1984年
フランス/西ドイツ
監督:ヴィム・ヴェンダース 脚本:サム・シェパード
撮影:ロビー・ミュラー 音楽:ライ・クーダー
出演:ハリー・ディーン・スタントン/ナスターシャ・キンスキー/ディーン・ストックウェル/オロール・クレマン/ハンター・カーソン/ベルンハルト・ヴィッキ
26Nov.'10 早稲田松竹
★★★★☆
2011-01-10
ベルリン・天使の詩
1987年
西ドイツ/フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ/ソルヴェイグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/クルト・ボウワ/ピーター・フォーク/ラジョス・コヴァーチ
26Nov.'10 早稲田松竹
★★★★★
なつかしいなぁ。
この映画でワタシの映画観が一変した。
それまではハリウッドものしか観てなかった。
映画にこんな世界があるんだって、知った。
それ以来、映画の虜になった。
そういう意味で、ワタシにとってかけがえのない映画。
20年以上もたって、改めて観ても、
全然色褪せてない。
やっぱり、いい。
導入の思わせぶりな詩といい、
モノクロとカラーの映像といい、
物語の構成といい、
で、図書館を天使のたまり場にしてたり、、、
刑事コロンボ?役の俳優役がキャストされてたり、、、
ヴェンダースならではの、粋なひねりが満載。
ちょっと間違えれば、
ありがちなあざとさになりかねないような演出が
すごく自然に繰り広げられている。
天使も人間の世界がいいって思うんだなぁ。
ま、天使にもよるんだろうけど。
でも雲の上から眺めてるだけで何もできないのよりは、
しんどくても地を這っている方がおもしろいよ。
ダミエルの選択にすごく共感した。
親近感を覚えた。
そして、今はなきベルリンの壁が。
統一前のドイツ、その激動を予感させながら、
それとはよそに、天使の眼差しが柔らかく優しい。
大きなものに包まれている、
安心感があるのはその眼差しのせいかな。
やっぱり、好きだ。
この映画に出会って、よかった。
(2010.12.28)
西ドイツ/フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ブルーノ・ガンツ/ソルヴェイグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/クルト・ボウワ/ピーター・フォーク/ラジョス・コヴァーチ
26Nov.'10 早稲田松竹
★★★★★
なつかしいなぁ。
この映画でワタシの映画観が一変した。
それまではハリウッドものしか観てなかった。
映画にこんな世界があるんだって、知った。
それ以来、映画の虜になった。
そういう意味で、ワタシにとってかけがえのない映画。
20年以上もたって、改めて観ても、
全然色褪せてない。
やっぱり、いい。
導入の思わせぶりな詩といい、
モノクロとカラーの映像といい、
物語の構成といい、
で、図書館を天使のたまり場にしてたり、、、
刑事コロンボ?役の俳優役がキャストされてたり、、、
ヴェンダースならではの、粋なひねりが満載。
ちょっと間違えれば、
ありがちなあざとさになりかねないような演出が
すごく自然に繰り広げられている。
天使も人間の世界がいいって思うんだなぁ。
ま、天使にもよるんだろうけど。
でも雲の上から眺めてるだけで何もできないのよりは、
しんどくても地を這っている方がおもしろいよ。
ダミエルの選択にすごく共感した。
親近感を覚えた。
そして、今はなきベルリンの壁が。
統一前のドイツ、その激動を予感させながら、
それとはよそに、天使の眼差しが柔らかく優しい。
大きなものに包まれている、
安心感があるのはその眼差しのせいかな。
やっぱり、好きだ。
この映画に出会って、よかった。
(2010.12.28)
2010-09-08
霧の中の風景
1988年
ギリシャ・フランス
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:ミカリス・ゼーケ/タニア・パライオログウ/イリアス・ロゴテティス・ミハリス・アナトゥス/コスタス・ツァペコス/ディミトリス・カンベリディス/ヴァシリス・コロヴォス/ソクラテス・アラフォウツォス/イェラシモス・スキアダレシス
04Sep.'10 新文芸座
★★★★★
姉弟にとって、父親って何だったんだろう。
ありがちな言葉になってしまうけど、
この旅は、旅というより、人生そのもののように見える。
けど、幼い姉弟には過酷すぎる。。。
そんな過酷な人生を、その齢で知る必要などないはず。。。
列車に乗るという境界をひとつ越してしまったばかりに、
始まってしまった人生の旅路。
引き返すことすらできなくなってしまった。
姉のヴーラは痩せっぽちのカラダで、
覚悟を決めて、全てを受け止めようとしていて、
その健気さが、ホントに切ない。
そして、その酸いも甘いもを知ってしまうことになる。
そこまで姉弟にさせる、
その父親という存在は一体何だったんだろう。
結局、ドイツ国境は越えて、
霧の中が見えるようになって、
ほんのちょっとだけほっとするけど、
決して旅が終わったわけではない。。。
姉弟はいつまでも終わらないこの旅を、
ずっと続けていくのだろう。
なんとも不思議な場面やモチーフがよく出てきて、
例えば、雪が降ってきたといって、
警察の職員が全員上を向いて静止していて、
まるで時間が止まったみたいになったり。
手の塑像がヘリコプターで吊られて、空に浮かんでいたり。
何の意味があるのかは分からないけど、
なんとも意味深、意味ありげ。。。
ヴーラの端正な顔立ちで、まっすぐな目に、
ドギマギする瞬間が何度もあった。
なんとか温かいベッドで二人をゆっくり休ませてあげたい。
そういう場所を早くみつけてほしい。
ギリシャ・フランス
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:ミカリス・ゼーケ/タニア・パライオログウ/イリアス・ロゴテティス・ミハリス・アナトゥス/コスタス・ツァペコス/ディミトリス・カンベリディス/ヴァシリス・コロヴォス/ソクラテス・アラフォウツォス/イェラシモス・スキアダレシス
04Sep.'10 新文芸座
★★★★★
姉弟にとって、父親って何だったんだろう。
ありがちな言葉になってしまうけど、
この旅は、旅というより、人生そのもののように見える。
けど、幼い姉弟には過酷すぎる。。。
そんな過酷な人生を、その齢で知る必要などないはず。。。
列車に乗るという境界をひとつ越してしまったばかりに、
始まってしまった人生の旅路。
引き返すことすらできなくなってしまった。
姉のヴーラは痩せっぽちのカラダで、
覚悟を決めて、全てを受け止めようとしていて、
その健気さが、ホントに切ない。
そして、その酸いも甘いもを知ってしまうことになる。
そこまで姉弟にさせる、
その父親という存在は一体何だったんだろう。
結局、ドイツ国境は越えて、
霧の中が見えるようになって、
ほんのちょっとだけほっとするけど、
決して旅が終わったわけではない。。。
姉弟はいつまでも終わらないこの旅を、
ずっと続けていくのだろう。
なんとも不思議な場面やモチーフがよく出てきて、
例えば、雪が降ってきたといって、
警察の職員が全員上を向いて静止していて、
まるで時間が止まったみたいになったり。
手の塑像がヘリコプターで吊られて、空に浮かんでいたり。
何の意味があるのかは分からないけど、
なんとも意味深、意味ありげ。。。
ヴーラの端正な顔立ちで、まっすぐな目に、
ドギマギする瞬間が何度もあった。
なんとか温かいベッドで二人をゆっくり休ませてあげたい。
そういう場所を早くみつけてほしい。
2010-09-07
都会のアリス
1973年
西ドイツ
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォーグラー/イェラ・ロットレンダー/リザ・クロイツァー
04Sep.'10 新文芸座
★★★★★
この、だらり、だらりと続く感じ。
これぞ、ヴェンダース。
いつまでこの調子が続くんだろう、、、
気が遠くなって、飽きるんだけど、
その飽きたのを通り越すと、
なかなか味があるってことに気がつく。
ヴェンダースの中では、この映画は観やすいと思う。
とりあえずの目的がはっきりしてるし、
ストーリーもあるから。
でも、それにしても、
アリスが出てくるまでが、長過ぎるよ。
フィリップが写真に納得がいかないのとか、
文章が書けなくて仕事にならないのとか、
どうでもいいじゃんって、思うけど、
ヴェンダース的には必要なんだろうな。
で、このフィリップも、ぐだぐだのどうしようもない奴で、
それも重なって、いつまでたっても本題にも入ろうとせず、
だらり、だらりしてるのが、
だんだん心地よくさえなってくる。
ギターのフレーズが同じ旋律でずっと、続く。
これも、このだらだら感を醸しだしてるんだけど、
これが、また切ない。なんかそわそわする。
で、またしつこいよなぁってぐらい、ずっと、続く。
でも、フレーズがしっかりしてるからか、
ずっと、続いても、そんなにイヤじゃない。
お、っと思わせておいて、えー?ってなっても、
ま、いっか、って、最後には思わせられちゃう。
だから、ヴェンダースの映画をキライにはなれない。
で、こんなだらだらした中で、ぐだぐだしてるくせに、
アリスとの関わり方が、妙に微笑ましかったりするから、
なんだか、きゅんときちゃう。
海での悪口の言い合いっこや、証明写真や、、、
なんか、いい。羨ましいぐらい。
いい男じゃんって、ちょっと見直したりもする。
ぐだぐだ、なのに。それともぐだぐだ、だから?
