2010-06-02

盲獣

1969年 
日本
監督:増村保造 脚本:白坂依志夫 原作:江戸川乱歩
出演:船越英二/緑魔子/千石規子

27Jun.'08 ラピュタ阿佐ヶ谷にて
★★★★★

この映画、登場人物が3人しかいない。
前半の3人の成り行きは面白かった。
最初は被害者でしかなかったアキ緑魔子が段々形勢を変えて、
道夫の母親千石規子に揺さぶりをかけ、
母親にべったりだった道夫船越英二はアキになびいていく。
三人三様の心理が交錯して縺れあうところは、
なかなか見応えがあった。

触覚芸術ってものが存在しない理由がよくわかった。
いちいちこんなことになってたら、何も残せない。
彫刻は残ったとしても、
真の意味の触覚はこの二人だけしか知らないこと。
他の誰かに伝えることは不可能だと思う。
なんて冷静でいられるような、心情じゃなかったんだけど。
そりゃ、もう怖くて、最後は観ちゃいられないし。。。

それにしても乱歩らしい話だよなぁ。
期待は裏切らないけど、、、やっぱり怖かった。
それに役者が3人とも凄まじかった。
原作は登場人物がもっといたようだが、
この映画は3人でよかったのだと思う。
主な場所は、
美術館とアキの部屋とアトリエのある倉庫の3カ所だけ。
3人のキャストと3カ所のセットで、
こんなに怖い怪奇映画ができるってことが、すばらしいと思う。

この映画を観た後にふらっと入ったカフェにあった、
茨木のり子の『歳月』という詩集をぺらぺらめくっていたら、
「その時」の冒頭の2行に釘付けになった。  

セクスには  
死の匂いがある
 
エロスと死の匂い、、、
映画の余韻のせいか、
強烈な匂いがしたような気がした。
(2008.7.04)

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