・ヘランダー/ビヨルン・イングランド
25Jun.'08 シネマベティにて
★★★★★
愛おしい、愛おしい隣人たち
そりゃ、うまくいかないことばかりかもしれない
夫婦喧嘩もするし 鬱にだってなる
突然、嵐になる時だってあるさ
でもね
いいたいことはシンプル
ラストオーダー
また明日があるよ!
いつか好きな人のために
純白のウエディングドレスを着る日が来て、
みんなに祝福されるの
そんなことだって夢じゃないはず
とにかく映像が好き。
他に余計なものを感じさせない、
コントラストがほとんどない、柔らかい色。
この映像だけをずっと観ていたかった。
この色の世界にずっと浸っていたかった。
公式HPによると、
キャスティングはプロばかりじゃないらしい。
何度もリハーサルをして、
撮っているうちにに良いシーンになったとのこと。
人間臭い滑稽味のある彼らの演技は、
演技というよりほとんど地だったんだなぁ。
なるほど。納得。
すごく素朴だなと思っていたのは、だからなんだ。
だからこそ、うまく日常が溶け込んでいたのだと思う。
(2008.7.02)
レンブラントの夜警
2007年
カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド
監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
出演:マーティン・フリーマン/エヴァ・バーシッスル/ジョディ・メイ/エミリー・ホームズ/ナタリー・プレス/トビー・ジョーンズ
03Jul.'08 新文芸座にて
★★★☆☆
グリーナウェイの夜とか闇って、独特だと思う。
どこか毒が潜んであって、
その闇が幾重にも重なっているような黒という印象がある。
レンブラントといえば、闇と光の画家だし。
グリーナウェイがレンブラントに惹かれて、
なるべくしてできた映画だとすごく納得できた。
『夜警』のくだりは面白かった。
写真のない時代のドキュメンタリーのような絵が
でき上がる一部始終はなかなか興味深かった。
それにしても、長かった。
淡々とした映画はキライじゃないが、
単調でかなり辛かった。
(2008.7.17)
カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド
監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
出演:マーティン・フリーマン/エヴァ・バーシッスル/ジョディ・メイ/エミリー・ホームズ/ナタリー・プレス/トビー・ジョーンズ
03Jul.'08 新文芸座にて
★★★☆☆
グリーナウェイの夜とか闇って、独特だと思う。
どこか毒が潜んであって、
その闇が幾重にも重なっているような黒という印象がある。
レンブラントといえば、闇と光の画家だし。
グリーナウェイがレンブラントに惹かれて、
なるべくしてできた映画だとすごく納得できた。
『夜警』のくだりは面白かった。
写真のない時代のドキュメンタリーのような絵が
でき上がる一部始終はなかなか興味深かった。
それにしても、長かった。
淡々とした映画はキライじゃないが、
単調でかなり辛かった。
(2008.7.17)
2010-06-15
イントゥ・ザ・ワイルド
2007年
アメリカ
監督:ショーン・ペン
出演:エミール・ハーシュ/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ウィリアム・ハート /ジェナ・マローン
14Feb.'09 早稲田松竹にて
★★★★☆
ほんとうの自由か。
アラスカに自由はあったのか。
クリスは自由だったのか。
アラスカの自然の美しさはワクワクするし、
何かをやろうとしたり、起きたりするたびにドキドキするし、
文明社会にどっぷり浸かっていては見られないものや、
体験できないことが、いっぱいある。
さぞかし刺激的だろう。
若者が行きたくなる衝動を抑えられないのは、わかる。
大自然を前にしたら、人間の命なんてちっぽけなもの。
虫けらの命もクリスの命も、同じひとつの命でしかない。
