2009年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/リュイス・オマール/ブランカ・ポルティージョ/ホセ・ルイス・ゴメス/ルーベン・オチャンディアーノ/タマル・ノヴァス/アンヘラ・モリーナ/チェス・ランブレアヴェ/キティ・マンヴェール
29Jun.'10 早稲田松竹にて
★★★☆☆
邦題に期待しちゃった。。。
アルモドバルだし、人間のエゴと愛憎を、
どれだけ掘り下げてみせてくれるかなんて、
勝手に妄想してた。
アルモドバルの初期のころを彷彿させるかな。
実際、劇中映画の『謎の鞄と女たち』は、
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』リメイクのようだし。
でも「オードリ・ヘップバーンみたい」といった辺りから、
ワタシのテンションは下がりっぱなし。
いやいや、ヘップバーンは大好き。
でもヘップバーンみたいなペネロペの笑顔が、
どうにも薄っぺらに見えちゃって、、、
ま、そういう役柄っちゃ、そうなんだし、
男を翻弄させる笑顔には違いないのだが。
前作の『ボルベール』のペネロペがすごくよかっただけに、
ちょっと肩すかしだった。
金のために身を売って、富豪の愛人になり、
女優になりたいといって、マテオを訪ね、
恋に堕ちて駆け落ち同然のような旅に出る。
こんな俗っぽい陳腐なストーリーの中に、
いろんな人間の愛憎やその構図を含ませているのは、
さすがだとは思う。
が、ここ何作かの人間の内面を抉りだしている作品には、
及ばず、表層的に見えてしまうのは否めない。
相変わらずの色彩感覚は、健在だった。
劇中映画のコケティッシュな感じ、
ファッションやインテリアや、壁の色、破られた写真の色、
なんかは、とても楽しめた。
ま、アルモドバルの色に魅せられているワタシとしては、
それだけでも満足なんだけど。
2010-08-04
トーク・トゥ・ハー
2002年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン
29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★
すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。
とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。
究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。
それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。
リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。
アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?
久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング/ハヴィエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/ジェラルディン・チャップリン
29Jul.'10 早稲田松竹
★★★★★
すごく自然に、純粋に、献身的にアリシアを介護するベニグノ。
病室の柔らかい光のせいか、
ベニグノに不快やいやらしさをまるで感じなかった。
とはいえ、あまりに一方的な愛情で、
ベニグノの至福の時はいつまでも続くはずもなく、、、
アリシアの妊娠が発覚して、
ベニグノはレイプした犯人にされ、刑務所に入る。
究極の愛というより、究極のエゴ。
ま、そうなんだよね。ベニグノのしていることはね。
それでも、穏やかに心地よく映画を観ていた。
女性の、しかも若い張りのある白い肌の、美しい曲線。
躯を拭くベニグノの手の行方を追いながら、
生身の裸体だという認識すらできてなかった。
ただ、きれいだなぁとうっとりしていただけで。
リディアの闘牛士姿も、惚れ惚れ。
かっこいいなぁって、思っていたら、、、衝撃が。
アルモドバルは残酷だ。
ベニグノもマルコもリディアも、
孤独にさらして、とことん追いつめている。
でもそんな中にこそ、愛情や友情があることも見せている。
それがどんなに歪んでいたとしても。
そもそも、端正な愛なんてものが存在するだろうか?
