2010-06-23

ダーウィンの悪夢

2004年 
フランス・オーストラリア・ベルギー
監督:フーベルト・ザウパー



22Feb.'07 シネセゾン渋谷にて
★★★☆☆

あまりにショックな状況が次々に、映し出されていく。
つい目をそらしたくなる。できれば観たくなかった。
弱肉強食の世界。それにしても、、、
生き地獄だ。
でも、これが現実なのだ。
そう思い込んでいた。
それが、映画を観てすぐの感想だった。

『ダーウィンの悪夢』というタイトルだけに、
ナイルパーチに関する環境問題の話なのだと思っていた。
ナイルパーチは肉食種で
ビクトリア湖の草食の魚を食べ尽くしてしまい、
藻を食べる魚がいなくなり、湖は透明度をなくした。
それだけで他に説明はなかった。
この事実だけで、十分環境問題じゃないのか、、、
それまでのビクトリア湖についてや、
そこでの人々の暮らしがどうだったのかとか、
ここのところをもっと掘り下げて欲しかった。
なんだか、ちょっと腑に落ちないと思いながら、
タンザニアの社会問題にいつの間にかすり変わっていた。
それでもそこにある現実が強烈で、
観なくてはならないそんな気になっていたのだが。

違和感は確かにあった。

ナイルパーチの輸出のためロシアからパイロットが来ており、
それで売春、エイズって、、、なんか短絡的では?
パイロットってタンザニアの女性を凌駕するほど多かったの?
そういう人もいたかもしれないけど、
エイズは深刻な問題だけど、
ナイルパーチのせいだけなのだろうか。

夜警が屈託ない顔で、
「軍隊の給料はいい。」
「殺すのは怖くない。戦争ならあたりまえだよ。」
と言っていたのには、愕然とした。
けど、彼を非難する気にはなれなかった。
妙に淡々と普通の顔で語っていた。
だから余計に救われないものを感じた。
彼にここまで言わせるほど、
タンザニアは逼迫してるのかとやるせなかった。
でも冷静に考えれば、
タンザニアの若者がみんなそんなふうに思っているのだろうか。
彼が特別なのかもしれない。

ナイルパーチはとにかくグロテスクだった。
なぜ、こんな撮り方してるんだろう。 肉食種だから?
あの大きな口に呑み込まれたらひとたまりもない。
そこに意図を感じてしまう。
ナイルパーチは大国、ヨーロッパのことを
象徴しているのだろう。
ナイルパーチはビクトリア湖を呑み込んだ。
それは、 ヨーロッパがアフリカを支配したその縮図に見える。
映像のやり過ぎ感は否めないけど、
そこのところだけはワタシも同感だ。
それはナイルパーチだけの問題じゃなく。

ナイルパーチのことを知っただけでも、
観てよかったと思う。
この映画が本当に現実なのかどうかは、
タンザニアに行ったことがないので、何とも言えない。
ワタシの違和感は、
タンザニアに行き、本当のタンザニアを見ない限り、
解消されることはないだろう。
ドキュメンタリーじゃない形で観ることができたら、
もっとすんなり受け入れられたかもしれない。
(2007.2.15)

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