2004年
フランス
監督:パトリス・ルコント
出演:サンドリーヌ・ボネール/ファブリス・ルキーニ/ミシェル・デュショソワ/アンヌ・ブロシェ/ジルベール・メルキ/ローラン・ガムロン/ヘレン・サルジェール/アーバイン ・キャンセリエ/イザベル・プチ・ジャック/ヴェロニック・カポイアン/ブノワ・ベートル
07Aug.'09 DVD
★★★★★
ワタシはこういう映画に弱い。
アンナは精神科のカウンセリングを受けるはずが、
部屋を間違えて税理士ウィリアムの事務所へ入ってしまった。
夫婦の問題を相談しようと話をする。
ウィリアムも変だと思いながら、聞いてしまう。
そして次の予約をする。
話をしたいアンナと、話を聞きたいウィリアム。
ウィリアムはただただ、アンナの話を聞いている。
ウィリアムの耳は「理想の耳」
アンナはただただ、
話を聞いてほしかったのだ。
アンナの話は、来る度ごとに赤裸裸度が増す。
その度にウィリアムは眉間と額に皺が寄り、
目がまん丸になっている。
普段ネクタイをを締めて、数字ばかりを追いかけていて、
感情を表に出すようなことは決してない。
でもアンナの話にウィリアムが不器用にドギマギしてる様子が、
なんとも可笑しくて、愛おしくなる。
いい年をしたおじさんのウィリアムが、
いきなり踊りだしたりするから、もう、たまんない!
身のこなしに切れがあって、驚いた。
ウィリアムはアンナの話に夢中だったけど、
ワタシはウィリアムおじさんに釘付けだった(笑)
映画は税理士事務所での二人の会話がほとんどを占めていた。
しかも会話だけで、握手するぐらいしか触れることもない。
な のに、エロティックだし、大人の恋っていうか、
とても穏やかで、深いものを感じた。
会話だけで、そこからイメージがどんどん 膨らんでいく。
直接的なことは何一つしていなくても、
イメージは脹らませることができる。
最後の書斎の俯瞰の映像。
しっとりと落ち着いた、いい部屋だなと思った。
ワタシのルコント一番は『髪結いの亭主』で、
それにはこの映画もワタシの中では及ばなかったけど、
ウィリアムおじさんがワタシを楽しませてくれたから、
★は、おまけ。
(2009.8.7)
途中でギブアップ。
10年前に完全ノーカット版が上映された時は、
最後まで観るも、意味が分からず、理解できず。
しかしながら、40代の今なら、
吉蔵と定の愚かさや哀れさをも受け入れながら、
この上なく美しい映画だと真に思う。
藤竜也、若いなぁ。
精悍な躯がきれいだなぁと眺めてた。
松田英子の一途な感じに、すごく好感がもてた。
阿部定はいろんな女優がやっているけど、
ワタシには松田英子の阿部定しか、
もはやあり得なくなっている。
戦時中にありながら、
性の快楽に明け暮れている二人。
わざわざ出征のシーンを入れて、
世の中がそんな状況でも、
二人はその欲望に溺れていて、二人をとことん貶めている。
それでもなお、溺れながらも、お互いを思う愛を感じさせる。
結局、究極の結末となるけど、
吉蔵もその瞬間は絶頂だっただろうし、
定もその後の人生にどんな試練があろうとも、
それ以上の幸福感に満ちあふれていただろう。
そして、
108分うちのほとんどが性交渉なのにも関わらず、
不快にならないのは、二人の愛情が、
何の飾り気もなくむき出しのまま、
描かれているからだろう。