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2011-01-10

パリ、テキサス

 1984年
フランス/西ドイツ
監督:ヴィム・ヴェンダース 脚本:サム・シェパード 
撮影:ロビー・ミュラー 音楽:ライ・クーダー
出演:ハリー・ディーン・スタントン/ナスターシャ・キンスキー/ディーン・ストックウェル/オロール・クレマン/ハンター・カーソン/ベルンハルト・ヴィッキ

26Nov.'10 早稲田松竹
★★★★☆

はじめてこの映画を観た時の感動は、今でも覚えている。
こんなにかっこよくて、こんなに切ない、
理屈じゃないんだよって、この空気感なら、
なんでも受け入れられた。

なのに20年近くたった、今改めて観たら、
うーん、なんだか、すごくアメリカっぽくて、、、
そのアメリカ臭さがハナについてしまった。
そりゃ、テキサスが舞台なんだし、
アメリカの俳優が出てるんだから、当然で、
そんなこと思う方がどうかしてる。それはわかってる。

近年、ヴェンダースの映画をいくつか観たせいなのか、
より、ヴェンダースにはまっているのかも。
『パリ・テキサス』は他のヴェンダース映画より、
わかりやすいし、観やすい。
だから余計につまんないことが気になっちゃったのかも。。。
とはいえ、ギターの音色にしろ、
テキサスのランドスケープにしろ、
ヴェンダース色は炸裂してる。
この映画に不満なんて、ホントないんだけど。
なんだろうな。
まあ、次に観たら、また違ってるかも。
気まぐれなので、ね。

主人公はサム・シェパードじゃなくて、ホントよかったと思う。
ナスターシャ・キンスキーは雰囲気あるなぁ。
(2010.12.28)

2010-12-02

東京ゴッドファーザーズ

2003年
日本
監督:今敏 音楽:鈴木慶一 ムーンライダース 歌 ムーンライダース
出演:江守徹/梅垣義明/岡本綾/こおろぎさとみ/寺瀬今日子/飯塚昭三/加藤精三/石丸博也/槐柳二/屋良有作/犬山イヌコ/矢原加奈子/柴田理恵/山寺宏一/能登麻美子/大塚明夫/小山力也

31Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

今回観た、『パプリカ』『千年女優』とこれでは、
この『東京ゴッドファーザーズ』が一番よかった。
一番現実的で、ホームレスとはいえ、
家族という一番身近なテーマを扱っているからかな。
ま、そんなに都合良くことが運ぶかいなっていう、
ツッコミはあるにしても(笑)

ギンちゃんもハナちゃんも、ミユキも、
なんか生きていくのに不器用なんだよね。
いろんなもの抱えていながら、
でも人情にはあつくて、ほっとけなくて、
結局面倒なことでも、
自分たちからクビを突っ込んでいくみたいな。
要領は悪いけど、急場の馬鹿力は持っていて、
そんな展開が小気味よくて、面白かった。
泣いて、笑って、何かといそがしい映画だった。
(2010.11.29)

2010-12-01

陸軍中野学校

1966年
日本
監督:増村保造
出演:市川雷蔵/小川真由美/加東大介/村瀬幸子/早川雄三/待田京介/仁木多鶴子/三夏伸/仲村隆/ピーター・ウイリアムス/E.H.エリック

24Oct.'10 新文芸座
★★★★☆

とにかく雷蔵がかっこいい。
前半の学校の場面ではほとんど雷蔵の台詞はないけど、
でも存在感だけはある。
実際のスパイ活動も今となってはかなり原始的だけど、
それでもその立ち振る舞いに惚れ惚れする。
そのスパイ特有の非情さ、卑劣さに、やられまくり。

小川真由美の凛とした姿にも好感がもてた。

この時点でシリーズ化されるかどうかが、
わかってたとも思えないけど、
でもなんだかその匂いがしてしまった。
増村保造ならではの艶気があるだけに、
予定調和な感じが残念に思った。
(2010.11.4)

