2009年
イギリス
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル/ドミニク・マケリゴット/カヤ・スコデラーリオ/ベネディクト・ウォン/マット・ベリー/マルコム・スチュワート/ロージー・ショウ/エイドリアン・ショウ/ロビン・チョーク/ケヴィン・スペイシー(声)
25Sep.'10 新文芸座
★★★★☆
いつかこんな時代が来ちゃうのかな。
多くのSFはみんな遠い未来のお話で、
現実とはかけ離れているから、
自分の問題とは別次元で楽しめるけど、
なんか、この映画のSFは妙に今に近いというか、
すぐにでもこうなりそうというか、
そんなに夢物語でもない感じがしちゃって、、、
しかも、生身の人間ならいろいろ問題がありそうだけど、
クローンなら倫理的にも別にいいんじゃないってことに、
なりそうだし。
企業の貪欲さだけがどんどんエスカレートしそうだ。
ああ、クローンだって、ココロがあるのよね。
そうなってくると、そりゃ、切ないよなぁ。
自分の分身がこういうことになるって思ったら、
それはそれでツライ。
一人三役の、ほとんど一人芝居。
サム・ロックウェル、すごいな。
ガーディがいいやつでよかった。
基本的にはすごく好き。
ストーリーも映画の雰囲気も映像も。
でもなぁ、王道があるからなぁ。
『2001年宇宙の旅』や『惑星ソラリス』には、
及ばない。比べるのもなんだけど、
でも表現しようとしているところは共通してるよね。
なので、★は限りなく5に近い4ということで。
(2010.10.22)
2010-11-07
2010-09-10
ウディ・アレンの夢と犯罪
2007年
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/ヘイレイ・アトウェル/サリー・ホーキンス/トム・ウィルキンソン/フィル・デイヴィス/ジョン・ベンフィールド/クレア・ヒギンズ
09Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★
ここ何作かのウディ作品は、毎回同じ感覚に陥る。
観終わった後は、?がいっぱいになってて、
それはあまりにも短絡的でしょ、ってなるんだけど、
なのに、時間がたつと、じわじわと、
実はこの映画、めちゃくちゃ深いんじゃない?って、
思えてくる。なんでだろう。。。不思議だよなぁ。
ワタシがウディを贔屓しているだけじゃないと思うけど。
兄弟で、ヨットを手に入れて、
「カサンドラの夢」と、名付ける。
カサンドラ、、、ギリシャ神話では、不吉を意味する。。。
なんか、嫌な予感。
労働者階級のこの兄弟、働いて、がんばって、
自分の度量でなんとかしようという発想がそもそもない。
弟のテリーはギャンブル好き。
「大きな賭けはしない」といいながら、
家を買う金を作ろうとしてポーカーに。結局、負ける。
兄のイアンは実家のレストランを手伝いながら、
堅実なところを見せながらも、野心的で実業家志望。
実業家といっても、
地位と名誉に目が眩んでいるようにしか見えないけど。
それもラクして手に入れることしか考えてない。
目の前にいる父親は地道にレストランを経営しているのだが、
兄弟は馬鹿にするだけ。
ホントはすごくいい手本なのに、そんなことには気づかない。
で、世界を股にかけて成功している伯父さんを、
いつも羨望の眼差しでみている。
しかし、その伯父さん、かなり胡散臭い。
兄弟が伯父さんに金を無心しようとすると、
伯父さんは殺人を兄弟に強要する。
「血がつながってるのに、言うこときけないのか」って。
さすがに兄弟は最初は拒むけど、
直面している問題の解決を他の方法では考えられなくて、
「これしか道はないんだ」なんて言って、
コトに及んでしまう。。。ホント、短絡的。
で、案の定、転落人生、、、ついに。。。
あまりにも短絡的すぎて、簡単にコトに及ぶので、
えー?って思うんだけど、
これって、そっくりそのまま、
現代社会なんだよなぁって思った。
「殺したいから殺した」とか
「むしゃくしゃしてたから殺した」とか、
それこそ、短絡的な動機の事件が多い昨今だけど、
そんなのと、さして変わらない。
なんていうか、なんか軽いし、何でもラクして簡単に、
ってのが、現代のありがちな風潮だったりもして、
この兄弟に現代がすごく捉えられていると思う。
それに、この伯父さんの理屈って、
理屈にもなっていない、ただの強要。 けど、実はこれが罠。
この罠に嵌って起きる罪はいくらでもある。
「血がつながってるんだから」
「家族だから」
「世話になってるから」
というと、妙な正当性が生まれる。
全然、正しくなんかないんだけど、
当事者の間ではとても大切なことのように錯覚してしまう。
そこにほんのちょっとでも、
弱みや、利用しようという企みがあれば、
もうそれだけで、その罠が成立する。
で、この兄弟もまんまとこの罠に嵌ったわけで、、、
油断してたら、すぐに嵌ってしまうわけで、、、
結構どこにでもあったりするわけで、、、
もはや、他人事じゃない。
ばかばかしいと思いながらも、
でも自分だってそうなるかもっていう不安は、
どこか、もそもそしたところで感じてしまうのだ。
そういうことを、押し付けがましくなく、
でもどこかで感じられるようにできている、、、
何を感じて考えるかは、観客次第という、
ウディのスタンスは変わっていない。
コリン・ファレルの濃い眉がどんどん寄っていくのが、
なんとも切なく、哀愁が漂っていた。
テリーは、はまり役だなぁと思った。
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/ヘイレイ・アトウェル/サリー・ホーキンス/トム・ウィルキンソン/フィル・デイヴィス/ジョン・ベンフィールド/クレア・ヒギンズ
09Sep.'10 早稲田松竹
★★★★★
ここ何作かのウディ作品は、毎回同じ感覚に陥る。
観終わった後は、?がいっぱいになってて、
それはあまりにも短絡的でしょ、ってなるんだけど、
なのに、時間がたつと、じわじわと、
実はこの映画、めちゃくちゃ深いんじゃない?って、
思えてくる。なんでだろう。。。不思議だよなぁ。
ワタシがウディを贔屓しているだけじゃないと思うけど。
兄弟で、ヨットを手に入れて、
「カサンドラの夢」と、名付ける。
カサンドラ、、、ギリシャ神話では、不吉を意味する。。。