結局、おばあちゃんのうちは見つからず、
おばあちゃんにも会えず、目的は何も達成しない。
そんなことですか、ってことで終わるけど、
それも、この映画なら、ありって思える。
だらり、だらりと、「映画なんて、そんなもんさ」
って、感じがなんともいえずにたまらない。
写真をポラロイドで撮ってたりして、
ありがちだし、なんかあざといなぁって、
思うところもないわけじゃない。
でも、このだらり、だらりはすごく正直で、
そのまんまが、映し出されてると思う。
だから他のことは、許せちゃうのだと思う。
2010-08-26
ストーカー
1979年
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 脚本/原作:アルカージー・ストルガツキー
出演:アレクサンドル・カイダノフスキー/アリーサ・フレインドリフ/アナトリー・ソロニーツィン/ニコライ・グリニコ
21Aug.'10 新文芸座
★★★★★
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 脚本/原作:アルカージー・ストルガツキー
出演:アレクサンドル・カイダノフスキー/アリーサ・フレインドリフ/アナトリー・ソロニーツィン/ニコライ・グリニコ
21Aug.'10 新文芸座
★★★★★
ずっとセピア色の映像だったのが、
ゾーンに入ったらカラーになった。
落ち着いたいつものタルコフスキーの色だが、
瑞々しい緑がきらきらしていた。
タルコフスキーは水の映像が多いなぁ。
沼とか、廃墟に溜まった水とか、、、
湿った空気にぞくぞくしながら、
何か起こるんじゃないかと気が気でなく、
目が離せないけど、ほとんど変わらない映像に、
意識を失いそうになる。。。
タルコフスキーも一度観ただけでは、なかなか難しい。
眠くなりながらも何度も観ていると、
タルコフスキー独特のパターンに慣れてきて、
段々この世界に惹きこまれるようになる。。。
に、しても眠いけど。
この映画も何度も観てるけど、
いまだにゾーンが何かとか、部屋は何だったのかとか、
ホントのところはまるでわからない。
今回ぼんやり思ったのは、
このストーカー、説教くさいし、お坊さんみたいだなってこと。
ゾーンはあの世までの、仏教なら三途の川みたいな場所で、
希望を叶える部屋ってのがあの世かな、なんて。
ってことはストーカーはあの世への使者。
煩悩の塊のような教授と作家は、
まだあの世に行く資格はなかったというわけ、、、
なんて、原作も読んでないワタシの勝手な解釈だけど、
こうやってイメージできると、
小難しそうでも、実はおとぎ話のようなものかな、
で、楽しめる。単純なワタシはそれで、よし。
解釈はいろいろあっていいと思うし。
それにしても、ラストのコップが動いてるのと、
娘の無表情なアップは意味深だったなぁ。。。
娘はある力をもってる? 神の申し子? なんてね。
こういうところもおとぎ話っぽいなって思う。
ゾーンに入ったらカラーになった。
落ち着いたいつものタルコフスキーの色だが、
瑞々しい緑がきらきらしていた。
タルコフスキーは水の映像が多いなぁ。
沼とか、廃墟に溜まった水とか、、、
湿った空気にぞくぞくしながら、
何か起こるんじゃないかと気が気でなく、
目が離せないけど、ほとんど変わらない映像に、
意識を失いそうになる。。。
タルコフスキーも一度観ただけでは、なかなか難しい。
眠くなりながらも何度も観ていると、
タルコフスキー独特のパターンに慣れてきて、
段々この世界に惹きこまれるようになる。。。
に、しても眠いけど。
この映画も何度も観てるけど、
いまだにゾーンが何かとか、部屋は何だったのかとか、
ホントのところはまるでわからない。
今回ぼんやり思ったのは、
このストーカー、説教くさいし、お坊さんみたいだなってこと。
ゾーンはあの世までの、仏教なら三途の川みたいな場所で、
希望を叶える部屋ってのがあの世かな、なんて。
ってことはストーカーはあの世への使者。
煩悩の塊のような教授と作家は、
まだあの世に行く資格はなかったというわけ、、、
なんて、原作も読んでないワタシの勝手な解釈だけど、
こうやってイメージできると、
小難しそうでも、実はおとぎ話のようなものかな、
で、楽しめる。単純なワタシはそれで、よし。
解釈はいろいろあっていいと思うし。
それにしても、ラストのコップが動いてるのと、
娘の無表情なアップは意味深だったなぁ。。。
娘はある力をもってる? 神の申し子? なんてね。
こういうところもおとぎ話っぽいなって思う。
惑星ソラリス
1972年
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 原作:スタニスワフ・レム
出演:ナターリヤ・ボンダルチュク/ドナタス・バニオニス/アナトリー・ソロニーツィン/ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー/ユーリー・ヤルヴェト
21Aug.'10 新文芸座
★★★★★
まいったなぁ。こう来たか。
ラストにはとにかく戦慄を覚えた。
海が美しすぎるから、余計に怖い。
虚構に放り込まれたまま、放心状態。
クリスは現実的で冷徹な男だった。
成果のでないソラリスの研究を今後どうするかで、
クリスはソラリスへ出向く。
しかし、宇宙ステーションは事情が変わっていた。
ソラリスの海は人間が潜在的に抱えているものを、
物質化してしまうのだ。
クリスの妻ハリーは10年前に自殺していて、
クリスは心の奥底に追いやりながらも忘れられずにいた。
目を覚ますと、死んだはずのハリーがそこにいた。
自分の感情の物質化だと知り、殺すが、
殺しても殺してもハリーは姿を現す。
クリスが忘れられない限り、ハリーは物質化される。
結局、偽りだとわかっていながらも、
クリスは虚像のハリーを愛するようになる。。。
70年代のソ連。
外へ外へと、ついに宇宙へと意識が高まっていた時代。
この映画はSFで、宇宙といった究極の外を背景にしながら、
実は人間の自己、つまり究極の内側を追求している。
その対比が、興味深かった。
途中、首都高が映し出され、
「なんか見たことあるなぁ」って、
ぼんやりしてたら、東京だった。
特に「東京」に意味はなかったけど、
首都高って、未来都市のイメージなんだな。
狭いところに道が何層にもなってるところが、
描きやすかったのかな。
フィルムが劣化していてノイズがひどかったけど、
映像はなんとも美しい。他に言葉がないほど、美しい。
美しい映像に、
美しいハリー、
そして、美しい海。
美しいものばかりで、だから何ともいいようもなく、
そわそわする。訳もわからず、しみじみ怖い。
つまるところ、現実も虚構も自己の中にあって、
うかうかしてると、虚構に呑み込まれる???
