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2011-01-10

害虫

2002年
日本
監督:塩田明彦 
出演:宮崎あおい/蒼井優/沢木哲/田辺誠一/りょう/石川浩司/伊勢谷友介/天宮良/すずき雄作/芳賀優里亜/米丘ゆり/半田美保子/西満衣/三輪恵未/寺島進/光石研/大森南朋/中村久美/石丸謙二郎

05Dec.'10 早稲田松竹
★★★☆☆

なんとも、苦しい映画だった。
救われない映画なんていくらでもあるけど、
救われないだけじゃなくて、
ぼやぼやしてると、
押しつぶされそうになって、
そうなりそうなのが、わかっていながら、
何も手立てがない。
それが、倍々に、苦しさを増していく。。。

宮崎あおいちゃんも蒼井優ちゃんも、瑞々しいなぁ。
13歳のあどけない可愛さと、
でも、どこかさめてる残酷なところとが、
交錯して、そのあどけなさが、逆に息苦しくしていた。

なんとも、、、とらえどころがないんだよなぁ。
こうなっちゃったら、お手上げだよ。。。

10代か20代前半ぐらいで、感受性の強い人だったら、
響くものがあるんだろうなって、なんとなく思った。
 (2010.12.29)

2010-12-01

パプリカ

2006年
日本
監督:今敏 原作:筒井康隆 音楽:平沢進
出演(声):林原めぐみ/江守徹/堀勝之祐/大塚明夫/山寺宏一/田中秀幸/こおろぎさとみ/坂口大助/岩田光央/愛河里花子/太田真一郎/ふくまつ進紗/川瀬晶子/泉久実子/勝杏里/宮下栄治/三戸耕三

31Oct.'10 早稲田松竹
★★★☆☆

筒井康隆っぽい話だと思ったら、
筒井康隆だった。。。

You Tube でちょろっと行進のシーンは観ていて、
音楽とそのシーンがおもしろそうだったので、
かなり期待度が高くなってて、、、
しかも追悼ということもあって、
風邪気味だってのに、並ばされ、外で待たされ、
やっとの思いで観たんだけど。。。
映画で並ぶのなんて、いつぶりだろう。

うーん。
日本のアニメの技術はすごいんだと思う。
原作は読んでないけど、筒井康隆の世界観は出てるし、
音楽は面白いし、ちゃんとまとまってるし、
文句なんてつけようもない。
だけど、なんだかもの足りなさを感じてしまった。
なんだろう。。。

アニメーションも声優も音楽も原作も、
それぞれがすごくプロなんだけど、
きっちり丁寧な仕事はしてるんだけど、
巧く混ざってないというか、、、
まとまりすぎて、それ以上に昇華してないというか、、、
うーん。

筒井康隆は本で愉しみたい。
世界観はちゃんと出てはいるんだけど、
映像化するとどうしても世界が小さくなっちゃう。
もっともっと奥行きのある話だったんじゃないかと思う。

今さんはすごく真面目な方だったんだろうな。
作品を観てそう思った。
(2010.11.29)

陸軍中野学校 雲一号指令

1966年日本
監督:森一生
出演:村松英子/加東大介/佐藤慶/中村隆/中野誠也/伊達三郎/戸浦六宏/越川一/木村玄/森矢雄二/尾上栄五郎/原聖四郎/石原須磨男/近江輝子/香山恵子/毛利郁子/H・ジョンソン

24Oct.'10 新文芸座
★★★☆☆

雷蔵は相変わらずで、申し分ないんだけど、
一作目より力量不足を感じてしまうのは何だろう。。
エンターテイメント的には、満足できるんだけど。

加東大介はもとより、佐藤慶、戸浦六宏、
芸者役の妖しさを醸し出している村松英子等等、
脇役陣の豊富さはさすがに贅沢だなぁと思う。
(2010.11.4)

2010-09-10

シャッター アイランド

2009年
アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ/マーク・ラファロ/ベン・キングズレー/ミシェル・ウィリアムズ/パトリシア・クラークソン/マックス・フォン・シドー/エミリー・モーティマー/ジャッキー・アール・ヘイリー/イライアス・コティーズ/テッド・レヴィン/ジョン・キャロル・リンチ/クリストファー・デナム/カーティス・クック/ケン・シーセマン/ジョセフ・マッケンナ

