2010-06-02

ツィゴイネルワイゼン

1980年 
日本
監督:鈴木清順
出演:原田芳雄/大谷直子/大楠道代/藤田敏八/真喜志きさ子/麿赤児/木村有希/玉寄長政

09Jun.'09 DVD
★★★★★

「骨をしゃぶるみたいな抱き方だもの」
この台詞にノックアウト。
悪い酒に酔っぱらっているみたいに火照っちゃった。

中砂はこの平成の時代なら、
間違いなく身勝手で我が儘なだめんずでしょ。
小汚いし無粋だし、、、
なのになぜこうも
色気があるんだろう。
女も男も周りのものは
みんな惹き寄せられ、
翻弄されてしまう。
そしてそれぞれのいろんな
感情があちこちで渦巻いている。
渦は行き場がどこにもなくいつまでも巻き続けるしかない。
中砂は死んでさえも、
青地や小稲や周子のココロを掴んだまま離さない。
周子さん、ほとんどの場面で何か食べていた。
食べるという行為は裸になるのと同じぐらい素になることだと、
誰かが言ってたっけ。
水蜜桃の甘ったるい匂いに、これまた酔いそうになった。

酔わされて逆上せたアタマではもう、
生きていようが死んでいようが、現世だろうが来世だろうが、
そんなことはたいしたことじゃないといわんばかりに、
この映画の世界にまんまと引きずり込まれていた。

青地がまともであればあるほど、紳士然とした姿が切なくて、
その抑圧された顔に中込とは正反対の極地の艶っぽさを感じた。
 (2009.6.11)

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