なんか、嫌な予感。
労働者階級のこの兄弟、働いて、がんばって、
自分の度量でなんとかしようという発想がそもそもない。
弟のテリーはギャンブル好き。
「大きな賭けはしない」といいながら、
家を買う金を作ろうとしてポーカーに。結局、負ける。
兄のイアンは実家のレストランを手伝いながら、
堅実なところを見せながらも、野心的で実業家志望。
実業家といっても、
地位と名誉に目が眩んでいるようにしか見えないけど。
それもラクして手に入れることしか考えてない。
目の前にいる父親は地道にレストランを経営しているのだが、
兄弟は馬鹿にするだけ。
ホントはすごくいい手本なのに、そんなことには気づかない。
で、世界を股にかけて成功している伯父さんを、
いつも羨望の眼差しでみている。
しかし、その伯父さん、かなり胡散臭い。
兄弟が伯父さんに金を無心しようとすると、
伯父さんは殺人を兄弟に強要する。
「血がつながってるのに、言うこときけないのか」って。
さすがに兄弟は最初は拒むけど、
直面している問題の解決を他の方法では考えられなくて、
「これしか道はないんだ」なんて言って、
コトに及んでしまう。。。ホント、短絡的。
で、案の定、転落人生、、、ついに。。。
あまりにも短絡的すぎて、簡単にコトに及ぶので、
えー?って思うんだけど、
これって、そっくりそのまま、
現代社会なんだよなぁって思った。
「殺したいから殺した」とか
「むしゃくしゃしてたから殺した」とか、
それこそ、短絡的な動機の事件が多い昨今だけど、
そんなのと、さして変わらない。
なんていうか、なんか軽いし、何でもラクして簡単に、
ってのが、現代のありがちな風潮だったりもして、
この兄弟に現代がすごく捉えられていると思う。
それに、この伯父さんの理屈って、
理屈にもなっていない、ただの強要。 けど、実はこれが罠。
この罠に嵌って起きる罪はいくらでもある。
「血がつながってるんだから」
「家族だから」
「世話になってるから」
というと、妙な正当性が生まれる。
全然、正しくなんかないんだけど、
当事者の間ではとても大切なことのように錯覚してしまう。
そこにほんのちょっとでも、
弱みや、利用しようという企みがあれば、
もうそれだけで、その罠が成立する。
で、この兄弟もまんまとこの罠に嵌ったわけで、、、
油断してたら、すぐに嵌ってしまうわけで、、、
結構どこにでもあったりするわけで、、、
もはや、他人事じゃない。
ばかばかしいと思いながらも、
でも自分だってそうなるかもっていう不安は、
どこか、もそもそしたところで感じてしまうのだ。
そういうことを、押し付けがましくなく、
でもどこかで感じられるようにできている、、、
何を感じて考えるかは、観客次第という、
ウディのスタンスは変わっていない。
コリン・ファレルの濃い眉がどんどん寄っていくのが、
なんとも切なく、哀愁が漂っていた。
テリーは、はまり役だなぁと思った。
2010-06-23
スラムドッグ$ミリオネア
2008年
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル/アニル・カブール/イルファン・カーン/マドゥル・ミッタル/フリーダ・ピント
30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★☆
音楽と映像はかっこいいにつきる。
特にインドの風景を俯瞰でどんどんひいていく映像が好き。
スピード感があるし飽きることなく2時間はあっという間だった。
クイズの問題ひとつひとつから、
インド社会の実情を見せていく手法はおもしろい。
過酷なスラムの状況をかなりつっこんで描写していると思う。
インドを伝えるために
都合よく正解していくのはありだと思う。
だからこそ、最後ははずしてもよかったんじゃないかなぁ。
だって、わかんなかったんだもん。
ちょっとうまくいきすぎでしょ。
かけがえのないものは手に入れたはず。欲張りすぎ。
最後のインド映画のような踊りと歌での終わり方は、
唐突だけど、、、粋だと思う。
(2009.11.8)
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル/アニル・カブール/イルファン・カーン/マドゥル・ミッタル/フリーダ・ピント
30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★☆
音楽と映像はかっこいいにつきる。
特にインドの風景を俯瞰でどんどんひいていく映像が好き。
スピード感があるし飽きることなく2時間はあっという間だった。
クイズの問題ひとつひとつから、
インド社会の実情を見せていく手法はおもしろい。
過酷なスラムの状況をかなりつっこんで描写していると思う。
インドを伝えるために
都合よく正解していくのはありだと思う。
だからこそ、最後ははずしてもよかったんじゃないかなぁ。
だって、わかんなかったんだもん。
ちょっとうまくいきすぎでしょ。
かけがえのないものは手に入れたはず。欲張りすぎ。
最後のインド映画のような踊りと歌での終わり方は、
唐突だけど、、、粋だと思う。
(2009.11.8)
トレインスポッティング
1996年
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレンナー/ジョニー・リー・ミラー/ケウ゛ィン・マクキッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/ピーター・ミュラン
30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★★
久しぶりに観た。やっぱりかっこいい。
当時はとんがってるところばかりが衝撃的だったけど、
今回はずいぶん馴染んで観ることができた。
今回の方がこの映画の良さがわかったような気がする。
ドラッグって、こわい。マジでこわいよ。
ワイドショーで「やっちゃダメ」っていってるのより、
こっちの方がずっと説得力がある。すごく、伝わる。
ユアン・マクレガーはやっぱり、このレントンが一番いい。
荒削りのところが面白かった。
そして、何をかいわんや、
ロバート・カーライルの職人的キレっぷりが、たまらない。
どうしようもなく厄介なオヤジの役なんだけど、
映画的には彼がいることで妙に落ち着く。
奥行きができるというか、、、
