ラベル 男って、女って、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 男って、女って、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010-11-07

愛のコリーダ 2000

1976年
日本
監督・脚本:大島渚 製作:若松孝二
出演:藤竜也/松田英子/中島葵/芹明香/阿部マリ子/殿山泰司/藤ひろ子/白石奈緒美/青木真知子/東祐里子/安田清美/小山明子

02Oct.'10 新文芸座
★★★★★


20代で初めて観た時は、ポルノにしか思えず、
途中でギブアップ。
10年前に完全ノーカット版が上映された時は、
最後まで観るも、意味が分からず、理解できず。
しかしながら、40代の今なら、
吉蔵と定の愚かさや哀れさをも受け入れながら、
この上なく美しい映画だと真に思う。

藤竜也、若いなぁ。
精悍な躯がきれいだなぁと眺めてた。
松田英子の一途な感じに、すごく好感がもてた。
阿部定はいろんな女優がやっているけど、
ワタシには松田英子の阿部定しか、
もはやあり得なくなっている。

戦時中にありながら、
性の快楽に明け暮れている二人。
わざわざ出征のシーンを入れて、
世の中がそんな状況でも、
二人はその欲望に溺れていて、二人をとことん貶めている。
それでもなお、溺れながらも、お互いを思う愛を感じさせる。
結局、究極の結末となるけど、
吉蔵もその瞬間は絶頂だっただろうし、
定もその後の人生にどんな試練があろうとも、
それ以上の幸福感に満ちあふれていただろう。
そして、
108分うちのほとんどが性交渉なのにも関わらず、
不快にならないのは、二人の愛情が、
何の飾り気もなくむき出しのまま、
描かれているからだろう。
(2010.10.21)

2010-09-02

ロング・エンゲージメント

2004年
フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトウ/ギャスパー・ウリエル/ドミニク・ピノン/クローヴィス・コルニヤック/ジェローム・キルシャー/シャンタル・マーヴィルト/アルベール・デュポンテル/ドニ・ラヴァン/ジャン・ピエール・ベッケル/ドミニク・ベテンフェルド/ジャン=ピエール・ダルッサン/ジョディ・フォスター/ブーリ・ランネール/ティエリー・ギボール/フィリップ・デュクズヌ/ソレーヌ・ル・ペション・ヴァルジル・ルクレール/ジュリー・ドパルデュー・マウド・レイヤー/チェッキー・カリョ/フランソワ・ルヴァンタル/ミシェル・ヴュイエルモーズ

01Sep.'10 早稲田松竹
★★★★☆

初っ端から、塹壕を歩いている。暗い。寒い。
第一次世界大戦の最中、死刑を宣告されている5人の兵士。
その中にマチルドの恋人、マネクもいた。
容赦なく、えげつなく、扱われている。。。
つい身を硬くしてしまう。

戦場ではブルーの映像で、
マチルド関連はアンバーの映像。
なんか飽きるよなぁって思いながらも、
ところどころで、そこはジュネ、ジュネ色が健在で、
色味がなくても、深いなぁと思うところが、ある。
とかく戦場シーンは、暗くて、
よくありがちな陰影が濃い映像ではあるんだけど、
でも、ちゃんとジュネ色になってる。
どうしてそう見えるんだろう。ホントにすごいよ。

絶望的状況でありながら、
それでもマネクが生きていると信じて貫くマチルド。
おまじないって、いい方法だな。
理由のない希望が持てる。勇気が沸く。
で、問題は抱えながらも、
大手を振って、ハッピーエンドではないけど、
でも、絶望からは救われてる。。。
生きてることもまんざらじゃないと思わせてくれる。
この絶妙な展開が、厭な後味を残さないのだろう。

登場人物が多くて、
相関図が混がらがって、どうにも怪しくなっちゃった。
この人は誰の恋人だっけ? なんて、ちょっと大変だった。
ジョディ・フォスターが出てると知って、後でびっくり。
なんか似てる人がいるなぁとは思ってたけど、
こっちはストーリーを追うのが必死だから、
そこに気づく余裕がなかったのよ。

もう一度、落ち着いて観たい映画だなと、切に思う。

2010-08-31

黒蜥蜴

1968年
日本
監督:深作欣二 原作:江戸川乱歩 戯曲:三島由紀夫
出演:丸山明宏/木村功/川津祐介/宇佐見淳弥/松岡きっこ/西村晃/小林トシ子/丹波哲郎/三島由紀夫