2010-11-29

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

2009年
フランス/香港
監督:ジョニー・トー
出演:ジョニー・アリディ/シルビィー・テステュー/アンソニー・ウォン/ラム・カートン/ラム・シュー/サイモン・ヤム/チョン・シウファイ/フェリックス.ウォン/バーグ・ウー/マギー・シュウ/ヴィンセント・ズェ/フォン・ツイフェン

20Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

なんか、とにかく不条理だよなぁ。

にしても、行きがかりで請け負った仕事、
確かに仕事には違いないけど、
訳のわからないフランス人の言ってることを真に受けて、
ここまでやるのか、、、
だって、仮にも殺し屋でしょ。
フランス本国にレストランがあるのかもしれないけど、
この3人がフランスに行くことがあるとも思えないし。
自分たちのボスや組織よりなぜにコステロなのか、、、
おひとよしにもほどがある。
この殺し屋の3人、間違いなく、
オレオレ詐欺とかに簡単に騙されるなって思った(笑)
にしても、まぁ、その仁義に、そそられはする。
なんか郷愁を感じるし、
コステロも含めてみんな憎めない人物像なんだけど。

ジョニー・アリディは渋い上に、
その存在にユーモアというか、おかしさを含んでいて、
なんだか目が離せなかった。

男の世界は単純でかつ複雑で、
寅さんじゃないけど、
男はつらいなって実感した映画だった。
(2010.11.4)

エレクション

2005年
香港
監督:ジョニー・トー
出演:ニック・チョン/サイモン・ヤム/レオン・カーフェイ/ルイス・クー/チョン・シウファイ/ラム・シュー/ラム・カートン/ウォン・ティンラム/タム・ビンマン/マギー・シュウ/デイヴィッド・チャン


20Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆


基本的に淡々とした展開は好み。

香港マフィアものが好きなわけでもなんでもないけど、
ま、男の世界が繰り広げられて、なかなか興味深い。

「組織には調和が大切だ」って、
マフィアといえども大組織ともなれば、
こういうことが優先されるんだなって、思った。
そもそも人と調和なんてできない人間の集まりが、
マフィアなんじゃないのかって、、、
勝手にそう思い込んでたけど。
ロクぐらいの常識があったら、
一般社会で通用するって思うんだけどね。

まあ、それはいいとして、さすがにマフィア映画。
いろんな拷問を考えるなぁ。
さすがに生きたまま崖から転がされるなんて、、、
こっちが生きた心地がしなかったよ。

登場人物が多すぎて、もう誰がどっち側なのか、
しまいには判別不能になってた。

レオン・カーファイは渋い。かっこいい。
(2010.11.4)

2010-11-18

17歳のカルテ

1999年
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー/アンジェリーナ・ジョリー/クレア・デュヴァル/ブリタニー・マーフィ/エリザベス・モス/ジャレッド・レト/ジェフリー・タンバー/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ウーピー・ゴルドバーグ/アンジェラ・ベティス/ジリアン・アルメナンテ/ブルース・アルトマン/メアリー・ケイ・プレイス

13Oct.'10 早稲田松竹
★★★★☆

ウィノナ・ライダーの大きな目がますます見開いて、
頬がこけてるせいか(メイクなのかな?)、
より目力が強くなって、その度になんだかどぎまぎする。

お嬢さま御用達の精神病院のようで、
恵まれてるっていうか、きれいっていうか、
現実はこんなもんじゃないだろって思う。
けど、10代の女の子たちが病気と向き合いながら、
どう生きていくかを模索しているところは、
その清濁をそのまま正直に描いている。
そこはとても好感がもてた。

『ダウンタウン』は、いい歌だなぁ。
なんだかすごくココロに沁みた。
前後のストーリーとは別のところで、
この歌に泣けてきた。

アンジェリーナ・ジョリーのリサ役は、よかったと思う。

2010-11-07

月に囚われた男

2009年
イギリス
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル/ドミニク・マケリゴット/カヤ・スコデラーリオ/ベネディクト・ウォン/マット・ベリー/マルコム・スチュワート/ロージー・ショウ/エイドリアン・ショウ/ロビン・チョーク/ケヴィン・スペイシー(声)