若者の映画だけに、こういう人って必要だよなって思う。
(2009.11.8)
イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレンナー/ジョニー・リー・ミラー/ケウ゛ィン・マクキッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/ピーター・ミュラン
30Oct.'09 早稲田松竹
★★★★★
久しぶりに観た。やっぱりかっこいい。
当時はとんがってるところばかりが衝撃的だったけど、
今回はずいぶん馴染んで観ることができた。
今回の方がこの映画の良さがわかったような気がする。
ドラッグって、こわい。マジでこわいよ。
ワイドショーで「やっちゃダメ」っていってるのより、
こっちの方がずっと説得力がある。すごく、伝わる。
ユアン・マクレガーはやっぱり、このレントンが一番いい。
荒削りのところが面白かった。
そして、何をかいわんや、
ロバート・カーライルの職人的キレっぷりが、たまらない。
どうしようもなく厄介なオヤジの役なんだけど、
映画的には彼がいることで妙に落ち着く。
奥行きができるというか、、、
若者の映画だけに、こういう人って必要だよなって思う。
(2009.11.8)
2010-06-16
つぐない
2007年
イギリス
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン
出演:キーラ・ナイトレイ/ジェイムズ・マカヴォイ/シーアシャ・ローナン/ロモーラ・ガライ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ブレンダ・ブレッシン
07May.'08 シネ・リーブルにて
★★★★★
ふつふつと沸き上がってくる感情をおさえられず、
犯してしまった少女の罪。
ブライオニーはその十字架を一生背負い続けることになる。
ブライオニーは自分のロビーへの思いが何なのかわからず、
どうしようもないもやもやしたものを抱えていたのだろう。
そんなブライオニーをよそに、
姉のセシリアとロビーがどんどん深くなっていく。
偶然二人を見てしまって、
見てはいけないもののような罪悪感やら、
それでも見てしまう好奇心やらを感じながら、
自分が子どもであるという焦りや美しい姉への嫉妬が、
自覚のないまま、重たくなりどんどん膨らんでいく。
手に負えなくなってしまった瞬間に悪魔がとり憑いた、、、
ロビーが捕まって、ブライオニーが成長するにつれ、
してしまった事の大きさに苛まれ、
罪の重さ痛みを感じなくてはならなくなる。
それが彼女のせめてものつぐないとして。
映画はとても丁寧に作られている印象。
映像も音楽も。
視線の違う場面を繰り返されるのも、悪くなかった。
シアーシャ・ローナンは内向的な少女を巧くやってた。
あの時代のイギリスのファッション、
彼女にすごく似合っててかわいらしかった。
イギリス
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン
出演:キーラ・ナイトレイ/ジェイムズ・マカヴォイ/シーアシャ・ローナン/ロモーラ・ガライ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ブレンダ・ブレッシン
07May.'08 シネ・リーブルにて
★★★★★
ふつふつと沸き上がってくる感情をおさえられず、
犯してしまった少女の罪。
ブライオニーはその十字架を一生背負い続けることになる。
ブライオニーは自分のロビーへの思いが何なのかわからず、
どうしようもないもやもやしたものを抱えていたのだろう。
そんなブライオニーをよそに、
姉のセシリアとロビーがどんどん深くなっていく。
偶然二人を見てしまって、
見てはいけないもののような罪悪感やら、
それでも見てしまう好奇心やらを感じながら、
自分が子どもであるという焦りや美しい姉への嫉妬が、
自覚のないまま、重たくなりどんどん膨らんでいく。
手に負えなくなってしまった瞬間に悪魔がとり憑いた、、、
ロビーが捕まって、ブライオニーが成長するにつれ、
してしまった事の大きさに苛まれ、
罪の重さ痛みを感じなくてはならなくなる。
それが彼女のせめてものつぐないとして。
映画はとても丁寧に作られている印象。
映像も音楽も。
視線の違う場面を繰り返されるのも、悪くなかった。
シアーシャ・ローナンは内向的な少女を巧くやってた。
あの時代のイギリスのファッション、
彼女にすごく似合っててかわいらしかった。
ブラインドサイト 〜小さな登山者たち〜
2006年
イギリス
監督:ルーシー・ウォーカー
出演:チベット盲学校の子どもたち/サブリエ・テンバーケン/エリック・ヴァイエンマイヤー
24Aug.'07 シネマライズにて
★★★★☆
どの国にも、どこにでも謂われのない差別があるのだと、
あらためて教えられた。
チベットはその歴史や背景はいろんなことがあるが、
チベット自体、
その人々はとても穏やかな国民性だと思っていた。
なのに、盲目の人たちにこんな辛辣な差別があったとは。
あともう少しというところで下山を決定した一行。
その賛否はいろいろあるだろう。
当の子どもたちの意見にもちゃんと耳を傾けてよと思った。
頭が痛かった子は「もう痛くないのに」って言っていた。
子どものころ、
大人が勝手に気をつかって何かしてくれることに、
「違うのに。そうじゃないのに」と感じていながら
何も言えなかった、
そんなもどかしさを思い出した。
その反面、下山した一行の決断も評価したい。
「目的は頂上じゃない」
というサブリエの言葉は印象的だった。
山はそんなに甘くはない。
ここで子どもたちが悔しく感じたのなら、それも経験だ。
あきらめることの勇気も、必要なことなのだ。
下山してからの子どもたちの生き生きした顔。
明らかに成長していた。
あの明るい突き抜けた顔をみせつけられたら、
この先の彼らの可能性は無限大だと思わずにはいられない。
彼らの頂上は、
これからのそれぞれの人生にあるということなのかもしれない。
(2007.8.25)
イギリス
監督:ルーシー・ウォーカー
出演:チベット盲学校の子どもたち/サブリエ・テンバーケン/エリック・ヴァイエンマイヤー
24Aug.'07 シネマライズにて
★★★★☆
どの国にも、どこにでも謂われのない差別があるのだと、