28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやはや、いやはや。
『黒蜥蜴』は結局、黒蜥蜴あってこそ。
大映版が京マチ子なら、
こちらは丸山明宏の独壇場。

もう、美しすぎる。ため息もの。
可憐でいながら、艶かしい。
その芳醇な姿から目が離せなくなった。
ホテルから逃げる男装姿には、
なんだか妙な錯覚をおこしてしまった。

オープニングのアングラ感はなかなか好きかも。
大映版から6年で随分洗練されたなぁと思う。

ただ、ストーリーは陳腐に感じてしまった。
同じ日に『陰獣』を観たせいかもしれないけど。
でもエンターテイメント性は『黒蜥蜴』の方があるんだろうな。

三島由紀夫がどういう風に出てくるのか興味津々だったけど、
さすがに、びっくり。笑っちゃった。

黒蜥蜴

1962年
日本
監督:井上梅次 原作:江戸川乱歩 劇化:三島由紀夫
出演:京マチ子/大木実/叶順子/三島雅夫/目黒幸子/川口浩/緋桜陽子/杉田康

 28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやはや、
オールナイトで江戸川乱歩特集4作目で、
さすがに朦朧としていて、最後がこれでよかった(笑)

オドロオドロしい『黒蜥蜴』を想像していたので、
肩すかしで、笑えた。
京マチ子はさすがだ。
男装で踊ってるし。
不意をつかれてあっけにとられたけど、
別の意味で期待を裏切らない。

同じ日に丸山明宏のも観ていて、
どちらも劇化に三島由紀夫が絡んでいて、
だいたい台詞は同じ感じだったけど、
こうも違うものになるっていうのが、面白かった。
監督の違い? 配給会社の影響? 

ま、なんにしろ、京マチ子につきる。
大阪のホテルでの着物姿は、
どこにでもいそうなおばさんなのに、
ドレスになるとしっかり悪女になる。
で、この存在感。

こういう女優がいたということが、
この時代の映画の豊かさを物語っているように思う。

江戸川乱歩の陰獣

1977年
日本
監督:加藤泰 原作:江戸川乱歩
出演:あおい輝彦/香山美子/大友柳太朗/川津祐介/中山仁/仲谷昇/野際陽子/田口久美/加賀まりこ/尾藤イサオ/任田順好/若山富三郎/藤岡琢也/菅井きん/倍賞美津子

28Aug.'10 新文芸座
★★★☆☆

いやいや、悪くはないとは思うんだけど。
なんだろう。何が足りないのか、
何が違うのか。。。

香山美子は艶かしかった。
楚々とした着物姿の虫も殺さぬような顔した女で、
しかし実はとんだ食わせ者だったってのが、
うまく描かれてたと思う。
自分で寒川に相談しておきながら、
寒川が謎解きをしていこうとすると、
ココロここにあらず、我関せず、な感じで、
気持ちはもう、、、違うところにいっちゃってる。。。
その表情になんだかそそられちゃった。

なんだけど、
その肝心要の寒川の謎解きが、、、うーん。
全体的に雰囲気はあるだけに、
ここが棒読みだとちょっとツライ。。。
棒読みというか、一生懸命すぎるというか、
がんばっちゃってるというか、力が入りすぎてるというか、
ヘっ?て思って、ふとこっちが我にかえっちゃったよ。
ここは幻想に漂わさせてほしかった。。。

でも、変に回想シーンとか入れてないところは、
よかったと思う。
ワタシは原作読んでないけど、トリックはよくわかったし。
これ以上説明する必要はないと思う。
あ〜、だからこそ酔わせてほしかった。残念。


あとやっぱり、囲碁のシーンは好き。
直接的に云わずに、何を意味しているのか、
映像と音で怪しく表現してるのは、面白かった。
ちょっと、ぞくぞくしたし。
加藤泰監督は、映像の名手だったのだそう。
だからか。いろいろ駆使してるのは、わかる。
囲碁のシーンは引いたところから、ローアングルだったり、
いきなり目のアップだったり、と、
くるくる変わることで、臨場感というか、
心理的な緊張感が伝わっていいと思った。