クリスの死を特別なものでなく、大仰なものでなく、
淡々と、でもしっかりと描かれていたことに好感がもてた。
(2009.6.5)
アメリカ
監督:ショーン・ペン
出演:エミール・ハーシュ/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ウィリアム・ハート /ジェナ・マローン
14Feb.'09 早稲田松竹にて
★★★★☆
ほんとうの自由か。
アラスカに自由はあったのか。
クリスは自由だったのか。
アラスカの自然の美しさはワクワクするし、
何かをやろうとしたり、起きたりするたびにドキドキするし、
文明社会にどっぷり浸かっていては見られないものや、
体験できないことが、いっぱいある。
さぞかし刺激的だろう。
若者が行きたくなる衝動を抑えられないのは、わかる。
大自然を前にしたら、人間の命なんてちっぽけなもの。
虫けらの命もクリスの命も、同じひとつの命でしかない。
クリスの死を特別なものでなく、大仰なものでなく、
淡々と、でもしっかりと描かれていたことに好感がもてた。
(2009.6.5)
アメリカを売った男
2007年
アメリカ
監督:ビリー・レイ
出演:クリス・クーパー/ライアン・フィリップ/ローラ・リニー/デニス・ヘイスバート
10Jan.'09 新文芸座にて
★★★☆☆
クリス・クーパーは渋かった。
齢を重ねてでてくるものなのか、
この一筋縄ではいかない深みのある凄味はいったい、何。
彼の目線がうごくだけで、
ちょっとした緊張感に襲われる。
主人公のぼっちゃん捜査官との心理合戦は、見応えはある。
手に汗を握る。
映画自体は粛々と進んでいく感じできらいじゃない。
BGMも邪魔にならず、なかなかよかった。
ただ、アメリカ映画にありがちな、
アメリカ背負ってます的な使命感みたいなものが、
ぷんぷんするのはどうも好きになれない。
結局正義は勝つんだってことで締めくくられるのも、苦手。
FBI捜査官なんだから実際背負ってるわけだし、
実話だから、しょうがないのかもしれないけど。
(2009.6.15)
アメリカ
監督:ビリー・レイ
出演:クリス・クーパー/ライアン・フィリップ/ローラ・リニー/デニス・ヘイスバート
10Jan.'09 新文芸座にて
★★★☆☆
クリス・クーパーは渋かった。
齢を重ねてでてくるものなのか、
この一筋縄ではいかない深みのある凄味はいったい、何。
彼の目線がうごくだけで、
ちょっとした緊張感に襲われる。
主人公のぼっちゃん捜査官との心理合戦は、見応えはある。
手に汗を握る。
映画自体は粛々と進んでいく感じできらいじゃない。
BGMも邪魔にならず、なかなかよかった。
ただ、アメリカ映画にありがちな、
アメリカ背負ってます的な使命感みたいなものが、
ぷんぷんするのはどうも好きになれない。
結局正義は勝つんだってことで締めくくられるのも、苦手。
FBI捜査官なんだから実際背負ってるわけだし、
実話だから、しょうがないのかもしれないけど。
(2009.6.15)
JUNO/ジュノ
2007年
アメリカ
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コディ
出演:エレン・ペイジ/マイケル・セラ/ジェニファー・ガーナー/ジェイソン・ベイトマン/オリヴィア・サルビー/J・K・シモンズ
17Oct.'08 飯田橋ギンレイホールにて
★★★☆☆
高校生のジュノが妊娠してしまった。
けど、あまり深刻にならずコミカルで明るい。
ジュノは一見ハチャメチャに見えるけど、
ちゃんと自分で考えて行動ができる。
ちゃんと自分のしたいことを主張できる。
しかも、父親も継母もジュノのすることを受け入れ、
見守っている。そこのところはすごいと思った。
普通、そのいきさつがどうであれ、
相手のところに怒鳴り込みにいくところだろう。
ま、養子が決まったからというのもあるだろうけど、
それでも。
だけどなぁ。
自分の産んだ赤ちゃんを見ないと、
あっけらかんと言われちゃうとなぁ。
ホントにそれでいいの?と思った。
養子に決めたから?
代理母に徹したってこと?