09Sep.'10 早稲田松竹
★★★☆☆

謎解きか。
「あなたは上映開始から何分でこの謎が解けますか」って、
言われてもなぁ。
最後まで、っていうか、「衝撃のラスト」で、
謎は余計に深まった、、、
謎は深まったけど、「衝撃」って程じゃない、、、
公開当初、一回観ただけじゃわからないから、
リピートして観てほしいとか言ってたけど、
もう一度観てまで、
謎解きをしなくてもいいやって思っちゃった。
謎はわかんないから謎なのであって、
無理に謎を解く必要なんてないでしょ。
テディが妄想でも、現実でも、どっちでも、
切なくて、怖い。最後の台詞、ホント切ないよ。

やたら暗いよなぁ。
ま、囚人収容の島なのだから、暗くしてるんでしょうけど、
太陽の光は万人に平等でしょ。。。
あ、そうか、妄想だから、暗いのか。
でも、なんかどんどん絶望的になってて、息が詰まる。
それも、主人公が絶望的だから、仕方ないのか。
だって、この主人公、気を緩める瞬間がないんだもん。
起きてても、寝てても、眉間にずっと皺が寄ってる。
休まるところがないから、肩が凝っちゃったよ。

で、そんなんで、これって、面白いの?
わかんなくなってきた。

ディカプリオ、大人になったねぇ。
『ギルバート・グレイプ』の頃がなつかしいな。
最近、レオの映画を観てなかったので、
久しぶりなせいか、男っぷりに感心した。

スコセッシとディカプリオのコンビには、
ホントに期待してるんだけどなぁ。
スコセッシには、昔の作品があるだけに、
どうしても期待のハードルが上がっちゃうんだけどね。

2010-08-31

黒蜥蜴

1968年
日本
監督:深作欣二 原作:江戸川乱歩 戯曲:三島由紀夫
出演:丸山明宏/木村功/川津祐介/宇佐見淳弥/松岡きっこ/西村晃/小林トシ子/丹波哲郎/三島由紀夫

28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやはや、いやはや。
『黒蜥蜴』は結局、黒蜥蜴あってこそ。
大映版が京マチ子なら、
こちらは丸山明宏の独壇場。

もう、美しすぎる。ため息もの。
可憐でいながら、艶かしい。
その芳醇な姿から目が離せなくなった。
ホテルから逃げる男装姿には、
なんだか妙な錯覚をおこしてしまった。

オープニングのアングラ感はなかなか好きかも。
大映版から6年で随分洗練されたなぁと思う。

ただ、ストーリーは陳腐に感じてしまった。
同じ日に『陰獣』を観たせいかもしれないけど。
でもエンターテイメント性は『黒蜥蜴』の方があるんだろうな。

三島由紀夫がどういう風に出てくるのか興味津々だったけど、
さすがに、びっくり。笑っちゃった。

黒蜥蜴

1962年
日本
監督:井上梅次 原作:江戸川乱歩 劇化:三島由紀夫
出演:京マチ子/大木実/叶順子/三島雅夫/目黒幸子/川口浩/緋桜陽子/杉田康

 28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやはや、
オールナイトで江戸川乱歩特集4作目で、
さすがに朦朧としていて、最後がこれでよかった(笑)

オドロオドロしい『黒蜥蜴』を想像していたので、
肩すかしで、笑えた。
京マチ子はさすがだ。
男装で踊ってるし。
不意をつかれてあっけにとられたけど、
別の意味で期待を裏切らない。

同じ日に丸山明宏のも観ていて、
どちらも劇化に三島由紀夫が絡んでいて、
だいたい台詞は同じ感じだったけど、
こうも違うものになるっていうのが、面白かった。
監督の違い? 配給会社の影響? 