うーーー、怖いよう。
ソビエト連邦
監督:アンドレイ・タルコフスキー 原作:スタニスワフ・レム
出演:ナターリヤ・ボンダルチュク/ドナタス・バニオニス/アナトリー・ソロニーツィン/ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー/ユーリー・ヤルヴェト
21Aug.'10 新文芸座
★★★★★
まいったなぁ。こう来たか。
ラストにはとにかく戦慄を覚えた。
海が美しすぎるから、余計に怖い。
虚構に放り込まれたまま、放心状態。
クリスは現実的で冷徹な男だった。
成果のでないソラリスの研究を今後どうするかで、
クリスはソラリスへ出向く。
しかし、宇宙ステーションは事情が変わっていた。
ソラリスの海は人間が潜在的に抱えているものを、
物質化してしまうのだ。
クリスの妻ハリーは10年前に自殺していて、
クリスは心の奥底に追いやりながらも忘れられずにいた。
目を覚ますと、死んだはずのハリーがそこにいた。
自分の感情の物質化だと知り、殺すが、
殺しても殺してもハリーは姿を現す。
クリスが忘れられない限り、ハリーは物質化される。
結局、偽りだとわかっていながらも、
クリスは虚像のハリーを愛するようになる。。。
70年代のソ連。
外へ外へと、ついに宇宙へと意識が高まっていた時代。
この映画はSFで、宇宙といった究極の外を背景にしながら、
実は人間の自己、つまり究極の内側を追求している。
その対比が、興味深かった。
途中、首都高が映し出され、
「なんか見たことあるなぁ」って、
ぼんやりしてたら、東京だった。
特に「東京」に意味はなかったけど、
首都高って、未来都市のイメージなんだな。
狭いところに道が何層にもなってるところが、
描きやすかったのかな。
フィルムが劣化していてノイズがひどかったけど、
映像はなんとも美しい。他に言葉がないほど、美しい。
美しい映像に、
美しいハリー、
そして、美しい海。
美しいものばかりで、だから何ともいいようもなく、
そわそわする。訳もわからず、しみじみ怖い。
つまるところ、現実も虚構も自己の中にあって、
うかうかしてると、虚構に呑み込まれる???
うーーー、怖いよう。
2010-08-04
抱擁のかけら
2009年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/リュイス・オマール/ブランカ・ポルティージョ/ホセ・ルイス・ゴメス/ルーベン・オチャンディアーノ/タマル・ノヴァス/アンヘラ・モリーナ/チェス・ランブレアヴェ/キティ・マンヴェール
29Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★☆☆
邦題に期待しちゃった。。。
アルモドバルだし、人間のエゴと愛憎を、
どれだけ掘り下げてみせてくれるかなんて、
勝手に妄想してた。
アルモドバルの初期のころを彷彿させるかな。
実際、劇中映画の『謎の鞄と女たち』は、
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』リメイクのようだし。
でも「オードリ・ヘップバーンみたい」といった辺りから、
ワタシのテンションは下がりっぱなし。
いやいや、ヘップバーンは大好き。
でもヘップバーンみたいなペネロペの笑顔が、
どうにも薄っぺらに見えちゃって、、、
ま、そういう役柄っちゃ、そうなんだし、
男を翻弄させる笑顔には違いないのだが。
前作の『ボルベール』のペネロペがすごくよかっただけに、
ちょっと肩すかしだった。
金のために身を売って、富豪の愛人になり、
女優になりたいといって、マテオを訪ね、
恋に堕ちて駆け落ち同然のような旅に出る。
こんな俗っぽい陳腐なストーリーの中に、
いろんな人間の愛憎やその構図を含ませているのは、
さすがだとは思う。
が、ここ何作かの人間の内面を抉りだしている作品には、
及ばず、表層的に見えてしまうのは否めない。
相変わらずの色彩感覚は、健在だった。
劇中映画のコケティッシュな感じ、
ファッションやインテリアや、壁の色、破られた写真の色、
なんかは、とても楽しめた。
ま、アルモドバルの色に魅せられているワタシとしては、
それだけでも満足なんだけど。
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/リュイス・オマール/ブランカ・ポルティージョ/ホセ・ルイス・ゴメス/ルーベン・オチャンディアーノ/タマル・ノヴァス/アンヘラ・モリーナ/チェス・ランブレアヴェ/キティ・マンヴェール
29Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★☆☆
邦題に期待しちゃった。。。
アルモドバルだし、人間のエゴと愛憎を、
どれだけ掘り下げてみせてくれるかなんて、
勝手に妄想してた。
アルモドバルの初期のころを彷彿させるかな。
実際、劇中映画の『謎の鞄と女たち』は、
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』リメイクのようだし。
でも「オードリ・ヘップバーンみたい」といった辺りから、
ワタシのテンションは下がりっぱなし。
いやいや、ヘップバーンは大好き。
でもヘップバーンみたいなペネロペの笑顔が、
どうにも薄っぺらに見えちゃって、、、
ま、そういう役柄っちゃ、そうなんだし、
男を翻弄させる笑顔には違いないのだが。
前作の『ボルベール』のペネロペがすごくよかっただけに、
ちょっと肩すかしだった。
金のために身を売って、富豪の愛人になり、
女優になりたいといって、マテオを訪ね、
恋に堕ちて駆け落ち同然のような旅に出る。
こんな俗っぽい陳腐なストーリーの中に、
いろんな人間の愛憎やその構図を含ませているのは、
さすがだとは思う。
が、ここ何作かの人間の内面を抉りだしている作品には、
及ばず、表層的に見えてしまうのは否めない。
相変わらずの色彩感覚は、健在だった。
劇中映画のコケティッシュな感じ、
ファッションやインテリアや、壁の色、破られた写真の色、
なんかは、とても楽しめた。
ま、アルモドバルの色に魅せられているワタシとしては、
それだけでも満足なんだけど。
トーク・トゥ・ハー
2002年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン
29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★
すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。
とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。
究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。
それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。
リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。
アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?
久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン
29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★
すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。
とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。
究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。
それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。
リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。
アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?
