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2010-06-24

エル・スール

1983年 
スペイン/フランス
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングレーン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/ジェルメーヌ・モンテロ/オロール・クレマン

 07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★

娘と父親の間の微妙な波動が、
温かいんだけどなんとなく不調和を感じてしまって、
知らないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。
泣くようなシーンじゃないだけに、
自分でもびっくりした。

エストレリャの父アグスティンを思う気持ちが、
痛いほど伝わる。
父親は慕うべき大きな存在で、
その背中をいつも追いかけていた。
なのに、 いつの間にか立場が逆転することがあろうとは。
父親としてはそれが堪えられなかったのか、、、
それだけじゃないだろうけど、
しかしエストレリャにとっては結果的に、
一生追い続けるしかできない存在になってしまった。

静かに静かに、知らない間に、
気がついたら状況が変わっていた。
それは時の流れのせいなのか、
エストレリャの成長のせいなのか、
どうすることもできないことだけに、
ちょっと残酷なものを感じた。

映像は『ミツバチ〜』もそうだけど、
光と闇の操り方が絶妙。
アングルも、すごく好き。
ずっと観ていたくなる。
この世界に入りたくなる。
またどこかでやってくれないかな。
また映画館で観たい。
(2009.11.21)

ミツバチのささやき

1973年 
スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン・ゴメス/テレサ・ジンベラ

07Nov.'09 早稲田松竹
★★★★★

スペイン内戦を時代背景にしているせいか、
どこか緊張感を抱えながら、 静かに静かに、
ゆっくりした時間が流れていく。

アナの黒目の清らかなこと。
まっすぐで純粋な視線なだけに、
ココロまで見透かされそうでドギマギしちゃう。

ミツバチの羽音、
姉妹のベッドでのささやき声、
風の音、機関車の音、、、

蜂の巣、窓、
懐中時計、毒きのこ、
フランケンシュタイン、
影絵、黒猫、焚き火、
精霊、井戸、廃屋、脱走兵、
りんご、手紙、、、

キーワードが多いなぁ。
どこを切りとっても、美しすぎる抒情詩。
そわそわさせられながらも、
何かを感じないわけにはいかなくなる。

アナは意識の中で現実と幻想をいったりきたりしながら、
少しずつ変わっていく。
こうして大きくなっていくんだなと思った。
(2009.11.21)