けど、どこの場面だったか忘れたけど、
寒川と静子を望遠レンズですごく近くにして、
重なるように見せておきながら、
いきなり標準レンズの画角に切り替わったところがあって、
ここでもまた、ワタシは、はたと我にかえっちゃったのよ。
望遠で、ここまで寄って、これだけピントを合わすには、
光量もそれなりに必要になってくるし、
よほどじゃなければやらなくてもいいと思うんだけど、
この時代の撮り方なのかな。
他の監督の作品とかでも、結構見る。
ワタシにはその良さがわからない。
なんか鼻について、あまり好きじゃない。
ま、それはいいけど、
違和感のある画角の切り替えはどうかと思う。
細かいことで申し訳ないけど、こういうことで、
ぽんと現実に戻されちゃうのよ。
ワタシは乱歩の世界に浸りたくて観てるんだから。

とにかく、ワタシにはあと一歩って感じだった。
全体的な雰囲気と余計なことをしてないところは、
好きだっただけに、なんだかもったいないなって、思う。

2010-06-25

男性・女性

1966年
フランス/スウェーデン
監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ピエール・レオ/シャンタル・ゴヤ/マルレーヌ・ジョベール/ブリジット・バルドー/アントワーヌ・ブルセイユ

16Apr.'10 早稲田松竹
★★★★★

相変わらずゴダール、って感じ。
映像とピストルの音、
謎めいた標語のような意味ありげな言葉は、
やっぱりゴダール。

ジャン=ピエール・レオも、
無表情で飄々としてて、でも憎めなくて、
相変わらずな感じ。

シャンタル・ゴヤがかわいらしくて、
スッピンで普通の素朴な女の子のイメージのせいか、
いつものゴダール作品よりすんなり入り込めた。

フランスの若者はなんかお洒落だよなぁ。
フレンチポップも心地いい。
ところどころに政治的メッセージがちりばめられていて、
ぴりっと締めている。スパイスになってる。
若者を描いているけど、
ただかわいいだけ、楽しいだけの映画じゃない。
それも、やっぱりゴダール。

60年代の映画なんだよね〜
全然古くないよなぁ。
(2010.4.21)

2010-06-23

夜

1961年 
イタリア
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ/ジャンヌ・モロー/モニカ・ヴィッティ/ベルンハルト・ヴィッキ

29Aug.'09 DVD
★★★★☆

ジャンヌ・モローは迫力があるなぁ。
この存在感で黙り込まれたら、ちょっと辛いかも。

マストロヤンニはかっこいい。
イタリア男だねぇ。スーツが似合う。

どうしようもなく満たされないこともある。
ひとりでふらふらしたいときもある。
夜の闇に隠れていたリディアの気持ちが、
明るくなってみえてくる。

ホントにジョバンニのこと、愛してないのかな。
トマーゾの方がよかったなんて、
亡くなって動揺してるだけじゃないの。
もしトマーゾを選んでいたとしても、
何もかもに満足して不安がないなんてことはありえない。
ジョバンニに難癖をつけてるようにしかみえない。
ジョバンニはいつもリディアを気遣っていたと思う。
リディアへの言葉に嘘はないと思う。
数時間前にヴァレンティーナを口説いていたとしても。

リディアの気持ちはもう変わらないのかな。
夜の魔物に、毒気に煽られただけだよ。
朝になってしまったら、もうどんな魔法もきかないの?
いくら濃厚なキスをしても、
リディアの頑なココロを溶かすことはできないのかな。

徹夜明けの朝に別れ話はよくない。
ろくな話にならない。さっさと帰って寝た方がいい。
一夜限りの夢ということで、
起きたら笑い話になってればいいのに。
 (2009.8.30)

ふたりの5つの分かれ路

2004年 
フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:ウ゛ァレリア・ブルーニ・テデスキ/ステファン・フレイス/ジェラルディン・ペラス/フランソワーズ・ファビアン/マイケル・ロンズデイル/アントワーヌ・シャピー

23Aug.'09 DVD
★★★★★

 離婚調停にサインをするマリオンとジル。
どうすれば、良かったのか。 何がいけなかったのか。
必死で記憶を辿っても、どんなに思い巡らしても、
答えはみつからない。 そもそも正解なんてないから。