久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。
2010-06-25
不思議惑星キン・ザ・ザ
1986年
ソビエト連邦
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
出演:スタニスラフ・リュブシン/ユーリー・ヤコヴレフ/エヴゲーニー・レオノフ/レヴァン・ガブリアゼ
12May'10 早稲田松竹
★★★★★
クー。
くせになりそう。クー。
「SFカルトムービー」って、
謳い文句にずっと躊躇していた。
なんか映像も暗そうだし。。。
絶対眠くなるだろうと万全を期して睡眠いっぱいとって、
この映画に臨んだ、
なのに、思惑全部覆された。
いい意味で。
このチープさ加減、たまらん。
旧ソ連って、ロシア人って、、、
実はユーモアの塊だったりして。
かくあるべきって勝手に思い込んでた常識ってやつ、
なんか気持ちよく裏切られた(笑)
こんなにチープでも、メッセージだけは感じられる。
こんなに笑わせて楽しませながら、
伝えるべきことを伝えてる。
これって、驚異。とにかく、感服。
どうでもいいけど、クー。
降参、降参。やっちゃうな、あのポーズ。
(12May'10)
ソビエト連邦
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
出演:スタニスラフ・リュブシン/ユーリー・ヤコヴレフ/エヴゲーニー・レオノフ/レヴァン・ガブリアゼ
12May'10 早稲田松竹
★★★★★
クー。
くせになりそう。クー。
「SFカルトムービー」って、
謳い文句にずっと躊躇していた。
なんか映像も暗そうだし。。。
絶対眠くなるだろうと万全を期して睡眠いっぱいとって、
この映画に臨んだ、
なのに、思惑全部覆された。
いい意味で。
このチープさ加減、たまらん。
旧ソ連って、ロシア人って、、、
実はユーモアの塊だったりして。
かくあるべきって勝手に思い込んでた常識ってやつ、
なんか気持ちよく裏切られた(笑)
こんなにチープでも、メッセージだけは感じられる。
こんなに笑わせて楽しませながら、
伝えるべきことを伝えてる。
これって、驚異。とにかく、感服。
どうでもいいけど、クー。
降参、降参。やっちゃうな、あのポーズ。
(12May'10)
2010-06-24
屋根裏のポムネンカ
2009年
日本/チェコ=スロヴァキア
監督:イジー・バルタ
出演:バルボラ・フルザーノヴァー/ボリス・ヒブネル/ブラディミール・ヤホルスキー/ナーダ・コンウ゛ァリンコウ゛ァ/イジー・ラブス/ベトル・ナーロジュニー/ミロスラフ・タボルスキー/イヴァン・トロヤン
04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★★
まさに、この感じを求めていた。
がんばりすぎていない、
きれいになりすぎていない、
そんな感じが詰まっている。
手と気は抜いてないけど、
肩の力は思いっきり抜けている、、、
そんなのが、すごく好き。
手作り感満載で、いろんな工夫が随所にあって、
とにかく楽しい。
例えば、朝の窓にしても、カーテンを開けると、
鳥の絵が描いてるだけの白い紙が貼ってあるだけなんだけど、
でもなんか感動しちゃった。
見せ方がうまいんだと思う。
ポムネンカも微妙にかわいくないところが、ツボ。
トランクの中のポムネンカたちの家のようすや、
チョークで書いただけの線路に、
古いストーブの蒸気機関車は、観てるだけで嬉しくなる。
毎日だれかが誕生日なんて、いいよなぁ。
だれがケーキにありつけるかもお楽しみで。
きっとこういうところが、子どもたちは大好きなんだと思う。
屋根裏部屋とか、物置納屋とかって、
暗くて、怖いところだけど、
でも何かがみつけられそうで、探検したい所でもあって、
いろんな想像が膨らむ場所だった。
そんなドキドキ、わくわくがいっぱい。
こういうアニメに、ホント、目がない。
できるだけ見逃したくないと思う。
(2009.12.12)
日本/チェコ=スロヴァキア
監督:イジー・バルタ
出演:バルボラ・フルザーノヴァー/ボリス・ヒブネル/ブラディミール・ヤホルスキー/ナーダ・コンウ゛ァリンコウ゛ァ/イジー・ラブス/ベトル・ナーロジュニー/ミロスラフ・タボルスキー/イヴァン・トロヤン
04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★★
まさに、この感じを求めていた。
がんばりすぎていない、
きれいになりすぎていない、
そんな感じが詰まっている。
手と気は抜いてないけど、
肩の力は思いっきり抜けている、、、
そんなのが、すごく好き。
手作り感満載で、いろんな工夫が随所にあって、
とにかく楽しい。
例えば、朝の窓にしても、カーテンを開けると、
鳥の絵が描いてるだけの白い紙が貼ってあるだけなんだけど、
でもなんか感動しちゃった。
見せ方がうまいんだと思う。
ポムネンカも微妙にかわいくないところが、ツボ。
トランクの中のポムネンカたちの家のようすや、
チョークで書いただけの線路に、
古いストーブの蒸気機関車は、観てるだけで嬉しくなる。
毎日だれかが誕生日なんて、いいよなぁ。
だれがケーキにありつけるかもお楽しみで。
きっとこういうところが、子どもたちは大好きなんだと思う。
屋根裏部屋とか、物置納屋とかって、
暗くて、怖いところだけど、
でも何かがみつけられそうで、探検したい所でもあって、
いろんな想像が膨らむ場所だった。
そんなドキドキ、わくわくがいっぱい。
こういうアニメに、ホント、目がない。
できるだけ見逃したくないと思う。
(2009.12.12)
チェコアニメ短編セレクション
2009年
チェコ=スロヴァキア
04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★☆
『リトル・アンブレラ』
『ネコのお絵描き』
『けしのみ太郎 病気ってどうやってなおすの』
『イモムシくんは大スター』
『りんごのお姫様』
この中では、
『リトル・アンブレラ』と『ネコのお絵描き』が好き。
チェコアニメは素朴でのほほんとしていながら、
どこかシュール。
チェコならではの色彩感覚なのか、
ここにどうしても落ち着いてしまう。
ちょっとホコリがかぶってる感じが、なんかいい。
ディズニーや日本のアニメはぴっかぴかしてて、
ワタシにはまぶしすぎるんだよなぁ。
(2009.12.12)
チェコ=スロヴァキア
04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★☆
『リトル・アンブレラ』
『ネコのお絵描き』
『けしのみ太郎 病気ってどうやってなおすの』
『イモムシくんは大スター』
『りんごのお姫様』
この中では、
『リトル・アンブレラ』と『ネコのお絵描き』が好き。
チェコアニメは素朴でのほほんとしていながら、
どこかシュール。
チェコならではの色彩感覚なのか、
ここにどうしても落ち着いてしまう。
ちょっとホコリがかぶってる感じが、なんかいい。
ディズニーや日本のアニメはぴっかぴかしてて、
ワタシにはまぶしすぎるんだよなぁ。
(2009.12.12)
エル・スール
1983年
スペイン/フランス
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングレーン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/ジェルメーヌ・モンテロ/オロール・クレマン
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