あらためて教えられた。
チベットはその歴史や背景はいろんなことがあるが、
チベット自体、
その人々はとても穏やかな国民性だと思っていた。
なのに、盲目の人たちにこんな辛辣な差別があったとは。
あともう少しというところで下山を決定した一行。
その賛否はいろいろあるだろう。
当の子どもたちの意見にもちゃんと耳を傾けてよと思った。
頭が痛かった子は「もう痛くないのに」って言っていた。
子どものころ、
大人が勝手に気をつかって何かしてくれることに、
「違うのに。そうじゃないのに」と感じていながら
何も言えなかった、
そんなもどかしさを思い出した。
その反面、下山した一行の決断も評価したい。
「目的は頂上じゃない」
というサブリエの言葉は印象的だった。
山はそんなに甘くはない。
ここで子どもたちが悔しく感じたのなら、それも経験だ。
あきらめることの勇気も、必要なことなのだ。
下山してからの子どもたちの生き生きした顔。
明らかに成長していた。
あの明るい突き抜けた顔をみせつけられたら、
この先の彼らの可能性は無限大だと思わずにはいられない。
彼らの頂上は、
これからのそれぞれの人生にあるということなのかもしれない。
(2007.8.25)
クィーン
2006年
イギリス・フランス・イタリア
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:ピーター・モーガン
出演:ヘレン・ミレン/マイケル・シーン/ジェイムズ・クロムウェル
05Oct.'07 早稲田松竹にて
★★★★☆
どうしてもダイアナ妃の側からみてしまいがちだけど、
エリザベス女王の側もみることができて、よかったと思う。
王室って、もっと頑としているものかと思っていたが、
結構国民の意見なんかに翻弄されているんだと、新鮮だった。
そういう場面が出てくるたびに、
我が国の皇室はどうなんだろうと思わざるをえなかった。
国民の声が健全に届いていることを切に願うばかりだ。
立場というものは、人間関係をホントに複雑にさせる。
王室でなければ、女王でなければ、単なる嫁姑の関係なら、
ダイアナがここまで疎ましい存在にはならなかっただろう。
鹿の場面での女王の涙は王室云々を超えていたと思う。
だが、そうはいっても女王は女王なわけで、
それでもそこを乗り越えて民衆に答えた女王は、
やはり女王だった。
ヘレン・ミレンの気品ある演技は圧巻。
美しい女王だった。
(2007.10.8)
イギリス・フランス・イタリア
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:ピーター・モーガン
出演:ヘレン・ミレン/マイケル・シーン/ジェイムズ・クロムウェル
05Oct.'07 早稲田松竹にて
★★★★☆
どうしてもダイアナ妃の側からみてしまいがちだけど、
エリザベス女王の側もみることができて、よかったと思う。
王室って、もっと頑としているものかと思っていたが、
結構国民の意見なんかに翻弄されているんだと、新鮮だった。
そういう場面が出てくるたびに、
我が国の皇室はどうなんだろうと思わざるをえなかった。
国民の声が健全に届いていることを切に願うばかりだ。
立場というものは、人間関係をホントに複雑にさせる。
王室でなければ、女王でなければ、単なる嫁姑の関係なら、
ダイアナがここまで疎ましい存在にはならなかっただろう。
鹿の場面での女王の涙は王室云々を超えていたと思う。
だが、そうはいっても女王は女王なわけで、
それでもそこを乗り越えて民衆に答えた女王は、
やはり女王だった。
ヘレン・ミレンの気品ある演技は圧巻。
美しい女王だった。
(2007.10.8)
敬愛なるベートーヴェン
2006年
イギリス・ハンガリー
監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス/ダイアン・クルーガー/マシュー・グード/ラルフ・ライアック/ジョー・アンダーソン/ビル・スチュワート
21Jan.'07 シアターN渋谷にて
★★★☆☆
エド・ハリスはがんばっていたと思う。
このベートーヴェン、悪くはなかったと思う。
人間くささがたっていたせいか、
神に近い存在とかってことを語られても厭味はなかった。
妙に納得した。
アンナ・ホルツはかわいかった。
若さも含めて。 う〜ん、でもそうだな、
おんなのこって感じだった。
第九の場面は確かに圧巻。
カラダに音がびんびん伝わってきた。
この10分ちょっとを堪能できただけでも
この映画の価値はあったかもしれない。
でも、なんだろう。
この時代背景にして建物とかも重厚で立派だし、
衣装もそれなりなのに、
なんか重みというか深みというか、
が感じられなかった。
とにかく気になってしょうがなかったのは、
むやみやたらに望遠レンズを多用している映像。
効果を狙ってるのだとしたら、うるさすぎ。やりすぎ。
もっと、しっとり見せて欲しかった。
光のかんじはすごく好みだったのだけど。
それが残念だった。
(2007.1.22)
イギリス・ハンガリー
監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス/ダイアン・クルーガー/マシュー・グード/ラルフ・ライアック/ジョー・アンダーソン/ビル・スチュワート
21Jan.'07 シアターN渋谷にて
★★★☆☆
エド・ハリスはがんばっていたと思う。
このベートーヴェン、悪くはなかったと思う。
人間くささがたっていたせいか、
神に近い存在とかってことを語られても厭味はなかった。
妙に納得した。
アンナ・ホルツはかわいかった。
若さも含めて。 う〜ん、でもそうだな、
おんなのこって感じだった。
第九の場面は確かに圧巻。
カラダに音がびんびん伝わってきた。
この10分ちょっとを堪能できただけでも
この映画の価値はあったかもしれない。
でも、なんだろう。
この時代背景にして建物とかも重厚で立派だし、
衣装もそれなりなのに、
なんか重みというか深みというか、
が感じられなかった。
とにかく気になってしょうがなかったのは、
むやみやたらに望遠レンズを多用している映像。
効果を狙ってるのだとしたら、うるさすぎ。やりすぎ。
もっと、しっとり見せて欲しかった。
光のかんじはすごく好みだったのだけど。
それが残念だった。
(2007.1.22)
ローズ・イン・タイドランド
2005年