ま、なんにしろ、京マチ子につきる。
大阪のホテルでの着物姿は、
どこにでもいそうなおばさんなのに、
ドレスになるとしっかり悪女になる。
で、この存在感。

こういう女優がいたということが、
この時代の映画の豊かさを物語っているように思う。

江戸川乱歩の陰獣

1977年
日本
監督:加藤泰 原作:江戸川乱歩
出演:あおい輝彦/香山美子/大友柳太朗/川津祐介/中山仁/仲谷昇/野際陽子/田口久美/加賀まりこ/尾藤イサオ/任田順好/若山富三郎/藤岡琢也/菅井きん/倍賞美津子

28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやいや、悪くはないとは思うんだけど。
なんだろう。何が足りないのか、
何が違うのか。。。

香山美子は艶かしかった。
楚々とした着物姿の虫も殺さぬような顔した女で、
しかし実はとんだ食わせ者だったってのが、
うまく描かれてたと思う。
自分で寒川に相談しておきながら、
寒川が謎解きをしていこうとすると、
ココロここにあらず、我関せず、な感じで、
気持ちはもう、、、違うところにいっちゃってる。。。
その表情になんだかそそられちゃった。

なんだけど、
その肝心要の寒川の謎解きが、、、うーん。
全体的に雰囲気はあるだけに、
ここが棒読みだとちょっとツライ。。。
棒読みというか、一生懸命すぎるというか、
がんばっちゃってるというか、力が入りすぎてるというか、
ヘっ?て思って、ふとこっちが我にかえっちゃったよ。
ここは幻想に漂わさせてほしかった。。。

でも、変に回想シーンとか入れてないところは、
よかったと思う。
ワタシは原作読んでないけど、トリックはよくわかったし。
これ以上説明する必要はないと思う。
あ〜、だからこそ酔わせてほしかった。残念。


あとやっぱり、囲碁のシーンは好き。
直接的に云わずに、何を意味しているのか、
映像と音で怪しく表現してるのは、面白かった。
ちょっと、ぞくぞくしたし。
加藤泰監督は、映像の名手だったのだそう。
だからか。いろいろ駆使してるのは、わかる。
囲碁のシーンは引いたところから、ローアングルだったり、
いきなり目のアップだったり、と、
くるくる変わることで、臨場感というか、
心理的な緊張感が伝わっていいと思った。

けど、どこの場面だったか忘れたけど、
寒川と静子を望遠レンズですごく近くにして、
重なるように見せておきながら、
いきなり標準レンズの画角に切り替わったところがあって、
ここでもまた、ワタシは、はたと我にかえっちゃったのよ。
望遠で、ここまで寄って、これだけピントを合わすには、
光量もそれなりに必要になってくるし、
よほどじゃなければやらなくてもいいと思うんだけど、
この時代の撮り方なのかな。
他の監督の作品とかでも、結構見る。
ワタシにはその良さがわからない。
なんか鼻について、あまり好きじゃない。
ま、それはいいけど、
違和感のある画角の切り替えはどうかと思う。
細かいことで申し訳ないけど、こういうことで、
ぽんと現実に戻されちゃうのよ。
ワタシは乱歩の世界に浸りたくて観てるんだから。

とにかく、ワタシにはあと一歩って感じだった。
全体的な雰囲気と余計なことをしてないところは、
好きだっただけに、なんだかもったいないなって、思う。

2010-08-19

ハート・ロッカー

2008年
アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー/アンソニー・マッキー/ブライアン・ゲラティ・レイフ・ファインズ/ガイ・ピアース/デイヴィッド・モース/エヴァンジェリン・リリー/クリスチャン・カマルゴ/サム・スプルエル/サム・レッドフォード/バリー・ライス/エリン・ガン/ジャスティン・キャンベル/マルコム・バレット

 14Aug.'10
★★★☆☆

うーん、うーん、うーん、、、
なんだろう、このイヤな感じ。

まずは、えらく骨太で男っぽい映像で、
なんだかがんばっちゃったなぁ、、、って、
で、
自信満々の男が登場したかとおもいきや、
男同士でじゃれあってたり、
爆弾を仕込まれたのがベッカムだと勘違いして、
いやに落ち込んじゃって、、、
でも、ベッカムじゃなかったんだけど、、、
ならいいって話では決してないんだけど、、、

男っぽさを強調してる割に、
なんかフェミニズム的なものを感じて気持ちが悪かった、
ってのが、最初の印象。

とにかく、ワタシが腑に落ちなかったのは、
子どもを人間爆弾にするなんてこと。ホントにやってるの?