「勝ち負けじゃない。終わっただけ」
そう。 勝ち負けじゃない。
正しいか間違ってるかでもない。

マリオンはずっと満たされていなかった。
男と女のちぐはぐさ、行き違い、すれ違いは、
あまりに微妙でうまく伝えられない。
みえない溝があることに気づきながらも、
ジルには、その溝が何なのかも埋める術もわからない。

「終わっ ただけ」というマリオンに、
「やり直せないか」というジル。

この二言が、すごく男と女を表してる。
怖いほど、リアルだ。
(2009.8.26)

パリ、恋人たちの2日間

2007年 
フランス・ドイツ
監督・脚本・編集・音楽・出演:ジュリー・デルピー
出演:アダム・ゴールドウィン/ダニエル・ブリュール/マリー・ピレ/アルベール・デルピー

28May.'08 恵比寿ガーデンシネマにて
★★★★★

とても2日間の出来事とは思えないぐらい、
慌ただしくて大忙しで、ひっきりなしにしゃべってるし、
目まぐるしいけど、でもでも、とにかくおかしくて、
笑っちゃう。

アメリカ人とフランス人のカップル。
それぞれのアイデンティティをもちながらも、
それでもジャックはジャックだからこうであり、
マリオンもマリオンだからこうなっちゃうって、
そんな感じが最後にはした。
アメリカ人がパリにきてどうなるかとか、 何を思うかとか、
そういう広がりはあったので、 その視点でもおもしろかった。

ジュリー・デルピー、インタビューを読んでたら、
とてもパワフルで頼もしい。
でも映画の中では、すごくかわいらしかったな。

ま、男と女のあいだに起こることなんて、
イラク戦争や鳥インフルエンザに比べたら、
たいしたことじゃない。
 うん、ま、そりゃそうだな。
(2008.6.3)

地上5センチの恋心

2007年 
フランス・ベルギー
監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:カトリーヌ・フロ/アルベール・デュポンテル/ファブリス・ミュルジア/ジャック・ウェベール/アラン・ドゥテー

11Apr.'08 シネスイッチ銀座にて
★★★★★

どこにでもいそうな普通のオバサンのオデット。
10年前に夫を亡くし、美容師のゲイの息子と、
無職でどこか世の中に冷めている娘の3人暮らし。
親ならそういう状況に追いつめられたり
悩んだりしそうなのだが、至って前向きで楽天的。
ラブロマンス作家のバルサンが大好きで、
本を読んでは夢心地になり、
サイン会に行くといってははしゃいでいる。

突然ミュージカル形式になってオデットが歌って踊り出す。
でも彼女のココロの明るさからすると、違和感がない。
楽しいんだもん、いいじゃないって感じ。

かといって、
恋愛に突っ走ったりするような青臭いところはなく、
ちゃんと地に足の着いた考えももってたりするから、
さすがだ。だてにオバサンをやってない。
で、そういうのが物語になるっていうところが面白かった。

幸せって何だろうなんて妙に考えちゃった。
その答えがみつかるかもしれない気がした。
 (2008.4.17)

親密すぎるうちあけ話

2004年 
フランス
監督:パトリス・ルコント
出演:サンドリーヌ・ボネール/ファブリス・ルキーニ/ミシェル・デュショソワ/アンヌ・ブロシェ/ジルベール・メルキ/ローラン・ガムロン/ヘレン・サルジェール/アーバイン ・キャンセリエ/イザベル・プチ・ジャック/ヴェロニック・カポイアン/ブノワ・ベートル

07Aug.'09 DVD
★★★★★

ワタシはこういう映画に弱い。

アンナは精神科のカウンセリングを受けるはずが、
部屋を間違えて税理士ウィリアムの事務所へ入ってしまった。
夫婦の問題を相談しようと話をする。
ウィリアムも変だと思いながら、聞いてしまう。
そして次の予約をする。

話をしたいアンナと、話を聞きたいウィリアム。
ウィリアムはただただ、アンナの話を聞いている。
ウィリアムの耳は「理想の耳」
アンナはただただ、
話を聞いてほしかったのだ。