イギリス・カナダ
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー/ジャネット・マクティア/ブレンダン・フレッチャー
20Nov.'06 ギンレイホールにて
★★★★☆
孤独感、不安感、寂寥感、焦燥感、、、
とらえどころのない恐怖がずっとあった。
いつまでたっても、ほっとできない。
ローズはぐっすり眠れていたのだろうか。
ローズはバービー人形の頭の部分だけを指にはめて、
一人遊びをしていた。
無邪気に遊ぶ姿は子どもらしくかわいらしい。
しかし、そこに人形の頭が4つ並んで、
何も語らぬ顔が無表情なままこちらをみつめている。
子どものおもちゃなのに、なんとも意味ありげなのだ。
そのアンバランスさに息が詰まりそうだった。
ローズの端正な顔立ちが美しすぎて、
大人を見透かしていながらも、
その眼がなおもけがれがなくせつなかった。
テリー・ギリアムの映画とは、
いままでどうも相性が悪かったらしく、
決して嫌いな世界感ではないのにいつも理解不能だった。
でも、この映画はなかなかだと思った。
(2006.11.21)
イギリス・カナダ
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー/ジャネット・マクティア/ブレンダン・フレッチャー
20Nov.'06 ギンレイホールにて
★★★★☆
孤独感、不安感、寂寥感、焦燥感、、、
とらえどころのない恐怖がずっとあった。
いつまでたっても、ほっとできない。
ローズはぐっすり眠れていたのだろうか。
ローズはバービー人形の頭の部分だけを指にはめて、
一人遊びをしていた。
無邪気に遊ぶ姿は子どもらしくかわいらしい。
しかし、そこに人形の頭が4つ並んで、
何も語らぬ顔が無表情なままこちらをみつめている。
子どものおもちゃなのに、なんとも意味ありげなのだ。
そのアンバランスさに息が詰まりそうだった。
ローズの端正な顔立ちが美しすぎて、
大人を見透かしていながらも、
その眼がなおもけがれがなくせつなかった。
テリー・ギリアムの映画とは、
いままでどうも相性が悪かったらしく、
決して嫌いな世界感ではないのにいつも理解不能だった。
でも、この映画はなかなかだと思った。
(2006.11.21)
プルートで朝食を
2005年
アイルランド・イギリス
監督:ニール・ジョーダン
出演:キリアン・マーフィー/リーアム・ニーソン/スティーヴン・レイ/ブライアン・フェリー/イアン・ハート
03Nov.'06 三軒茶屋シネマにて
★★★★☆
まず、キトゥンの美しさにやられました。
ファッションもことごとくかわいい。
当時アイルランドの時代背景は暗く重苦しい。
キトゥンはそうでなくても生きにくい状況にありながらも、
そういう時代だからこそなのか、
すごく正直に生きている。その姿に感銘をうける。
「深刻」とか「真剣」をことごとく嫌っていた。
すごく辛い立場にあるのに、
のほほんとふるまうことで、
キトゥンのキャラクターを成り立たせていたと思う。
そういう図太さに見習うべきところは多い。
始まってすぐの音楽『Sugar Baby Love』の明るいこと。
そういう場面じゃないだろってところでも
ずっと続く『Sugar Baby Love』
なんか、これに全てが象徴されていると感じた。
なかなか元気をもらった映画だった。
(2006.11.6)
アイルランド・イギリス
監督:ニール・ジョーダン
出演:キリアン・マーフィー/リーアム・ニーソン/スティーヴン・レイ/ブライアン・フェリー/イアン・ハート
03Nov.'06 三軒茶屋シネマにて
★★★★☆
まず、キトゥンの美しさにやられました。
ファッションもことごとくかわいい。
当時アイルランドの時代背景は暗く重苦しい。
キトゥンはそうでなくても生きにくい状況にありながらも、
そういう時代だからこそなのか、
すごく正直に生きている。その姿に感銘をうける。
「深刻」とか「真剣」をことごとく嫌っていた。
すごく辛い立場にあるのに、
のほほんとふるまうことで、
キトゥンのキャラクターを成り立たせていたと思う。
そういう図太さに見習うべきところは多い。
始まってすぐの音楽『Sugar Baby Love』の明るいこと。
そういう場面じゃないだろってところでも
ずっと続く『Sugar Baby Love』
なんか、これに全てが象徴されていると感じた。
なかなか元気をもらった映画だった。
(2006.11.6)
この自由な世界で
2007年
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/マギー・ハッセー/レイモンド・マーンズ/ダヴード・ラスグー
04Aug.'09 DVD
★★★★★
これは、辛いよ。
八方塞がりだもん。これまた、救われない。
自由という落し穴に嵌ってしまったな、という印象。
生きるため、ジェイミーのため、についた嘘。
そのしっぺ返しは必ずやってくる。
この窮地を抜け出せば、倍にして返すからと、
だから大丈夫だと、散々いいわけをして、自分を納得させて、
でも上手くいかなくて、ずるずる深みに嵌っていく。
上手くいったとしても、次へ次へと留まるところを知らない。
不安に駆られて、結局深みに嵌っていく。
ちいさな嘘がいつの間にか膨れ上がっていく。
そうして追い込まれて、一線を超えてしまう。
人間として非情なことをしてしまう。
当然、恨みや妬みの感情が蔓延っていく。
負のスパイラルに堕ちていく。
アンジーはエネルギッシュで行動力があるけど、
安易に物事を済ませてしまうところがある。
一方で、いつも何かに追い込まれて、
余裕がない感じがする。
彼女の猾さも弱さも、
映画はあからさまにごまかすことなく見せていた。
そのせいで、妙なリアリティがあった。
明日は我が身だよなって思った。他人事じゃない。
だから観てて、息がうまくできなくなっていた。
どうしようもなく苦しくなった。
アンジーがちょっと立ち止まって、深呼吸をして、
ちょっと離れて自分の状況を見ることができたら、いいのに。
そんなことをずっと思って、観てた。
(2009.8.5)
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/マギー・ハッセー/レイモンド・マーンズ/ダヴード・ラスグー
04Aug.'09 DVD
★★★★★