久々に観たけど、何年かごとに見直すと、
新たに感じるものがあるんだなと思った。
2010-06-24
エル・スール
1983年
スペイン/フランス
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングレーン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/ジェルメーヌ・モンテロ/オロール・クレマン
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
娘と父親の間の微妙な波動が、
温かいんだけどなんとなく不調和を感じてしまって、
知らないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。
泣くようなシーンじゃないだけに、
自分でもびっくりした。
エストレリャの父アグスティンを思う気持ちが、
痛いほど伝わる。
父親は慕うべき大きな存在で、
その背中をいつも追いかけていた。
なのに、 いつの間にか立場が逆転することがあろうとは。
父親としてはそれが堪えられなかったのか、、、
それだけじゃないだろうけど、
しかしエストレリャにとっては結果的に、
一生追い続けるしかできない存在になってしまった。
静かに静かに、知らない間に、
気がついたら状況が変わっていた。
それは時の流れのせいなのか、
エストレリャの成長のせいなのか、
どうすることもできないことだけに、
ちょっと残酷なものを感じた。
映像は『ミツバチ〜』もそうだけど、
光と闇の操り方が絶妙。
アングルも、すごく好き。
ずっと観ていたくなる。
この世界に入りたくなる。
またどこかでやってくれないかな。
また映画館で観たい。
(2009.11.21)
スペイン/フランス
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングレーン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/ジェルメーヌ・モンテロ/オロール・クレマン
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
娘と父親の間の微妙な波動が、
温かいんだけどなんとなく不調和を感じてしまって、
知らないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。
泣くようなシーンじゃないだけに、
自分でもびっくりした。
エストレリャの父アグスティンを思う気持ちが、
痛いほど伝わる。
父親は慕うべき大きな存在で、
その背中をいつも追いかけていた。
なのに、 いつの間にか立場が逆転することがあろうとは。
父親としてはそれが堪えられなかったのか、、、
それだけじゃないだろうけど、
しかしエストレリャにとっては結果的に、
一生追い続けるしかできない存在になってしまった。
静かに静かに、知らない間に、
気がついたら状況が変わっていた。
それは時の流れのせいなのか、
エストレリャの成長のせいなのか、
どうすることもできないことだけに、
ちょっと残酷なものを感じた。
映像は『ミツバチ〜』もそうだけど、
光と闇の操り方が絶妙。
アングルも、すごく好き。
ずっと観ていたくなる。
この世界に入りたくなる。
またどこかでやってくれないかな。
また映画館で観たい。
(2009.11.21)
ミツバチのささやき
1973年
スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン・ゴメス/テレサ・ジンベラ
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
スペイン内戦を時代背景にしているせいか、
どこか緊張感を抱えながら、 静かに静かに、
ゆっくりした時間が流れていく。
アナの黒目の清らかなこと。
まっすぐで純粋な視線なだけに、
ココロまで見透かされそうでドギマギしちゃう。
ミツバチの羽音、
姉妹のベッドでのささやき声、
風の音、機関車の音、、、
蜂の巣、窓、
懐中時計、毒きのこ、
フランケンシュタイン、
影絵、黒猫、焚き火、
精霊、井戸、廃屋、脱走兵、
りんご、手紙、、、
キーワードが多いなぁ。
どこを切りとっても、美しすぎる抒情詩。
そわそわさせられながらも、
何かを感じないわけにはいかなくなる。
アナは意識の中で現実と幻想をいったりきたりしながら、
少しずつ変わっていく。
こうして大きくなっていくんだなと思った。
(2009.11.21)
スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン・ゴメス/テレサ・ジンベラ
07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★
スペイン内戦を時代背景にしているせいか、
どこか緊張感を抱えながら、 静かに静かに、