アンナの話は、来る度ごとに赤裸裸度が増す。
その度にウィリアムは眉間と額に皺が寄り、
目がまん丸になっている。
普段ネクタイをを締めて、数字ばかりを追いかけていて、
感情を表に出すようなことは決してない。
でもアンナの話にウィリアムが不器用にドギマギしてる様子が、
なんとも可笑しくて、愛おしくなる。
いい年をしたおじさんのウィリアムが、
いきなり踊りだしたりするから、もう、たまんない!
身のこなしに切れがあって、驚いた。
ウィリアムはアンナの話に夢中だったけど、
ワタシはウィリアムおじさんに釘付けだった(笑)

映画は税理士事務所での二人の会話がほとんどを占めていた。
しかも会話だけで、握手するぐらいしか触れることもない。
な のに、エロティックだし、大人の恋っていうか、
とても穏やかで、深いものを感じた。
会話だけで、そこからイメージがどんどん 膨らんでいく。
直接的なことは何一つしていなくても、
イメージは脹らませることができる。

最後の書斎の俯瞰の映像。
しっとりと落ち着いた、いい部屋だなと思った。

ワタシのルコント一番は『髪結いの亭主』で、
それにはこの映画もワタシの中では及ばなかったけど、
ウィリアムおじさんがワタシを楽しませてくれたから、
★は、おまけ。
(2009.8.7)

恋人たちの失われた革命

2005年 
フランス
監督・脚本:フィリップ・ガレル 
共同脚本:アルレット・ラングマン/マルク・ショロデンコ
出演:ルイ・ガレル/クロティルド・エスム/エリック・ルリヤ/ジュリアン・リュカ/ニコラ・ブリデ

30Jan.'07 東京都写真美術館にて
★★★★★

ハイキーな自然光の映像の一瞬一瞬が、
一枚一枚の写真を観ているかのよう。
どこで切り取っても説得力のある絵がずっと続く。

ストーリーは何も予備知識を入れずに観たので、
歴史的背景はよくわからずじまいだった。
が、映画はその時の出会い、それも良しと思わせる、
五月革命がわかる人にはそれなりに、
わからなくてもちゃんと楽しませてくれる映画の余裕を感じた。

全てが絶妙なところで成り立っている。
特に、微妙なタイミングできわどい感じの音楽。
そのどこか不安定さが、 フランソワの若さというか、
どうしようもないそわそわしたものを駆り立てている。
この若者の詩的な恋物語。
それがどこまでもやるせなく危ういのである。

フランソワ演じる、ルイ・ガレルが息を呑むほど美しい。
(2007.2.1)

2010-06-22

秘密の子供

1982年 
フランス
監督:フィリップ・ガレル
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー/アンリ・ド・モブラン/シュワン・リンデンマウアー/セシル・ル・バイイ

05Aug.'09 DVD
★★★★★

ありえないところで、
なんとか均衡を保っているやじろべえみたいな二人。
いつか落っこちちゃうんじゃないかと、
はらはらしながら、どっぷり映画に浸かって観ていた。

モノクロの映像の美しさはため息もの。
台詞もなく動かない映像がいつまでも続くので、
それでまた、息が詰まってくる。
いつの間にか意識を失ってることも、、、
(眠くなります。。。何度、巻き戻したことか)
で、これまた微妙なバランスで音楽が流れたりする。
すっかり酔わされてしまった。

フィリップ・ガレルとニコとの私生活を、
別れてからその記憶を紡いでできた作品。
お互いに愛を探り合っているのが、切ない。痛々しい。

アンヌ・ヴィアゼムスキーがすごく魅力的だった。
(2009.8.12)

夜顔

2006年 
ポルトガル/フランス
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
出演:ミシェル・ピコリ/ビュル・オジエ/リカルド・トレバ/レオノール・バルダック/ジュリア・ブイゼル

23Jun.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

2本立てで『昼顔』と一緒に観たのだが、
もしかしたら続編としてよりも、
独立したものとして観た方が
面白かったのかもしれないと思った。

不思議な映画だった。
オーケストラのシーンが10分も続く。
パリの俯瞰の風景。彫像や建物の重厚な映像。
カットが異常に少ない。
このフレーミングがどれだけ続くんだろうと、
物語よりそっちが気になった。
やっとセヴリーヌとの食事のシーンになったのに、
台詞が気が遠くなるほど少ない。
その表情だけの演技がいつまで続くんだろうと、
またまたそんなことが気になってしまった。
で、にわとり???は、さすがに意味不明。