戦争は怖い、嫌だ
=テロリストは怖い、残酷
=アラブ人(イラク人)は訳が分からない、気味が悪い

ってのが、
基盤になって物語が展開されているように、
思えてならなかった。
この映画で描かれているイラク人って、
爆弾処理中に通りかかった人が、
携帯電話をかけていたり、
爆弾処理現場に突っ込んじゃったタクシーが、
立ち往生してしまったり、、、
処理班側からすれば、なんとも迷惑な存在になってた。
携帯電話の件ではひとりアメリカ兵が亡くなって、
被害者だと言わんばかりになってたし、、、
でも、いきなり銃を突きつけられれば、
動けなくなるでしょ。
イラク人は自分らの生活をしていただけだよ。
爆弾処理してやってるってえらそうなこというなら、
市民の安全を確認してやれよ。
せめてアラブ語を覚えてからやれよ。

アメリカ軍のプロパガンダというか、
なぜイラクにいるのかっていう言い訳?
のようにしか、見えなかったんだけど。。。
とにかくアメリカ兵主体の映画で、
彼らの仕事ぶりや苦悩を描いているわけだけど、、、
それを描けば描くほど、言い訳になるように思う。

で、実は暗にイラク派兵は失敗だったといってる?
中盤以降、あんなに自信満々だった主人公が、
ことごとく上手くいかなくなっているのは、
アメリカ軍は完璧じゃないことを暗に示してる?

深読みして、そうとれなくもないけど、
だとしたら、なんて面倒くさい映画なんだ。 

「War is Drug」か。
戦うことでしか生きられない人種が、
いるってことは知ってる。
使命感からでも、中毒でも、
戦場に行きたきゃ行けばって思うけど、
自分たちだけで完結してくれと言いたい。
くれぐれも市民を巻き込まないで欲しい。

2010-08-04

抱擁のかけら

2009年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/リュイス・オマール/ブランカ・ポルティージョ/ホセ・ルイス・ゴメス/ルーベン・オチャンディアーノ/タマル・ノヴァス/アンヘラ・モリーナ/チェス・ランブレアヴェ/キティ・マンヴェール

29Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★☆☆

邦題に期待しちゃった。。。
アルモドバルだし、人間のエゴと愛憎を、
どれだけ掘り下げてみせてくれるかなんて、
勝手に妄想してた。

アルモドバルの初期のころを彷彿させるかな。
実際、劇中映画の『謎の鞄と女たち』は、
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』リメイクのようだし。
でも「オードリ・ヘップバーンみたい」といった辺りから、
ワタシのテンションは下がりっぱなし。
いやいや、ヘップバーンは大好き。
でもヘップバーンみたいなペネロペの笑顔が、
どうにも薄っぺらに見えちゃって、、、
ま、そういう役柄っちゃ、そうなんだし、
男を翻弄させる笑顔には違いないのだが。
前作の『ボルベール』のペネロペがすごくよかっただけに、
ちょっと肩すかしだった。

金のために身を売って、富豪の愛人になり、
女優になりたいといって、マテオを訪ね、
恋に堕ちて駆け落ち同然のような旅に出る。
こんな俗っぽい陳腐なストーリーの中に、
いろんな人間の愛憎やその構図を含ませているのは、
さすがだとは思う。
が、ここ何作かの人間の内面を抉りだしている作品には、
及ばず、表層的に見えてしまうのは否めない。

相変わらずの色彩感覚は、健在だった。
劇中映画のコケティッシュな感じ、
ファッションやインテリアや、壁の色、破られた写真の色、
なんかは、とても楽しめた。
ま、アルモドバルの色に魅せられているワタシとしては、
それだけでも満足なんだけど。

2010-06-24

レスラー

2008年 
アメリカ
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ミッキー・ローク/マリサ・トメイ/エヴァン・レイチェル・ウッド/マーク・マーゴリス/トッド・バリー/ワス・スティーヴンス/ジュダ・フリードランダー