ゆっくりした時間が流れていく。
アナの黒目の清らかなこと。
まっすぐで純粋な視線なだけに、
ココロまで見透かされそうでドギマギしちゃう。
ミツバチの羽音、
姉妹のベッドでのささやき声、
風の音、機関車の音、、、
蜂の巣、窓、
懐中時計、毒きのこ、
フランケンシュタイン、
影絵、黒猫、焚き火、
精霊、井戸、廃屋、脱走兵、
りんご、手紙、、、
キーワードが多いなぁ。
どこを切りとっても、美しすぎる抒情詩。
そわそわさせられながらも、
何かを感じないわけにはいかなくなる。
アナは意識の中で現実と幻想をいったりきたりしながら、
少しずつ変わっていく。
こうして大きくなっていくんだなと思った。
(2009.11.21)
2010-06-18
ボルベール<帰郷>
2006年
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/チュス・ランプレアヴェ
12Sep.'07 シネマイクスピアリにて
★★★★★
ラテンの女は強いなぁ。
喜怒哀楽をいちいち全身全霊でやってる感じだ。
ふりかかった運命にあれこれ悩む間もなく、
カラダが動いている。
かと言って逃避しているわけじゃなく、直面しながらも、
でも笑う、歌う。
ペネロペ・クルスはすごく迫力があって目を見張った。
有無を言わさぬ芯の強さを感じた。
彼女はかわいい役より悪女が似合うと思う。
さすが、アルモドバル。
色が溢れていた。スペインの色が。
特に赤が印象的だった。花、服、車、そして血、、、
情熱の赤、闘争的な赤。何か暗示させる深い赤。
赤いものが出てくるだけで、なんかそわそわしてしまう。
そういういわくありげな映像がやっぱり好きだ。
(2007.9.15)
スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス/ブランカ・ポルティージョ/チュス・ランプレアヴェ
12Sep.'07 シネマイクスピアリにて
★★★★★
ラテンの女は強いなぁ。
喜怒哀楽をいちいち全身全霊でやってる感じだ。
ふりかかった運命にあれこれ悩む間もなく、
カラダが動いている。
かと言って逃避しているわけじゃなく、直面しながらも、
でも笑う、歌う。
ペネロペ・クルスはすごく迫力があって目を見張った。
有無を言わさぬ芯の強さを感じた。
彼女はかわいい役より悪女が似合うと思う。
さすが、アルモドバル。
色が溢れていた。スペインの色が。
特に赤が印象的だった。花、服、車、そして血、、、
情熱の赤、闘争的な赤。何か暗示させる深い赤。
赤いものが出てくるだけで、なんかそわそわしてしまう。
そういういわくありげな映像がやっぱり好きだ。
(2007.9.15)
2010-06-05
パンズ・ラビリンス
2006年
メキシコ・スペイン・アメリカ
監督・製作・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ/セルジ・ロペス/マリベル・ベルドゥ/ダグ・ジョーンズ/アリアドナ・ヒル
19Mar.'08 ギンレイホールにて
★★★★☆
暗黒の時代の幻想と現実。
ここまでの緊張状態なら、
幻想と現実の垣根も低くなるような気がした。
内戦の後、まだ森に残るゲリラとの戦い。
血も凍るような大尉の視線。
その視線が森も山も屋敷も周りの人たちも凍らせている。
これでもかというぐらい残虐な拷問のシーンが、
執拗に繰り広げられる。
一瞬たりとも安らげない。
どんどん闇の中に入り込んでいく。
オフィリアはほんの少しのひかりに誘われたかのように、
パン(牧羊神)に出会う。
最後パンがオフィリアを試していたのは、
ちょっと説教臭いなと思ってしまった。
が、戦争という現実とファンタジーがうまく絡み合って、
交差しているのはなかなか興味深かった。
(2008.3.21)
メキシコ・スペイン・アメリカ
監督・製作・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ/セルジ・ロペス/マリベル・ベルドゥ/ダグ・ジョーンズ/アリアドナ・ヒル
19Mar.'08 ギンレイホールにて
★★★★☆
暗黒の時代の幻想と現実。
ここまでの緊張状態なら、
幻想と現実の垣根も低くなるような気がした。
内戦の後、まだ森に残るゲリラとの戦い。
血も凍るような大尉の視線。
その視線が森も山も屋敷も周りの人たちも凍らせている。
これでもかというぐらい残虐な拷問のシーンが、
執拗に繰り広げられる。
一瞬たりとも安らげない。
どんどん闇の中に入り込んでいく。
オフィリアはほんの少しのひかりに誘われたかのように、
パン(牧羊神)に出会う。
最後パンがオフィリアを試していたのは、
ちょっと説教臭いなと思ってしまった。
が、戦争という現実とファンタジーがうまく絡み合って、
交差しているのはなかなか興味深かった。
(2008.3.21)
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