ミッシェル・ピコリの眼差しが
『昼顔』のそれとだぶってしまって、
やっぱり艶っぽかった。
アンリはこの再会をずっと待っていた、、、
セヴリーヌを思う、
秘めたるものを胸の奥に隠していたような眼差し。
出会ったことで、バーでは饒舌に昔の秘密を語る。
老人の穏やかに過去を辿るささやかな愉しみだ。
セブリーヌに何を贈ったのだろう。
謎は深まるばかりだけど、
わからなくていいような気がする。
これからのセヴリーヌとアンリの秘密なのだから。

その過去から38年もたったある1ページの物語。
その1ページは、移りゆく日々の中の1ページで、
ただこの日に出会ったというだけのこと。
とはいえ、その1ページがすごく丁寧で
思いのこもった70分になったということなのだけど。

百歳にならんとする巨匠オリヴェイラ監督。
その視線にただならぬ深いものを感じた。
 (2008.7.01)

昼顔

1967年 
フランス
監督:ルイス・ブニュエル 
原作:ジョゼフ・ケッセル
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジャン・ソレル/ミシェル・ピッコリ

23Jun.'08 早稲田松竹にて
★★★★★

淑女である現実と卑猥な妄想が交錯する。
セヴリーヌはついに妄想だけでは耐えられなくなり、
売春宿を訪ねる。
人妻である夜の顔と娼婦の昼の顔を使い分ける日々。
本来の自分をみつめ確認することで、
生き生きとしますます美しくなる。
皮肉なことに夫婦の関係も華やいで明るくなる。
そうこうして、どちらの顔が本当なのかわからなくなる。
どちらも現実になっていく。
現実が妄想になり、妄想が正気になっていく。
身も心も充実した生活を送っていたのだが、
でもそれはあまりに脆く危うく、、、
その満ち足りた日々は長くは続かなかった。

カトリーヌ・ドヌーヴはやはり美しかった。
当時は文句なしの正統派美人だったんだろうな。
'60年代のファッションがまたかわいくて、
すごくドヌーヴに似合っていて、
それを見てるだけでも楽しい。
ミシェル・ピコリが
ちょっと怪しさを醸し出す役どころなのだが、
妙な艶っぽさがあった。
彼の眼差しが何もかもお見通しという余裕を
感じさせるからなのかもしれないが。
(2008.7.01)

2010-06-21

恋人のいる時間

 1964年 
フランス
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:マーシャ・メリル/ベルナール・ノエル/フィリップ・ルロワ/ロジェ・レーナール

09Aug.'08 新文芸座にて
★★★★★

モノクロの写真集の1ページ1ページを、
丁寧にめくっていくような感覚だった。

シャルロットはピエールと結婚しているが、
劇団員のロベールと不倫をしている。
妊娠3ヶ月だが、どちらの子どもかわからず悩んでいる。
だが、特に修羅場があるわけでもなく、
悩みが解決するわけでもない。
不倫の事実と妊娠の現実があるのみ。
淡々とその状況のシャルロットが描かれているだけ。
受け取り方によっては、
最後の最後に区切りがついたようにも見えたけど、、、
どうなんだろう?

マーシャ・メリルの切れ長の目にドギマギしちゃった。
子どものようにすり寄ってくるかと思えば、
するりと大人びて現実に戻ろうとするシャルロット。
まるで猫のようだ。
愛人との密会なのに、指輪は外していない。
手の描写が多かったので気になって仕方がなかった。
下着は色っぽさからはほど遠い、白いパンツと白いブラ。
でもワタシには新鮮で、なんかそそるものがあったけど。

カラダの部位をひとつひとつアップで、
写真のように見せていく手法。
ネガの反転を使う手法。
雑誌の切り抜きだったり、文字のレタリングだったり。
いろんな実験があっておもしろかった。
それがいやらしくなく、かっこいいからなぁ。
脱帽。
 (2008.9.22)

2010-06-20

軽蔑

 1963年 
フランス
監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ブリジッド・バルドー/ジャック・バランス/フリッツ・ラング/ミシェル・ピコリ/ジョルジア・モル