20Nov.'09 早稲田松竹
★★★☆☆

久しぶりのミッキー・ローク見たさに駆け込んだので、
すっかり『レスラー』の映画だということを忘れてた(笑)
始まって1分で後悔。
格闘技、中でもプロレスは超苦手なのよ。
有刺鉄線がなんでリングにあるわけ?
ホッチキスとかありえないし。。。(汗)

それはさておき、ミッキー・ローク。
昔の切れ味鋭い刃物のようなミッキー・ロークも、
嫌いじゃなかった。
『ランブル・フィッシュ』も『ナイン・ハーフ』も好きだった。
さすがに猫ぱんちはいただけなかったけどね。
で、この変貌ぶりに、ま、びっくりはしたけど、
でも再起をかける熱意だけは感じるので、これもいいと思う。
一皮むけたというか、ふっきれたというか、
抜け出したというか、、、そんな感じがした。

ストーリーは確かにありがちだけど、
ダメダメな男が唯一輝けるのがリングの上で、
そこで命をかけて全うする姿は涙を誘う。
冷静になれば、肯定する気にはなれないけど、
でも、泣けてくる。
やっぱりダメじゃん、って踏まえた上での、
ザ・男の世界ってことなら、悪くないと思う。

映画の雰囲気もまぁ好みだし、
マリサ・トメイはかわいかったし、
スプリングスティーンの歌はめちゃくちゃよかった。
プロレス嫌いを差し引いたって、
文句のつけようなんてない映画になってたはず。
だけど、どうしようもなくイヤだったのは、
「ランディって、
ダメダメだけど人間臭くていいやつなんだよ〜」 ってのが、
映画の全面的に押し出されていて、
すごく訴えられてる感じがしてしまったこと。
それが何ともいえずむず痒くて、 とにかく気持ちが悪かった。

ダメダメなのはダメダメなんだから、
ダメダメのままをさらけ出して、
それで観客が「でもいいやつだよね」って思うのはありだけど、
映画がそれを正当化しちゃうのはどうかと思う。
そこにどうしても違和感を感じてしまった。
 (2009.11.24)

2010-06-23

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

2009年 
アメリカ
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン

13Nov.'09 ワーナーマイカルシネマズ新百合ケ丘
★★★☆☆

マイケルはやっぱりすごかった。
とても50歳とは思えない。
若かった頃の動きとまるで同じ。
関節があるのかと思うぐらい柔らかい身のこなし。
それさえ観ていられれば、満足だった。

ほとんどの歌を知ってた。歌えた。
歌詞はうろ覚えだし早いところはついていけないけど、
でも歌えた。
物心ついた頃から、ずっと必ずいた人なんだよなぁ。
ファンだったとかどうとかじゃなくて、
そういうのを超えて、いるのが当たり前だった。
曲のひとつひとつにいろんなことを思い出した。

でも映画としては、いま一つだった。
これがメイキングの記録だとしても、なんか、大味。
材料がないのはわかるけど、
詰め込めばいいってもんじゃない。
巧く作ってあげられる人、いなかったのか。。。

整形やら裁判やら、その他のスキャンダラスな報道が、
彼の本当にしたかったこと、言いたかったことと、
うまく噛み合っていないちぐはぐさを、
いつもどこかで感じていた。
一言何か言えば、全然違う意味で大げさに伝わってしまう、、、
何かのインタビューでマイケル自身も言ってたっけ。
この映画もそんなちぐはぐさを抱えたまま、
終わってしまった。

マイケルは本来すごく繊細な人。
歌も踊りも、すごく繊細。
このライブのスタッフにもすごく繊細な指示をだしている。
なのに、その本意はちゃんと汲取られていないように感じた。

うまく言えないけど、例えば『スリラー』なんかは、
昔MTVで観た映像は手作り感が残りながらも、
当時は感動的だった。
技術的には今の方がすごいんだろう。
お金もかかっているんだろう。
でも、響かない。そこに高揚感も湧いてこない。
単に昔を懐かしんでるだけのことじゃない。
うーん、 いいものが出来上がってヒットしたものと、
売れることが前提で作っているものとの違いかな。
(2009.11.15)