娘と父親の間の微妙な波動が、
温かいんだけどなんとなく不調和を感じてしまって、
知らないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。
泣くようなシーンじゃないだけに、
自分でもびっくりした。
エストレリャの父アグスティンを思う気持ちが、
痛いほど伝わる。
父親は慕うべき大きな存在で、
その背中をいつも追いかけていた。
なのに、 いつの間にか立場が逆転することがあろうとは。
父親としてはそれが堪えられなかったのか、、、
それだけじゃないだろうけど、
しかしエストレリャにとっては結果的に、
一生追い続けるしかできない存在になってしまった。
静かに静かに、知らない間に、
気がついたら状況が変わっていた。
それは時の流れのせいなのか、
エストレリャの成長のせいなのか、
どうすることもできないことだけに、
ちょっと残酷なものを感じた。
映像は『ミツバチ〜』もそうだけど、
光と闇の操り方が絶妙。
アングルも、すごく好き。
ずっと観ていたくなる。
この世界に入りたくなる。
またどこかでやってくれないかな。
また映画館で観たい。
(2009.11.21)
スペイン/フランス
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングレーン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/ジェルメーヌ・モンテロ/オロール・クレマン
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
娘と父親の間の微妙な波動が、
温かいんだけどなんとなく不調和を感じてしまって、
知らないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。
泣くようなシーンじゃないだけに、
自分でもびっくりした。
エストレリャの父アグスティンを思う気持ちが、
痛いほど伝わる。
父親は慕うべき大きな存在で、
その背中をいつも追いかけていた。
なのに、 いつの間にか立場が逆転することがあろうとは。
父親としてはそれが堪えられなかったのか、、、
それだけじゃないだろうけど、
しかしエストレリャにとっては結果的に、
一生追い続けるしかできない存在になってしまった。
静かに静かに、知らない間に、
気がついたら状況が変わっていた。
それは時の流れのせいなのか、
エストレリャの成長のせいなのか、
どうすることもできないことだけに、
ちょっと残酷なものを感じた。
映像は『ミツバチ〜』もそうだけど、
光と闇の操り方が絶妙。
アングルも、すごく好き。
ずっと観ていたくなる。
この世界に入りたくなる。
またどこかでやってくれないかな。
また映画館で観たい。
(2009.11.21)
ミツバチのささやき
1973年
スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン・ゴメス/テレサ・ジンベラ
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
スペイン内戦を時代背景にしているせいか、
どこか緊張感を抱えながら、 静かに静かに、
ゆっくりした時間が流れていく。
アナの黒目の清らかなこと。
まっすぐで純粋な視線なだけに、
ココロまで見透かされそうでドギマギしちゃう。
ミツバチの羽音、
姉妹のベッドでのささやき声、
風の音、機関車の音、、、
蜂の巣、窓、
懐中時計、毒きのこ、
フランケンシュタイン、
影絵、黒猫、焚き火、
精霊、井戸、廃屋、脱走兵、
りんご、手紙、、、
キーワードが多いなぁ。
どこを切りとっても、美しすぎる抒情詩。
そわそわさせられながらも、
何かを感じないわけにはいかなくなる。
アナは意識の中で現実と幻想をいったりきたりしながら、
少しずつ変わっていく。
こうして大きくなっていくんだなと思った。
(2009.11.21)
スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン・ゴメス/テレサ・ジンベラ
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
スペイン内戦を時代背景にしているせいか、
どこか緊張感を抱えながら、 静かに静かに、
ゆっくりした時間が流れていく。
アナの黒目の清らかなこと。
まっすぐで純粋な視線なだけに、
ココロまで見透かされそうでドギマギしちゃう。
ミツバチの羽音、
姉妹のベッドでのささやき声、
風の音、機関車の音、、、
蜂の巣、窓、
懐中時計、毒きのこ、
フランケンシュタイン、
影絵、黒猫、焚き火、
精霊、井戸、廃屋、脱走兵、
りんご、手紙、、、
キーワードが多いなぁ。
どこを切りとっても、美しすぎる抒情詩。
そわそわさせられながらも、
何かを感じないわけにはいかなくなる。
アナは意識の中で現実と幻想をいったりきたりしながら、
少しずつ変わっていく。
こうして大きくなっていくんだなと思った。
(2009.11.21)
2010-06-23
ニコ・イコン
1996年
ドイツ
監督:スザンネ・オフテリンガー
出演:ニコ/ジャクソン・ブラウン/ジョン・ケイル/クリスチャン・アーロン・ブロング/ニコ・パパタキス/ポール・モリセイ/ビリー・ネイム/ビバ/ティナ・オーモン/アリ・ブロング/エディス・ブロング/ダニー・フィールズ/カルロス・ド・マルドナド/ジョナス・メカス/スターリング・モリソン/ルツ・ウルブリッシュ/アラン・ウィズヘルマ・ウォルフ/ジェームズ・ヤング
26Aug.'09 DVD
★★★★☆
あまりにも奇異な人生。
傷口にさらに塩をぬり込むような痛々しい人生。
あまりにエキセントリックで唖然としてしまった。
ここまで悉く自分のアイデンティティを否定するって、、、
本名がキライ。
ドイツ人がキライ。
美しいのがイヤ。
モデルがイヤ。
否定しかない。
ひとつひとつ壊していく人生。
モデルの頃のニコはホントにかわいい。
人々がうらやむものを何でももっていたのに、
あっさりと捨てる。
そしてなるべくしてヘロイン中毒になり、破滅へと彷徨う。
ヘロインのせいであの美しいニコは面影すらなくなり、
醜くなっていたが、ニコ自身はその醜い自分に満足だった。
ニコは自分の意志とは関係なく、
纏っていなくてはならない、
厭でもどうすることもできない、
本名や出身や美貌という鎧から抜け出したかった。
これを纏っていることが、彼女には地獄だった。
抜け出すためなら、クスリ漬けになっても、
精神病棟に行ったり来たりになっても、
彼女にとってはそれが自由だった。
ニコは純粋すぎたのだと思う。
ニコに関わりのある人物がそれぞれニコについて語る。
ニコの人間像とその人生が浮き彫りになっていく。
映像はアーティスティックで見応えがある。
ニコの独特な歌声が映画を通して聞ける。
ニコを知らなくても、ロック好き、ファッション好き、
ウォホール好きだったら、興味深く観られると思う。
(2009.8.28)
ドイツ
監督:スザンネ・オフテリンガー
出演:ニコ/ジャクソン・ブラウン/ジョン・ケイル/クリスチャン・アーロン・ブロング/ニコ・パパタキス/ポール・モリセイ/ビリー・ネイム/ビバ/ティナ・オーモン/アリ・ブロング/エディス・ブロング/ダニー・フィールズ/カルロス・ド・マルドナド/ジョナス・メカス/スターリング・モリソン/ルツ・ウルブリッシュ/アラン・ウィズヘルマ・ウォルフ/ジェームズ・ヤング
26Aug.'09 DVD
★★★★☆
あまりにも奇異な人生。
