2010-06-22

シェルブールの雨傘

1964年 
フランス
監督:ジャック・ドゥミー 
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ニーノ・カステルヌオーボ/マルク・ミシェル/アンヌ・ヴェルノン/ミレーユ・ペレー/アンドレ・フォルフ

26Jul.'09 DVD
★★★★★

オープニングの石畳を行き交う傘や人や自転車、
そこに打ち付ける雨を真俯瞰で見ている映像に、
まずは惹き込まれる。
いつ観ても、ここからすでに釘付けになる。
いろんな色の傘が上から、下から、右、左、斜め、並んで、
あっちにいったりこっちにきたりする。
雨なのに、雨だから、わくわくする反面、
でも、あの音楽にちょっと切なくなりながら、物語が始まる。

ストーリーはよくある恋のおはなし。
うまくいかない恋のおはなし。
まあ、人生はいろいろってことかな。

『ロシュフォールの恋人たち』が明るくどこまでも突き抜けて、
晴れて乾いているのに対して、
『シェル〜』は雨傘、、、雨だけに、湿っぽい。
じめじめはしてないけど、
ある種の湿度は残している感じがする。

あまり楽しくないストーリーでありながら暗くならないのは、
あらゆる場面での絶妙なバランスの色使いのせいだろう。
例えばギイの伯母さんのベッド周りの色が、
緑の壁に赤いカーテンである。
普通具合の悪い人のベッドなら、
もっと落ち着いた色にすると思う。
なのにかなり濃い鮮やかな色が組み合わされている。
意外にもしっくりなじんでいるから不思議なんだけど、
おかげで必要以上に悲痛にならなくてすんでいる気がする。

出てくる部屋ごとにドアや壁や窓の桟や家具が、
うまく配色されていて、
そこに人の服の色が飛び込んできても、
ぴったりあうように計算し尽くされている。
すごい、すごい。お見事としかいいようがない。
だから何度観ても、飽きないのだと思う。

もっといえば、あまり色がない駅舎の風景でさえ、
どこか鮮やかにみえてくる、、、 完全に視覚を操られてる。
やっぱり、すごい。

いいつくされていることだけど、
ドゥミ、ルグラン、ドヌーヴの、それぞれのいいものが、
それぞれを高め合ったところで、しかもすごくいい形で、
混ざり合ったのだと思う。
あらためて、そう思う。
(2009.7.28)

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