ダーウィンの悪夢

2004年 
フランス・オーストラリア・ベルギー
監督:フーベルト・ザウパー



22Feb.'07 シネセゾン渋谷にて
★★★☆☆

あまりにショックな状況が次々に、映し出されていく。
つい目をそらしたくなる。できれば観たくなかった。
弱肉強食の世界。それにしても、、、
生き地獄だ。
でも、これが現実なのだ。
そう思い込んでいた。
それが、映画を観てすぐの感想だった。

『ダーウィンの悪夢』というタイトルだけに、
ナイルパーチに関する環境問題の話なのだと思っていた。
ナイルパーチは肉食種で
ビクトリア湖の草食の魚を食べ尽くしてしまい、
藻を食べる魚がいなくなり、湖は透明度をなくした。
それだけで他に説明はなかった。
この事実だけで、十分環境問題じゃないのか、、、
それまでのビクトリア湖についてや、
そこでの人々の暮らしがどうだったのかとか、
ここのところをもっと掘り下げて欲しかった。
なんだか、ちょっと腑に落ちないと思いながら、
タンザニアの社会問題にいつの間にかすり変わっていた。
それでもそこにある現実が強烈で、
観なくてはならないそんな気になっていたのだが。

違和感は確かにあった。

ナイルパーチの輸出のためロシアからパイロットが来ており、
それで売春、エイズって、、、なんか短絡的では?
パイロットってタンザニアの女性を凌駕するほど多かったの?
そういう人もいたかもしれないけど、
エイズは深刻な問題だけど、
ナイルパーチのせいだけなのだろうか。

夜警が屈託ない顔で、
「軍隊の給料はいい。」
「殺すのは怖くない。戦争ならあたりまえだよ。」
と言っていたのには、愕然とした。
けど、彼を非難する気にはなれなかった。
妙に淡々と普通の顔で語っていた。
だから余計に救われないものを感じた。
彼にここまで言わせるほど、
タンザニアは逼迫してるのかとやるせなかった。
でも冷静に考えれば、
タンザニアの若者がみんなそんなふうに思っているのだろうか。
彼が特別なのかもしれない。

ナイルパーチはとにかくグロテスクだった。
なぜ、こんな撮り方してるんだろう。 肉食種だから?
あの大きな口に呑み込まれたらひとたまりもない。
そこに意図を感じてしまう。
ナイルパーチは大国、ヨーロッパのことを
象徴しているのだろう。
ナイルパーチはビクトリア湖を呑み込んだ。
それは、 ヨーロッパがアフリカを支配したその縮図に見える。
映像のやり過ぎ感は否めないけど、
そこのところだけはワタシも同感だ。
それはナイルパーチだけの問題じゃなく。

ナイルパーチのことを知っただけでも、
観てよかったと思う。
この映画が本当に現実なのかどうかは、
タンザニアに行ったことがないので、何とも言えない。
ワタシの違和感は、
タンザニアに行き、本当のタンザニアを見ない限り、
解消されることはないだろう。
ドキュメンタリーじゃない形で観ることができたら、
もっとすんなり受け入れられたかもしれない。
(2007.2.15)

アニエス・v によるジェーン・b

 1987年
フランス
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジェーン・バーキン/フィリップ・レオタール/ジャン・ピエール・レオ/アラン・スーション/セルジュ・ゲンズブール/ラウラ・ベッティ



27Jun.'09 DVD
★★★☆☆

う〜ん、、、
ジェーン・バーキン好きにはたまらない一本なんだろうな。

これを観て、ワタシはジェーン・バーキンって人が、
あんまり好きじゃないってことがわかっちゃった。
少なくともジェーン・バーキンが
そんなに魅力的に見えなかった。
「普通」をそんなに強調されても、、、
自然体っていえばきこえはいいけど、
なんか違う気がした。
だいたいアニエス・ヴァルダ と
こういう映画を作っていることが、
もう「普通」じゃない。
女優でいながら「普通」になるなんて虫がいい話でしょ。
べつに鞄の中がきたないのなんてどうでもいいんだけど、
あの鞄の中の混沌(カオス)がこの人の混沌(カオス)なら、
それはおもしろいと思った。