25Sep.'10 新文芸座
★★★★☆

いつかこんな時代が来ちゃうのかな。
多くのSFはみんな遠い未来のお話で、
現実とはかけ離れているから、
自分の問題とは別次元で楽しめるけど、
なんか、この映画のSFは妙に今に近いというか、
すぐにでもこうなりそうというか、
そんなに夢物語でもない感じがしちゃって、、、
しかも、生身の人間ならいろいろ問題がありそうだけど、
クローンなら倫理的にも別にいいんじゃないってことに、
なりそうだし。
企業の貪欲さだけがどんどんエスカレートしそうだ。

ああ、クローンだって、ココロがあるのよね。
そうなってくると、そりゃ、切ないよなぁ。
自分の分身がこういうことになるって思ったら、
それはそれでツライ。

一人三役の、ほとんど一人芝居。
サム・ロックウェル、すごいな。
ガーディがいいやつでよかった。

基本的にはすごく好き。
ストーリーも映画の雰囲気も映像も。
でもなぁ、王道があるからなぁ。
『2001年宇宙の旅』や『惑星ソラリス』には、
及ばない。比べるのもなんだけど、
でも表現しようとしているところは共通してるよね。
なので、★は限りなく5に近い4ということで。
(2010.10.22)

少年

1969年
日本
監督:大島渚 脚本:田村孟
出演:渡辺文雄/小山明子/阿部哲夫/木下剛志

 06Oct.'10 新文芸座
★★★★☆

少年はつらい。
そして、限りなく孤独だ。
自分が望んだ放浪でないだけに、
結局親のいいなりになるしかない。
逃げ出しても、死のうとしても、上手くいかない。。。
縋る何かを求めていたように思える。
継母とはいえ、母親が買ってくれた黄色い帽子や時計に、
執着していたのは、やはりそういうことな気がする。

少年がすごく素朴な子で、いい。
一重の目が印象的だった。

事実にあった話だそう。
そんな当たり方でよく騙せるものだと思いながらも、
でも危ないなぁって、ひやひやしたり、、、

雪だるまの顔が赤い長靴って、あんまりかわいくない。
少年は少女への罪の意識で、自分のしていることに気づいて、
それに立ち向かって壊すわけで、
だからいいのか、、、かわいくなくて。
ここのシーンはさすがに胸が締め付けられた。

ただ、この雪だるまが日の丸だという解釈があって、
たぶん監督はそう見せるようにしたんだろうけど、
でも少年にとっては、国家や日の丸ということより、
この状況で生きていかなくてはならないしんどさの方が、
大きいように思える。
だからこのかわいくない雪だるまにしっくりこない。
確かに父親は戦争での疵を負っていて、
国家に対して一物があるのはわかるけど。

2010-09-02

ロング・エンゲージメント

2004年
フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトウ/ギャスパー・ウリエル/ドミニク・ピノン/クローヴィス・コルニヤック/ジェローム・キルシャー/シャンタル・マーヴィルト/アルベール・デュポンテル/ドニ・ラヴァン/ジャン・ピエール・ベッケル/ドミニク・ベテンフェルド/ジャン=ピエール・ダルッサン/ジョディ・フォスター/ブーリ・ランネール/ティエリー・ギボール/フィリップ・デュクズヌ/ソレーヌ・ル・ペション・ヴァルジル・ルクレール/ジュリー・ドパルデュー・マウド・レイヤー/チェッキー・カリョ/フランソワ・ルヴァンタル/ミシェル・ヴュイエルモーズ

01Sep.'10 早稲田松竹
★★★★☆

初っ端から、塹壕を歩いている。暗い。寒い。
第一次世界大戦の最中、死刑を宣告されている5人の兵士。
その中にマチルドの恋人、マネクもいた。
容赦なく、えげつなく、扱われている。。。
つい身を硬くしてしまう。

戦場ではブルーの映像で、
マチルド関連はアンバーの映像。
なんか飽きるよなぁって思いながらも、
ところどころで、そこはジュネ、ジュネ色が健在で、
色味がなくても、深いなぁと思うところが、ある。
とかく戦場シーンは、暗くて、
よくありがちな陰影が濃い映像ではあるんだけど、
でも、ちゃんとジュネ色になってる。
どうしてそう見えるんだろう。ホントにすごいよ。