これは、辛いよ。
八方塞がりだもん。これまた、救われない。
自由という落し穴に嵌ってしまったな、という印象。
生きるため、ジェイミーのため、についた嘘。
そのしっぺ返しは必ずやってくる。
この窮地を抜け出せば、倍にして返すからと、
だから大丈夫だと、散々いいわけをして、自分を納得させて、
でも上手くいかなくて、ずるずる深みに嵌っていく。
上手くいったとしても、次へ次へと留まるところを知らない。
不安に駆られて、結局深みに嵌っていく。
ちいさな嘘がいつの間にか膨れ上がっていく。
そうして追い込まれて、一線を超えてしまう。
人間として非情なことをしてしまう。
当然、恨みや妬みの感情が蔓延っていく。
負のスパイラルに堕ちていく。
アンジーはエネルギッシュで行動力があるけど、
安易に物事を済ませてしまうところがある。
一方で、いつも何かに追い込まれて、
余裕がない感じがする。
彼女の猾さも弱さも、
映画はあからさまにごまかすことなく見せていた。
そのせいで、妙なリアリティがあった。
明日は我が身だよなって思った。他人事じゃない。
だから観てて、息がうまくできなくなっていた。
どうしようもなく苦しくなった。
アンジーがちょっと立ち止まって、深呼吸をして、
ちょっと離れて自分の状況を見ることができたら、いいのに。
そんなことをずっと思って、観てた。
(2009.8.5)
麦の穂をゆらす風
2006年
イギリス・アイルランド・フランス
監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィ/ポーリック・デラニー/リーアム・カニンガム/オーラ・フィッツジェラルド
25Jan.'07 シネカノン有楽町にて
★★★★★
こんなに怖い、おそろしさを感じた映画はないと思う。
どうしても行き詰まるしかない息苦しさ。
静かに淡々と、でも痛さをカラダじゅうで感じながらの126分。
矛盾が矛盾を呼び、 解きほどけない迷路に落としこまれる。
初めの敵はイギリス大国だったのが、
いづれ、内戦にすり替わり、
気がつくと仲間だったはずの、友達や兄弟が敵になる。
どうしても免れない戦争の構図。
あらためて、戦争の残酷さを突きつけられた。
(2007.1.26)
イギリス・アイルランド・フランス
監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィ/ポーリック・デラニー/リーアム・カニンガム/オーラ・フィッツジェラルド
25Jan.'07 シネカノン有楽町にて
★★★★★
こんなに怖い、おそろしさを感じた映画はないと思う。
どうしても行き詰まるしかない息苦しさ。
静かに淡々と、でも痛さをカラダじゅうで感じながらの126分。
矛盾が矛盾を呼び、 解きほどけない迷路に落としこまれる。
初めの敵はイギリス大国だったのが、
いづれ、内戦にすり替わり、
気がつくと仲間だったはずの、友達や兄弟が敵になる。
どうしても免れない戦争の構図。
あらためて、戦争の残酷さを突きつけられた。
(2007.1.26)
やさしくキスをして
2004年
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:エヴァ・バーシッスル/アッタ・ヤクブ/アーマッド・リアス/シャムシャド・アクタール/シャバナ・バクーシギザラ・エイヴァン/ゲイリー・ルイス/デイヴィッド・マッケイ/シャイ・ラムザン/ジェラルド・ケリー/ジョン・ユール/スンナ・ミルザ/パーシャ・ボカリー
15Jul.'09 DVD
★★★★☆
イスラム教徒のパキスタン人移民2世のカシムと、
カトリックであるアイルランド人の音楽教師のラシーンとの、
恋の物語。
二人の恋に宗教の壁が大きく立ちはだかる。
この恋を貫いて異教徒間の結婚となると、
カシムはムスリムのコミュニティから締め出され、
家族を失うばかりか、家族を窮地に追いやることになる。
カシムの姉の縁談も壊れてしまう。
一方ラシーンも教師の仕事が本採用になり、
カトリック教徒である証明を司祭にもらいにいくのだが、
カシムと同棲していることをつつかれ、
また前の夫との離婚が成立していなかったりで、
なんとも、ややこしい。
カシムはラシーンか家族かで揺れて、苦悩の堂々巡り。
ラシーンだって、カシムにはつめよるものの、
カシムをとることで、自分が積み上げてきたものを、
失うかもしれないストレスを感じている。
二人の恋を実らせてあげたいけど、
それが周りを傷つけるのだとしたら、
ホントに二人の幸せになるのかな。
うーん。むずかしい。
結局、答えは出てないように感じたけど、
どうだろう。
カシムはあれだけじゃ家族を振り切ってないでしょ。
安易に二人の恋を盛り上げて、
それで完結なんてことにしていないところが、
ケン・ローチのすごいところだと思う。
二人は、特にカシムは思う存分悩んで堂々巡りをやるべき。
パキスタン人移民が、
頑にムスリムのコミュニティを守ろうとするのは、
当然なことだと理解できるけど、
でもここはグラスゴーで白人がいるところなわけで、
こんな恋がさして特別なこととも思えず、
よくあることなのだとしたら、
いろんな歴史や軋轢があったとしても、
それを乗り越えて、
そろそろお互いの共生を考えなくちゃならないんじゃないか、
というメッセージが込められているように思うんだけど、
どうだろう。
(2009.7.16)
イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:エヴァ・バーシッスル/アッタ・ヤクブ/アーマッド・リアス/シャムシャド・アクタール/シャバナ・バクーシギザラ・エイヴァン/ゲイリー・ルイス/デイヴィッド・マッケイ/シャイ・ラムザン/ジェラルド・ケリー/ジョン・ユール/スンナ・ミルザ/パーシャ・ボカリー
15Jul.'09 DVD
★★★★☆
イスラム教徒のパキスタン人移民2世のカシムと、
カトリックであるアイルランド人の音楽教師のラシーンとの、
恋の物語。
二人の恋に宗教の壁が大きく立ちはだかる。
この恋を貫いて異教徒間の結婚となると、
カシムはムスリムのコミュニティから締め出され、
家族を失うばかりか、家族を窮地に追いやることになる。
カシムの姉の縁談も壊れてしまう。
一方ラシーンも教師の仕事が本採用になり、
カトリック教徒である証明を司祭にもらいにいくのだが、
