ラベル ケン・ローチ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ケン・ローチ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010-06-16

この自由な世界で

2007年 
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/マギー・ハッセー/レイモンド・マーンズ/ダヴード・ラスグー

04Aug.'09 DVD
★★★★★

これは、辛いよ。
八方塞がりだもん。これまた、救われない。

自由という落し穴に嵌ってしまったな、という印象。
生きるため、ジェイミーのため、についた嘘。
そのしっぺ返しは必ずやってくる。
この窮地を抜け出せば、倍にして返すからと、
だから大丈夫だと、散々いいわけをして、自分を納得させて、
でも上手くいかなくて、ずるずる深みに嵌っていく。
上手くいったとしても、次へ次へと留まるところを知らない。
不安に駆られて、結局深みに嵌っていく。
ちいさな嘘がいつの間にか膨れ上がっていく。
そうして追い込まれて、一線を超えてしまう。
人間として非情なことをしてしまう。
当然、恨みや妬みの感情が蔓延っていく。
負のスパイラルに堕ちていく。

アンジーはエネルギッシュで行動力があるけど、
安易に物事を済ませてしまうところがある。
一方で、いつも何かに追い込まれて、
余裕がない感じがする。
彼女の猾さも弱さも、
映画はあからさまにごまかすことなく見せていた。
そのせいで、妙なリアリティがあった。
明日は我が身だよなって思った。他人事じゃない。
だから観てて、息がうまくできなくなっていた。
どうしようもなく苦しくなった。

アンジーがちょっと立ち止まって、深呼吸をして、
ちょっと離れて自分の状況を見ることができたら、いいのに。
そんなことをずっと思って、観てた。
(2009.8.5)

麦の穂をゆらす風

2006年 
イギリス・アイルランド・フランス
監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィ/ポーリック・デラニー/リーアム・カニンガム/オーラ・フィッツジェラルド

25Jan.'07 シネカノン有楽町にて
★★★★★

こんなに怖い、おそろしさを感じた映画はないと思う。
どうしても行き詰まるしかない息苦しさ。
静かに淡々と、でも痛さをカラダじゅうで感じながらの126分。

矛盾が矛盾を呼び、 解きほどけない迷路に落としこまれる。
初めの敵はイギリス大国だったのが、
いづれ、内戦にすり替わり、
気がつくと仲間だったはずの、友達や兄弟が敵になる。
どうしても免れない戦争の構図。
あらためて、戦争の残酷さを突きつけられた。
(2007.1.26)

やさしくキスをして

2004年 
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:エヴァ・バーシッスル/アッタ・ヤクブ/アーマッド・リアス/シャムシャド・アクタール/シャバナ・バクーシギザラ・エイヴァン/ゲイリー・ルイス/デイヴィッド・マッケイ/シャイ・ラムザン/ジェラルド・ケリー/ジョン・ユール/スンナ・ミルザ/パーシャ・ボカリー

15Jul.'09 DVD
★★★★☆

イスラム教徒のパキスタン人移民2世のカシムと、
カトリックであるアイルランド人の音楽教師のラシーンとの、
恋の物語。

二人の恋に宗教の壁が大きく立ちはだかる。
この恋を貫いて異教徒間の結婚となると、
カシムはムスリムのコミュニティから締め出され、
家族を失うばかりか、家族を窮地に追いやることになる。
カシムの姉の縁談も壊れてしまう。
一方ラシーンも教師の仕事が本採用になり、
カトリック教徒である証明を司祭にもらいにいくのだが、
カシムと同棲していることをつつかれ、
また前の夫との離婚が成立していなかったりで、
なんとも、ややこしい。

カシムはラシーンか家族かで揺れて、苦悩の堂々巡り。
ラシーンだって、カシムにはつめよるものの、
カシムをとることで、自分が積み上げてきたものを、
失うかもしれないストレスを感じている。

二人の恋を実らせてあげたいけど、
それが周りを傷つけるのだとしたら、
ホントに二人の幸せになるのかな。
うーん。むずかしい。

結局、答えは出てないように感じたけど、
どうだろう。
カシムはあれだけじゃ家族を振り切ってないでしょ。
安易に二人の恋を盛り上げて、
それで完結なんてことにしていないところが、
ケン・ローチのすごいところだと思う。
二人は、特にカシムは思う存分悩んで堂々巡りをやるべき。
パキスタン人移民が、
頑にムスリムのコミュニティを守ろうとするのは、
当然なことだと理解できるけど、
でもここはグラスゴーで白人がいるところなわけで、
こんな恋がさして特別なこととも思えず、
よくあることなのだとしたら、
いろんな歴史や軋轢があったとしても、
それを乗り越えて、
そろそろお互いの共生を考えなくちゃならないんじゃないか、
というメッセージが込められているように思うんだけど、
どうだろう。
(2009.7.16)

SWEET SIXTEEN

2002年 
イギリス・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:マーティン・コムストン/ウィリアム・ルアン/アンマリー・フルトン/ミッシェル・アバークロンビー/ミッシェル・クルター/ゲイリー・マコーマック/トミー・マッキー/カラム・マッカリーズ

11Jul.'09 DVD
★★★★★

やりきれない。。。
リアムの母親を思う気持ち、
家族と一緒に住む夢、が、あまりに切ない。
些細な幸せを求めてるだけなのに、
たったそれだけが、あまりに遠い。
15歳の少年にはあまりに過酷だ。
ひとつ間違いを起こしてしまったことで、
お約束通り転がり続け、堕ちていく。

お姉ちゃんだって10代なのだと、後で知ってびっくり。
10代でシングルマザーで、
自分の母親の女の性をこの齢で理解して、
リアムをたしなめなくちゃならないなんて、
これまた、キツい。
境遇が、無理にでも大人にさせるんだろうか。

そうそう上手くはいかないだろうと思いながらも、
なんとかあの海の家に住まわせてあげたかった。
トレーラーを改造したような粗末だけど、
どこかかわいらしくて家族が仲良くなれそうな家。
なのに、なのに、、、

この映画の後のリアムが気になる。
母親の出所までは一緒に住むという目的があったから、
それに突き進んでいたけど、
これからどうなっちゃうんだろう。
あ〜、やっぱり、やりきれない!

主人公のマーティン・コムストン。
目がいい。すごく、いい。
久々にかっこいいコをみつけちゃった。
(2009.7.13)