絶望的状況でありながら、
それでもマネクが生きていると信じて貫くマチルド。
おまじないって、いい方法だな。
理由のない希望が持てる。勇気が沸く。
で、問題は抱えながらも、
大手を振って、ハッピーエンドではないけど、
でも、絶望からは救われてる。。。
生きてることもまんざらじゃないと思わせてくれる。
この絶妙な展開が、厭な後味を残さないのだろう。

登場人物が多くて、
相関図が混がらがって、どうにも怪しくなっちゃった。
この人は誰の恋人だっけ? なんて、ちょっと大変だった。
ジョディ・フォスターが出てると知って、後でびっくり。
なんか似てる人がいるなぁとは思ってたけど、
こっちはストーリーを追うのが必死だから、
そこに気づく余裕がなかったのよ。

もう一度、落ち着いて観たい映画だなと、切に思う。

2010-08-04

のんき大将

1947年
フランス
監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ/ギイ・ドコンブル/ポール・フランクール/サンタ・レーリ/メーン・ヴァレー

31Jul.'10 新文芸座
★★★★☆

カラー版で観た。
タチはカラーにすることをこだわっていたが、
当時はプリント技術がなく断念して、モノクロで上映。
タチ没後、タチの意志を受継いで、
カラーで焼き直して発表(1995年)した。

祭りの日、
郵便配達人のフランソワは自転車で配達をしている。
のっぽでのんきなフランソワ。
村の人たちにバカにされながら、
何かするたびにドタバタしている。

そうこうしていて、アメリカの郵便配達の映画を観る。
村の人にアメリカ式でやってみろよなんていわれて、
いきなりアメリカに対抗意識をもちはじめる。
俄然やる気をみせるも、空回りしてるだけ(笑)
結局、「アメリカはアメリカ」だって。
「いい手紙なら待てばいい」
こういう感じが、まぁ、好きなんだけどね。

時代なんだろうけど、この頃のフランス映画は、
アメリカを意識してるものが結構あるなぁって思う。

短編映画の『郵便配達の学校』を長編にしたのが、
この「のんき大将』
短編部分はほとんどそのまま嵌め込まれているけど、
やっぱりここが山場といえば、山場になるのかな。
自転車がひとりで走る、走る。
絵本だったらよくある発想だけど、
映像でこれができたんだなぁ。
今ならCGとか使えば難しいことでないのかもだけど。
そうじゃなくて、なんか叙情的というか。。。
自転車とか、物に命を吹き込んで、どうなるどうなると、
思わせて、でもたいしたことにもならず、って、
のんびり、ほのぼの感が何ともいえない。

短編の方が完結してて、完成度は高いとは思う。
でもワタシは『のんき大将』の、このだらだら感が実は好き。
郵便配達人の日常の何日間を切りとっただけってのが、いい。

母なる証明

2009年
韓国
監督:ボン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ/ウォンピン/チン・グ/ユン・ジェムン/チョン・ミソン

05Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★★☆

キツい。キツかった。
救われるところが何もなくて、
全てに盲目になって、最後、踊ってる。。。
母の、オモニの愛情?
気色わるい後味だけが、残った。

道徳も倫理も、正義も、
「母」という立場の前では、何の意味もなさず、
ただ、ただ、息子のため、生きるために奔走、
そして、そして、、、
結局、罪を重ねて、事実をねじ曲げてしまった。
息子のため、、、もちろん息子のためなんだろうけど、
息子を障害者にしてしまった贖罪があるために、
盲目的になっているような気もする。
「息子のため」にやることで自分の気持ちを収めている、
エゴイスティックなものも感じる。
かといって、その罪を置き去りにすることなく、
全てを呑み込んで抱えたまま、
「母」をやっていく覚悟もみえる。
しかし知的障害の息子は天使でも悪魔でもなく、
それ以上でも以下でもない反応しかしない。
なのに、いまだにひとつベッドに寝ていたり、
変な溺愛ぶりを見せつけたりするから、
キツくて、重い上に、気色わるさがつきまとう。