傷口にさらに塩をぬり込むような痛々しい人生。
あまりにエキセントリックで唖然としてしまった。
ここまで悉く自分のアイデンティティを否定するって、、、
本名がキライ。
ドイツ人がキライ。
美しいのがイヤ。
モデルがイヤ。
否定しかない。
ひとつひとつ壊していく人生。
モデルの頃のニコはホントにかわいい。
人々がうらやむものを何でももっていたのに、
あっさりと捨てる。
そしてなるべくしてヘロイン中毒になり、破滅へと彷徨う。
ヘロインのせいであの美しいニコは面影すらなくなり、
醜くなっていたが、ニコ自身はその醜い自分に満足だった。
ニコは自分の意志とは関係なく、
纏っていなくてはならない、
厭でもどうすることもできない、
本名や出身や美貌という鎧から抜け出したかった。
これを纏っていることが、彼女には地獄だった。
抜け出すためなら、クスリ漬けになっても、
精神病棟に行ったり来たりになっても、
彼女にとってはそれが自由だった。
ニコは純粋すぎたのだと思う。
ニコに関わりのある人物がそれぞれニコについて語る。
ニコの人間像とその人生が浮き彫りになっていく。
映像はアーティスティックで見応えがある。
ニコの独特な歌声が映画を通して聞ける。
ニコを知らなくても、ロック好き、ファッション好き、
ウォホール好きだったら、興味深く観られると思う。
(2009.8.28)
2010-06-18
ボルベール<帰郷>
2006年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/チュス・ランプレアヴェ
12Sep.'07 シネマイクスピアリにて
★★★★★
ラテンの女は強いなぁ。
喜怒哀楽をいちいち全身全霊でやってる感じだ。
ふりかかった運命にあれこれ悩む間もなく、
カラダが動いている。
かと言って逃避しているわけじゃなく、直面しながらも、
でも笑う、歌う。
ペネロペ・クルスはすごく迫力があって目を見張った。
有無を言わさぬ芯の強さを感じた。
彼女はかわいい役より悪女が似合うと思う。
さすが、アルモドバル。
色が溢れていた。スペインの色が。
特に赤が印象的だった。花、服、車、そして血、、、
情熱の赤、闘争的な赤。何か暗示させる深い赤。
赤いものが出てくるだけで、なんかそわそわしてしまう。
そういういわくありげな映像がやっぱり好きだ。
(2007.9.15)
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/チュス・ランプレアヴェ
12Sep.'07 シネマイクスピアリにて
★★★★★
ラテンの女は強いなぁ。
喜怒哀楽をいちいち全身全霊でやってる感じだ。
ふりかかった運命にあれこれ悩む間もなく、
カラダが動いている。
かと言って逃避しているわけじゃなく、直面しながらも、
でも笑う、歌う。
ペネロペ・クルスはすごく迫力があって目を見張った。
有無を言わさぬ芯の強さを感じた。
彼女はかわいい役より悪女が似合うと思う。
さすが、アルモドバル。
色が溢れていた。スペインの色が。
特に赤が印象的だった。花、服、車、そして血、、、
情熱の赤、闘争的な赤。何か暗示させる深い赤。
赤いものが出てくるだけで、なんかそわそわしてしまう。
そういういわくありげな映像がやっぱり好きだ。
(2007.9.15)
ヒトラーの贋札
2006年
ドイツ・オーストラリア
監督・脚本:ステファン・ルツォヴィッキー
出演:カール・マルコヴィクス/アウグスト・ディール/デーヴィト・シュトリーゾフ/アウグスト・ツィルナー/マルティン・ブラムバッハ
31Jun.'08 早稲田松竹にて
★★★★★
究極のジレンマと矛盾の贋札づくり。
「今日の銃殺より明日のガス室」というサリーの台詞。
何が正義なのか、、、
正しいことなんて収容所では虚しいだけだ。
壁一枚向うでは日々、銃殺が行われている。
ポンド紙幣の贋札の成功のご褒美にピンポン台が贈られる。
そんなところでどうしてピンポンなど楽しめるのだろう。
贋札の技術者たちの待遇は収容所と思えないほどいいのだが、
こういうことが彼らの神経を逆なでしてじりじりと追いつめる。
カール・マルコヴィクスの淡々とした演技がすばらしかった。
眼孔にいつも力が入ってる感じがせつなかった。
禿げてても艶っぽいし。
贋札や偽パスポートの偽造の細かな作業や道具にも
興味をそそられる。
やっちゃいけないことって、覗きたくなる。
けど、命を賭けた贋札づくりだからか、妙に緊張した。
最後までぴーんと張りつめたものの中で、
無理難題を押し付けられたりしないかとそわそわしながら、
観ていた。
(2008.6.5)
ドイツ・オーストラリア
監督・脚本:ステファン・ルツォヴィッキー
出演:カール・マルコヴィクス/アウグスト・ディール/デーヴィト・シュトリーゾフ/アウグスト・ツィルナー/マルティン・ブラムバッハ
31Jun.'08 早稲田松竹にて
★★★★★
究極のジレンマと矛盾の贋札づくり。
「今日の銃殺より明日のガス室」というサリーの台詞。
何が正義なのか、、、
正しいことなんて収容所では虚しいだけだ。
壁一枚向うでは日々、銃殺が行われている。
ポンド紙幣の贋札の成功のご褒美にピンポン台が贈られる。
そんなところでどうしてピンポンなど楽しめるのだろう。
贋札の技術者たちの待遇は収容所と思えないほどいいのだが、
こういうことが彼らの神経を逆なでしてじりじりと追いつめる。
カール・マルコヴィクスの淡々とした演技がすばらしかった。
眼孔にいつも力が入ってる感じがせつなかった。
禿げてても艶っぽいし。
贋札や偽パスポートの偽造の細かな作業や道具にも
興味をそそられる。
やっちゃいけないことって、覗きたくなる。
けど、命を賭けた贋札づくりだからか、妙に緊張した。
最後までぴーんと張りつめたものの中で、
無理難題を押し付けられたりしないかとそわそわしながら、
観ていた。
(2008.6.5)
いのちの食べかた
2005年
ドイツ・オーストラリア
監督:ニコラウス・ゲイハルター
脚本:ウォルフガング・ヴィダーホーファー/ニコラウス・ゲイハルター
24Feb.'08 イメージフォーラムにて
★★★★★
わかっていたはずだった。
目を叛けない覚悟があったはずだった。
なのに現実をみせつけられ、
動揺しているどうにもだらしのない自分を
思い知らされてしまった。
ワタシは同じ形の生き物が
大量にうようよしているというのがどうしても苦手だ。
うようよが不気味で仕方がない。
異常気象のせいなどでトンポやセミのが大量発生するとか、
カラスの大群とか、
都会のビルに潜んでいるネズミの群れとか。
おんなじ制服の何千人にもなる軍隊とか、、、
音楽もなく、ナレーションもなく、
映像だけが永遠に続く。
たまごもひよこもにわとりも、
どのシーンでもうようよいっぱいいる映像。
果てしなくいっぱいいる。
しかもにわとりやぶたは
同じぐらいの大きさで同じ向きに並んでいる。
それが全部オートメーション化されている。
そこにいる人間はオートメーション的に作業している。
彼らは何の感情も見せず、淡々と作業をする。
「いのち」を扱っているという感傷などもつはずもない。
とことん合理的だ。
そして、その合理主義で機械的に作られたもので、
ワタシたちも作られていくというわけである。
この合理的という現実をみせつけられた92分。
その現実に目眩がし、震えさえ感じた。
ここでとりあげられているものに
「いのち」をほとんど感じられなかった。
合理性を求めているのだ。
ここで働く人々がもののように扱っても当然のことだ。
何も間違っていない。
ところが、である。
うしは種付けさえこの合理主義でおこなわれ、
最初から人間の食用としていのちを授かり育てられる。