ある意味、実験的なのかもしれないけど、
成功しているようには思えなかった。退屈だったし。
でもそれはワタシがジェーン・バーキンに、
退屈していただけかもしれないからなぁ。
映画のせいじゃない気がする。

しょっぱなにでてくる絵画をパロディにしている映像は、
なかなかよくて、これからの展開を期待させられたし、
インタビューやショート劇?やフロフィール的なものの、
構成は絶妙だと思った。

他の女優(男優でも)だったらどうだったんだろう、
なんて、身もふたもないことを思ってしまう。
このシリーズで『アニエス・v による・・・who』を、
ぜひ観たい。
 (2009.6.29)

キリクと魔女2 4つのちっちゃな大冒険

2005年 
フランス
監督:ミッシェル・オスロ

10Jul.'09 DVD
★★★☆☆

ちょっと絵が雑?って思ったけど、
でも女たちが集まった時の身につけている布の色や
畑の野菜や市場の様子や花や動物たちの描写は、
やっぱり美しい。
日本のアニメにはない色彩感覚だよなぁ。

1と比べては申し訳ないのだけど、
4つのお話のオムニバスになっているせいか、
1よりは深みがないかも。
でも水を引いて畑を作ったり、
黒ヒョウにその畑を荒らされたり、
陶器を作って売ったり、 キリンに乗ったり、
毒の花に冒されたり、
アフリカの生活の中の一コマが垣間みることができて、
おもしろかった。
(2009.7.10)

2010-06-20

肉体の冠

1951年 
フランス
監督:ジャック・ベッケル
出演:シモーヌ・シニョレ/セルジュ・レジアニ/クロード・ドーファン/レイモン・ビュシェール

20Oct.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★☆☆

シモーヌ・シニョレがアップになるたびに、
プロマイド写真みたいなライティングにいちいちなるのが、
気になって仕方がなかった。
スターはこういうふうにしなくちゃってのがあったのかな。
時代を感じさせるところがいっぱいあった。

シモーヌ・シリョレの豊満な肉体と豊かな金髪には,
ドギマギしちゃった。
気っ風があって、確かにかっこよかった。
それにしても物語は救われなかった。
不条理を感じてしまった。
(2008.10.22)

マリア・カラス 最後の恋

2005年 
イタリア
監督:ジョルジョ・カピターニ
出演:ルイーザ・ラニエリ/ジェラール・ダルモン/アウグスト・ズッキ/シドニー・ローム/セレナ・アウティエリ/ロベルト・アルバレス

25May.'08 早稲田松竹にて
★★★☆☆

いささかメロドラマチックな展開には辟易しながらも、
マリアの恋には嘘はなかったと思う。
その芯にあるのは揺るぎないものだ。

カラスの歌が高貴に満ち溢れていれば、
その反面この恋は俗にまみれていて悲哀さえ感じる。
野心家の男と燃え上がる恋というのは、
どうしてこうもお決まりの物語になるのか、、、
ステロタイプっぶりに嘲笑ってしまう。

さすがラテン、イタリア。
怒るのも笑うのも愛し合うのも激しい。
ここまで感情をあらわにされると、
無防備に人間臭さが強調される。
天才ディーバも女だったと思い知らされる。
成功した者につきものの満たされないゆえの焦燥感は、
マリア・カラスも例外じゃなかった。

予告でも気になっていたのだが、
映像が妙に古くさいのは何なのだろう。
意図的なのか、単にそうなっただけなのか?
ルイーザ・ラニエリが美しかったので、
助けられていたような気がするが。
 (2008.5.27)

2010-06-19

魂のジュリエッタ

1965年 
イタリア・フランス
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ/サンドラ・ミーロ/マリオ・ピスー



14Jul.'08 シネマヴェーラ渋谷にて
★★★☆☆

色があふれていて、人もあふれていて、
何が夢で何が現実なのか、、、
全体的に鮮やかで明るい印象の中、
ジュリエッタだけがひとり浮いているようにみえた。
彼女の背筋が妙に伸びているのが、
夢にも現実にも交われずにただそこに
とり残されているかようだった。