なんていうか、
そういうことで割り切れるものなのかな。
全体的にジュノに好感は持てるんだけど、
軽快でポップな印象もいいんだけど、
命というか、母子のつながりというか、
ちょっと軽くみている感じがして、
それがちょっと引っかかってしまった。
国民性なのか、世代なのか。
価値観の違いなのかなぁ。
(2008.10.18)
アメリカ
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コディ
出演:エレン・ペイジ/マイケル・セラ/ジェニファー・ガーナー/ジェイソン・ベイトマン/オリヴィア・サルビー/J・K・シモンズ
17Oct.'08 飯田橋ギンレイホールにて
★★★☆☆
高校生のジュノが妊娠してしまった。
けど、あまり深刻にならずコミカルで明るい。
ジュノは一見ハチャメチャに見えるけど、
ちゃんと自分で考えて行動ができる。
ちゃんと自分のしたいことを主張できる。
しかも、父親も継母もジュノのすることを受け入れ、
見守っている。そこのところはすごいと思った。
普通、そのいきさつがどうであれ、
相手のところに怒鳴り込みにいくところだろう。
ま、養子が決まったからというのもあるだろうけど、
それでも。
だけどなぁ。
自分の産んだ赤ちゃんを見ないと、
あっけらかんと言われちゃうとなぁ。
ホントにそれでいいの?と思った。
養子に決めたから?
代理母に徹したってこと?
なんていうか、
そういうことで割り切れるものなのかな。
全体的にジュノに好感は持てるんだけど、
軽快でポップな印象もいいんだけど、
命というか、母子のつながりというか、
ちょっと軽くみている感じがして、
それがちょっと引っかかってしまった。
国民性なのか、世代なのか。
価値観の違いなのかなぁ。
(2008.10.18)
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
2007年
アメリカ
監督・製作・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
原作:アプトン・シンクレア
出演:ダニエル・デイ=ルイス/ディロン・フレイジャー/ポール・ダノ/ケビン・J・オコナー/キアラン・ハインズ
04Jun.'08 チネチッタにて
★★★★★
石油、黒い血、欲望、欺瞞、狂気、、、
まさにアメリカ経済の闇を映し出している。
音楽というよりは効果音にしか聞こえない音が、
どうしようもなく不安を煽る。
息が詰まりそうになりながら、
2時間半以上もこの主人公から目がはなせなかった。
たったひとりで鉱山を掘っていた男が
石油によって富と権力を得るが、
終いにはまたひとりになってしまう、、、
どんなに財を成しても、
というより経済の波に乗れば乗るほど、
だれも信用できなくなっていった。
「欲望と言う名の黒い血が彼を怪物に変えていく・・・」
この男が一番怖れていたのは実はこれだったのではないか。
成功の夢を追いながらもそのうらはらで、
怪物になっていくことを誰よりも察していたのではないか。
そんな気がした。
成功者となる一方で、
精神的な支えを探していたようにもみえる。
たぶんそれは、ずっとH.W.だったはず。
なのに何が大切なのかを見失い、そして結局手放してしまう。
また、神の存在も。
イーライが信仰の名のもとにつきまとってはくるのだが、
それもつまりは経済の上にのっかっている神でしかない。
胡散臭い上にあまりに不安定な神。
そんなものは神とはいえない。
石油が溢れ出る楽園だと思っていたこの地は、
信じられるものが何もない地獄だった、、、
石油という麻薬を手にしてしまったがために、
安らぎからはほど遠いこの地獄に身を置くことしか、
できなくなってしまったということか。
それにしても、ダニエル・デイ=ルイスだった。
ほとんど彼の独壇場だった。
この人の実際の顔がどんなだったかがわからなくなるほど、
この主人公そのものになっていた。
身震いするほど、すごかった。
(2008.6.17)
アメリカ
監督・製作・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