これを、「母なる証明」にされるのは、さらにキツいよ。
「母」でも「オモニ」でも「マザー」でもいいけど、
証明にはなってない。
母親の本能でこうなってしまう何かがあるとしても。
またこれを「無償の愛」というのにも、違和感がある。

決して正当化できる話ではない。
母の愛情があれば、許されるというものでもない。
しかし、そう錯覚してしまうのは、
この映画の力強さなのだと思う。
泥にまみれながらも、
大地の底からわき上がってくる力を感じた。
「母」という言葉のもつパワーと、
大陸の地の底からくるパワーが合わさって、
お腹にずんずん響いて、酔ったようになって、
妙に気持ちが悪かったのかもしれない。

2010-06-24

チェコアニメ短編セレクション

2009年 
チェコ=スロヴァキア 



04Dec.'09 早稲田松竹
★★★★☆

『リトル・アンブレラ』
『ネコのお絵描き』
『けしのみ太郎 病気ってどうやってなおすの』
『イモムシくんは大スター』
『りんごのお姫様』

この中では、
『リトル・アンブレラ』と『ネコのお絵描き』が好き。

チェコアニメは素朴でのほほんとしていながら、
どこかシュール。
チェコならではの色彩感覚なのか、
ここにどうしても落ち着いてしまう。
ちょっとホコリがかぶってる感じが、なんかいい。

ディズニーや日本のアニメはぴっかぴかしてて、
ワタシにはまぶしすぎるんだよなぁ。
 (2009.12.12)

3時10分、決断のとき

2007年 
アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ/クリスチャン・ベール/ピーター・フォンダ/グレッチェン・モル/ベン・フォスター/ダラス・ロバーツ/アラン・テュディック/ヴィネッサ・ショウ

20Nov.'09 早稲田松竹
★★★★☆

ラッセル・クロウかぁ、って感じで、
『レスラー』目当ての2本立てで、
ついでだしせっかくだからぐらいで、
ちっとも期待してなかった。
だいたいワタシはラッセル・クロウがキライ。
遅れたら観なくてもいいやって思ってた。

でも、でも!
この映画でラッセル・クロウ観は変わったわ。
すっごいいい男になってた。かっこよかった。
なんか痩せたのかしら? 引き締まったように見えたわ。

 西部劇もそんなに好きじゃない。 ドンパチは基本キライ。
だからクリスチャン・ベイルがいてくれてよかった。
この役のおかげで映画に惹き込まれたもの。

最後はあっけにとられたけど、 その潔さに、感服。
多くを語らなくともちゃんと芽生えてる男の友情は、
羨ましいと素直に思う。
(2009.11.25)

2010-06-23

スラムドッグ$ミリオネア

2008年 
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル/アニル・カブール/イルファン・カーン/マドゥル・ミッタル/フリーダ・ピント

30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★☆

音楽と映像はかっこいいにつきる。
特にインドの風景を俯瞰でどんどんひいていく映像が好き。
スピード感があるし飽きることなく2時間はあっという間だった。

クイズの問題ひとつひとつから、
インド社会の実情を見せていく手法はおもしろい。
過酷なスラムの状況をかなりつっこんで描写していると思う。

インドを伝えるために
都合よく正解していくのはありだと思う。
だからこそ、最後ははずしてもよかったんじゃないかなぁ。
だって、わかんなかったんだもん。
ちょっとうまくいきすぎでしょ。
かけがえのないものは手に入れたはず。欲張りすぎ。

最後のインド映画のような踊りと歌での終わり方は、
唐突だけど、、、粋だと思う。
(2009.11.8)

夜

1961年 
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ/ジャンヌ・モロー/モニカ・ヴィッティ/ベルンハルト・ヴィッキ