そんなうしでも、最期に機械に押し込まれるのを厭がった。
それが「いのち」の本能ってものだろう。
そんな一面もみることができた。
あのうしのつぶらな目が切なくて、忘れられない。
でもワタシは生きるために「いのち」をいただく。
いつか土に還るためにいただく。
だったら、きちんと向きあっていただきたい。
そのことを身にしみて感じた。
(2008.2.29)
ドイツ・オーストラリア
監督:ニコラウス・ゲイハルター
脚本:ウォルフガング・ヴィダーホーファー/ニコラウス・ゲイハルター
24Feb.'08 イメージフォーラムにて
★★★★★
わかっていたはずだった。
目を叛けない覚悟があったはずだった。
なのに現実をみせつけられ、
動揺しているどうにもだらしのない自分を
思い知らされてしまった。
ワタシは同じ形の生き物が
大量にうようよしているというのがどうしても苦手だ。
うようよが不気味で仕方がない。
異常気象のせいなどでトンポやセミのが大量発生するとか、
カラスの大群とか、
都会のビルに潜んでいるネズミの群れとか。
おんなじ制服の何千人にもなる軍隊とか、、、
音楽もなく、ナレーションもなく、
映像だけが永遠に続く。
たまごもひよこもにわとりも、
どのシーンでもうようよいっぱいいる映像。
果てしなくいっぱいいる。
しかもにわとりやぶたは
同じぐらいの大きさで同じ向きに並んでいる。
それが全部オートメーション化されている。
そこにいる人間はオートメーション的に作業している。
彼らは何の感情も見せず、淡々と作業をする。
「いのち」を扱っているという感傷などもつはずもない。
とことん合理的だ。
そして、その合理主義で機械的に作られたもので、
ワタシたちも作られていくというわけである。
この合理的という現実をみせつけられた92分。
その現実に目眩がし、震えさえ感じた。
ここでとりあげられているものに
「いのち」をほとんど感じられなかった。
合理性を求めているのだ。
ここで働く人々がもののように扱っても当然のことだ。
何も間違っていない。
ところが、である。
うしは種付けさえこの合理主義でおこなわれ、
最初から人間の食用としていのちを授かり育てられる。
そんなうしでも、最期に機械に押し込まれるのを厭がった。
それが「いのち」の本能ってものだろう。
そんな一面もみることができた。
あのうしのつぶらな目が切なくて、忘れられない。
でもワタシは生きるために「いのち」をいただく。
いつか土に還るためにいただく。
だったら、きちんと向きあっていただきたい。
そのことを身にしみて感じた。
(2008.2.29)
4分間のピアニスト
2006年
ドイツ
監督・脚本:クリス・クラウス
出演:ハンナー・ヘルツシュプルング/モニカ・ブライブトロイ/スヴェン・ピッピッヒ/リッキー・ミューラー/ヤスミン・タバタバイ
12Dec.'07 シネスイッチ銀座にて
★★★★☆
映画が始まって、
光の感じがまさにドイツを物語っていて、
きっと好きな映画だと思った。
才能って、凄まじい。
周りをどこまでも傷つけないわけにはいかない。
でもワタシはそんな才能はすごいなぁと思うだけ。
さして興味もない。
それよりもそんな才能に
翻弄される老女の方が興味深かった。
彼女をここまで突き動かせるエネルギーの凄み。
まるい眼鏡の奥で何をかをいわんとしている眼光。
聴いてしまったら、
もう放っておくわけにはいかない、
彼女の意志。その使命。そして愛情。
ただ話としては、
欲張りすぎだよな感は否めない。
ナチス、同性愛、はなくてもいいテーマなのでは。
ジェニーの才能を軸にその生い立ちがメインで、
老女は気難しい厳しい先生で、
その苦悩が描かれていれば、
それで満足できたと思う。
(2007.12.14)
ドイツ
監督・脚本:クリス・クラウス
出演:ハンナー・ヘルツシュプルング/モニカ・ブライブトロイ/スヴェン・ピッピッヒ/リッキー・ミューラー/ヤスミン・タバタバイ
12Dec.'07 シネスイッチ銀座にて
★★★★☆
映画が始まって、
光の感じがまさにドイツを物語っていて、
きっと好きな映画だと思った。
才能って、凄まじい。
周りをどこまでも傷つけないわけにはいかない。
でもワタシはそんな才能はすごいなぁと思うだけ。
さして興味もない。
それよりもそんな才能に
翻弄される老女の方が興味深かった。
彼女をここまで突き動かせるエネルギーの凄み。
まるい眼鏡の奥で何をかをいわんとしている眼光。
聴いてしまったら、
もう放っておくわけにはいかない、
彼女の意志。その使命。そして愛情。
ただ話としては、
欲張りすぎだよな感は否めない。
ナチス、同性愛、はなくてもいいテーマなのでは。
ジェニーの才能を軸にその生い立ちがメインで、
老女は気難しい厳しい先生で、
その苦悩が描かれていれば、
それで満足できたと思う。
(2007.12.14)
善き人のためのソナタ
2006年
ドイツ
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
音楽:ガブリエル・ヤレド出演:ウルリッヒ・ミューエ/マルティナ・ゲデック/セバスチャン・コッホ
07Feb.'08 目黒シネマにて
★★★★★
いつ何時も背筋がしゃんとしていて、寡黙で一切無駄がなく、
でも眼孔だけがどこまでも深く鋭い。
非情なまでに任務を遂行する大尉。
ロボットのように国家に仕えていたはずが、
ソナタを聴いてしまった。
彼にも人間の血が流れていたのだ。
タイプライターの字がこれほどまで、妖しく艶っぽいなんて。
重い空気をずっと抱えながら、
密かにそうせざるを得ない喜びにほっこりするものを感じた。
昼のシーンがないわけではないのに、
なんだか仄暗い印象。だからなのか、
最後のほんのちょっと微笑んだ顔がすごく明るく見えた。
(2008.2.8)
ドイツ
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
音楽:ガブリエル・ヤレド出演:ウルリッヒ・ミューエ/マルティナ・ゲデック/セバスチャン・コッホ
07Feb.'08 目黒シネマにて
★★★★★
いつ何時も背筋がしゃんとしていて、寡黙で一切無駄がなく、
でも眼孔だけがどこまでも深く鋭い。
非情なまでに任務を遂行する大尉。
ロボットのように国家に仕えていたはずが、
ソナタを聴いてしまった。
彼にも人間の血が流れていたのだ。
タイプライターの字がこれほどまで、妖しく艶っぽいなんて。
重い空気をずっと抱えながら、
密かにそうせざるを得ない喜びにほっこりするものを感じた。
昼のシーンがないわけではないのに、
なんだか仄暗い印象。だからなのか、
最後のほんのちょっと微笑んだ顔がすごく明るく見えた。
(2008.2.8)
ラベル:
★★★★★,
2006年,
その他のヨーロッパ 映画,
ドイツ,
戦争のはなし
2010-06-17
ファニーゲーム
1997年
オーストリア
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:スザンネ・ローター/ウルリヒ・ミューエ/フランク・ギーリング/アルノ・フリッシュ/ステファン・クラブチンスキー
11Aug.'09 DVD
★★★★☆
ハネケの作品はなんとなく避けていた。
心して観ないとココロを壊されると思い込んでたから(笑)
実は『〜U.S.A.』の方を先に観てしまったので、
こちらはかなり客観的に観ることができた。
さすがに怖いのは怖かったけど、 思ったほどじゃなかった。
で、何がこんなに不快で不愉快なんだろう。
なんか神経に障る、癪に障る、癇に障るのだ。
若者たちは一見は悪者にはみえない。
どちらかといえば下手に出て、
にこにこしている印象。