二人で結婚記念日を過ごせると思っていたら、
夫は仕事仲間を連れて帰り、その夜夫の浮気を知る。
夫がすべてのジュリエッタは不安と疎外感で葛藤する。
いつの間にか齢をとってしまったという焦り。。。

ここまでは理解はできたのだけど、
いまひとつ映画に入り込めなかった。
ジュリエッタ・マシーナにあまり魅力を感じなかった。
う〜ん。 もう一度、観てみたいと思った。
(2008.7.30)

2010-06-16

おやすみ、クマちゃん

1975-78年 
ポーランド
原作:チェスワフ・ヤンチェルスキ
原画・美術:ズビグニエフ・ルィフリツキ/ルツィアン・デンビンスキ/マリアン・キュウバシュチャク/ダリウシュ・ザヴィルスキ/ヤドヴィガ・クドゥジツカ/エウゲニウシュ・イグナチェク

12Feb.'08 シネマアンジェリカにて
★★★☆☆

こういう素朴な人形劇のアニメに目がなくて、
みつけてしまったので、観ないわけにはいかなくなり、
雨の中、行くことになってしまった(笑)

ぬいぐるみのクマちゃん、よくできてる。
クマちゃんの服とか部屋とかもセンスよくてかわいいし、
森とか山とか川とかお家とか、
セットもすごく凝っている。

ホントは字幕で観たかったけど、
こども向けだからしょうがないか。
(って、観客がワタシを含めて二人だけで
ほとんど貸し切りだったんだけど、、、)
あと、ちょっとクマちゃん、いいコすぎだよなぁ。
文部科学省推薦って感じだった。
だからかな、ダメっぷり満載のぶたくんに共感がもてた。

「雪だるまさんと春の訪れ」が好き。
季節の移り変わりの話がちゃんとできていて、
いいなぁと思った。
(2008.2.12)

敬愛なるベートーヴェン

2006年 
イギリス・ハンガリー
監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス/ダイアン・クルーガー/マシュー・グード/ラルフ・ライアック/ジョー・アンダーソン/ビル・スチュワート

21Jan.'07 シアターN渋谷にて
★★★☆☆

エド・ハリスはがんばっていたと思う。
このベートーヴェン、悪くはなかったと思う。
人間くささがたっていたせいか、
神に近い存在とかってことを語られても厭味はなかった。
妙に納得した。

アンナ・ホルツはかわいかった。
若さも含めて。 う〜ん、でもそうだな、
おんなのこって感じだった。

第九の場面は確かに圧巻。
カラダに音がびんびん伝わってきた。
この10分ちょっとを堪能できただけでも
この映画の価値はあったかもしれない。

でも、なんだろう。
この時代背景にして建物とかも重厚で立派だし、
衣装もそれなりなのに、
なんか重みというか深みというか、
が感じられなかった。

とにかく気になってしょうがなかったのは、
むやみやたらに望遠レンズを多用している映像。
効果を狙ってるのだとしたら、うるさすぎ。やりすぎ。
もっと、しっとり見せて欲しかった。
光のかんじはすごく好みだったのだけど。
それが残念だった。
(2007.1.22)

レンブラントの夜警

2007年 
カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド
監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
出演:マーティン・フリーマン/エヴァ・バーシッスル/ジョディ・メイ/エミリー・ホームズ/ナタリー・プレス/トビー・ジョーンズ

03Jul.'08 新文芸座にて
★★★☆☆

グリーナウェイの夜とか闇って、独特だと思う。
どこか毒が潜んであって、
その闇が幾重にも重なっているような黒という印象がある。
レンブラントといえば、闇と光の画家だし。
グリーナウェイがレンブラントに惹かれて、
なるべくしてできた映画だとすごく納得できた。

『夜警』のくだりは面白かった。
写真のない時代のドキュメンタリーのような絵が
でき上がる一部始終はなかなか興味深かった。

それにしても、長かった。
淡々とした映画はキライじゃないが、
単調でかなり辛かった。
(2008.7.17)