29Aug.'09 DVD
★★★★☆

ジャンヌ・モローは迫力があるなぁ。
この存在感で黙り込まれたら、ちょっと辛いかも。

マストロヤンニはかっこいい。
イタリア男だねぇ。スーツが似合う。

どうしようもなく満たされないこともある。
ひとりでふらふらしたいときもある。
夜の闇に隠れていたリディアの気持ちが、
明るくなってみえてくる。

ホントにジョバンニのこと、愛してないのかな。
トマーゾの方がよかったなんて、
亡くなって動揺してるだけじゃないの。
もしトマーゾを選んでいたとしても、
何もかもに満足して不安がないなんてことはありえない。
ジョバンニに難癖をつけてるようにしかみえない。
ジョバンニはいつもリディアを気遣っていたと思う。
リディアへの言葉に嘘はないと思う。
数時間前にヴァレンティーナを口説いていたとしても。

リディアの気持ちはもう変わらないのかな。
夜の魔物に、毒気に煽られただけだよ。
朝になってしまったら、もうどんな魔法もきかないの?
いくら濃厚なキスをしても、
リディアの頑なココロを溶かすことはできないのかな。

徹夜明けの朝に別れ話はよくない。
ろくな話にならない。さっさと帰って寝た方がいい。
一夜限りの夢ということで、
起きたら笑い話になってればいいのに。
 (2009.8.30)

アルファヴィル

1965年 
フランス/イタリア
監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:エディ・コンスタンティーヌ/アンナ・カリーナ/エイキム・タミロフ/ハワード・ヴェルノン/クリスタ・ラング

29Aug.'09 DVD
★★★★☆

ゴダールの映画の中では、かなりわかりやすい方だと思う。
表向きはSF映画で、ハードボイルドアクション系で、
しかもスパイもので、ミステリーの要素もあるかな。
これでもかっていうぐらい、エンターテイメント化してるけど、
まともにSF映画をやる気はないんだろうな。
セットなしで、ロケだけでやっちゃうって。
それでもスタイリッシュな未来都市は成立しているから、
すごいと思う。

思想統制?
言語統制?
感情統制?

共産主義批判からだとは思うけど、
それにしてもすごい未来都市ができちゃうもんだ。
でもあながちないとは言い切れないところが、
やっぱり怖かったり。

で、結局いいたいのは、最後の台詞になる。
これに集約されちゃうんだよね。

だから、ゴダールを観たくなっちゃうのよ。
面倒くさい作品が多くてもね。
これは、あまりにストレートで肩すかしだったけど(笑)
(2009.8.29)

ニコ・イコン

1996年 
ドイツ
監督:スザンネ・オフテリンガー
出演:ニコ/ジャクソン・ブラウン/ジョン・ケイル/クリスチャン・アーロン・ブロング/ニコ・パパタキス/ポール・モリセイ/ビリー・ネイム/ビバ/ティナ・オーモン/アリ・ブロング/エディス・ブロング/ダニー・フィールズ/カルロス・ド・マルドナド/ジョナス・メカス/スターリング・モリソン/ルツ・ウルブリッシュ/アラン・ウィズヘルマ・ウォルフ/ジェームズ・ヤング

26Aug.'09 DVD
★★★★☆

あまりにも奇異な人生。
傷口にさらに塩をぬり込むような痛々しい人生。
あまりにエキセントリックで唖然としてしまった。
ここまで悉く自分のアイデンティティを否定するって、、、

本名がキライ。
ドイツ人がキライ。
美しいのがイヤ。
モデルがイヤ。

否定しかない。
ひとつひとつ壊していく人生。

モデルの頃のニコはホントにかわいい。
人々がうらやむものを何でももっていたのに、
あっさりと捨てる。
そしてなるべくしてヘロイン中毒になり、破滅へと彷徨う。
ヘロインのせいであの美しいニコは面影すらなくなり、
醜くなっていたが、ニコ自身はその醜い自分に満足だった。

ニコは自分の意志とは関係なく、
纏っていなくてはならない、
厭でもどうすることもできない、
本名や出身や美貌という鎧から抜け出したかった。
これを纏っていることが、彼女には地獄だった。
抜け出すためなら、クスリ漬けになっても、
精神病棟に行ったり来たりになっても、
彼女にとってはそれが自由だった。
ニコは純粋すぎたのだと思う。
 