そんな彼らに対して、
自分たちの方が上という心理がどこかに働く。
簡単に若者を家の中に入れてしまったのも、
若者が卵を落としてしまったのも、
ケイタイが流しに落ちてしまったのも、
実はアナのちょっとした心のスキだったり、
奢りだったり、が引き起こしていることだ。
不親切に思われたくないから親切を装うけど、
親身にはなれずに、
中途半端な態度から起こっていることだ。
日常生活で誰でもしてしまいがちなことだし、
ひとつひとつは小さなことで、
取り立ててとやかく思うほどのことでもない。
だけど、重なるとイライラにつながる。
アナは無意識にそれを若者のせいにしていたけど、
若者を外で待たせておいて、
卵は包んで、落とさないような状態にして渡して、
ケイタイは流しの淵に置かなければ、
起こってなかったことかもしれない。
若者に対してイラつきながら、
ちゃんとしてあげればよかったと思う部分も、
どこかにあったかもしれない。
いい加減なことをしてしまってせいで、
新たなイライラを生んでしまった。
観客はアナのスキに気がついて、
「ほら、いわんこっちゃない」とイライラする。
いろんなイライラが膨らんで、充満してしまう。
ゲオルクはそんなイライラを感じながら、
また自分も無性にイライラしてしまって、
思わず若者を引っ叩いてしまう。
そしてそれを大義名分にして、
若者たちは家族を執拗にいたぶり始める。。。
途端に若者たちのにこにこした顔が、
この上なく薄気味悪くなる。
イライラに比例して、薄ら寒いものを感じ始める。
直接的な暴力シーンはほとんどない。
暴力が行われる時はカメラは違うものを写している。
でもその暴力の音だけははっきりと聞こえる。
こんな時の人間の想像力の豊かなことといったら、、、
どんな惨劇の映像を見せられるより、
悲惨な映像を思い浮かべてしまう。
ハネケは怖さを表現する天才だと思った。
救われないといえば、救われない映画だ。
けれど、こうなってはじめて、
この家族に人間の縮図のようなものを見たような気がした。
根拠もなしにココロを許して簡単に信用するのも人間なら、
他人と比べて、少しでも上だと思えば傲慢になるのも人間、
どうすることもできない状況なのにあきらめないのも人間だし、
敵ができたときに家族が結束する力を持つのも、人間なのだ。
ゲオルクがアナを逃がすときにいった台詞だけには、
救われた。
家族側に感情移入していると、 パウロに呼ばれて、
知らない間にゲームをする側になってて、
でも気持ちはなんとか家族を助けたいのに、
またパウロに呼びかけられて物語の外に放り出される。
その意図はわからないけど、
薄っぺらな感傷に浸るなといわれているような、、、
とことん負の要素しかない後味の悪い映画にしたかったのか。
その徹底ぶりに、そのこだわりに、
脱帽。。。
(2009.8.13)
オーストリア
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:スザンネ・ローター/ウルリヒ・ミューエ/フランク・ギーリング/アルノ・フリッシュ/ステファン・クラブチンスキー
11Aug.'09 DVD
★★★★☆
ハネケの作品はなんとなく避けていた。
心して観ないとココロを壊されると思い込んでたから(笑)
実は『〜U.S.A.』の方を先に観てしまったので、
こちらはかなり客観的に観ることができた。
さすがに怖いのは怖かったけど、 思ったほどじゃなかった。
で、何がこんなに不快で不愉快なんだろう。
なんか神経に障る、癪に障る、癇に障るのだ。
若者たちは一見は悪者にはみえない。
どちらかといえば下手に出て、
にこにこしている印象。
そんな彼らに対して、
自分たちの方が上という心理がどこかに働く。
簡単に若者を家の中に入れてしまったのも、
若者が卵を落としてしまったのも、
ケイタイが流しに落ちてしまったのも、
実はアナのちょっとした心のスキだったり、
奢りだったり、が引き起こしていることだ。
不親切に思われたくないから親切を装うけど、
親身にはなれずに、
中途半端な態度から起こっていることだ。
日常生活で誰でもしてしまいがちなことだし、
ひとつひとつは小さなことで、
取り立ててとやかく思うほどのことでもない。
だけど、重なるとイライラにつながる。
アナは無意識にそれを若者のせいにしていたけど、
若者を外で待たせておいて、
卵は包んで、落とさないような状態にして渡して、
ケイタイは流しの淵に置かなければ、
起こってなかったことかもしれない。
若者に対してイラつきながら、
ちゃんとしてあげればよかったと思う部分も、
どこかにあったかもしれない。
いい加減なことをしてしまってせいで、
新たなイライラを生んでしまった。
観客はアナのスキに気がついて、
「ほら、いわんこっちゃない」とイライラする。
いろんなイライラが膨らんで、充満してしまう。
ゲオルクはそんなイライラを感じながら、
また自分も無性にイライラしてしまって、
思わず若者を引っ叩いてしまう。
そしてそれを大義名分にして、
若者たちは家族を執拗にいたぶり始める。。。
途端に若者たちのにこにこした顔が、
この上なく薄気味悪くなる。
イライラに比例して、薄ら寒いものを感じ始める。
直接的な暴力シーンはほとんどない。
暴力が行われる時はカメラは違うものを写している。
でもその暴力の音だけははっきりと聞こえる。
こんな時の人間の想像力の豊かなことといったら、、、
どんな惨劇の映像を見せられるより、
悲惨な映像を思い浮かべてしまう。
ハネケは怖さを表現する天才だと思った。
救われないといえば、救われない映画だ。
けれど、こうなってはじめて、
この家族に人間の縮図のようなものを見たような気がした。
根拠もなしにココロを許して簡単に信用するのも人間なら、
他人と比べて、少しでも上だと思えば傲慢になるのも人間、
どうすることもできない状況なのにあきらめないのも人間だし、
敵ができたときに家族が結束する力を持つのも、人間なのだ。
ゲオルクがアナを逃がすときにいった台詞だけには、
救われた。
家族側に感情移入していると、 パウロに呼ばれて、
知らない間にゲームをする側になってて、
でも気持ちはなんとか家族を助けたいのに、
またパウロに呼びかけられて物語の外に放り出される。
その意図はわからないけど、
薄っぺらな感傷に浸るなといわれているような、、、
とことん負の要素しかない後味の悪い映画にしたかったのか。
その徹底ぶりに、そのこだわりに、
脱帽。。。
(2009.8.13)
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こんなにかっこよくて、こんなに切ない、
理屈じゃないんだよって、この空気感なら、
なんでも受け入れられた。
なのに20年近くたった、今改めて観たら、
うーん、なんだか、すごくアメリカっぽくて、、、
そのアメリカ臭さがハナについてしまった。
そりゃ、テキサスが舞台なんだし、
アメリカの俳優が出てるんだから、当然で、
そんなこと思う方がどうかしてる。それはわかってる。
近年、ヴェンダースの映画をいくつか観たせいなのか、
より、ヴェンダースにはまっているのかも。
『パリ・テキサス』は他のヴェンダース映画より、
わかりやすいし、観やすい。
だから余計につまんないことが気になっちゃったのかも。。。
とはいえ、ギターの音色にしろ、
テキサスのランドスケープにしろ、
ヴェンダース色は炸裂してる。
この映画に不満なんて、ホントないんだけど。
なんだろうな。
まあ、次に観たら、また違ってるかも。
気まぐれなので、ね。
主人公はサム・シェパードじゃなくて、ホントよかったと思う。
ナスターシャ・キンスキーは雰囲気あるなぁ。