17Jul.'09 DVD

★★★★★

男と女の永遠のテーマというか、究極の謎というか。

端で見てる分には手に取るようにわかるんだけどねぇ。
どうひいき目に見たって、
ポールのやってることはまるで逆効果なんだよね。
だからって、カミーユも依怙地になりすぎだってば。
ワタシも女だし、彼女が何にふてくされてるのかは、わかる。
「まったく、オトコってやつは、、、」って思う、ホントに。
でも、少しは折れてあげなきゃ、ポールが可哀想だよ。
訳わかんなくて空回りしちゃってるんだから。

アパートの赤いソファの部屋なら、
修復できるチャンスもあったのに。
カプリ島での青いソファの部屋では、
もうどうしようもなくなってた。
平行線どころかそっぽ向いてるから、
どんどん離れていっちゃう。
そう、他人のことだとよくわかるのよ。
でもなぜか自分のことになると、ダメだよねぇ。

ラングのホメロスの話に納得。
太古の昔から男と女って、愛だの何だの言っては、
すれ違って、もどかしくて、軽蔑して、の繰り返し。
ずっと繰り返されていた音楽のけだるさが、
まさに愛と軽蔑をいつまでも繰り返しているような
感覚にさせていた。

ブリジット・バルドーはお人形みたいだ。
男と女のものすごく人間臭い部分を突きつけながらも、
完璧な肢体はこのゴダールの映像の中では、
女神と化していた。
ふてくされてても美しく、
でもちょっと笑った顔は、なんともかわいかった。
 (2009.7.18)

女は女である

1961年 
フランス・イタリア
監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ポール・ベルモンド/ジャン・クロード・ブリアリ/アンナ・カリーナ

09Aug.'08 新文芸座にて
★★★★★

しあわせが溢れてる!
溢れてすぎて、こぼれちゃって、どうしようもなくて、
だから、笑うしかない。
そんな映画。

この映画が撮られた時、ゴダールとアンナ・カリーナが、
一番いい関係だったとのこと。
happyが満ち満ちてるもの。ナルホド、納得。
なんか、ふわふわ、わくわく、どきどき、してる。
ほっぺが弛みっぱなしで、ずっと笑ってる。

ファッションはもちろんインテリアやキッチンの小物や下着、
たてものや街の風景まで、画面に映るすべてのものが、
かわいくて、お洒落。

やっぱりカラダ中が綻んでくる。
女は女であるもの。
恋をしたい、happyになりたい女子はぜひ。
(2008.9.21)

家庭

1970年 
フランス・イタリア
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン・ピエール・レオ/クロード・ジャド/ダニエル・チェカルディ /マツモトヒロコ

12Apr.'09 新文芸座にて
★★★★★

やっぱりアントワーヌは、とことんアントワーヌだ。

夫としても父親としてもささやかながら幸せにやってたのに。
視界に強烈なものがあると、
磁石のように引き寄せられちゃう癖は相変わらずだ。
フランス人のアントワーヌにしたら、
着物姿のキョーコさんはそりゃ刺激的だったでしょう。
別れる引鉄は確かにキョーコさんでしょうが、
クリスティーヌとの行き違いが
少しずつ見え出していたからなぁ。
でも最終的に何が一番大切なのか、
アントワーヌはわかってたと思うんだけど、
でもうまくいかないなぁ。

隣の部屋の夫婦が乗り越えてきた道を、
アントワーヌとクリスティーヌも乗り越えなくちゃならない、
そんな暗示めいた最後のシーンはちょっと感慨深かった。

やっぱり、ところどころくすって笑えるところ、
そして映画の雰囲気とアントワーヌの憎めない言動が、
別れ話もそんなに深刻にならずすましている。
そんなに不幸にならずに救われている。
さすがだ。
(2009.5.17)

マレーナ

2000年 
イタリア・アメリカ
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:モニカ・ベルッチ/ジュゼッペ・スルファーロ

24Jan.'08 ギンレイホールにて
★★★★★

少年の甘酸っぱい恋がとてもかわいらしくて、
ほのぼのとした感じがよかった。
とはいえ、戦時中のはなし。
マレーナの生き様は並大抵のものじゃないのだが。

最後にたった一言だけで、
まわりの女たちを黙らせたのは、 なかなか圧巻。

モニカ・ベルッチはもう女のワタシも惚れ惚れするぐらい、
綺麗だった。
スタイルや顔の輪郭はもちろん、
その眼差しがというか、その凛とした姿勢がというか、
その艶やかさには完全にやられてしまった。
 (2008.1.29)