2010-06-06

フルメタル・ジャケット

1987年 
アメリカ
監督:スタンリー・キューブリック
出演:マシュー・モディン/アダム・ボールドウィン/ヴィンセント・ドノフリオ/R・リー・アーメイ/ドリアン・ヘアウッド/ケウ゛ィン・メジャー・ハワード/アーリス・ハワード

15Aug.'09 DVD
★★★★★

無性にキューブリックの映画が観たくなった。
この映画、通してきちんと観たことがなかったかも。 
こんなに有名な作品なのに。

汚い言葉がマシンガンのように炸裂して、
たまに字幕に追いつかなくなる。
ハートマン軍曹、しゃべるのが早すぎるよ。
よくもまぁ、こんなに下ネタ言葉があったもんだ。
この訓練シーンにどれだけのリアリティがあるのかは、
わからないけど、兵士を英雄に仕立て上げて、
きれいごとを並べられるより、ずっとましだ。

ここで描かれているのは「狂気の沙汰」
訓練の間に狂っていくもの、、、と、
ベトナムに赴いて、戦地で狂っていくもの。

主人公のジョーカーは、
戦争映画にありがちな屈強な男ではなく、
どちらかと言えばやさ男風で、インテリで、
でも、どこか余裕があるというか、涼しげな顔をしている。
キャラクターとしてはあまり目立たなくて、
実際ハートマンとかデブのレナードの方が強烈な印象がある。
でも張りつめた緊張感の中でジョーカーの眼鏡がみつかると、
ちょっとほっとしたりして、、、 
でもそんなジョーカーも戦地で、実戦で、
だんだん目つきが変わっていた。
「1000ミリ望遠の目つき」になり、
「あの世まで見通せる目」になっていった。

最後のミッキーマウスの歌は、鳥肌ものだった。
ねずみだもん。
ベトコンもアメリカ兵も、
どぶねずみなんだよ、所詮。
明るく歌えば歌うほど、最上級の皮肉になる。

描かれている内容は狂気でも、観ていてなんか落ち着く。
カメラが見ている位置か、角度か、レンズの画角か、 が、
安定しているからかな。
取り立てて変わったことは何もしていないと思うけど、
キューブリックならではの視線があるような気がする。
それがすごく楽に映画を観させてくれる。
そして、適材適所の音楽。
およそ戦争映画じゃ使わないような明るい曲だったり、
ミッキーマウスもそうだけど、とにかく絶妙なのだ。
エンドロールの『黒くぬれ』にもはっとした。
ベトコンの女の子のシーンからこの『黒くぬれ』への流れが、
すごく巧いと思う。
久々に、観終わった時の満足度が高かった。
 (2009.8.16)

0 件のコメント:

コメントを投稿