原作:アプトン・シンクレア
出演:ダニエル・デイ=ルイス/ディロン・フレイジャー/ポール・ダノ/ケビン・J・オコナー/キアラン・ハインズ
04Jun.'08 チネチッタにて
★★★★★
石油、黒い血、欲望、欺瞞、狂気、、、
まさにアメリカ経済の闇を映し出している。
音楽というよりは効果音にしか聞こえない音が、
どうしようもなく不安を煽る。
息が詰まりそうになりながら、
2時間半以上もこの主人公から目がはなせなかった。
たったひとりで鉱山を掘っていた男が
石油によって富と権力を得るが、
終いにはまたひとりになってしまう、、、
どんなに財を成しても、
というより経済の波に乗れば乗るほど、
だれも信用できなくなっていった。
「欲望と言う名の黒い血が彼を怪物に変えていく・・・」
この男が一番怖れていたのは実はこれだったのではないか。
成功の夢を追いながらもそのうらはらで、
怪物になっていくことを誰よりも察していたのではないか。
そんな気がした。
成功者となる一方で、
精神的な支えを探していたようにもみえる。
たぶんそれは、ずっとH.W.だったはず。
なのに何が大切なのかを見失い、そして結局手放してしまう。
また、神の存在も。
イーライが信仰の名のもとにつきまとってはくるのだが、
それもつまりは経済の上にのっかっている神でしかない。
胡散臭い上にあまりに不安定な神。
そんなものは神とはいえない。
石油が溢れ出る楽園だと思っていたこの地は、
信じられるものが何もない地獄だった、、、
石油という麻薬を手にしてしまったがために、
安らぎからはほど遠いこの地獄に身を置くことしか、
できなくなってしまったということか。
それにしても、ダニエル・デイ=ルイスだった。
ほとんど彼の独壇場だった。
この人の実際の顔がどんなだったかがわからなくなるほど、
この主人公そのものになっていた。
身震いするほど、すごかった。
(2008.6.17)
悲しみが乾くまで
2007年
アメリカ
監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー/ベニチオ・デルトロ/デヴィッド・ドゥカヴニー/アリソン・ローマン/ジョン・キャロル・リンチ
24Apr.'08 恵比寿ガーデンシネマにて
★★☆☆☆
ベニチオ・デル・トロとハル・ベリーに
期待して観に行ったのだが、、、う〜ん。
ふたりとも、映画にうまく溶け込んでなかった。
なんだかわざとらしささえ感じてしまった。
演技は巧いんだと思う。
でもその巧さが裏目に出ていたように見えた。
デル・トロが麻薬に苦しむのはさすがだった。
ところどころでみせる彼の表情は、
ジェリーの感情を的確に掴んでいたし、すばらしかった。
でも、なんだかしっくりこない。
ストーリー設定に問題があるのか。
キャスティングがちがったのか。
何より、
心情的にオードリーに共感できなかった。
ワタシ自身がこの映画に
入り込めなかったからなのかもしれないのだが。。。
(2008.5.3)
アメリカ
監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー/ベニチオ・デルトロ/デヴィッド・ドゥカヴニー/アリソン・ローマン/ジョン・キャロル・リンチ
24Apr.'08 恵比寿ガーデンシネマにて
★★☆☆☆
ベニチオ・デル・トロとハル・ベリーに
期待して観に行ったのだが、、、う〜ん。
ふたりとも、映画にうまく溶け込んでなかった。
なんだかわざとらしささえ感じてしまった。
演技は巧いんだと思う。
でもその巧さが裏目に出ていたように見えた。
デル・トロが麻薬に苦しむのはさすがだった。
ところどころでみせる彼の表情は、
ジェリーの感情を的確に掴んでいたし、すばらしかった。
でも、なんだかしっくりこない。
ストーリー設定に問題があるのか。
キャスティングがちがったのか。
何より、
心情的にオードリーに共感できなかった。
ワタシ自身がこの映画に
入り込めなかったからなのかもしれないのだが。。。
(2008.5.3)
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