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2010-06-23

かつて、ノルマンディーで

2007年 
フランス
監督:ニコラ・フェリベール 
撮影:カテル・ジアン 
音楽:フィリップ・エルサンエグゼクティヴプロデューサー:セルジュ・ラルー/ジル・サンドーズ

30Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★★

30年前、ルネ・アリオ監督は
『私ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』で
ノルマンディーの農民を役者にして撮影した。
とても画期的なことだと思う。
そして30年たった今、
ドキュメンタリーとしてのこの映画はとても興味深い。

農村の日常は30年前も今も変わらない。
日が昇れば働きに出て、日が暮れれば家に帰る。
平生その繰り返し、平凡な毎日。
そこへ一石を投じた。
その一石が30年前の映画である。

インタビューを受けて、
出演者たちの懐かしそうに語る笑顔があふれていた。
だれだったか、妹役をやった人だったと思うが、
「他人になることで自分がよく見えた」(うろ覚えですが)
この言葉が印象的だった。

映画を演じていたということが、
日常に何かしら影響を及ぼし、
30年という年月もその上に成り立っていく、、、
彼らの人生にあの映画はなかったものにはできないだろう。

農場でブタを育てているロジェは存在感があった。
30年前の映画に出演したがカットされたのだ。
ブタの出産のシーン、屠殺のシーン、そしてロジェの結婚。
ブタの生と死は日常的に行われ、
そして結婚という未来につながっていく。

事件を映画にするというのはよくある。
これは逆に、映画が事件になったという事態を
真摯にみつめているドキュメンタリーだと思う。
そしてこの一石によって、
日常を生きることのたくましさを見たような気がした。
(2008.5.4)

ぼくの好きな先生

2002年 
フランス
監督:ニコラ・フィリベール 
撮影:カテル・ジアン/ロラン・ディディエ

23Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★☆

ワタシ自身は普通に一クラス40人の小学校に通っていたが、
友達や小中の担任の先生には、
それぞれの町村に学校がひとつで、
一年生から六年生まで先生が一人で受け持ってるという、
そんな学校に通っていた、赴任していた、
というのがわりと周りにいた。
そういう学校の様子をさんざん聞いたり、
8mmやスライドなどで見たりしていたので、
これがそんなに珍しいこととも思えない。
最初は映画にするほどのことなのかなって感じだった。

でもそういえば、あの頃の先生って
ロペス先生のような感じだったよなぁと懐かしくなった。
先生って、大きくて優しくて、
小学校低学年中学年ぐらいまでは素直にそう思って、
憧れていたものだ。

そして、田舎の家庭もしかり。
例えば、算数が苦手な子にお母さんが教えようとして、
でも埒があかず、家族みんなでその算数が大変な問題になって、
でも結局あってるのかあってないのかよくわからん、、、
みたいな。
算数の答を出すことより、こうやってみんなで
その子どものために考えてあげるということが、
とても大切なんじゃないかと思った。

子どもたちはみんな生き生きしてる。
みんな学校大好き、先生大好き、
牧歌的でのびのびしてて、笑顔がいい。
問題がないわけじゃない、悩みもある、喧嘩もする、
でも、なんだろう、おおらかなのかな。
つまんないことであんまりくよくよしてない気がする。

この映画、やっぱりそんなに特別じゃないと思う。
子どもたちと先生の日常を描いているだけにすぎない。
だけど、今となってはこれも
「特別なこと」になっちゃうのかなぁ。
都会でこれをやれといわれても、むずかしいのかなぁ。
何かヒントがみつかるかもしれない。
子どもと子どもに関わっている人には、ぜひ観て欲しい。
(2008.4.28)

パリ・ルーヴル美術館の秘密

1990年 
フランス
監督:ニコラ・フィリベール

23Apr.'08 シネマアンジェリカにて
★★★★★

美術館で働く人々をみる社会科見学である。

いつも不思議だったのだ。
こんな大きな作品をどうやって搬入するんだろうって。
その謎が一気に解決しちゃった。
もっと機械がやってるかと思いきや、ほとんどアナログ。
人の作業で全てが成り立ってる。
ただただ、美術館で働く人々を撮っているだけ。
なのに、めちゃくちゃアートになっている。
とにかく働く人々はかっこいいのだ。
圧巻。

「ルーヴルは大きな書物。何度も読み返して欲しい」
一度は行きたいなぁ。
(2008.4.28)