ニコに関わりのある人物がそれぞれニコについて語る。
ニコの人間像とその人生が浮き彫りになっていく。
映像はアーティスティックで見応えがある。
ニコの独特な歌声が映画を通して聞ける。
ニコを知らなくても、ロック好き、ファッション好き、
ウォホール好きだったら、興味深く観られると思う。
 (2009.8.28)

ぼくを葬る

2005年 
フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プボー/ジャンヌ・モロー/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/ダニエル・デュバル/マリー・リヴィエール/クリスチャン・センゲワルド/ルイーズ=アン・ヒッポー

25Aug.'09 DVD
★★★★☆

余命3ヶ月の宣告されたロマン。
ひとつ、またひとつと、残すものと手放すものを、
潔く割り切りながら、死に向かって片付けていく。
いろんな感情に揺れながらも、
淡々と、でも確実にこなしていく。

ジャンヌ・モローのおばあちゃん。
皺の一本一本にいろんな人生がみえる。
自分がしてしまった失敗をロマンに話す。
ロマンを信用してるから、話したんだと思う。
そんなおばあちゃんだから、
ロマンは病気のことを話せたのだろう。
似た者同士というのは、つながってるもの同士。
信じて愛し合える相手なのだと思う。

オゾンはロマンに自分を投影してるらしいけど、
この映画、きれいすぎるよ。
もうちょっと人間臭くてもよかったんじゃないかな。
ホント、ナルシストだよね。
でも変に感傷を押し付けられたりはしてないので、
そこはよかったと思う。 
(2009.8.28)

レディ・チャタレー

2006年 
フランス
監督:パスカル・フェラン 
原作:D.H.ロレンス 
脚本:パスカル・フェラン/ロジェ・ボーボ
出演:マリナ・ハンズ/ジャン=ルイ・クロック/イポリット・ジラルド/エレーヌ・アレクサンドリディ

01May.'08 三軒茶屋シネマにて
★★★★☆

原作を読んでおくべきだったと思った。
官能小説という先入観だけで観るより、
ずっと深いものが感じられたような気がする。

ひよこを手に抱いて泣くコンスタンス。
なんだかほろりときた。
張りつめていたものがぷつんと切れちゃったんだろうな。

そんな状態の満たされないコンスタンスと、
浮世離れしたバーキン。
二人が出会ってしまったら、、、
静かに静かに燃えていく様がよくわかった。
しかも森の中の小屋だ。
なるべくして恋に落ちていくしかない。

「言葉は無用」 惹かれ合う二人には名言だと思う。
肌をよせあえればそれで満たされるのだから。

最後の展開はそれでいいのだろう。
バーキンが冷静でよかった。

成熟した大人の映画だと思った。
(2008.5.4)

エディット・ピアフ 〜愛の賛歌〜

2007年 
フランス・チェコ・イギリス
監督・脚本:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール/ジェラール・ドパルデュー

28Jun.'08 新文芸座にて
★★★★☆

壮絶な、凄まじいとしかいいようがない。
波瀾万丈だから、大衆を魅了する歌が歌えるのか、
才能に満ち溢れているから、運命に翻弄されてしまうのか。
どうして自らを擦り減らして生き急ぐのだろう。
どうして自ら幸せになる選択肢がないのだろう。
そして、お約束通りにクスリに溺れる、、、
ピアフだけじゃない。
ビリー・ホリディもそうだし、
ジャニス・ジョプリンだってそう。
苦悩と破滅ばかり、、、
ピアフは愛に生きていたはずなのに。
もっと安らかに生きる方法はなかったのか。

『愛の讃歌』は越路吹雪の方がよく耳馴染みになっていて、
ピアフのは実はちゃんと聴いたことがなかった。
独特な鼻にかかった声が、
いつまで聴いていても飽きなかった。
歌はピアフのを吹き替えにしたというのは正解だと思う。

マリオン・コティヤールは凄かった。
猫背のピアフが印象的だった。
痩せていてちっぽけで、
どこから声が出てるんだろうと思わせる演技は、
マリオンが歌ってるようにも見えたぐらいだった。

それにしても晩年のピアフは、
40代に見えないぐらい疲れきっていた。
それぐらい詰め込みすぎた人生だったのだろう。。。
(2008.7.06)