カシムと同棲していることをつつかれ、
また前の夫との離婚が成立していなかったりで、
なんとも、ややこしい。
カシムはラシーンか家族かで揺れて、苦悩の堂々巡り。
ラシーンだって、カシムにはつめよるものの、
カシムをとることで、自分が積み上げてきたものを、
失うかもしれないストレスを感じている。
二人の恋を実らせてあげたいけど、
それが周りを傷つけるのだとしたら、
ホントに二人の幸せになるのかな。
うーん。むずかしい。
結局、答えは出てないように感じたけど、
どうだろう。
カシムはあれだけじゃ家族を振り切ってないでしょ。
安易に二人の恋を盛り上げて、
それで完結なんてことにしていないところが、
ケン・ローチのすごいところだと思う。
二人は、特にカシムは思う存分悩んで堂々巡りをやるべき。
パキスタン人移民が、
頑にムスリムのコミュニティを守ろうとするのは、
当然なことだと理解できるけど、
でもここはグラスゴーで白人がいるところなわけで、
こんな恋がさして特別なこととも思えず、
よくあることなのだとしたら、
いろんな歴史や軋轢があったとしても、
それを乗り越えて、
そろそろお互いの共生を考えなくちゃならないんじゃないか、
というメッセージが込められているように思うんだけど、
どうだろう。
(2009.7.16)
SWEET SIXTEEN
2002年
イギリス・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:マーティン・コムストン/ウィリアム・ルアン/アンマリー・フルトン/ミッシェル・アバークロンビー/ミッシェル・クルター/ゲイリー・マコーマック/トミー・マッキー/カラム・マッカリーズ
11Jul.'09 DVD
★★★★★
やりきれない。。。
リアムの母親を思う気持ち、
家族と一緒に住む夢、が、あまりに切ない。
些細な幸せを求めてるだけなのに、
たったそれだけが、あまりに遠い。
15歳の少年にはあまりに過酷だ。
ひとつ間違いを起こしてしまったことで、
お約束通り転がり続け、堕ちていく。
お姉ちゃんだって10代なのだと、後で知ってびっくり。
10代でシングルマザーで、
自分の母親の女の性をこの齢で理解して、
リアムをたしなめなくちゃならないなんて、
これまた、キツい。
境遇が、無理にでも大人にさせるんだろうか。
そうそう上手くはいかないだろうと思いながらも、
なんとかあの海の家に住まわせてあげたかった。
トレーラーを改造したような粗末だけど、
どこかかわいらしくて家族が仲良くなれそうな家。
なのに、なのに、、、
この映画の後のリアムが気になる。
母親の出所までは一緒に住むという目的があったから、
それに突き進んでいたけど、
これからどうなっちゃうんだろう。
あ〜、やっぱり、やりきれない!
主人公のマーティン・コムストン。
目がいい。すごく、いい。
久々にかっこいいコをみつけちゃった。
(2009.7.13)
イギリス・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
出演:マーティン・コムストン/ウィリアム・ルアン/アンマリー・フルトン/ミッシェル・アバークロンビー/ミッシェル・クルター/ゲイリー・マコーマック/トミー・マッキー/カラム・マッカリーズ
11Jul.'09 DVD
★★★★★
やりきれない。。。
リアムの母親を思う気持ち、
家族と一緒に住む夢、が、あまりに切ない。
些細な幸せを求めてるだけなのに、
たったそれだけが、あまりに遠い。
15歳の少年にはあまりに過酷だ。
ひとつ間違いを起こしてしまったことで、
お約束通り転がり続け、堕ちていく。
お姉ちゃんだって10代なのだと、後で知ってびっくり。
10代でシングルマザーで、
自分の母親の女の性をこの齢で理解して、
リアムをたしなめなくちゃならないなんて、
これまた、キツい。
境遇が、無理にでも大人にさせるんだろうか。
そうそう上手くはいかないだろうと思いながらも、
なんとかあの海の家に住まわせてあげたかった。
トレーラーを改造したような粗末だけど、
どこかかわいらしくて家族が仲良くなれそうな家。
なのに、なのに、、、
この映画の後のリアムが気になる。
母親の出所までは一緒に住むという目的があったから、
それに突き進んでいたけど、
これからどうなっちゃうんだろう。
あ〜、やっぱり、やりきれない!
主人公のマーティン・コムストン。
目がいい。すごく、いい。
久々にかっこいいコをみつけちゃった。
(2009.7.13)
2010-06-13
ラストキング・オブ・スコットランド
2006年
アメリカ・イギリス
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:フォレスト・ウィテカー/ジェームズ・マカヴォイ/ケリー・ワシントン
05Oct.'07 早稲田松竹にて
★★★★☆
恐怖におびえて恐怖を呼ぶ。
身がすくむほど、息がつまるほど、
とにかく怖い映画だった。
独裁者を作り上げることなんて、
案外簡単なことなのだ。
ほんの小さな不信をひとつ招くことで、
どこまでも残酷になれる。
アミンはそもそもはひとなつっこい人だったと思う。
彼がそんなに特別だったはずもないと思う。
フォレスト・ウィテカーはすごかった。
アミンの怖さ、弱さ、人間臭さ、残酷さ、
その全てを知り尽くしている演技。
もうあの顔を見たくないと思わせ、
出てくるたびに心臓が飛び出そうになった。
ドキュメンタリーではないけど、
それ以上にリアルだった。
ウガンダの悲惨な歴史は確実に描かれていた。
それだけで十分だと思った。
(2007.10.8)
アメリカ・イギリス
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:フォレスト・ウィテカー/ジェームズ・マカヴォイ/ケリー・ワシントン
05Oct.'07 早稲田松竹にて
★★★★☆
恐怖におびえて恐怖を呼ぶ。
身がすくむほど、息がつまるほど、
とにかく怖い映画だった。
独裁者を作り上げることなんて、
案外簡単なことなのだ。
ほんの小さな不信をひとつ招くことで、
どこまでも残酷になれる。
アミンはそもそもはひとなつっこい人だったと思う。
彼がそんなに特別だったはずもないと思う。
フォレスト・ウィテカーはすごかった。
アミンの怖さ、弱さ、人間臭さ、残酷さ、
その全てを知り尽くしている演技。
もうあの顔を見たくないと思わせ、
出てくるたびに心臓が飛び出そうになった。
ドキュメンタリーではないけど、
それ以上にリアルだった。
ウガンダの悲惨な歴史は確実に描かれていた。
それだけで十分だと思った。
(2007.10.8)
2010-06-07
タロットカード殺人事件
2006年
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン/ヒュー・ジャックマン/ウディ・アレン/イアン・マクシェーン
23Jan.'08 吉祥寺バウスシアターにて
★★★★★
殺人事件っていうほどサスペンス感もないし、
原題は『Scoop』だけど、 最初っからネタはばれてるし、
なんのひねりもないし、 相変わらずぶちぶちグチってるし、
英国紳士を差しおいて、結局ウディがいい思いをしてるし。
『注文の多い料理店』みたいにタイトルにはいい具合に、
裏切られてしまった。タロットカードだもん。
なんか意味深かと思うじゃない。
まんまと騙された。
もしこの邦題、そこまで狙ってたんだとしたら、
ちょっとすごいかも。
前作の『マッチポイント』が
(比べるのはヤボだとは思うけど)
あまりに巧妙だったせいか、
え?なんにもないじゃんって、
観終わって、気づいてしまった。
ちょっと、戸惑ってしまった。
が、しかしなのだ。
観終わるまで、そんなこと微塵も感じさせない。
それがウディのウディなる所以か。
ところどころクスクス笑えるユーモアがふんだんにあるし、
スカーレット・ヨハンソンはなんだかんだでかわいいし、
それはそれで、納得させられ満足してしまったのだ。
シドニーの、
いやいやウディの、マジックを、
ワタシもかけられてしまったかのよう。
ま、むずかしいことは考えてもしょーがない。
満足したならいいじゃん、それで。
肩の力はぬいて、
ただただ楽しむ。おもしろがる。
そんな映画かな。
(2008.1.23)
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン/ヒュー・ジャックマン/ウディ・アレン/イアン・マクシェーン
23Jan.'08 吉祥寺バウスシアターにて
★★★★★
殺人事件っていうほどサスペンス感もないし、
原題は『Scoop』だけど、 最初っからネタはばれてるし、
なんのひねりもないし、 相変わらずぶちぶちグチってるし、
英国紳士を差しおいて、結局ウディがいい思いをしてるし。
『注文の多い料理店』みたいにタイトルにはいい具合に、
裏切られてしまった。タロットカードだもん。
なんか意味深かと思うじゃない。
まんまと騙された。
もしこの邦題、そこまで狙ってたんだとしたら、
ちょっとすごいかも。
前作の『マッチポイント』が
(比べるのはヤボだとは思うけど)
あまりに巧妙だったせいか、
え?なんにもないじゃんって、
観終わって、気づいてしまった。
ちょっと、戸惑ってしまった。
が、しかしなのだ。
観終わるまで、そんなこと微塵も感じさせない。
それがウディのウディなる所以か。
ところどころクスクス笑えるユーモアがふんだんにあるし、
スカーレット・ヨハンソンはなんだかんだでかわいいし、
それはそれで、納得させられ満足してしまったのだ。
シドニーの、
いやいやウディの、マジックを、
ワタシもかけられてしまったかのよう。
ま、むずかしいことは考えてもしょーがない。
満足したならいいじゃん、それで。
肩の力はぬいて、
ただただ楽しむ。おもしろがる。
そんな映画かな。
(2008.1.23)
マッチポイント
2005年
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ/スカーレット・ヨハンソン
06Sep.'06 恵比寿ガーデンシネマにて
★★★★★
観終わって、ワタシのアタマは???がいっぱいだった。
ロマンスに落ちるのが、
雨だという設定からしてありきたり感があり、
その後は質の悪い昼ドラを見せられているような気になり、
それに思わせぶりなCG、で、結末は、、、
映画館から一歩出てふと、思った。
あ〜〜これって、ウッディ・アレンにやられてんじゃん。
要は究極のダメ男を描いていたのね。ナルホド!
マッチポイントってコト自体、
すごく皮肉が込められている。
ボールがコートのあっちとかこっちとか、
勝ちとか負けとか、 そんなことはどうでもよくて、
それにこだわる世間への警告だったのだ。
一見よかったねって思わせておいて、
おいおい、ホントによかったの?って、
無言で問いかけている。
すごいなぁ。こんな手法、初めて観た。
スカーレット・ヨハンソン。
なんかすっごく艶っぽかったなぁ。
『ロスト・イン・トランスレーション』の時は、
まだあどけなさがあって、かわいかった。
あれからまだ2~3年しかたってないのに、
すっかり牝狐ぶりを発揮していた。
これ、演技だよね、恐るべし。
(2006.9.7)
イギリス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ/スカーレット・ヨハンソン
06Sep.'06 恵比寿ガーデンシネマにて
★★★★★
観終わって、ワタシのアタマは???がいっぱいだった。
ロマンスに落ちるのが、
雨だという設定からしてありきたり感があり、
その後は質の悪い昼ドラを見せられているような気になり、
それに思わせぶりなCG、で、結末は、、、
映画館から一歩出てふと、思った。
あ〜〜これって、ウッディ・アレンにやられてんじゃん。
要は究極のダメ男を描いていたのね。ナルホド!
マッチポイントってコト自体、
すごく皮肉が込められている。
ボールがコートのあっちとかこっちとか、
勝ちとか負けとか、 そんなことはどうでもよくて、
それにこだわる世間への警告だったのだ。
一見よかったねって思わせておいて、
おいおい、ホントによかったの?って、
無言で問いかけている。
すごいなぁ。こんな手法、初めて観た。
スカーレット・ヨハンソン。
なんかすっごく艶っぽかったなぁ。
『ロスト・イン・トランスレーション』の時は、
まだあどけなさがあって、かわいかった。
あれからまだ2~3年しかたってないのに、
すっかり牝狐ぶりを発揮していた。
これ、演技だよね、恐るべし。
(2006.9.7)
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